ありふれた錬成師は治癒師と最強を目指す   作:旭姫

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第十三話 フェアベルゲンと忌み子

ハジメ「さて、お前達は敵か?」

 

ハジメの放つ威圧にフェアベルゲンの長老達は押し黙った。

 

先ほどハジメが飛ばした熊人族の長は左腕の骨折だけでなく、内蔵も破損しているなどの重症で、香織が応急処置(魔法は使ってない)を施していた。

 

ハジメ「お前達一人一人に聞いてるんじゃねぇんだよ。お前達フェアベルゲンの長として聞いてるんだよ。」

 

「貴様!!なんだその態度は!!ジンを動けなくしといて。」

 

どうやら、先ほどの熊人族の男はジンと言うらしい。

 

ハジメ「おいおい、あいつから襲って来たんだろうが。反撃して何が悪い。」

 

「くっ、」

 

ハジメ「お前達、何か勘違いしてないか?どうせ、あの男が俺を殺したらその程度のやつなんだと考え、逆にあの男がやられたら、俺達が悪いってか?……お前ら、なめてんのか?

 

「ジンはいつもこの国のことを思って!!」

 

ハジメ「それが客人を問答無用で攻撃できる理由なのか?」

 

アルフ「まぁまぁ、皆喧嘩しないでくれ。両者の言い分もわかる。確かに、ジンはこの国を思って行動してくれている。しかし、だからと言って勝手に襲って反撃するなと言うことも出来ない。それにな、彼は紋章を持っているんだ。口伝に沿って言えば完全に我々が悪い。……申し訳ないな、南雲ハジメ。これは我々の責任だ。」

 

アルフレリックがハジメに頭を下げるが他の者は納得が行かないのか、無言を貫く。

 

現在、ハジメの横には香織とユエがいて、その後ろにハウリアが並んでいる。

 

対して、机を挟んだ反対側に虎人族のゼル、翼人族のマオ、狐人族のルア、土人族(俗に言うドワーフ)のグゼ、そして森人族のアルフレリックが座っていた。

 

そして、ジンはこの部屋にはいない。

 

ハジメ「それで、お前達はどうしたいんだ?俺はただ大樹に行きたいだけであって、お前たち自体には用はない。邪魔さえしなければ、お前達を誤って(・・・)殺すこともない。……お前達は俺達の邪魔をしたいのか?」

 

ハジメの問いかけは先程の会話で論破されてしまったので声を出しづらいために黙っていた長老衆も流石に無言を貫けなかった。

 

「なら、我々は邪魔をしないかわりに、もしお前さん方を襲ってきたものを殺さないことを約束してくれ。」

 

ハジメ「そうだな…。さっきの男くらいの強さを持つやつなら出来ないわけではないが…。」

 

「無論、我々からも国のものに通達はするが、お前さん方を襲おうと考えるやつは出てくるはずだ。…特にジンのいる熊人族の面々はそうだ。」

 

ハジメ「まぁ、極力殺らないように気を付けよう。」

 

「それと、我々から大樹へ行くための使いを出す。だから、そこのハウリアは置いていけ。彼等に案内してもらえるとは思わないことだ。そいつらは罪人。フェアベルゲンの掟に基づいて裁きを与える。何があって同道していたのか知らんが、ここでお別れだ。忌まわしき魔物の性質を持つ子とそれを匿った罪。フェアベルゲンを危険に晒したも同然なのだ。既に長老会議で処刑処分が下っている」

 

シア「な、そ、それだけはお助けを」

 

カム「もういいんだ、シア。俺達の決意は固まっている。」

 

ハジメ「なぁ、勘違いしてないか?俺はこいつらに大樹へつれていくように契約したんだ。途中でいい条件が出たからと鞍替えするつもりはない。」

 

「ならば、我々は、大樹の下への案内を拒否させてもらう。口伝にも気に入らない相手を案内する必要はないとあるからな」

 

ハジメ「なるほどね、さっきから口伝のことに否定的だったくせに、丁度良くあった内容だけは使うんだな。まぁ、それはもういい。それより、忌み子の件だがもう意味ないぞ。」

 

ハジメは自分の右手に“纏雷”を纏った。

 

長老衆はその光景を見て、目を丸くした。

 

ハジメ「俺もシアと同じように無詠唱で魔法を放てるし、固有魔法もある。それで、横にいるユエなんかはもはや化物レベルだ。どうだ?これで、俺達も忌み子になるんだろ?口伝には“達成者に対しては如何な理由があろうとも敵対しては行けない”んだろ?なら、今さらだな。」

 

「はぁ、わかった。達成者、南雲ハジメとその仲間達を口伝に従い、資格者と認める。…だが、南雲ハジメを忌み子と認め、フェアベルゲン本国への入国を禁じ、ハウリア族は南雲ハジメの奴隷とする。」

 

ハジメ「寛大な処置、感謝するよ。」

 

「君を口伝の資格者として認め、うちでパーティーでもと思ったが、この決定なのでな、来て早々で悪いが、君が大樹に行く頃までにはこの国から立ち去って欲しい。」

 

ハジメ「ああ。香織、ユエ、お前達、行くぞ。」

 

そして、話し合いは最悪の雰囲気で終えた

 

ハジメ達は長老衆の集会場から離れた。

 

カム「あの、南雲殿。良かったのですか?」

 

ハジメ「何がだ?」

 

カム「いえ、その、我らは力を持たぬ弱小種族です。そんな我らを…。」

 

ハジメ「俺は約束はなるべく守ってるつもりだ。それに、お前達には他にやってもらうことがあるからな。この後のために体力を残しておけ。」

 

カム「え?何を?」

 

ハジメ「行くぞ。」

 

ハジメ達はフェアベルゲンを出てから少ししたところに(先程盗んだ)フェアドレン水晶を使って結界を張った。

 

ハジメ「さて、お前達には戦闘訓練をして貰う。」

 

その言葉でハウリア族の兎人達がその場で固まった。





次回は戦闘訓練です。

では、また次回。
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