HUGっと!プリキュア ROAD TO MAESTRO   作:シロX

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この回の作画が好き

ではどうぞ〜


第5話 飛べる?飛べない?ほまれ、運命のジャンプ!

「…何やっているの?」

 

廊下を歩いてると、曲がり角の影に隠れているはなとさあやを発見した

 

「スカウト!」

 

「もしかしてプリキュアの?」

 

「そう!因みに相手は」

 

はなが覗く先を見てみるとほまれの姿を目にした

 

「輝木ほまれね…うわっ!?」

 

1人で呟いていると、音もなく背後から2人の女子生徒に声を掛けられた

 

ゆっくり話を聞く為に場所を変えて外の椅子に腰を下ろす

 

「輝木ほまれに気を付けろ?…って何で?」

 

「不良だからよ」

 

結構安直な理由に苦笑いを溢してしまう。実際、はな曰く今日が初めて教室で顔を合わせたらしい

 

「ほまれさん、今年スポーツ特進クラスから移って来たの」

 

「フィギュアスケートをやっていたのよ」

 

「結構急な方向転換だね」

 

突然のクラスの移り変わりからの辞めに、学校にも来ずじまい。更には良からぬ噂もチラホラと騒がれている

 

「そんな人には見えないけど」

 

 

 

 

 

そして放課後

 

はぐたんを連れての買い出し。ついでに、ハリーにもあれやこれやと相談しながら考える

 

「ほまれさん、プリキュア似合うと思うんだけど」

 

「う~ん」

 

「あれ?さあやちゃん反対なの?」

 

「そうじゃないけど。プリキュアって、誘われてなるようなものかなって…」

 

「確かに。よく考えてみたらそうだよね」

 

更に頭を悩ませてしまう。すると、偶々通り掛かったアニマルクリニックから、ほまれと一匹の犬が出て来た

 

「あっ、ほまれちゃんだ」

 

「輝木ほまれさん!?」

 

拓人が最初にほまれの存在に気が付いて、ほまれも拓人達に気付いた

 

「何でこんな所に…」

 

「買い出しの途中や」

 

「はぎゅ~!」

 

「っ!きゃ…きゃわたん!」

 

何やかんや、はぐたんに心を奪われて抱っこする代わりに話をする事にした。尚、ほまれが連れて犬の『もぐもぐ』ははなが代わりにリードを持ってあげた

 

「犬飼ってたんだ」

 

「拾っただけ。迷い犬なんだ。飼い主を探してる間だけ、あの病院で預かってもらってるの」

 

「名前まで付けて結構愛着湧いてるとかかな?」

 

「と、取り敢えず今だけの名前!」

 

「もぐもぐは何処で拾ったの?」

 

「不思議な出会いっていうか…」

 

ほまれはその日事を思い返す。

道の真ん中に居るもぐもぐを車から助けようとする時、赤ん坊の声と共に時間が止まったと語る

 

「同じだ!」

 

「?」

 

ほまれも拓人達と同じ共通点を持っていた。ほまれは、何の事だか疑問に思ってると下から声がした。

声のする方へ顔を覗くとバスケットコートで何やら揉め事を起こしていた

 

「全く最近の子は…。念の為に言うけど、はなちゃん突っ走ったら駄目…ってあれ?」

 

拓人が振り向くとはなの姿が何処にも見当たらない。何処かと探してると、はなは既にコートに居て注意していた。やれやれと思いつつ拓人達もコートへと入る

 

「どうしたの?」

 

「バスケしたいのにこの人達が出てけって…」

 

小さい子相手に3人の男達が占領しようとしていた

 

「まぁ、公園の独り占めは良くないよ」

 

さあやも優しく注意して穏便に済まそうとするが

 

「じゃあ、オレ達に勝てたら代わってやるよ」

 

「それなら3on3でいいの?」

 

一緒に付いて来たほまれも参戦。バスケでの勝負にボールを投げ渡して挑戦を受ける事になった

 

「それならはなちゃんは下がって俺が入るね」

 

「駄目!わたし絶対に出る!」

 

「ならわたしが代わりに。球技は得意ではないので」

 

メンバーは拓人、はな、ほまれの3人編成となった

 

「さあやちゃんヘッドホン預かってくれるかな?後これも」

 

「いいですよ」

 

拓人はヘッドホンとハーモニカをさあやに預けてコートへと入る

 

「ディーフェンス!ディーフェンス!」

 

「ほっ!」

 

「渡さないよ!…あ!」

 

「も〜らい!」

 

明らかに素人の動きをするはなは呆気なく抜かされ、拓人もスティールするがボールは相手側へとバウンドしていく

 

「男はともかく、女はやっぱり話にならねぇな!」

 

男がシュート体勢に入る。だがそこへほまれがシュートカット

 

「クッ…まぐれだ!」

 

攻守交代。今度は拓人達の攻撃でほまれからのスタート

 

「どうかな?」

 

1人目はあっさりと抜き去り、続いて2人目は華麗にフェイントを掛ける

 

「話にならねぇな」

 

さっきのお返しと言わんばかりに怒涛に2人抜き去って言い返す。そしてフリーとなったほまれ。レイアップの体勢に入り、片足を踏み込んだ瞬間

 

「ッ!」

 

何故かジャンプするのを辞めて拓人へとバックパスする

 

「え、何で?」

 

「拓人さん!」

 

「ん?あ!…ほい」

 

拓人はスリーポイントエリアから片手で投げて、そのまま綺麗にリングへと入る

 

「意外と入るもんだね」

 

拓人が得点した事により拓人達の勝ちとなった。そしてはなは大喜び

 

「やった〜!ぎゃ!…じゃなかった。めちょっく!」

 

はしゃぎ過ぎたはなは躓いて盛大に転んだ

 

「大丈夫?てか、めちょっく?」

 

「『めちょっく』は『めちゃショック』の略なの!イケてるでしよ?」

 

「さてと、これで約束通りコートは…」

 

「思い出した!」

 

男が拓人の言葉を遮って大声をあげる

 

「お前、天才スケート選手の輝木ほまれだろ!」

 

「何!?有名人か!」

 

「天才で有名人だと!?」

 

「逃げろ!有名人には敵わねぇ!」

 

そう言って捨て台詞を吐きながら男達は退散して行った。

そしてお礼を言われながらその場を後にする

 

時刻も夕方。ほまれも、もぐもぐを連れて1人帰ろうとする時はなが呼び止める

 

「ほまれちゃん!」

 

「ちゃん?」

 

「わたし、ほまれちゃんと仲良くなりたい!またね!」

 

 

 

 

 

////////

 

クライアス社

 

「データの分析が完了しました」

 

「サンキューで〜す。ルールーちゃん残業メンゴね〜」

 

クライアス社のとある場所で、いつもオシマイダーを連れて襲って来るチャラリートと、用事を頼まれていたルールーと呼ばれる少女が居た

 

「対策はバッチリ。ハプニングでも無い限り大勝利!」

 

「ハプニング?」

 

「例えば、また新しいプリキュアが現れるとか?まさかね〜」

 

ルールーからUSBメモリを受け取って帰ろうと思ったが

 

「そういえばルールーちゃん、いつも思うけどそれ何?」

 

チャラリートはルールーの腰に着けてあるハーモニカを指差す

 

「ハーモニカ…と呼ばれる物です」

 

「そうじゃなくてさ、何でいつも身に着けてるって事。それ邪魔じゃん!」

 

「はい確かに邪魔です。…ですが、何故か処分しようとは思えません」

 

「はぁ?意味不明。ルールーちゃんって変わってるね。いや、元々変わってるか」

 

チャラリートは高笑いしながら出て行った。

ルールーはというと

 

「……」

 

1人、そのハーモニカをずっと眺めていた

 

 

 

 

 

////////

 

「宙とぶ期待の星。天才輝木ほまれ」

 

「どうして辞めちゃったんだろうってずっと気になっていたんだけど…」

 

さあやは昨日帰ってからほまれの事を調べていた。それを拓人とはなにミライパッドで原因となった記事を見せる

 

「ジャンプ失敗。怪我による長期休養へ…か」

 

「怪我してたんだ。バスケはあんなに凄かったのに」

 

「でも最後のシュートは飛んでいなかった」

 

「本当はまだ足が痛いのかな?」

 

「痛いのはきっと足じゃなくて…」

 

「ジャンプする時、その時のトラウマが飛ばないようしてるのか…」

 

拓人もほまれについて考える。只心配して考えるのでは無く、拓人は自分の事のように真剣に考える

 

「拓人さん?」

 

「あ、何かな?さあやちゃん」

 

「顔、少し怖いですよ」

 

「か、考え過ぎたね!あはは!はは…」

 

ぎこちないやり取りとしてると遠くの方でオシマイダーの姿を見た

 

「オシマイダーや!」

 

 

 

 

 

////////

 

急いでオシマイダーが出た現場へ急行するとほまれと出会した

 

「ほまれちゃん!?何で此処に?」

 

「そんな事より先生が!」

 

オシマイダーは梅橋先生のトゲパワワで生まれた

 

「大丈夫。拓人さん!さあやちゃん!」

 

「うん!」

 

「うん!…って此処で変身するんだ」

 

 

 

「「ミライクリスタル!ハートキラっと!」」

 

「「輝く未来を抱きしめて!」」

 

「みんなを応援!元気のプリキュア !キュアエール!」

 

「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

 

 

 

「プリキュア?」

 

「ふ、2人共。たまには隠す努力をしてね?」

 

「来たなプリキュア!やっちゃって!」

 

チャラリートの指示でオシマイダーの攻撃が始まる

 

だが、オシマイダーの攻撃をエールとアンジュは片手で受け止めた

 

「ハァァァ!!」

 

後退したオシマイダーにエールが右拳を打ち付ける。けれど受け止められてしまう。

そのフォローにアンジュが入るが、エールがそのまま投げ飛ばされ、アンジュは裏拳で弾かれた

 

「援護は任せて!」

 

拓人はブーケトランペットを吹く

 

「オシマイダー!」

 

だが、ブーケトランペットから放つ光弾に対してオシマイダーは、巨大なボールを投げて相殺する

 

「クッ!」

 

息が続く限り吹き続けるも限界が来る

 

(息が…もう!)

「はぁ…はぁ…」

 

「オシマイダー!」

 

限界まで吐き出した酸素が足りなく、動く事さえも出来なくボールの下敷きになる

 

「拓人さん!」

 

「データはバッチリなんだよ!」

 

「プリキュア!拓人!」

 

ようやくしてハリーも追い付いた

 

「アンタ、何か知ってるの?あの2人がプリキュアって」

 

「はぁ!?何でバレとんねん!!」

 

ハリーとほまれが喋る間も拓人達のピンチはまだ続いてる

 

「ダァァ!」

 

「フレフレ!ハート・フェザー!」

 

アンジュのバリアーでオシマイダーの拳を受け止めるも、それだけで精一杯だった

 

「エール押さえて!」

 

「ふんぬ!」

 

アンジュを支えるように2人が背中を押さえる

 

「オシマイダー!!」

 

拳を引っ込めたと思ったら、今度はバットを取り出してバリアー事打って拓人達を遠くまで吹き飛ばした

 

「もう終わりかよ。じゃあ、さっさとギブアップしてミライクリスタルを頂戴!」

 

「そんなの、駄目!」

 

「諦め…ない!」

 

「どんな事があっても!」

 

「プリキュアは!諦めない!!」

 

その言葉にほまれが感化されて手を伸ばす

 

「わたしも…わたしも…もう一度!」

 

「は〜ぎゅ〜!!」

 

ほまれとはぐたんが黄色く輝く。そして、ほまれから一筋の光が飛び出す

 

その光はエールやアンジュが持つ、ミライクリスタルへと形取った

 

「あれってミライクリスタル?」

 

「出やがった!」

 

「何アレ?」

 

「走れ!」

 

未だに状況が掴めないほまれにハリーは叫ぶ

 

「あれはお前の未来や!」

 

ほまれはミライクリスタルの元へと走り出す。でもそれを、オシマイダーが邪魔をする

 

「オシマイ!」

 

「拓人さん!」

 

エールからミライクリスタル・ピンクを借りて、ブーケトランペットにセットする

 

 

「ミライクリスタル!」

 

「アグレッシブ・エスプレッシーヴォ!」

 

 

高速の光弾がオシマイダーを撃ち抜き怯ませた

 

「行け!ほまれちゃん!」

 

「もう一度…!」

 

後少し、ジャンプすれば届く距離まで近付いたのだが

 

「──ッ!」

 

怪我をしたあの日の事をフラッシュバックで思い出してしまう。ミライクリスタルは届かず、そのままジャンプも出来ずに転がる

 

「消えた?やったぜ!」

 

「ほまれちゃん!」

 

「無理、わたし…飛べない」

 

「やっぱり痛いのは心」

 

過去のトラウマを克服出来ず、とうとうそれすらも諦めてしまった

 

「やれオシマイダー!」

 

「オシマイダー!」

 

「させないィィィ!」

 

エールが両手でオシマイダーの攻撃を押さえる

 

「んあぁぁぁぁ!!」

 

更に気合いでオシマイダーを押し返した

 

「フレフレ!ほまれちゃん!」

 

「オシマイダー!」

 

エールは一度距離を置いて再度オシマイダーへ向かって飛ぶ

 

「ほまれちゃん、わたしまだ何だか良く分からないけど!」

 

エールはオシマイダーの体を使って上へと駆け上がり

 

「負けないで。負けちゃダメーー!!」

 

両手を握り、腕の装飾がポンポンとなり勢い付けて叩き付ける

 

 

 

「フレフレ!ハート・フォー・ユー!」

 

 

「ヤメサセテモライマ〜ス」

 

 

 

 

 

////////

 

浄化が終わり、梅橋先生も元に戻った

 

「先生を助けてくれてありがとう。それじゃあここで」

 

ほまれの悲しい背中見てはなは

 

「フレフレ!ほまれちゃん!」

 

「辞めて!」

 

ほまれの声ではなは黙ってしまう

 

「ごめん。今のわたしには…」

 

それだけ言うと、今度こそほまれは振り返らず帰る

 

「今はそっとしておくのが、ほまれちゃんにいい」

 

「…また明日。また明日ね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拓人達が思う以上に、ほまれの心の傷は相当深かった




ちょっとずつでも頑張ろ

ここまでの拝読ありがとうございました!
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