ローゼンメイデンアラカルト   作:ぴちかー党

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 勤務4年目にして初めて貰ったボーナスを手にした投稿者
夢にまで見た回転しないお寿司屋さんを水銀燈共に堪能する物語
(メグは出てきません)


水銀燈と初めての◯◯
水銀燈と初めての廻らないお寿司屋さん


 ボーナスその言葉は投稿者にとって最早都市伝説に近いものであった

苦節4年、この状況下でまさかこの言葉を聞いたとき私は我が耳を疑った。

 だがしかし、実際に手渡しでそれを受け取り実感した。そうボーナスは存在したのだ。

 

 突如として降ってきたこの棚から牡丹餅

この好機活かさずにはいられまい!子供の頃から夢見たあの場所へ!

いざ行かん

 

投稿者「ついに来ちゃった。ずっと夢見た桃源郷へ」

水銀燈「たかがお寿司屋さんでオーバーすぎない?」

 

投稿者「何言ってるの!月1の回転寿司だって究極の贅沢な自分が廻らないお寿司屋さんだよ!」

水銀燈「それ経済的に大丈夫?生きていける?」

 

投稿者「大丈夫!ちゃんと最低限の文化的な生活は毎月送れてるから」

水銀燈「それ本当に大丈夫なのかしら」

 

 他愛もない会話をしつつ廻らないお寿司屋さんの暖簾をくぐる

 板前さんの「いらっしゃーせー!!」という気っ風のいい挨拶に迎えられると共に、女将が席に案内してくれる

 

投稿者「すごい靴をはきかえるみたいだよ!本格的」

水銀燈「そんな下らないことで感心しない」

 

投稿者「えーなにこの下駄箱!なんか銭湯のロッカーみたい」

水銀燈「だから!いちいちそんなことで感心しない」

 

 靴をしまい「六」と書かれた鍵代わりの札木をポケットにしまい案内されたカウンタへ

 何気無く客層を伺うと、仕事終わりのサラリーマンに品の良さそうな御婦人と皆いかにもなお客だらけではないか。回転寿司名物「奇声をあげて走り回る糞餓鬼」や「糞でか喋り声の酔っぱらい」といった類いが皆無なのだ。皆最低限のマナーを弁え思い思いの食事をしている。

 

 これがあれか、価格帯ごとの「客層」というやつか

 

投稿者「スーツの人ばかりでヤバイね。私服で来た自分が完全に浮いてる」

水銀燈「そんな細かい事ばかりきにしてるんじゃないわよぉ。あなたの夢見たお寿司屋さんに来たんだから、たっぷり堪能しないと後で後悔するんじゃないの?」

 

投稿者「たしかに。もう一生来られないかもしれないしね」

水銀燈「ええ・・・」

 

 女将からお茶とおしぼりを受け取り、テーブルのメニューに目を落とす

 

投稿者「え?なに時価って・・値段が書いてないネタがあるんだけど」

水銀燈「しらないの?季節によって入荷しにくいネタとかは月ごとに値段が変動するらしいわよ」

 

投稿者「なにそれ・・じゃあ何気無く頼んだネタが1万円とかあるの?やだこわい」

水銀燈「板前さんにその都度値段を聞けばぁ?」

 

投稿者「ん~それはなんかカッコ悪いから、値段がわかるネタだけ頼もう」

水銀燈「ええ・・」

 

 やはり廻らないお寿司屋さん。全体的に高い。何だろうマグロやイカそういった回転寿司ポピュラーなネタでも平気で此方の予想の遥か上をゆく。これは少し甘く見ていた

 ここでふと私は有ることを思い出した

 

水銀燈「いきなり封筒を覗きだしてなにしてるのよぉ。みっともない」

投稿者「いや、いくら入ってるかなぁって・・・すごい!万札が2枚も入ってるよ!!」

水銀燈「それボーナスっていうより寸志ねぇ」

 

 

 まさかの2万円。あの社長なら1000円も予想していたのに。

これに気を良くした私は吹っ切れた。値段をきにせず(時価以外の)ネタを頼みまくった

 

投稿者「すいませーん。マグロとタイ、それにエンガワ!!あ、あとずけまぐろ」

板さん「あいよ!全部一貫かい?」

投稿者「うん?」

 

 ここで私は衝撃の事実を知ってしまった。メニュー表に書かれている値段は全て、なんと一貫の値段だったのだ!! 普段回転寿司しかいかない私にとってまさに青天の霹靂である

 だがここで焦ってはいけない。私は自分にそう言い聞かせ、さぞ「知っていましたがなにか?」という態度で「二貫ずつお願いします」と澄まし顔で答えた

 

投稿者「やっちゃったー。折角だから一貫ずつ頼んで色んなネタ楽しむべきだった!キャンセルできるかな?」

水銀燈「できるわけないでしょ」

投稿者「ですよねー」

 

 過ぎたことを悔やんでも仕方がない。再度次の注文ようにメニューを見ると出てくる出てくる決してチェーンではお目にかかれない珍しいネタ。

 

投稿者「すいません!この鯨のサエズリって何ですか?」

板さん「鯨の舌だよ!!」

 

投稿者「キビナゴ?こんな魚しらなかった・・・おおお!ノドグロ。すごいフグだって」

水銀燈「だから、一々オーバーリアクションよ。傍にいる私が恥ずかしいじゃない」

 

板さん「へいお待ち!」

投稿者「!!ネタがデカイ。それに・・凍ってない!」

水銀燈「恥ずかしいから、口をとじていてもらえるかしら?」

 

 なんということでしょう。某チェーン店の倍ネタ祭の更に上をいく厚切りのネタに1.5倍は有りそうなシャリの大きさ。勿論シャーベットマグロではない。

 職人さんの洗練されたシャリの握り・・は残念ながら我が馬鹿舌では明確な違いは感じられなかったがそれでも満足な圧倒的ボリューム。そしておいしい茶碗蒸し

 

 よくぞ日本にうまれけり。我が生涯に一片の悔いなし。

 握られてくるネタ全てが予想の遥か上の美味しさ。天婦羅も、サイドメニューも、フライドポテトでさえ回転寿司のそれとは全てが別次元であった

 

 最早気分は美味しんぼのトミー副部長状態であった。

 

投稿者「極楽って存在したんだね♪」

水銀燈「もう疲れたわぁ」

板さん「次は何を握りやしょう?」

 

投稿者「いやあお腹一杯です。ごちそう様でした。お会計お願いします」

女将「有り難うございました。こちらになります」

 

幸せの代価は大きかった。まさかボーナスが1食で1/3に成ってしまうとは

しかし、それにも増して充実感も大きかった

 

投稿者「やっぱり高いね。まあ美味しかったからしょうがないけど」

水銀燈「そう。よかったわね」

 

投稿者「また、ボーナスあったら行こうね」

水銀燈「はいはい」

 

投稿者「それにしても」

水銀燈「なによ?」

 

投稿者「あの板前さん一貫握るごとに・・こう手と手をパンと叩いてたけどあれ何だろう?」

水銀燈「さぁ?私がわかるわけないでしょう」

 

投稿者「あれかな?ああやってお寿司錬成する銀シャリの錬金術師だったりして」

水銀燈「つまらない。0点」

 

そんなこんなで大満足の投稿者であった




次があったら「時価」に挑戦したいと思う今日この頃
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