「修行の旅に立ってから4年位経つか…」
陽壱の両親が鬼に殺されて、その鬼を狩ったときに継国縁壱の生まれ変わりと分かった。当時10才だった陽壱は鬼舞辻無惨と鬼になった兄上を追いたいが今、戦うのは余りにも小さくしかも体も鍛えてもいないのですぐに殺されてしまう。それでは生まれ変わりとして生まれた意味がない。その為、修行の旅に立った。
その修行に旅立ってから四年の歳月が経った。
現在、14才で随分背が伸び、顔つきも段々と縁壱さんに似てきて、大体165センチぐらいはある。今居る場所は日本で一番高い富士の山の頂上付近に来て修行している。地上と此処では酸素の濃さが違うので全集中の呼吸を常に持続させる修行にはもってこいの場所なので此処で修行をしにきた。
2年半前の来た初めは、地上から頂上までの往復するだけで辛かったが今では全集中の呼吸を維持したまま三時間で往復する事が出来る。頂上に着いたら修行の最終段階、日の呼吸を壱ノ型から拾弐ノ型を翌朝まで寝ずに全てを振るい終えた。
全ての修行を終えるまでの4年間、修行が大変だった。
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先ずは、修行の旅に出てから最終の修行場所と決めた場所より低い山で日の呼吸の型の確認と全集中の呼吸の持続。
修行の地に来た初日は、陽壱自身は初めての体験する事なので、緑壱さん記憶を頼りに型を一つ一つ確認した。
「はぁ…はぁ…はぁ…壱ノ型、円舞から拾弐ノ型、炎舞の型をなんとか出来たが…はぁ…はぁ、今の体と体力では拾参ノ型は…翌朝まで壱から拾参ノ型まで繋ぐのは、無理だな」
大木に寄り掛かって座り体力を回復させている陽壱。そこら辺に転がっていた木の棒で壱ノ型から拾弐ノ型まで振るったが一つの型を振るったら、30分ぐらいの休憩を挟みでなければ出来なかった。
全集中の呼吸の呼吸が出来なかった事もあるが日の呼吸を完成させたのが一回りぐらい違う大人の時なので、縁壱さんの生まれ変わりとはいえ、10才の子供が振るうには辛すぎる。流石に拾参ノ型を…壱ノ型から拾弐ノ型を翌朝まで繋ぐ体力と体が追いついていない。拠点と決めた場所で帰り、床にうつ伏せなり死んだかのようにぐっすり翌朝まで寝た。
次の日からの修行は体力作りと全集中の呼吸の呼吸の維持、素振り。先ずは朝の走り込みから始めた。
走り込みの時間は、早朝六時から十一時までの五時間を休まずに全集中の呼吸を常に持続させ、途切らせること無く山の中を走り続けた。
最初は全集中の呼吸をするだけで、肺なんて意識した事ないし、今までにないく
らい肺は痛み、心臓はドクンドクンとうるさいくらいに聞こえる。しまいには耳から心臓が出てきそうな感覚だった。
呼吸を四六時中維持するのはもっとキツかったが、やり始めて数週間も経てば長時間維持できるようになってきた。
全集中の呼吸をしながらする走り込みが終わると、自分で昼飯を一時間で作り後、食べて一時間休憩をする。
休憩を終わると次はまた全集中の呼吸を常にしながら、最初は木の棒で素振りをしていたが折れたりしたのでその次の日から木刀を作って用意する。木刀素振りを5000回する。夜は修行を行わずに一日の反省を書いたり、木刀を作ったりしてから眠った。
最初の頃素振りは最高でも1000回だったのだが、全集中の呼吸の持続時間が伸びてから段々と素振りの回数も増えていた。
此処での修行は二年半ぐらい毎日行い、今では五時間走っても息切れや汗をかくこと無く立っていられるようになり、素振りは10000回を一時間以内で出来るようになっていた。
寝る場所は山の中に誰も住んでいない少しボロボロの小屋があったので一人で寝るには問題なかったでそこを拠点にした。
料理を作れるのは母さんのおかげ。母さんが「これからは男の子が女の子に手料理を作るべきだよ」という理由で5才の頃から手伝っていた。今では凄くありがたい。その事も有ってか、父さんからは食材の選び方から取り方まで教えて貰っていた。
二年半でこの山での修行を終えて、最終の修行場所と決めていた富士の山に来、始めたのは良かったが自分が思って以上にきつかった。
最初は修業した山の高さまでは問題なく走り込みが出来ていたが段々と頂上に登るに連れて、酸素が薄くなってきたので全集中の呼吸の呼吸を維持する事が出来ずに途中で引き返した。毎日、同じ事を繰り返した。雪が降る冬場はもっと過酷な修行に為、体を適応させるのに一年ぐらいか掛かり、やっと次の最終段階へ向けての修行に入れた。
「翌朝まで、繋ぐぞ全拾弐ノ型を!!」
最終段階、翌朝まで日の呼吸の全拾弐ノ型を演舞する。
翌朝。
「日の呼吸の型をは全て問題なく繋げることが出来た……まだ、少し疲れるが、最初の時よりは全然マシだな」
陽壱は日の呼吸の型を全て翌朝まで舞い、そう締めくくった。
疲労の原因は体力、体の内部が見えていない訳ではない、体がまだ追いついていない。縁壱さんは生まれたときからだったが、陽壱は前の修行場所、半年で人の内部や物が透けて見えるようになり、富士の山までの道中で人の血液の流れ内臓、筋肉の動きが確認できた。
縁壱が日の呼吸の型を完成させたあの時の年齢に至ったとしても、完全に同じ動きは出来ないだろう。陽壱は緑壱であって縁壱ではない。"生まれ変わり”だから、縁壱の剣技に追い付くにはまだまだ修行が必要だと深く感じた。
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四年間の修行を振り返り終えた陽壱は腰に差した刀を抜いた。
「まさか、家の神棚にあった刀が日輪刀だったとはな」
日輪刀を掲げると、徐々に刀身に色が入り込む。刀の色は黒色に変わりそして刀身に青白い炎が浮かび上がった。旅に出たとき一緒に持ってきた。この刀が日輪刀だったとは抜くまで分からなかった。
陽壱は刀を見て昔を思い出していた。
神棚にあった刀を1度触ろうとした時、何故か触りたくなったのか分からなかった。父さんに「危ないから触るんじゃない!!」と1度だけ怒られた。その後、父さんから神棚から取って刀について語られた。この刀は「数百年間、九条家が代々守り受け継いできた刀なんだよ。お前に譲りにはまだ早いからもう少し大きくなったらな」と言われたが、譲り渡されてはいないが刀を持ってきた。
「父さんすまないがこの刀を使わせて貰うよ、母さん、危ない道に行くが許してくれ」
陽壱は空に掲げて、亡くなった両親に向けて言ったみたが返事が返ってくる訳じゃないに。日輪刀を鞘に納めた。
「……行くか、藤襲山」
陽壱は藤襲山に向けて立ち上がり、下山しようとしていた。
その時、ほんの少しだけ追い風が吹いた。
『『いってらっしゃい……陽壱』』
その風はどこか温かく、まるで父さんと母さんが陽壱の背をそっと押してくれたように感じた。
そして、陽壱は鬼殺隊に入隊する為の最終選別が行われる、藤襲山に向けて駆け出した。
次は藤襲山での話です。