鬼滅の刃~日輪の生まれ変わり~   作:アイズ

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無惨は…彼らに任せて陽壱は…。






最後、改編しました


第1話 生まれ変わり

 私はいつも気づくのが遅かった……。

 

 

 

 

 私は誰よりも優れていると生まれたときから知っていたにも関わらず、大事な妻を鬼に殺され守る事が出来ず、全ての元凶だったであろう男と仕留め損ねてしまう。挙げ句の果てには大切な兄上が鬼になった上に鬼の女性を逃がした責任を取るため、鬼狩りを追放されて一人で旅をし、彷徨っていた。

 

 

 私が存命している限り、全ての元凶だったであろう男は出てこないと思いせめて唯一無二の兄上を自分の手で討ち取らなければ、悲劇が繰り返されてしまう。

 

 

何故? 兄上ほどの立派な侍が、日の本一の侍を目指していたあの兄上が鬼などという醜悪で悲しい存在になってしまったのか。どれだけ考えても結論は出ない。

 

 

 そして、私は鬼になった兄上と出会う事が出来た。一撃入れる事は出来たが兄上にトドメを刺そうとしたとき体が動けなくなってしまった。嗚呼、結局何一つ成し遂げられなかった。心臓の鼓動は止まり、手足はぴくりとも動かず、立ったまま寿命を迎えた。

 

 

 

 

 

 私がいたからこそ不幸になった者はいて、私がいなかったからこそ幸福になれたはずの者がいた。

 

 

 

 この世を去ろうとしている今になって後悔しても遅いというのに……

 

 

 

 せめて、せめてあの男だけは殺すべきだった。問いなど投げかけることなく、一切の隙を与えずに斬り刻むべきだった。

 

 

今度こそ、今度こそ…もし生まれ変われるのだとしたらあの男を、あの男を……

 

 

 

 

 

■■■

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ……い、今のは、な、何だったんだァ?」

 

 

 

 竿と籠を持ち川釣りに行っていた少年が家路に向かって山道を歩いていると途中で、記憶なのか? 幻覚だったのか?分からないが誰か声が頭の中に響いた。生まれてきてから初めての経験だったのでその場に倒れないように右手で近くの木に添えて、肩から息をして気持ちを落ち着かせる。

 

 

 

 この少年の名は九条陽壱、農家の一人息子として生まれ、ごく普通に何不自由なく育てられた。これといって特徴のない少年ではあったが、少しだけ他人と違う特徴がある。

 

 

 それは左の首筋に不気味な三つ巴の痣が浮かんでいたからだ。両親は最初、何かの病気ではないかと考え大層心配して、街から街へと移動し何人もの医者に見せた。しかし、両親の心配とは裏腹に、医者たちは口を揃えて何の異常も無いと言ったという。その言を裏付けるように、陽壱は病気ひとつなく健康的に育った。

 

 

 さっきの出来事が起きてから気持ちが落ち着けたのがすでに辺りが暗くなっていた。両親が心配すると思い急いで家の前に着くと、一見するとなんの変哲もない自分が知っている家ではあったが家の方から違和感をひしひしと感じていた。

 

 

 

自分との距離はあったが空気に混じる、ほのかな異臭が漂ってきた。

 

 

 

 

「……っ」

 

 

 

 家に居る両親が心配だったので一歩ずつゆっくりと近づいていく。近づくに連れて段々と生臭い異臭が濃くなっていった。嗅いだことなんてないはずなのに、何故かそれが血の匂いであると分かった。

 

 

 この家に住んでいるのは、陽壱と両親だけだ。自分が無傷である以上、両親に何かが、大怪我を負うような何かがあったことは自明の理であった。

 

 

 いてもたってもいられず、少年は家の入り口を開けた。

 

 

 

「父さん!母さん!ただいま!……えっ」

 

 

 

 家の中は惨劇状態だった。畳も、天井も、壁も、そこら中が真っ赤な色に染まっていた。その中央に大きな塊が2つ転がって動かないでいる。

 

 

 

 両親は死んでいた。

 

 

 

 両親の側にこちらに背中を向けている者が居た。そいつが陽壱の方に顔を向けた。

 

 

 

 

 

 “人間ではない身体中に腕が映えた異形の姿をしていた”

 

 

 

 

「父……さん、母さん………」

 

 

 陽壱を見るや否やニヤニヤと笑みを浮かべてきた。

 

 

「クヒヒヒ…丁度いい、餌がまた増えたなぁ」

 

 

 異形の姿をした者がそう言ってきたので、来た道を引き返して体の向きを変えて逃げる。

 

 

 

「わぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 当然、異形の姿をした者も逃げた陽壱を追いかけてくる。後ろから怒号の音がしたあと陽壱の前に現れたので陽壱は立ち止まる。陽壱は左右を目だけで見て逃げ道がないのでゆっくりと家の方へと後ずさりする。異形の姿も陽壱に一歩ずつ近づいていく。

 

 

 

「今夜はとことんついてるなあ!子供の肉も食えるなんてよ!」

 

 

 家の近くまで後ずさる。陽壱は横目でいつも薪割りをする所に斧がある事に気づき、陽壱はそれを手に取り、刃を向ける。その姿を見てニヤリと異形の姿が笑みを浮かべきた。

 

 

「そんな斧で俺に傷つける事なんて出来ると思っているのか? だったら俺を楽しませてみろ」

 

 

 

 異形の姿は上機嫌なその表情をさせて瞳は、命を弄ぶ愉悦をありありと浮かべていた。陽壱はこの状況を初めてだっていうのに何処か懐かしいというよりも憤りを感じていた。自分は此奴らの存在を昔っから知っている。

 

 

 

 "鬼"

 

 

 脳裏に一つの言葉がよぎる。町の噂や父さんから聞かされていた存在だと不思議と確信を持てた。初めて鬼という言葉を聞いた時、自然と手に力が入り掌から血を出した事を思い出す。

 

 

 

 

『何が楽しい? 何が面白い? 命を何だと思っているんだ?』

 

 

 脳裏に、誰かの声が響く。この声…さっき聞いた声と一緒。

 

 

『絶対にお前を許さない!!!』

 

 

 

 また声が聞こえてきた。 

 

 

『私は大切なものを何一つ守れず、人生において為すべきことを為せなかった者だ。何の価値もない男なのだ』

 

 

 

 声が聞こえてきたので陽壱は目を閉じる事にした。

 

 

 

『兄上、私たちはそれ程たいそうなものではない。長い長い歴史のほんの一欠片。私たちの才覚を上回るものが今のこの瞬間にも産声を上げている。彼らがまた同じように同じ場所に辿り着く』

 

 

 陽炎のような痣を持ち耳飾りをした剣士が同じ顔の剣士(兄上)と語り合っていた。 耳飾りをした剣士を初めて見たはずなのに陽壱は昔からこの人のこと知っているとそう感じていた。

 

 

 

『何の心配いらぬ。私たちいつでも安心して人生の幕を引けば良い。浮き立つような気持ちになりませぬか、兄上』

 

 

 そうか…この人は自分の……陽壱は何かを悟った。 

 

 

 

『お労しや。兄上』

 

 

 

 涙を流した老いた男が出てきた途端にすべてが分かった。

 自分は…自分は……この人の。

 

 

 

「俺は継国縁壱さんの生まれ変わり!!!」

 

 

 

 陽壱は斧を自然に抜刀の構えてにして地面を蹴り、鬼に向かって走り出す。鬼はあまりの速さに防御態勢を取る事が出来ず。

 

 

 陽壱は頸を刎ねる。けれども、日輪刀ではない刀で頸を斬ったところで鬼は死なない。日輪刀が手元に無い今、鬼を殺せるのは日の光だけだ。朝が来るまで切り続けるしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃあああああ!!!」

 

 

 

 鬼は太陽の光を浴びて、跡形もなく消滅した。その場にペタンと座り込む。

 

 

 

 

「……疲れた」

 

 

 

 

 何回斧を振るっただろうか。刃は度重なる酷使で歪み、地の色が分からないほど真っ赤に染まっている。

 

 夢中で斬って、斬って、斬って、斬りまくっていた。気が付けば、日が昇っていた。 

 

 

 

「やっぱり、イヤな感触だなぁ」

 

 

 陽壱は自分が持っている斧を見ながらそう呟いた。

 

 そして、昔の記憶…と言っても縁壱の時の記憶だけど。自分の兄が父の輩下との稽古中に自分にも教えて欲しいと何回か言った後に、一回だけ打ち込ませてもらったことを思い出していた。

 

 鬼とは言え人型のものを、生きているものを刻む感触は、只ひたすらに不快であった。

 

 

「さてと、まずは…」

 

 

 陽壱はこれからする事を考えていた。しばらく休んでから、両親の埋葬、それから昨日、多分母さんが夕飯を作っているだろうと朝食を取り、鬼舞辻無惨とその配下の者達……そして、兄上たちを探す。

 

 鬼舞辻無惨達を探す前にやるべき事があった。

 

 

 

「自分が使っていた日の呼吸の修行だな」

 

 

 修行に最適な場所に行って、生まれ変わりの陽壱が何処まで日の呼吸を使えるのかを確認。

 

 身支度を済ませた陽壱は埋葬した両親の墓に手を当てて祈る。

 

 

「頑張ってきます」

 

 

 

 こうして、縁壱の生まれ変わりの陽壱は修行に最適な場所を求めて旅立ったであった。

 

 

 

 

 

 

 

 




生まれ変わりの縁壱さんを出してもみたいを思い、書いてみました。

ゆっくりと物語を進めていきます。
最後までお付き合いいただければ幸いですので、
どうぞよろしくお願いいたします。
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