HUGっと!プリキュア ROAD TO MAESTRO   作:シロX

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ふぅ…!やっとここまで漕ぎ着けました!

ではスタート!


第44話 ゆく年くる年、最後の大勝負

まだ雪降り積もる街中だが、もうお正月

 

神社に集まっては、晴れ着を着た拓人達がお餅を食べていた

 

「はぁ〜お餅美味しい」

 

「拓人お兄さん、きな粉ばかりではなく餡子も美味しいのです」

 

「あ、餡子が苦手なの知ってて言ってるのえみるちゃん?」

 

「そうなのですか拓人…もぐもぐ…好き嫌いは……もぐ…駄目ですよ…ごくんっ!」

 

意外な好き嫌いにルールーは食べる様に促す

 

「拓人、はい、あ〜ん」

 

「え、遠慮しておくよ…」

 

「拓人、好き嫌いはアカンで」

 

「もう逃げられないのです!」

 

えみるとハリーが羽交締めで拓人を抑えて、その隙にルールーが口の中にお餅を詰め込んでいく

 

「コラそこ、食べ物で遊ばない!」

 

「いいじゃないほまれ。ほまれもほら、超激辛デッドアライブソースもあるから食べて!」

 

「さあやもだよ…」

 

「わたしも!?」

 

お餅作りには、パップル達もお手伝いで参加しており、小さな子供達にも配っていた

 

「お正月って最高!けれど、これからも更に楽しい事いっぱいだね!」

 

「節分、バレンタイン、ひな祭りと暫くは楽しい行事が続くね」

 

「はい。恵方巻き、チョコレート、雛あられ。とても楽しみです!」

 

「ルールーは花より団子なのです…」

 

「わたし達の未来は楽しい事いっぱい!皆んなの未来輝いてる!」

 

 

 

 

 

////////

 

「どうぞなのです!!」

 

「お、お〜今年はやけに豪華だね…」

 

初詣から帰った後、それぞれ家でお節を食べる事になったのだが、拓人だけは愛崎家で戴く事となっていた

 

「数の子、かまぼこ、タイ、その他いっぱいあるのです!」

 

箸で摘んでは自分で食べずに、拓人の口に近付けて食べさせようとする

 

「えみるちゃんも食べないと…」

 

「さあさあ!」

 

渋々拓人はえみるに食べさせてもらう事となった

 

 

 

 

 

「ちょっと食べ過ぎた…」

 

「拓人お兄さんは男の子。少し情け無いのです」

 

「うっ!」

 

少しだけだが、最近えみるが拓人に対して厳し目の言葉を投げる様になった。

それは嬉しい事だが、少し悲しい事もしばしば

 

「やっぱり音楽も良いけど、体も鍛えないといけないか…ほまれちゃんやアンリ君に相談してみよう」

 

そんな団欒をして愛崎家の玄関を通ってると、急に周りの風景の雰囲気が変わった

 

「え、え?」

 

「一体何が…」

 

「やぁ先生」

 

「「ッ!?」」

 

少し離れた先で、いつの間にか奏音が立っていた

 

「えみるちゃん下がってて」

 

クロノスタクトを構えて警戒体制へと移行する

 

「待って先生、今回はお話をしに来ただけ。本当だよ」

 

両手を軽く振り、敵意が無いことを証明する

 

それを見て拓人は警戒を解く

 

「お話ってなんなのです!」

 

「…君には聞いてない。どっか行ってくれない?」

 

「ぅ…」

 

奏音に少し怯えたのか拓人の背中に隠れる

 

「えみるちゃんと一緒じゃなきゃ話は聞かない」

 

「先生がそう言うなら仕方ないか。まぁ本当に世間話って言うか、そんな感じの事だからいいけど……先生はクライアス社の理念をどう思いますか?」

 

「どうって言われても…時間を止めること、未来を失くす事はどんなに考えてもダメだと思う」

 

「フッ、フフフ…」

 

何が可笑しいのか、拓人とえみるは理解出来なかった

 

「良く考えて下さい。先生は未来で死んでしまうのですよ。赤の他人…ましてやアンドロイドの何かの為に。それの何処が良いって言うんですか?」

 

「それは君がその未来しか見てないからだ。人には無限の未来がある、選択する力がある!今が変わればきっと──」

 

「そのせいでどうなりました?その結果どうなりました!?散々夢見た未来がこの有り様!本当に未来に価値はあるんですか!?」

 

「奏音は悪い世界しか見てないからそんな事が言えるんだ。目を開いて周りを見れば、それと同じくらい輝く未来がある!辛い事があるなんて当たり前だ!」

 

激しく言い争いをする拓人と奏音。えみるも、ここまで荒げて口論する拓人の姿は初めてだった

 

それ程、彼の事も救いたいと思っているのだ

 

「君が本当に未来の俺から音楽を学んだと言うのなら、きっと分かる筈だ」

 

「……それでも僕は、未来を…明日を信じれない」

 

話は済んだのか、奏音は雲の様に消えていった

 

そして周りの雰囲気も元に戻った

 

 

 

 

 

その日の夜

 

ビューティーハリーで集まってはその事を話した

 

しかも拓人の前にだけではなく、はなの前ににもジョージが現れた事も話してくれた

 

はなは心身共に疲れて、拓人は考え込んでいた

 

「二人共大丈夫か?」

 

「うん…」

 

「まぁ、ね…」

 

「げんきないない?」

 

元気の無い二人にはぐたんが心配してくれた

 

「ううん、元気あるある!はぐたんを抱きしめた時の温かさ、友達と居る時の幸せ。わたしはそういうものを守りたいの。それは、わたし達が大きくなっても変わらないものでしょ?」

 

「…ねぇ、今日皆んなでお泊まりしようか?」

 

ほまれはそう言い出した。はなの話を聞いて何か思うことがあったのだろう

 

それに皆んなは賛成する。

何より皆んな、友達の側に居たいから

 

「よし、皆んな家族に電話だ!」

 

 

 

 

 

////////

 

そして迎えた朝

 

時間はまだ5時前。朝日はまだ昇っていない

 

一同は朝早くから出掛けて、のびのびタワーで吹奏楽部の新春コンサートを観に行く

 

「うん、良い音色」

 

「はい!」

 

演奏に心を奪われてると朝日が昇り上がる

 

「街が色付いてく!」

 

そう思ったのも束の間、空に暗雲が立ち込める

 

そして雲の中から、巨大なビルが降って海の方へと落ちて行った

 

「一体何が…」

 

だが考える間もなく、ビルから途方も無いエネルギー砲が放出され街へと降り掛かった

 

それを受けた場所は次々と時間が止まり、最終的に全ての時間、世界の時間が完全に停止してしまった

 

昇る朝日も全てが止まった

 

これに対処すべく、拓人達は急いでビルがある浜辺へと走り出した

 

 

 

 

 

「何を焦ってるの?」

 

浜辺へ着くと、空中に佇んでこちらを見据えるジョージが立っていた

 

「もう時は止まった。君達がどう足掻こうと未来は来ない」

 

「そんなのまだ、分からないでしょう!?」

 

「プリキュア の瞳はまだ輝いとる!」

 

この場に居る者全員はまだ諦めてなどない。その証拠にアスパワワが滲み出る

 

「確かに、君達を説得する必要がある」

 

ジョージの持つ本が開き、邪悪に輝く時、海面から大量の猛オシマイダーが現れる

 

「猛オシマイダーが!」

 

「いっぱいなのです!」

 

「だからって引き下がれないよ!」

 

「拓人さんの言う通り!行くよ皆んな!」

 

 

 

「「「「「ミライクリスタル!ハートキラっと!」」」」」

 

 

「「「輝く未来を抱きしめて!」」」

 

「みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

 

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

 

「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

 

「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

 

「キュアマシェリ!」

 

「キュアアムール!」

 

 

「「「「「HUGっとプリキュア!」」」」」

 

 

 

「アンジュ防ぐよ!」

 

「はい!」

 

拓人はプリズムシンバル、アンジュはシールドで正面から来る猛オシマイダーの大群を堰き止める

 

「数が多い…!」

 

「フラワーシュート!」

 

エトワールが薙ぎ払い、その隙を突いてエールが浄化する

 

「クッ!」

 

「キリがないのです!」

 

だがそれ以上に数での不利で苦しめられる

 

二人一組の背中合わせで連携するも状況は一向に変わらない

 

「君達がどれだけ明日への希望の力、アスパワワを増やしても、際限なく人々はトゲパワワを増やす」

 

ジョージはその様子を傍観者の如く見ていた

 

「少女が目指すのは、花咲き乱れる理想の王国、夢は叶い、人々は笑顔に満ちた。だが、人々の望みは尽きなかった。一つの夢が叶えばまた次へと…明日への希望は欲望へと変わり王国を狂わせていった。だから決めたんだ。時間を止めよう、皆が笑顔のまま暮らせる様に。共に終わらぬ永遠を!」

 

ジョージに呼応する様に、猛オシマイダーからもトゲパワワが溢れ、更に大きさを増していく

 

「「「「猛オシマイダー!!」」」」

 

「お終いじゃない!トゲパワワがどんなに増えても、アスパワワは消えない!」

 

対して希望を抱くエール…がしかし、ジョージは呆れる様に溜め息を吐く

 

「わたしは皆んなとクリスマスも、お正月も、節分も、バレンタインも、ひな祭りを過ごしたい!!」

 

「ぷりきゅあ〜!ふれふれ〜!」

 

「わたし達は負けない!皆んなの未来を取り戻す!」

 

「「「「猛オシマイダー!!」」」」

 

残る猛オシマイダー達が一斉にエール達へと襲い掛かる

 

「マシェリ!」

 

「はい!拓人お兄さんお願いします!!」

 

マシェリからミライクリスタル・ルージュを受け取り、クロノスタクトへとセットする

 

「ハッ!」

 

クロノスタクトから放たれるアスパワワが、猛オシマイダーの時間を止めて封じた

 

「エール!皆んな!」

 

 

 

「「「「「メモリアルキュアクロック!マザーハート!」」」」」

 

「「「「「ミライパッド・オープン!」」」」」

 

「「「「「HUGっとプリキュア!今ここに!」」」」」

 

 

「ワン・フォー・オール!」

 

「オール・フォー・ワン!」

 

「ウィーアー!」

 

「プリーキュアー!」

 

「明日にエールを!」

 

「「「「「ゴーファイ!みんなでトゥモロー!」」」」」

 

 

 

プリキュア 達が放った浄化技で、猛オシマイダーを一掃する事が出来た

 

「君には現実を見せないといけないな」

 

またもジョージの本が勝手に開かれる

 

「現実?」

 

ジョージから発せられるトゲパワワが、ビルへと向けられその形を変えていく

 

「何あれ!?」

 

「凄いトゲパワワ…!」

 

ビルは巨大な人型の怪物へと姿を変貌させた

 

『時ヲ止メル!完全ナ安ラギ!!ウォォォォ!!』

 

怪物が手を伸ばす。そしてその先には、はぐたんを抱えて逃げるハリー

 

「はぐたん!ハリー!」

 

怪物はハリーを払い除け、はぐたんを連れ去って行く

 

「まま〜!!」

 

「はぐたーーん!!」

 

エールがジャンプして手を伸ばすも僅かに届かず、はぐたんはその体内へと呑み込まれた

 

「そんな…」

 

「フフ、またね」

 

ジョージは用を終えると、入れ違いでリストルとビシンが目の前に現れる

 

「ここは決死って通さない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして未来を、明日を懸けた戦いが始まったのだ




ここまでの拝読ありがとうございました
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