白い光が消えると、そこは見慣れない天井に床だった。
壁には女なのか男なのかわからない中性的な人物の肖像画がおかれていた。
ハジメ(まさか異世界召喚を現実で受けることになるとは……)
香織「ハジメ君大丈夫?」
ハジメ「あ、うん。大丈夫だよ。一応全員無事なんだね。」
雫「これって、南雲くんの持ってた本にあった異世界召喚ってやつかしら?」
ハジメ「たぶんそうだと思うよ。地球で見たあの円は明らかに魔法陣だった。そして、光が消えると見慣れない壁や天井。完全に異世界召喚だ。」
ハジメの予想に皆が現実味を持ち始めた。
その時、クラスメイトの前に一人の老人が出てきた。
「勇者様、御同胞の皆様。ようこそ、トータスへ。私は、この聖教協会の教皇をしております、イシュタル・ランゴバルトです。以後お見知りおきを」
ハジメ達はとりあえずと、応接室に案内された。
ハジメは一番後ろに香織と遠藤と座っている。
遠藤「なぁ、南雲。あのおじさん怪しくないか?」
ハジメ「僕も思ったよ。それに、ここのメイド達はおそらくハニートラップ要因の素人だよ。」
香織「へぇー。何で素人だってわかったのかな?もしかしてそれって…」
ハジメ「誤解だよ。だってあの女の人見てよ。普通あんな風に紅茶を入れたりしないよ。」
遠藤「確かに乱雑だな。そう考えると、南雲の推理も納得がいく。」
ハジメ「とりあえず今は彼の話を聞こう。」
イシュタルからはこの世界の成り立ちについて教えて貰った。
―この世界は、神エヒトが作った世界で、3つの種族がいること。
―現在人間族と魔人族は戦争中だと言うこと。
―亜人族は魔法の力が無いため忌み嫌われていること。
―人間族と魔人族では崇める神が違うこと。
―魔人族が魔物の使役を始めたことで、人間族と魔人族の均衡が崩れたこと。
―ハジメたちの住んでいた地球は上位世界であり、この世界に住む人々以上に力があること。
―この世界にハジメ達を召喚したのは人間族の崇める神エヒトで、目的は人間族の平和の為に魔人族を撃退してほしいとのこと。
つまり、ようやくすると、「魔人族は邪魔だから、我々人間族の代わりに魔人族を滅ぼしてくれ」ということ。
戦争をさせるつもりである。
しかし、それに反論した人がいた。
我らが畑山先生である。(愛ちゃんと言うと怒る。)
「貴方方は私たちに戦争をさせるつもりですか?そんなのは認められませんよ。それに、貴方方がしているのは誘拐と同じなんですよ?早く帰してください。」
しかしイシュタルは
「それは無理なのです。なぜなら召喚したのは我々ではなくエヒト様であり、帰す方法を我々は知りません。」
その言葉でクラスメイトがパニックになるが、一人の男が立ち上がった。
勇者(笑)である。
「みんな、ここでイシュタルさんに文句を言っても仕方がないだろう。俺は戦う。この世界を守るために!!」
ハジメ(なるほど、あの人は天之河君がこのクラスで一番発言力があることを見抜いていたのか。それに、あの説明だと、魔人族が極悪非道な悪であると、言っているようなものじゃないか。)
天之河の発言に賛同したのか、
「俺もやるぜ。」
坂上龍太郎、参戦!!
「私もやるわよ。」
八重樫雫、参戦!!
それからクラスメイトのほとんどが賛同した。
ハジメ「なるほど、やはりこうなるのか。」
天之河「南雲、お前も勿論やるよな。協力してこの世界を救うんだ!!」
ハジメ「はぁ、なら天之河君には
天之河「何を言っているんだ?人を殺す?そんなことするわけないじゃないか。」
ハジメ「人を殺さずにどうやってこの世界を救うんだ?」
天之河「話し合いで解決すればいい。それに、俺達には力がある。」
ハジメ「話し合いで解決できるのならばこの世界になんて召喚されないよ。」
天之河「俺たちの力なら話し合いで解決できる。俺達がこの世界を救うんだ。」
ハジメ「へぇーそうなんだ。なら、僕達は君達とは違う道を行くよ。イシュタルさん、お願いがあります。」
「なんでしょうか。」
ハジメ「簡単ですよ。しばらくしたら僕達を冒険者として活動させてください。」
香織「ハジメ君、私も着いていくからね。」
ハジメ「いいよ。香織さんをあんなお花畑な頭の持ち主に預けたくないからね。」
天之河「何!?頭がお花畑だと?南雲、お前、この世界の人を見捨てるのか?」
ハジメ「言ったよね?人を殺す覚悟が無い人には守られたくないと。いいかい?僕達は魔人族と殺し合いをするんだよ?そんな生半可な気持ちでいたら勝てるものも勝てない。ですよね、イシュタルさん。」
「そうですな。冒険者になれば、常に死や危険と隣り合わせ。危険を経験すれば身も心も強くなれるでしょう。南雲殿…で、いいですな。いいでしょう、しばらくは皆様一斉に訓練には参加していただきますが、それでよろしいでしょうか?」
ハジメ「ええ。それで構いません。話が合って助かりました。」
「いえいえ、こちらこそ。貴方様はどうやらこの状況をこの中で一番理解していらっしゃる。」
ハジメ「そうですかね、これくらいは考えたら誰でもすぐに浮かぶと思いますよ。それに、僕達は地球では学生…つまり、文官です。いきなり戦争なんて無理ですからね。戦い方をご教授いただけるとあらば、それは嬉しい限りでございます。」
クラスメイト「……」
ハジメとイシュタルの会話についていけていないのか、クラスメイトが静まり返っている。
イシュタル「とりあえず、この神山の下にあります、ハイリヒ王国に向かいましょう。皆様の衣食住を保証します。」
そういって、イシュタルは移動を開始し、ハジメと香織が足早に着いていった。
クラスメイトが動き出せたのはそれから一分後のことだったらしい。
途中で文章がおかしくなったかも……。
なんか、ハジメがハジメじゃないみたいですが、次回はステータス編です。