HUGっと!プリキュア ROAD TO MAESTRO 作:シロX
ではスタート
桜が舞う春の季節。曇り一つない晴れ渡れた青空
卒業式には打って付けの日となった
「そろそろ時間だな」
中学最後の登校である拓人。
その身支度を済ませると同時に、家のインターホンが鳴った
家を出ると、正人とアンリが待っていた
「おはよう拓人」
「おはよう。二人共行こうか」
「拓人は将来何をするか考えてるの?」
「考えてるよ。俺は教師になろうと思ってる」
「え!?」
「何そんなに驚くの?」
「いやだって…」
正人が驚くも無理はない。何かしら音楽関係に就くのだろうと考えていたのだから
今までそんな事は一度も口にはしてなかった
「あ、勘違いしないで。教師は教師でも、音楽教師だから」
「でも、音楽の道を進むのは諦めたんでしょう?」
「うんまぁ……結局のところダメなのは分かってたから。でもね、えみるちゃんやルールーちゃんに音楽を教えて分かったの。俺には教える側が合ってるって」
「凄いな拓人は」
三人で話してると、ようやくラヴェニール学園へと着いた
卒業生は少し時間をズラしての登校。その為、既に学園は在校生で溢れており卒業式の準備で慌ただしかった
いつも通り玄関へ行くと、在校生の二年生が卒業生達に花を付けていた
勿論拓人達にも。その在校生というのがよく見知った人
「お〜い!拓人さ〜ん!」
はな、ほまれ、ルールーが花を持って寄って来た
「ご卒業おめでとうございます!」
「ありがとうはなちゃん。ところで、さあやちゃんは?」
「さあやなら学級委員での仕事でいない」
「式の前に皆んなに一目見たかったけど、さあやだけが無理だったか〜。残念」
「それよりも拓人、卒業生にも準備がありますのでお話はまた後で」
準備を急ぐ為、胸に花を付けてもらう
拓人にはルールー、アンリにはほまれ、正人にははな
花を付けて貰う途中、ルールーは拓人と少し話し出す
「拓人、式の後いつもの屋上に来て貰えませんか?」
「式の後?今じゃダメなの?」
「ダメです」
「そうなんだ…分かった」
付け終わり、はな達とはここで別れた
「ほうほうルールーさんや、大胆な事を言いましたの〜」
「はいはい、はなは茶化さない。まぁ…頑張りな」
ほまれは優しく微笑んでルールーを応援するのであった
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無事に卒業式が終わり、校庭では保護者も含めて大勢の人達で混み合っていた
ただ一人、拓人だけは屋上に呼び出されていた為その場には居ない
そして拓人は屋上へ続く扉を開けた
そこで待っていたのは、ルールーだがもう一人、えみるも居たのだ
「待ってましたよ拓人」
「えっと、えみるちゃんが何で居るの?」
「わたしも拓人お兄さんにお話があるのです」
「そうなんだ。ところで話って言うのは?」
えみるとルールーはお互いに顔を見合わせて、小さく「せ〜の」と息を合わせて言った
「「ご卒業おめでとうございます!」」
二人で祝福の言葉を送って貰えた
「で、ここからが本題です」
「え、そうなの!?」
「まさか拓人お兄さん、これだけだと思ったのですか?」
「違うの!?」
えみるとルールーは二人して溜め息を吐く
「わたし達は貴方から大切なものを沢山教わりました」
「音楽、愛と色んなものを。ですからわたし達はこの想いを伝えようと思うのです」
二人は大きく息を吸い声に出した
「「拓人(お兄さん)貴方の事が大好きです。わたしの愛を受け取ってくれませんか?」」
そう二人同時に切り出された
これは俗に言う告白なのだ
しかし困った事に二人同時なのだ。どちらか片方を選ばないといけない。
そうすればどうなるかは容易に想像出来る
だから
「二人共ごめんね。俺も二人の事が好きだよ。でも、そういうのは無理なんだ」
断る
「仲良く笑う二人が好き。だけど、それでどちらかを傷付けてしまうなら、最初からそんな選択なんて断った方が良い」
「「……」」
「だからごめんね」
えみるとルールーが口を開く。しかし聞いた言葉は予想外なものだった
「だと思いました」
「ここまでルールーの予想通りの展開になるなんて少し怖いのです」
「……ん?」
拓人は理解するのに少し間があった。自分の発する言葉が予想通りと言われたのだ
「拓人がそういう発言をする事は既に把握済みです」
「ですからわたし達は次の手を考えているのです!」
「待って待って!頭の整理がまだ──」
「「拓人(お兄さん)!」」
「は、はい!」
突然の呼ばれて思わず返事をしてしまった
「では言い直します」
「拓人お兄さんきっとびっくりするのです!」
二人は拓人にダイブする様に抱き付いて
「「
先程とは少し違う言い回し。勿論拓人はそれに気付いた
「え……それは〜良いのか、な?二人的に?」
「寧ろこれくらいしないと、拓人お兄さんは付き合ってくれないと思うのです」
「ルールーちゃんは?」
「これなら拓人は、100%の確率で逃げる事は不可能と判断しましたので。それに、前もって話し合って決めた事なので問題は無いです」
思った以上に好かれてるのは理解した
ここまでするくらい好かれてると思うと、少しゾッとする反面、この上無い幸せを感じた
「では……俺からもお願いします」
「なのです!」
「はい!」
こうして新たな愛が、未来へと繋がっていく
どちらかを選ぶなんて最初から無理でした!
次回で最終回です
ここまでの拝読ありがとうございました