HUGっと!プリキュア ROAD TO MAESTRO   作:シロX

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ではスタート


第39話 えみるの気持ち、ルールーの夢

「当たり前だけど、ルールーちゃん達は未来に帰らないと行けないんだったね…」

 

先日のトラウムの会話で、現実を突き付けられる

 

「で、でも!時々此方に遊びに来ればいいのです!!」

 

「それは難しいやろな。こっちに来るにはごっつうアスパワワが必要や。何度も出来る様なあらへん」

 

「じ、じゃあ未来へ帰らないと言うのはどうですか?」

 

何としてでもルールーを帰さない様に食い下がるが、そんなルールーから一声掛けられる

 

「えみる」

 

ルールーもこればかりは仕方のない事だと思ってる。

だから何も言わずただ、えみるの顔を寂しくもあるが平静を保って彼女を見る

 

そんなルールーを見てえみるは

 

「仕方ありませんね!プリキュア として未来の人々を救い、時間を動かす!それはやらないといけない事なのです!わたし達はヒーローなのですから!」

 

そう笑って誤魔化したえみるだが、何処となく笑えてない部分もみえた

 

 

 

 

 

////////

 

「拓人さん大変なんです!!」

 

突然目の前まで走って来たことりに驚く拓人

 

「あ、ルールーも」

 

「それで何が大変なの?」

 

「そうです!えみるちゃんの様子がおかしいんです!!」

 

慌てることりと話してると、噂をする本人が登場した

 

「ご機嫌様拓人お兄さん、ルールー」

 

表情もおかしければ、その喋り方にもいつもと違う

 

「あれ?語尾の"なのです"はどうしたの?」

 

「あ、それお姉ちゃんも同じ事言っていました」

 

「そうなの」

 

「では、ご機嫌様」

 

えみるは一礼をしてそのまま自分の教室へと帰って行った

 

「……」

 

ルールーはそのえみるの背中を見て心配の色を伺っていた

 

 

 

 

 

////////

 

「ご機嫌様、はぐたんさん」

 

「えみゆ、へん」

 

放課後になってもえみるの様子が戻る事はなかった

 

「何やあれ?」

 

「いつもと違うね」

 

「いつの間に!?」

 

「えみる…」

 

「えみる兄までおるんかい!」

 

心配して、アンリや正人もビューティーハリーへと来ていた

 

「ルールーちゃんとの別れが相当ショックなんだろうね」

 

「ほな、拓人がどうにかしたらどうや?」

 

「俺?それは難しいかも。だってほら」

 

えみるの前ではな、さあや、ほまれが俯いていた。

三人は何とかして元のえみるに戻そうと試行錯誤するも、敢えなく撃沈したのだ

 

「となるとやっぱり…」

 

アンリは正人の方へ振り向いた

 

「え、僕?」

 

流れて正人にも向くが

 

「えっと…布団が、吹っ飛んだ!」

 

しかし一瞬で周りの空気が凍り付いた

 

「そっか、正人の中ではそれが面白いんだね」

 

「プッ…!」

 

「やめろ!それと拓人も笑うな!」

 

「皆さんどうしたんですか?おかしな──」

 

「おかしいのは君でしょう?どうして心の扉を閉じてるの?」

 

この際だからアンリはハッキリと言った

 

するとルールーがそこへ入って来た

 

「えみる…えみるの心を見せてください」

 

「……わたしの、心?」

 

「わたし達は親友!隠し事は無しと決めたじゃないですか!?」

 

「わたし、わたしは──!」

 

えみるが喋ろうとした時、何故か声を出さなくなった

 

「えみる?」

 

何か必死に伝えようとするも全く声に出てはいなかった

 

(ダメです、皆んな我慢してるのだから。わたしも…わたしも我慢、しなきゃ…)

 

その時、えみるとルールーのミライクリスタルが泡の様に消えてしまった

 

えみるの気持ちが、ミライクリスタルにまで影響を及ぼしたのだ

 

「え、ミライクリスタルが」

 

「消えちゃった?」

 

その場の空気に耐え切れず、とうとうえみるは倒れてしまった。

床に崩れる前にルールーが助けたが

 

「────。────」

 

「えみる声が!」

 

「出ないの?」

 

 

 

 

 

////////

 

一度えみるを家に戻して寝かせる事にした

 

「多分、精神的ストレスで一時的に声が出なくなってるんだよ。暫く落ち着かせれば治る…と思う」

 

「えみる…」

 

ルールーが手を握ると、えみるが目を覚ました

 

「えみる!」

 

「──。──」

 

えみるは声が出なくても、口を動かしてルールーに伝えようとしていた

 

「『ご、め、ん、さ、な、い』。いえ、謝るのはわたしです。わたしのせいで!」

 

自分を責めつつあるルールーをえみるは「そうではない」と首を横に振って意思表示させる

 

丁度そこへ部屋の扉が勢いよく開かれた

 

「えみる!」

 

「えみるのお爺さん」

 

えみると正人の祖父の「愛崎 獏発」が突如乱入して来た

 

正人も止めようと必死に抵抗するも振り解かれる

 

「嗚呼、可哀想なえみる。ずっと心配していたのだ」

 

えみるの体調を心配した後、毛嫌いする様な目付きでこちらを睨んで来る

 

「お前達のせいだぞ。何だコレは!?」

 

獏発が取り出したのは、ツインラブのポスターだった

 

「あ、バレた!」

 

「えみるがツインラブしてるの知らなかったの?」

 

拓人の独り言に反応したほまれは問いただす

 

「実は、えみるのお爺さんもえみるがギターをする事に反対してたんだ」

 

ここへ来て、獏発に秘密を知られてしまい状況が最悪へとなる

 

「えみる、もうよく分かったね?お前はずっと愛崎家の中で暮らしてればいいんだ。そうすれば、こんな目に遭わずに済むんだよ」

 

「そんなのおかしいです!!」

 

「えみる、ワシを困らせないでおくれ。早く素直なえみるに戻っておくれ」

 

「──!────!!」

 

えみるも言おうと必死になるが、声が出なくても何も伝わらない

 

はなが反論してヒートアップしてく中、それに割って正人が出た

 

「家族だからって人の心を縛らないで下さい!」

 

「──ッ!」

 

「自分ではない誰かの心に触れて、新しい世界の扉を開く事、それは家族にも誰にも止められない。だって、僕達の未来は僕達のものだから!」

 

正人は獏発に飛び込んで押さえ付ける

 

「えみる!声を出していいんだ。自分の思った事を叫んで良いんだ!!」

 

「──!」

 

「ギュイーンとソウルがシャウトするのです!!」

 

迸る声がえみるの喉から溢れ、その叫びが部屋中を響かせた

 

えみるはルールーの手を取り、外の世界へと飛び出した

 

 

 

 

 

////////

 

二人が走って来た場所は、色々と思い出深い大きな大樹の場所

 

「るー、るー」

 

「ゆっくりでいいから、えみるの気持ちを聞かせて下さい」

 

ようやく落ち着いて話せると思いきや、二人の前に猛オシマイダーが現れた

 

「猛オシマイダー!!」

 

大きな家を背負ってタコみたいな猛オシマイダーは、変身してない二人に襲い掛かろうとする

 

「二人共伏せて!!」

 

拓人声がした

 

二人は頭を下げ、猛オシマイダーの攻撃をエール達が受け止めた

 

「だぁぁぁ!!」

 

そのまま持ち上げては地面へと投げ飛ばした

 

「駄目じゃないか。お爺さまの言う事を聞かないと!」

 

大樹の上、ビシンの声がした

 

「お爺さま?もしかして!」

 

猛オシマイダーとなったのは、獏発と愛崎家がひとつになった姿だった

 

「早くアイツを捕まえろ!」

 

ビシンの言うアイツとはえみるの事だった

 

「フラワーシュート!」

 

エールが妨害するも、それすら効いておらず尚もえみる達に迫る

 

「──ッ!」

 

「えみる!?」

 

逃げる途中、えみるが石につまづいて転倒してしまった

 

「にげ、て!」

 

「逃げません!わたしはまだ、えみるの気持ちを聞いてません!」

 

容赦無く襲い掛かる攻撃に、ルールーが庇ってその身で受けて大きく飛ばされた

 

「あ…あ…」

 

「大丈夫、です。わたしはアンドロイドですから」

 

とは言うものの、猛オシマイダーの攻撃を食らってはアンドロイドでもダメージはある

 

「猛オシマイ──」

 

「くっ!エール、アンジュ、エトワール!」

 

エール達は、自分達の持つミライクリスタルを全て拓人へと投げ渡した

 

受け取ったミライクリスタルを全てセットし、クロノスタクトを振り上げる

 

「いけ!」

 

拓人が合図を出すと、ミライクリスタルの力を得た楽器達は一斉攻撃を放った

 

「ダー!?」

 

「えみるちゃん!ルールーちゃんに伝えるんだ!自分の本当の気持ちを!」

 

拓人の攻撃で怯んだ今こそ、えみるはルールーに自分の気持ちを、その口で、言葉で伝える

 

「ルールー、困らせてもいいですか?」

 

「はい」

 

「ヒーロー失格だと言われるかも知れないけど、けど…けど、わたしはルールーと一緒に居たい!ずっと一緒に居たいのです!!」

 

「一緒に居たい」只それだけをえみるは伝えたかった。

伝えて今も、これからも、ずっとその先も、ただ側に居て欲しいのがえみるの望みだった

 

「未来に帰って欲しく無いのです!ずっと一緒に居たい!ずっとずっとずっと!!」

 

「えみる、わたしはえみると出会ったから未来を信じようと思ったんです」

 

「なら、ずっと一緒に!」

 

ルールーは哀しげな表情を一瞬したが、でもまた笑顔をえみるに向ける

 

「わたしは、未来の人達にわたし達の歌を、わたし達の愛を届けたい」

 

「未来に…愛を?」

 

「誰かを愛する心、大切にする気持ち、素晴らしい事なんだと伝えたい。これが、貴女と出会えた奇跡がわたしにくれた"夢"です!」

 

「ルールーの夢…」

 

「そしてこの愛を、未来の彼にも伝えたい。貴女と同じ様に、わたしに音楽を教えてくれた彼にも」

 

ルールーは今も尚、二人のために奮闘する拓人へと視線を移す

 

「…わたしも一つだけ困らせても宜しいですか?」

 

「…はい」

 

「わたしも、えみるとは離れたくはありません。未来に帰ると聞いてより深くそう思います。だからこそ、ふともう一つの夢を考えたのです」

 

「それは…?」

 

「えみると拓人とわたし達三人で夢を届けたい」

 

「それって…!」

 

「もしその時が来ましたら、笑顔でお願いします。どちらかの夢を選んでも間違いでは無い。その時えみるは、笑顔でわたしの事をフレフレして下さい。どんなに離れていても、わたし達はずっと親友」

 

「はい…!」

 

そして二人の心から、またミライクリスタルが蘇る

 

「「あなたを愛し、わたしを愛する!」」

 

 

 

「「ミライクリスタル!ハートキラっと!」」

 

「「「輝く未来を抱きしめて!」」

 

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

 

「キュアマシェリ!」

 

「キュアアムール!」

 

 

 

「ご心配お掛けしました!」

 

「わたし達の愛を届けます!えみるのお爺様にも」

 

二人はツインラブギターを構えて、同時攻撃する

 

「マシェリポップン!」

 

「アムールロックンロール!」

 

二人の技で猛オシマイダーの動きが完全に止まった

 

 

 

「「「「「メモリアルキュアクロック!マザーハート!」」」」」

 

「「「「「ミライパッド・オープン!」」」」」

 

「「「「「HUGっとプリキュア!今ここに!」」」」」

 

 

「ワン・フォー・オール!」

 

「オール・フォー・ワン!」

 

「ウィーアー!」

 

「プリーキュアー!」

 

「明日にエールを!」

 

「「「「「ゴーファイ!みんなでトゥモロー!」」」」」

 

 

「モウヤメサセテモライマ〜ス」

 

 

 

 

 

////////

 

後日、ルールーはえみるとの会話の内容を拓人にも伝えた

 

未来へ帰るか、それともこのまま此処へ残って夢を未来に届けるか

 

「結局、答えを濁してしまいました」

 

「時間はまだある。じっくり考えれば良いと思うよ」

 

「拓人も、その時は笑顔でお願いします」

 

「うん」

 

そしてルールーは思う

 

どんな事があっても二人はずっと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ずっと親友だと




えみるとルールーとのやり取りを少し改変しただけになってしまい申し訳ありません。作者の力量不足ですね

ルールーが未来へ帰るか問題は少し強引に過ぎましたが濁しました。終盤で色々とやりたいので

ここまでの拝読ありがとうございました
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