HUGっと!プリキュア ROAD TO MAESTRO   作:シロX

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今回は何気に主人公にも触れて行きます

ではスタート


第34話 自分とは何か?クライアス社のスカウト

とある日

 

ビューティーハリーでTVで、人気上昇中であるツインラブの特集を皆んな揃って観ていた

 

「TVで紹介なんてすご〜い!」

 

「大勢の人に歌を聴いて貰えるなんて嬉しいものですね」

 

「もっと頑張って、色々な人に曲を──」

 

『ツインラブ?そんなに良いですか?』

 

折角気分の良い雰囲気に、水を差すコメントがTVから聴こえた

 

勿論、それを聞いたはな、えみる、ルールーの三人はTVの前で固まってしまった

 

『彼女達の曲はアイドルかロックなのか、な〜んか中途半端ですよね〜』

 

「そんな事ないと思うけど」

 

「うん」

 

「末代まで祟り呪ってやる…!」

 

「「待って待って!?」」

 

拓人が藁人形と釘にハンマーを持って出ようとする所を、さあやとほまれが必死になって止める

 

「わたしの曲は中途半端…」

 

えみるが気にしてる時、扉からパップルが飛び出した

 

「ツインラブに、若宮アンリ密着取材のお仕事よ〜!」

 

 

 

 

 

////////

 

そして密着取材の日

 

「ミライパッド・オープン!」

 

「「お仕事スイッチオン!」」

 

しかしスイッチが入っても、えみるはまだTVでの事を引き摺っておりテンションはダダ下がりだった

 

「めちょっく!このテンションでアナウンサー出来る!?」

 

「笑って〜スマイルよ〜!」

 

パップルも何とか励まそうとするのだがイマイチ効果は薄かった

 

「アイドルはスマイルなのです…!」

 

無理して笑顔を作ろうするえみるに、拓人を一言声を掛ける

 

「えみるちゃん、無理して笑わなくても良いんだよ。そういうのは、見てて辛いから」

 

「……」

 

 

 

結局、取材のアナウンサーはえみる達の代わりにはなとさあやが受け持つ事になった

 

「はな、さあや、ごめんなさい…」

 

「本当はわたし達のお仕事なのに…」

 

「良いんだよ。こういう時は助け合い」

 

「そうそう、それにやってみたかったんだよね。アナウンサーって、知的なわたしにピッタリだと思いませんこと?」

 

「はなちゃんは何でも似合うね。それに、なんでもやってみるチャレンジ精神。俺は好きだよ」

 

「えへへ、ありがとうございます!よ〜し、ノリノリでいっくぞ〜!」

 

 

 

取材は密着という事なので、練習風景も密着して、その後にほまれと共にインタビューを受けていた

 

「今後の目標は何ですか?」

 

「先ずは、フィギュアスケートワールドジュニアカップ。そしてその後も、僕は勝ち続けたい!」

 

 

「勝ち、続ける…」

 

 

「自分を貫く為には、勝ち続けなければならない」

 

アンリのインタビューでの受け答えに、えみるは自分と重ね合わせて益々不安の沼にハマっていく

 

そんな時、パップルが一言掛ける

 

「アンタの気持ちは分かるわ。けどね、人気者になるっていう事はそういう事なのよ」

 

「わたしは、ツインラブとしてもっと歌を届けたい。自分を貫く為に…」

 

えみるは両頬を叩いて気合いを入れ直した

 

「決めたのです!愛崎えみるは強くなるのです!」

 

インタビューの区切りもついた所で、えみるははな達と交代してアナウンサーをする事を決意した

 

「まあこれが大人の世界ってやつよ」

 

「ですね、確かに大人の世界は厳しい。まして、えみるちゃんはまだ小学生。有名になるのは少し早過ぎる様にも思えますが…」

 

えみるとルールーがアナウンサーとしてしてる間、拓人はパップルと話し合っていた

 

「そうかしら?今時の子供なら、子役として売れる子も沢山居るわよ?」

 

「パップルさんは面倒見が良いですね」

 

「アンタの過保護には負けるわ。まあ今は」

 

「そうですね、今は」

 

「「えみる(ちゃん)が心配」」

 

お仕事をするえみるを2人が見守っているが、目に見えて表情が硬く、またも無理して笑顔を作っていた

 

隣に居るルールーも、横目でだが心配の色をしていた

 

 

 

 

 

インタビューも終わり一息ついた所で、アンリは一人になりたいと言って表へ出て行った

 

そして何故だか、えみるはアンリの事を心配してこっそりと跡をつけて行った

 

一方でルールーもルールーで、えみるの事で悩んでいた

 

「ルールーちゃんどうしたの?えみるちゃんみたいにやっぱり気にしてる?」

 

「いえわたしは……わたしは、えみるの様に曲を作れない。才能ある彼女の悩みに寄り添うにはどうすれば……」

 

「えみるちゃんの事は、お兄さんである正人君以上に知っているつもりだよ。でもね、全部が全部知っている訳じゃないんだよ。悩みというのは相談すれば解決する事もある。だけど友達が、親友が側に居るだけ気持ちが吹っ切れて解決する事もあるんだよ」

 

「側に、居る…」

 

 

 

 

 

夕焼けの空の下

 

えみるとアンリは2人だけで話していた

 

それは、アンリがクライアス社へスカウトされた事をえみるが立ち聞きした事で、えみるはそれを必死に断る様説得していた

 

「クライアス社の言葉に耳を傾けてはダメなのです!悩みがあるなら、愛崎えみるに相談するのです!」

 

「じゃあ相談。僕って何者?」

 

「え…?」

 

「色々な噂、カテゴライズ、そこに真実があれば良いのに。全てを超越した存在。でも、声も低くなったし、背もドンドン伸びてる」

 

アンリの悩みは自身の身体に対するコンプレックス

 

しかし、話はこれだけに留まらなかった

 

「きっと拓人も同じだよ」

 

「拓人お兄さんも…?」

 

「僕の知ってる彼は少し前まで、抜け殻の様にしてるって風の噂で聞いたよ。そんな時、君達という存在が現れた。けれどきっと、そんな君達のお陰で拓人は気持ちを落ち着かせれたんだと思う」

 

急に話の話題を拓人へとすり替えた。これに何の意味があるのかえみるには分からなかった

 

「だけどね、拓人にとってそれが重荷になってるの気付いて無いの?」

 

「え、それってどういう…?」

 

「拓人も僕と同じだよ。訪れるその日をやり過ごそうと自分を追い込んでいる。彼は君達のお陰で辛うじて崩れてないだけ。だけどそれが彼を追い込んでいる。特にえみる、君から」

 

これ以上はマズイと思うがアンリの口は止まらない

 

「その期待する瞳、信頼を寄せる感情。そのプレッシャーが逆に彼を苦しませてる。そしていつか、愛想をつかれて君のことを───ッ!!」

 

流石にその先の言葉は口を閉じた。と言うよりは、無理矢理自分の手で閉じさせた

 

「…生きづらい時代だね。皆んな他人の事を気にしてる。一人になれば、何も気にしないで済むのかな?」

 

「わたしは、お兄様を抱きしめてくれたアンリさんにとても感謝しています」

 

「正人?」

 

「皆んなに期待されると、心がぎゅ〜となる事があります。けれどわたしは、誰かと一緒に居たいのです。誰かの為に歌を…『フレフレ!皆んな!フレフレ!わたし!』」

 

暗くなる空に向かってそう大声で叫ぶ

 

「わたしは、はな先輩のこの言葉が大好きなのです!」

 

「皆んな頑張れ、僕も頑張れ、か…」

 

「アンリさんにも教えて貰った事があります。それは、自分を愛することです!」

 

「…僕のじゃなくて自分の悩み解決してない?」

 

「え、あ!?」

 

いつの間か、アンリの悩み相談では無く自分の悩みを自己解決してる事に気付いた

 

「アンリ!えみる!」

 

そこへ、2人を迎えに来たルールーと正人が走って駆け寄る

 

「のわっ!?もうルールービックリしましたよ〜」

 

「表情が柔らかくなりましたね」

 

「わたし、大切な事を忘れてました。ルールーが好きと言ってくれれば、それだけで無敵なのですね」

 

 

 

 

 

////////

 

アンリのアイスショー当日

 

その日は、はなとさあやがアナウンサー、ほまれが解説役を担当とし、残った拓人達は観客席でアンリのショーを見守っていた

 

「綺麗ですね…!」

 

「そうだね。えみるちゃんとの話で何か変われたのかも」

 

拓人が隣に座るえみるに微笑むと、えみるもそれに返して笑ってくれた

 

ショーは順調……とは行かないものだった

 

途中、何かしらのトラブルで音楽が止まってしまったのだ

 

「どないしたんや!?」

 

「音響トラブル…どうするアンリ君」

 

音楽が無い状態でどう続けるか考えたが、答えはすぐ隣にあった

 

えみるがその場に立ち、ギターを弾いて歌い出した。続く様にルールーも寄り添う様にえみると共に音楽を掻き鳴らす

 

それを聴いたアンリも滑り出した

 

「ツインラブとアンリ君のコラボ。会場に良いハーモニーが奏でられている」

 

アンリは、このピンチを瞬く間にチャンスへと変えた。

ショーは先程まで以上に盛り上がりを見せる

 

曲が終わると同時にアンリが最後を決めて終わりかと思われたが、その直後に猛オシマイダーが乱入して来たのだ

 

「猛オシマイダー!」

 

猛オシマイダーはアンリを連れ去って会場の外へ逃げて行った

 

 

 

「「「「「ミライクリスタル!ハートキラっと!」」」」」

 

 

「「「輝く未来を抱きしめて!」」」

 

「みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

 

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

 

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

 

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

 

「キュアマシェリ!」

 

「キュアアムール!」

 

 

「「「「「HUGっとプリキュア!」」」」」

 

 

 

「ハァァ!!」

 

エールが飛ぶ猛オシマイダーを蹴りつけて、体勢を崩させる

 

「アンリ君!」

 

「僕、またこのポジション何だけど…」

 

「意外と余裕そうだね!──ミライクリスタルセット!」

 

拓人はクロノスタクトに、ミライクリスタル・ルージュをセットした

 

「止まれ!」

 

猛オシマイダーの動きが完全に止まり

 

「「やぁぁ!!」」

 

そこへマシェリとアムールの同時攻撃で、猛オシマイダーを地面に叩き付けた

 

「意外と乱暴なんだね……っ!?」

 

猛オシマイダーが地面に叩き付けられた拍子に、アンリが抜け出す事が出来たがそれも束の間。

アンリを取り囲む様に鉄棍が幾つも地面に突き刺さり、逃げ場を無くした

 

「アンリさん!!」

 

「アイツは…リストル!」

 

鉄棍を投げた人物はリストルだった

 

「スカウトの件考えて頂けましたか?我々には時間が無い。君と同じ様にね。返事は?」

 

「……断る。確かに、生きる事が辛い時もある。僕は捻くれてるし、誰かの為に頑張るなんて出来ない。でも、フレフレ!プリキュア !輝く未来を僕達に!」

 

どうやらリストルはアンリをスカウトしようと現れたが、アンリがそれを断り失敗に終わった

 

そして自分達の未来をプリキュア 達皆んなに託した

 

「アムールロックンロール!」

 

アムールの技がリストルを遠ざけ、猛オシマイダーを撹乱させる

 

「マシェリポップン!」

 

マシェリがアンリの周りにある鉄棍を打ち消した

 

「今です!」

 

 

 

「「「「「メモリアルキュアクロック!チアフル!」」」」」

 

「「「「「ミライパッド・オープン!」」」」」

 

「「「「「プリキュア !チアフルスタイル!」」」」」

 

「「「「「メモリアルパワー!フルチャージ!」」」」」

 

「「「「「プリキュア!チアフル・アタック!」」」」」

 

 

「モウヤメサセテモライマ〜ス」

 

 

 

 

 

////////

 

ショーも全て最後まで無事終わり、夕焼けの空の下での帰り道

 

「わたし分かりました。わたしはわたしの未来を信じ、愛するのです!」

 

「うんうん、アイドルでもロックでも無い。それがツインラブでしょ!」

 

「ツインラブの音楽で、世界を目指すのです!ルールー!」

 

えみるはルールーの手を握り笑顔でこう言った

 

「いつまでも一緒ですよ!」

 

「はい!ずっとえみるの側に居ます!」

 

「良かったねえみるちゃん!」

 

「はい!拓人お兄さんも──」

 

 

『──だけどそれが彼を追い込んでいる。特にえみる、君から』

 

『──そのプレッシャーが逆に彼を苦しませてる。そしていつか、愛想をつかれて君のことを』

 

 

「えみるちゃん?」

 

「え?あ、何でもないのです!」

 

えみるはアンリから言われた言葉を思い出すがすぐに振り払い、もう片方の手で拓人の手を握る

 

(もし、例えそうだとしても…わたしは最後まで拓人お兄さんの隣に居たいのです)

 

 

 

 

 

////////

 

「人材確保は失敗か…」

 

「はい。プリキュア と彼との間には、絆が芽生えている様です」

 

「自身に満ちる王子の瞳、輝きが曇る前に救いたかった…」

 

アンリをクライアス社に引き込む事が叶わず、ジョージは落胆としていた

 

「ですがまだ候補はいます」

 

「彼か」

 

「はい、彼に関しては全て奏音に任せています。ですが、未だに準備に手間が掛かっている様です」

 

「構わないよ。彼には彼なりのやり方があるから」

 

ジョージは分厚い本を開く

 

「彼もまた、この時代において救わなければならない人物。彼女と同じく、未来が彼を壊す前に────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──音宮拓人」




休みの間に物語進めなくちゃ!

ここまでの拝読ありがとうございました
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