飛ばされた世界はローゼンメイデンオーベルテューレ、真紅・水銀燈のミーディアムサラであった。
水銀燈がやさぐれる原因となった蒼星石解析フラグを全力でへし折り純粋水銀燈を守る戦いが今始まる(1話完結予定)
警告⚠️
サラの性格原作から大きく解離しているため、原作サラのファンには動悸・吐き気・眩暈を催す内容になっている可能性があるためブラウザバックをお勧めします
転生したらオーベルテューレのサラになっていたので全力で水銀燈のやさぐれフラグをへし折ってみた
この日現実世界での自分の一生は呆気なく終わりを迎える。
死因は交通事故だ。就寝中の自宅にコンバインが突っ込んできたことによる接触事故である。笑おうにも笑えない嘘のような死に最後を迎え、25年という短すぎる人生に幕を閉じるはずだった。
しかし・・・第2の人生が意外な形で訪れた。そう、俗に言う異世界転生というやつである。目が覚めたとき、回りの風景は日本のそれとは全てが違っていた。
ここがどこか思案していると不意に声を掛けられる。
「どうしたの、さら。こんな時間まで起きてるなんて珍しいのだわ」
「・・・!!」
一瞬目を見張ってしまった。そこにいたのは紛れもないローゼンメイデン第5ドール真紅であった。
先程の真紅の発言から察するに、転生先はローゼンメイデンオーベルテューレ、そしてこの時代のミーディアムであるサラに間違いないだろう。しかし、念のために鏡で己の容姿を確かめてみる。
「やっぱりな」
「サラ?口調が変なのだわ。なにか変なものでも食べたのかしら。」
なんたる光栄、なんたる幸運。
転生した世界がローゼンメイデンオーベルテューレとは!!
しかし、ここで一つ疑問が生じる。
この疑問の結果有無では、今後の展開が大きく変わってくるため早速真紅に質問をぶつけてみる。
「ごめんなさい真紅。ちょっと怖い夢を見て気が動転していたの。」
「そうだったの、怖い夢で驚くなんてまだまだお子様なのだわ」
「ひどいわ。それより真紅、水銀燈って知ってる?」
「水銀燈?聞いたことのない名前なのだわ」
「んほ~~!!」
「サラ!本当にどうしちゃったのだわ」
正にこれは、勝ち確状態である。
水銀燈のターニングポイントである蒼星石VS真紅以前であることがこれで確定したのだ。
そうとなったら話は早い。果報は寝て待て、あのイベントが発生するまでは暫くこの状況を楽しもうではないか!!
だがこの時代の真紅はとにかくガードが硬くスキンシップどころか、指一本触れさせてもらえない。
正に貴婦人と言ったところであろうか。
そんなこんなで月日は進み数ヵ月後待ちに待ったイベントが漸く訪れた。
「真紅!その水銀燈はどうしたの!」
「ええ・・まだこの娘の名前言ってないのにどうして解ったのだわ」
「そんなのどうでもいいじゃない。ああ!水銀燈」
「あんまり刺激を与えないで頂戴この娘はとても臆病な娘なのだわ」
その姿・形まさしく正真正銘の水銀燈。
正に今運命の出会いを果たしたのだ
しかし、喜んでばかりも要られない。確か正史では水銀燈はサラをあまりよく思っていなかったはず(少なくとも劇中でこの2人のスキンシップは皆無であった)
あまりに、正史と解離する行動をとってしまっては本末転倒(何を今更という批判はノーセンキュー)先ずはフラグを叩き折ることが先決。水銀燈を構いたい気持ちを押さえ真紅と水銀燈の歩行訓練を静かに見守ることにした。
「そう、そうよ。上手ね水銀燈」
「真紅、ここまで歩けるようになったわ。本当に有り難う」
「ブラボー!!」
「さら!水銀燈を驚かせないでって何度いったら解るのだわ!」
「真紅。あの娘、怖いわ」
日々歩行訓練に励み徐々に上達していく水銀燈。そしてそれを応援する真紅とそっと見守るマスターさら2体と1人の仲睦まじき生活。
「真紅。紅茶を淹れてみたのだけど、どうかしら?」
「とっても美味しいのだわ!」
「あれれー?おかしいぞサラのカップは空っぽだー」
「この水銀燈が作ったクッキーも紅茶にとても会うのだわ」
「水銀燈!さらにもギブミークッキー!!」
「真紅、助けて!」
「サラ、何度いったらわかるのだわ!」
2体と1人の仲睦まじき生活。しかし、それは突然終わりを迎える。
蒼星石襲来イベントがいよいよやって来たのだ。
蒼星石VS真紅決戦前夜。真紅からいよいよあの言葉を受けとるときが来た。
「サラ、お願いがあるのだわ」
「任せて!絶対に水銀燈を蒼星石との決戦の場には行かせないから!」
「・・・まだ何もいってないのだけど」
「言わなくても解るの、全て見てきたからね」
真紅との別れも済ませ、最後の準備に取りかかる。
「これでヨシッと」
水銀燈が入っているトランク一重、二重と厳重な封印も終え準備完了ここまで厳重に紐で結んでおけば決して勝手に出ていくことはあり得ないであろう。
水銀燈には少々酷だが仕方がない今夜、今夜さえ無事終了すれば完全にフラグはへし折られるであろう。そう安心した瞬間ふと意識が遠くなる感覚に襲われた。
この感覚を自分は知っている。
これは異世界に転生したときと同じ感覚だ。恐らくフラグのへし折りに成功し次の世界、恐らくはローゼン第1期の「JUM」に転生し誰1人欠けることのないハッピーエンドの世界線へとばされるはず。
そんな期待を意識が薄れ行く中で考えていた。
どうやら次の世界への転生も成功したのだろう。次第に意識がはっきり戻り回りの景色が鮮明に見えてきた。聴力も回復したらしく回りの音もはっきりと聞こえるようになった。
「おい!何をつっ立ってるんだ。死にたくなかったら走れ、走れ走れ!!」
とんでもない第一声が聞こえてくると同時に、日本では生涯まず聞く筈もないであろう様々な音が鼓膜を揺らす。
それらの正体は拳銃の発射音、戦車の走行、どこかから聞こえる爆撃音等々耳に入る音全てが転生先を日本ではないことを如実に告げていた。
状況から察するに何処かの戦場であることは理解できた。
しかし、ローゼンにこんなシーンはなかった筈。
いや、正確にはひとつだけ思い当たる節はある。
だが、フラグをへし折った今その状況が発生する筈はないと信じていたかった。
「おい!空から薔薇の花びらが降ってきたぞ!」
どこらともなく聞こえてきた声に反応し空を見上げる。
そして、空を覆い尽くさんばかりの花びらを目の当たりにし全てを悟った。
フラグは回収できていなかったのだ。
周りの兵士達が突然の睡魔に誘われ眠り落ちていく。
そして、それは自分自身も例外ではなかった。
まどろむ意識のなかで、私は確かにそれを目撃した。
「水銀燈!!」
「真紅!!」
2体のドールが戦う姿を。
何故だ?確かにフラグは叩き折った筈なのに・・・
なぜ?そこで自分の意識は完全に事切れた
あくまで私の偏見ですが
トロイトメント全滅フラグはオーベルテューレ「ジャンク」発言が無かったら防げたのでは?という持論のもとに、今後の物語を展開していく予定です(といっても恐らく5話程度)
一応の持論根拠(恐らく内容はチラシ裏程度)
上記フラグがなければ、そもそも薔薇水晶のメグをだしにする水銀燈揺さぶり作戦は無意味(恐らく真紅に相談し嘘がばれる)
この時点で薔薇水晶VSその他ドールズ連合の構図が確定的になり勝敗は火を見るより明らか
と想像していますが、はてさてこの考えはいい線いっているのか?いないのか?