HUGっと!プリキュア ROAD TO MAESTRO   作:シロX

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終盤の個人回、主人公の出番はマジで少な目です

ではスタート


第41話 見つけた夢、新しい未来へ!

「拓人お兄さん起きるのです!」

 

「──ッ!?」

 

えみるに体を揺さぶられてハッと目が覚める

 

「えみるちゃん!?え、何その格好?」

 

「拓人お兄さんもですよ」

 

拓人は自分の体を見ると、私服から旅人の服へと何故か変わっていた

 

「確か──」

 

この状況はどうして起こったのかよく思い出してみる

 

今日はさあやのドラマの撮影を皆んなで見学しに撮影場に行っていた。

そのドラマでは、さあやの母親のれいらも一緒だった

 

初めての親子共演もあり、場は盛り上がっていた

 

けれどその途中、周りの景色にノイズが走りいつの間にか

 

「拓人お兄さんは旅芸人なのです!」

 

「そういうえみるちゃんは魔法使い…」

 

周りを見渡すと変わったのは拓人達だけではなく、はな達皆んなも変わっていた

 

はなは勇者、さあやはお姫様、ほまれは武道家、ルールーは黒猫、ハリーははぐたんを連れての子連れ侍となっていた

 

「おぉ〜!ファンタジ〜!」

 

「なんて言うか、さあやちゃんがやるドラマの世界観と似てる様な」

 

「似てると言うよりそのまんまです」

 

さあやがそう言っているので、本当にそうなのだろう

 

「にゃるほど〜、これはVR空間の様だにゃ〜」

 

「と言う事はクライアス社の仕業か!?」

 

ルールーの分析でクライアス社の仕業だと判明はしたが、未だそれだけしか情報が無い

 

「そういえば他のスタッフの人達は?」

 

「わたしも気になってた」

 

「このままじゃ撮影が…」

 

((心配するところそこなんだ…))

 

確かに撮影も大事だが、今この状況でそれを思うさあやに苦笑いしか出ない拓人とほまれだった

 

「どうすればいい?魔王、ラスボス倒せばいいの?」

 

はなは鞘から剣を抜刀したが、刀身部分が何故か何故かカチンコになっていた

 

「「「「伝説のカチンコ!?」」」」

 

「貴女が監督の様ね」

 

「あ、れいらさん」

 

「さぁ撮影を始めましょう!」

 

カチンコを持ってるのがはなだがら、監督ははなと言って撮影を始めようとする

 

「私は本気である!セットを超えた非日常!最高の映画を撮ろうぞ!」

 

心の準備もままならいまま、撮影は開始するのであった

 

「ぶっ飛んでるけど、アンタのお母さん本当に女優なんだね〜」

 

関心の声を上げたのは、共に見学をしていたマキだった

 

「マキ先生も!?」

 

「近くに居た皆んな巻き込まれたみたいだね」

 

「と、とにかく!撮影が終わったら出られるかも知れない!何でも出来る、何にでもなれる!監督頑張るぞ〜!!」

 

 

 

 

 

撮影は順調……かと思いきや

 

平民役である一条蘭世がいきなり登場したのだ

 

「うおっ、蘭世ちゃん!」

 

 

「貴女は姫、ライバルのわたしは名も無き平民とはこれ如何に!しかし、わたしの方が女優としては上!だと分からせてやりますわ〜!はいコレどうぞ」

 

 

いきなり登場からの、さあやに渡されたのはひのきの棒となべのふた

 

両者構えてからの姫と平民のバトルが勃発した

 

「よし良いよ〜!」

 

「え、良いの!?」

 

「アクション!」

 

 

監督であるはなの意向を尊重して撮影は再開した

 

演技にしてはかなり激しいぶつかり合いをし、お互いに本気でやってるのだと思っていた

 

けれど間近で見てる蘭世は違って見えていた

 

 

「お姫様は結局お姫様ですね!」

 

「そんな事…ありませんわ…」

 

「貴女、これで本気ですの?スキあり!」

 

 

「カット!一回止めよう!」

 

蘭世がさあやの棒をはたき落として、はながカットを入れる

 

「蘭世ちゃんごめん、もう一回宜しく──」

 

握手をしようとしたが、その手を叩いて拒否した

 

「何ですの今の演技は?他の事に気を取られて芝居に入り込めてない!握手は、ライバルとするものでしょう?」

 

「さあや、芝居に心が感じられない。これでは、只の親子共演として芸能ニュースに載るだけよ」

 

れいらからの厳しい言葉もあり、益々落ち込んでしまった

 

 

 

「わたしは上手にお芝居出来てると思ったけどな。厳しいね」

 

「ううん。お母さんの言う通り、心を込めないと失礼だもん」

 

「何か引っ掛かってるの?」

 

「いつも不器用で嫌になる……あのね、わたし──」

 

大事な事を話そうとした時、大きな音が鳴り響いた

 

「にょえぇぇぇぇ!!」

 

「ヤブを突っついていたら巨大生物出現だにゃん。計算通りだし」

 

可愛いが、巨大な怪獣に拓人、えみる、ルールーの三人が追い掛けられていた

 

拓人達はそのままはな達の所へ猛ダッシュ

 

「何でこっちに来るんですか〜!?」

 

「ほら勇者行け行け〜!」

 

「色々楽しいね〜!」

 

「そんな事言ってる場合ですか〜!?」

 

一心不乱に逃げるが、さあやだけヒールを履いており追い付かれる

 

「姫〜!お守り致す!」

 

「ダイガンさん!」

 

「私が来たからには五分で──」

 

何処からともなく現れたダイガンがさあやを助けた様と抵抗しようと構えた時、怪獣は無慈悲にダイガンを踏み潰した

 

「3秒で終わりましたにゃん。新記録だにゃん」

 

「それより早く手当てを!」

 

 

 

 

 

「これで良し」

 

「医師をかたじけない」

 

「ゲームだったら、回復魔法でバーンって治るんだけどね」

 

「そういうオマケは無いみたいですね」

 

さあやはマキと共にダイガンの治療をしていた

 

「しかし、五分で心は癒された。あの時と同じだ。君は私に新しい夢をくれた。ありがとう」

 

ダイガンの治療を終えた後、さあやはマキにとある事を質問した

 

「マキ先生、先生はずっと産婦人科のお医者さんになるのが夢だったのですか?」

 

「ううん、最初は親と同じ外科を目指してんだよ。研修医の時、内科、外科色んなとこを回って経験を積む内に出会っちゃたんだよね」

 

「先生は強いですね。そうやってハッキリ道を決めたら後悔する事は…」

 

「あるよ、人生そんなものだよどんな人生選んでも後悔はする。だからさ、その時その時心に正直に生きようって私は思ってる」

 

選ぶ道は一つでは無い。選んだとしても困難はある。

しかしそれでも、前を向いて未来に生きようって事をマキに教えられた

 

そして、さあやは決めたのだった

 

 

 

 

 

////////

 

休憩明け後、さあやの表情は変わっていた

 

それは、芝居にも大きく影響してより良いものへとなった

 

「良い芝居だったわ。この調子で頑張りなさい」

 

「わたし、お母さんに話さないといけない事がある。わたし、この撮影が終わったら女優を辞める」

 

「何で…何でですの!?」

 

れいらよりも、蘭世がさあやの女優を辞めると言う言葉に必死になっていた

 

「何故女優を辞めるなんて言いますの?結局貴女にとって、お芝居の世界は遊びだったのね?

 

「遊びじゃない!だからずっと…迷ってた」

 

「女優を辞めて何を目指しますの?」

 

「お医者さん」

 

マキと同じ様に、これまでさあやが経験した中で見つけた夢の証明

 

「……両方出来ませんの?」

 

「わたしは器用じゃないから、きっと両方中途半端になってしまう。そんな気持ちで蘭世ちゃんの前に立てないよ」

 

さあやの瞳は真剣だった。

蘭世も、それを察してもう引き留める事を諦める

 

「嫌になりますわ本当に。貴女が自分の夢を叶えお医者さんになった頃、わたしは日本いや、世界を代表する女優になっていると思うけど精々悔しがりなさい!」

 

「確かに悔しいって思うだろうな……けどだからこそ未来で、蘭世ちゃんの前に立った時なりたい自分になったって言える様に頑張る!」

 

その決意でさあやの衣装は、お姫様からマキと同じ僧侶への衣装へと変わった

 

その姿こそが、さあやのなりたい自分なのだと

 

 

 

 

 

娘の成長は嬉しい。だけど何処か寂しさがあった

 

「……」

 

「流石は名女優、心を隠すのが上手い。けれど、私の前では全てを曝け出していいのです」

 

れいらの背後、リストルが現れてれいら自身を使って猛オシマイダーを発注させた

 

 

 

「猛オシマイダー!!」

 

「猛オシマイダ!?」

 

猛オシマイダーははな達の前に現れ、はぐたんを攫って行った

 

「はぐたん!!」

 

 

 

「「「「「ミライクリスタル!ハートキラっと!」」」」」

 

 

「「「輝く未来を抱きしめて!」」」

 

「みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

 

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

 

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

 

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

 

「キュアマシェリ!」

 

「キュアアムール!」

 

 

「「「「「HUGっとプリキュア!」」」」」

 

 

 

連れ去れたはぐたんは、猛オシマイダーの中へ閉じ込められてしまった

 

「プリキュア ミライブレス!」

 

「チューバズーカ!── フェアリーズ・オラトリオ!」

 

拓人とエールの力が合わさった攻撃でも、猛オシマイダーはいとも容易く受け止めた

 

「フッ!」

 

「「ハッ!」」

 

続いてエトワールとマシェリ、アムールの同時攻撃をするも、猛オシマイダーに弾かれてしまう

 

「ッ!」

 

アンジュもどうにかしようと高くジャンプした時、猛オシマイダーの瞳の中にれいらの姿を見た

 

「お母さん!」

 

一度距離を置いて、エールとエトワールの元へ着地する

 

「エール、エトワールわたしの背中を押して。お母さんと話して来る」

 

「OK!」

 

「フレフレ!」

 

「「さあや!!」」

 

 

 

 

 

猛オシマイダーの中へ自ら飛び込み、その中の空間をさあやは静かに歩いていた

 

周りには、さあやと共に歩んで来た思い出の中の映像が浮かんでいた。

その中心にはれいらが

 

この空間は、れいらの中の思い出で出来た特別な場所だった

 

「さあや…さあや。初めて抱きしめた時の小ささ、この子の為なら何でも出来ると思ってた。愛おしい娘の巣立ち、なのにどうして私応援出来ないの?さあやが、お母さんが憧れだって言ったこと嬉しかった……」

 

「お母さん!」

 

「さあ…や…?」

 

「わたしの今までの夢は、お母さんが見てる世界を見てみたいだった。その世界に触れる事が出来たから新しい夢が見つかりました。わたしはお医者さんになって、皆んなを癒したい、笑顔にしたい!お母さんが、お芝居で大勢の人を幸せにしてる様に」

 

「大きく、なったわね」

 

「お母さん、産んでくれてありがとう!」

 

憧れから始まった夢はいつしか、自分の夢へと変わり、育っていく

 

最大級の感謝を込めてさあやはハグした

 

 

 

 

 

「皆んな!」

 

れいらとちゃんと向き合って、はぐたんを助け出したアンジュは猛オシマイダーの中から出て来た

 

「行くよ!未来へ!」

 

 

 

「「「「「メモリアルキュアクロック!マザーハート!」」」」」

 

「「「「「ミライパッド・オープン!」」」」」

 

「「「「「HUGっとプリキュア!今ここに!」」」」」

 

 

「ワン・フォー・オール!」

 

「オール・フォー・ワン!」

 

「ウィーアー!」

 

「プリーキュアー!」

 

「明日にエールを!」

 

「「「「「ゴーファイ!みんなでトゥモロー!」」」」」

 

 

 

 

 

////////

 

猛オシマイダーを浄化し終わると、いつの間にか元の世界へと帰って来れた

 

そしてちゃんとした撮影が再開されるのであった

 

「わたくしは貴女の強さに憧れる…」

 

「姫」

 

「広い世界に旅立ち、同じ目線に立った時」

 

「これからも、貴女の前には困難が待ち受けるでしょう」

 

本来とは違うアドリブの台詞

 

けれどそれは、お互いへ向けての言葉にも聞こえた

 

「けれど今の気持ちを忘れないで。夢を、明日を、真っ直ぐ見る瞳が貴女の強さです」

 

「はい、わたくしは新たな道を進みます。夜明けは今!」

 

これにて撮影は終了したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今までの経験を活かして、さあやは医者への道を進んで行くのだった




次回はオリ回です

ここまでの拝読ありがとうございました
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