とまぁ、それはさておき…ゲームの方で新章が配信され、少しだけ進めてみたんですが、オーバーセンスってダンボール戦機で言うオーバーロードみたいなものだったりするんでしょうか?
まぁ、進めて行けばわかることかもしれませんが。
さて…それでは、本編をどうぞ!
「ふむ、彼は順調にあの世界で生きているようじゃな」
彼、天野晴哉を装甲娘の世界に転生させた張本人である神は彼の様子を眺めながらそう言葉を零す。
普段であれば、転生した後のことは本人の問題であるため、わざわざこんな風に様子を見ることはほとんどないのだが、この神にはそうしなければならない訳があった。
それは、晴哉を転生させた理由にある。
実は、彼の転生した装甲娘の世界は少々事情が異なる。本来なら、装甲娘の世界には隊長と呼ばれる存在が必ず居るのだが、彼の転生した装甲娘の世界には隊長が存在しなかったのだ。
このままでは、世界が正しく存続することができない…故に、神はそのタイミングで、偶然車の事故に巻き込まれ命を落とした天野晴哉を装甲娘の世界に転生させることにした。
要は本来の装甲娘の世界との帳尻を合わすために彼を転生させたということだ。
ただ、思いっきり神様側の事情であるため、それに晴哉を巻き込むことに罪悪感を覚えた神はせめてもの償いとして、1年間彼を修行させたり、装甲娘の世界では必須であるLBCSのメンテナンスの仕方を教えた。
まぁ、晴哉には事情を一切説明していないのだが。
「本当に彼にはすまないことをしたのぉ…だから、せめて彼がピンチの時は儂が助けてやらねばな…まぁ、今のところその心配はなさそうじゃが」
そう口にする神の視線の先には晴哉が装甲娘達と楽しく談笑している姿が映っていた。
「晴哉、お主の行く末を見届けさせてもらうぞ…お主の道に幸あれ」
神はそう言葉を紡ぎながら、晴哉の様子を再び眺めるのだった。
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「ふぅ〜、ようやく終わった…エンペラー、手伝ってくれてありがとう。俺1人じゃ絶対終わらなかったよ」
「いえ、隊長のお役に立てたなら嬉しいです!」
そう言って、エンペラーことカタクラソフィアは笑みを浮かべる。
大人っぽい見た目ではあるが、その笑みは年相応でとても可愛いと思う。
彼女はファーストケース選考試合から防衛隊からアテナスへ来てくれた装甲娘で、今はチームアテナスのリーダーを務めてくれている。
「そうか…だけどエンペラー、あんまり無理するなよ…ただでさえ、お前は他にも色々と仕事をこなしているんだからさ」
「心配してくださり、ありがとうございます。ですが、本当に大丈夫ですから安心してください…隊長のお仕事を手伝うのも私がそうしたいからそうしてるんです」
「そうなのか?なら、良いんだが…」
だが、このままでは俺の気がすまない…うーん、せめて何かしてあげられないだろうか?
今居るのは俺の自室だ…俺が1人で仕事をしている所にエンペラーが来て仕事を手伝ってくれて今に至るわけだけど…しかし、こうして改めて見ると俺の部屋って本当に簡素だな。
最低限、生活に必要なものぐらいしか置いてない…唯一の私物と言えば、神様が渡してくれた特別なLBXぐらいなものだ。
LBXバトルは今はできないしな……うーん、どうしたもんかな。
そういえば、下に紅茶とかお菓子がまだあったよな…それを持ってきて、ティータイムにでもするか。
「エンペラー、ちょっと待っててくれ、下で紅茶を淹れてくるよ。ついでにお菓子も持ってくるから、仕事終わりのティータイムといこう」
「あ、ありがとうございます!では、隊長がいらっしゃるまでお待ちしております!」
「あぁ、待っててくれ」
そう告げて、俺は自室から下の階へと向かった。
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―――
「隊長ちゃん、何してるんら?」
「うん?ジョーカーか…見ての通り、紅茶とお菓子の準備だよ」
俺がティータイムの準備をしているところに声を掛けてきたのはジョーカーことミクリヤマココ。
一見、幼い子供のような容姿ではあるが立派な女子高生である。舌っ足らずで『だ』を『ら』と言ってしまう。
…まぁ、今はあまり関係のないことではあるな。
「誰かとお茶でもするのかな?かな?」
「あぁ、エンペラーとな。いつも彼女には色々と手伝ってもらってるから、たまにはリラックスさせてあげたくてな」
「なるほど、エンペラーちゃんと…ふ〜ん、へぇ〜…」
「何だ?ジョーカーも一緒にお茶したいのか?なら、一緒に行くか?」
「いや、遠慮しとくのら。さすがのジョーカーもそれぐらいの空気は読めるのら」
「空気を読む?何の?」
「隊長ちゃんは気にしなくて良いのら!それじゃあエンペラーちゃんとのティータイムを楽しんで来てね〜!」
「あっ!ちょっと待って!」
「どうしたんら?」
そう言いながら、首を傾げるジョーカーにクッキーが入った袋を手渡す。
「こ、これは…!」
「いつも何だかんだお前にも助けられてるからな…そのお礼だ。いつもありがとなジョーカー」
「隊長ちゃん…!ま、まぁ!隊長ちゃんがくれるっていうなら遠慮なくもらっておくのら!…あ、ありがとう」
「どういたしまして。それじゃあ、俺は部屋に戻るよ」
そう言って、俺は紅茶とお菓子を持って自室へと歩を進めた。
「これ…ラッピングされてるってことは、元々ジョーカーに渡してくれるつもりらったってことらよね…うぅ、そういう所本当にずるいのら…隊長ちゃん」
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「お待たせ、エンペラー…」
「スー…スー…」
「あれ?寝ちゃってるのか…まぁ、無理もないか」
ティータイムをしたかったところだけど、エンペラーを起こすのも悪いし、このまま寝かせてあげよう。
ただ、そうなると紅茶とお菓子をどうするかが問題だな…ハンターにお裾分けしに行こうかな…いや、それはエンペラーに少々悪い気がするな。
「しょうがない…エンペラーが目を覚ますまで待っていよう。最悪、お菓子は明日に回せば良いか…紅茶は今飲むしかないけど…」
そう口にしながら、紅茶に砂糖を入れてスプーンでかき混ぜてから紅茶を飲む。
この世界の状況的に紅茶を手に入れるのだって一苦労だから、味わって飲まなくちゃな。
…いよいよ明日が初陣か…この世界に来てから本当に色々なことがあったな。
この世界に来たばかりの頃は、神様から詳しい説明を一切されなかったせいで俺の知ってるダンボール戦機の世界とは違うというのもわからなかったから、とりあえず防衛隊に入って情報を集めることにしたんだよな。
それで、しばらく防衛隊に所属した後に、民間の警備会社、つまりアテナスを立ち上げて今に至る。
最初はなかなか試験に合格できる装甲娘がいなくて少々寂しい思いをしたものだが、そこからクノイチが入ってきてくれて、ジョーカーが来て、ハンターが来てくれて…アキレスにリボンがやってきて…ファーストケースになった。
今では、エンペラーもアテナスに来てくれて…随分と賑やかになったもんだよな。
…明日の初陣、いや、多分これから先も俺は彼女達を守り、導かなくてはならない…正直に言えば、俺にそんな大役が務まるのか不安でしょうがない。
でも、泣き言ばかり言っても変わらないのも事実だ…彼女達の命を預かっている以上俺も覚悟を決めないとな。
クノイチにも絶対に誰一人死なせないと約束したしな…約束は守らないとだ…こんな俺を信じてくれた皆の為にも。
「う…うん…はっ!私、もしかして寝てましたか?」
俺が改めて決意を固めていると、ベッドで寝ていたエンペラーが目を覚ました。
「おはよう、エンペラー…もう寝てなくて大丈夫か?」
「は、はい!おかげさまで何だかスッキリしました!」
「そうか、それは良かった」
「それよりも、申し訳ありません!隊長が、せっかくお茶の準備をしてくださったのに私ときたら…」
「いや、気にしなくて良いよ…むしろ、エンペラーの寝顔が見られたから得した気分だ」
「あぅぅ…!は、恥ずかしいです…まさか、隊長に寝顔を見られるとは…これはもう責任を取ってもらうしか…」
何やら小声で呟いているが、よく聞き取れない。
何か気にさわることでも言ってしまっただろうか?一応、謝罪しておいた方が良いかもしれないな。
「なんかごめんな…変なこと言っちゃったか?」
「へっ!?い、いえ!隊長は悪くありません!だから、お気になさらないでください!」
「そ、そうか?なら良いんだが…あっ、そうだ!紅茶、温かい内に飲んでくれ…今からゆっくりティータイムといこう」
「はい!喜んで!」
そう嬉しそうに返事をし、エンペラーは俺の席の前に座る。
そうして、予定より少し遅くなったがエンペラーとのティータイムが始まった。
そして、エンペラーと他愛ない会話を交わしながら初陣前の夜はゆっくりと過ぎていった。
といった感じの初陣前夜でした!
もうすぐ、装甲娘のゲームで新しいイベントが始まるようなので、今からとても楽しみです!
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!