初陣翌日の一幕といった感じの話になっています。
それでは本編をどうぞ!
「ふわぁ〜…眠い…」
昨日アキレスを励ました後、部屋に戻った俺はなかなか寝つけずについついLBXを弄ってしまい寝るのが遅くなってしまった。
神様が俺にくれたLBXは、どうやらミゼルのハッキングを受けないようで、今までこっそり遊んでも乗っ取られたことが1度もない。
まぁ、油断は禁物だから普段は厳重にロックを掛けているが。
「隊長、どうしたの?何か眠そうだけど」
「あぁ…リボンか、おはよう…実は、昨日LBXのメンテナンスに時間がかかってさ」
「いや、LBCSじゃないんかい!まぁ、隊長のLBX好きはよく知ってるけどさ…」
そう呆れまじりに口にしたのは、レッドリボンことオカノシタイチゴ。
アキレスと同期の装甲娘で、俺の中ではちょっとした悩みなんかも思わず話してしまう、一番話しやすい少女である。
「良かったら、アタシが膝枕でもしてあげよっか?」
からかうような表情をしながら、リボンはそんなことを口にする。
「うん…正直そうしてもらえると助かる」
「えっ!?そんなに眠いの?…はぁ、しょうがないな〜…ほら、隊長…膝枕してあげるよ」
そう言って、リボンは自分の太ももを、俺を手招きするようにポンポンと叩く。
えっ…!?軽い冗談のつもりだったんだけど…だが、リボンの親切心を無碍にするのもな…よし、ここはお言葉に甘えて…って、待て待て!さすがにそれは不味いのでは?
うん、今回はやめておこう。
「いや…やっぱり大丈夫だ。俺のせいでリボンの足が痺れたら申し訳ないし」
「もしかして、隊長ってば照れてる?」
「違う」
「ぐふっ…!そこまではっきり言われると傷つくわ〜…いや、隊長のことだからこれも照れ隠しか」
「はいはい、もうそれで良い」
「隊長さん、コーヒーが入りましたよ。どうぞ」
「ありがとう…ハンター、頂くよ」
俺がリボンと会話している所にさりげなくコーヒーを持ってきてくれたのは、ハンターことミナセリノ。
我ら、チームアテナスの女神である…元々、スナイパーが戦場では女神と呼ばれていることと掛けてそう呼んでいたが、個人的にハンターは本当に女神だと思っている。
俺のことをさりげなくサポートしてくれたり、歌声がすごい綺麗だし、優しいし…ハンター、マジ女神。
まぁ、女神と呼ばれると彼女は恥ずかしがってしまうため、あまり呼ばないようにはしているけど。
「そういえば、他の皆は?まだ起きてないのか?」
「どうでしょう…早起きして朝から訓練しているだけかもしれませんし…」
「まぁ、確かにその可能性もあるな」
それならそれでしょうがないか…昨日の謎のネコ型アンドロイド…シータって言ったっけ、あのアンドロイドの話を改めて相談したかったんだけど。
昨日、初陣から帰ったばかりの俺達にミゼレム側の情報を教えるつもりで基地まで付いてきたという謎のアンドロイド、シータ。
正直、怪しすぎる奴だが、あいつが言うにはミゼレム側には疑似装甲娘だけでなく、人間の装甲娘も居るらしい。
確かに、装甲娘の最終選考に落ちてしまった少女達がLBCSを纏って活動しているという話を聞いたことはあった…だけどその情報は一般には伏せられていたはずなんだが…何故、シータがそれを?
「うーん…やっぱり怪しいよなあのネコ型アンドロイド…」
「昨日のシータっていうネコちゃん?」
「あぁ、そうだ。ただ、敵ではない気がする…直感だけどな」
本当にこれはただの直感だ、だけどシータは敵ではない気がする…まぁ、最悪敵だったとしても情報をくれるというのであればありがたいし、今は気にしなくても良いか。
それよりも、以前から気になっていたことがある。
この世界が俺の知っているダンボール戦機の世界ではないことはとっくにわかっている…だが、ミゼルトラウザーが爆発して、バン達を初めとする世界中のLBXプレイヤー達のおかげで被害が最小限に抑えられた所までは本来のダンボール戦機Wと同じだ。
つまり、何かしらの分岐点によってこの世界、装甲娘の世界へと分岐したと考えるのが妥当だろう。
だが、その分岐点がよくわからない…それさえわかればミゼレムの正体にも近づけるかもしれないんだけどな。
確か、LBXが軍事利用されるようになったのは、ネットにミゼルの残滓が発見され、近い内にミゼルが復活するかもしれないってことで装甲娘プロジェクトが始まったんだよな。
ということはそれが大きな分岐点か…ミゼルの残滓、それが出現するか否か、それが装甲娘の世界とダンボール戦機の世界の違いか。
ミゼルの残滓か…なんだってそんなものが…
「おーい、隊長。なに難しい顔してんだ?リボンとハンターも困ってんぞ」
「おぉ、クノイチか…おはよう。すまない、ちょっと考え事してた」
俺に声を掛けてきてくれた少女、クノイチことトウモトケイにそう言葉を返す。
彼女はアテナスに一番最初に来てくれた装甲娘で、皆の中では一番付き合いが長い。
エンペラーがアテナスに来る前はアテナスのリーダーを務めてくれていたり、何かと俺達を支えてくれている彼女には感謝してもしきれない。
「考え事…?そんな悩むことでもあんのか?」
「何か、昨日のシータちゃんについて悩んでるみたいよ」
「あぁ、なるほどな…確かに、あの昨日のネコ?は怪しすぎるもんな…隊長が頭を抱えるわけだぜ」
「まぁ、隊長は怪しいけど敵ではないって感じてるみたいだから尚更かもね」
「敵ではないか…ま、隊長がそう言うんならそうかもな」
そう言って、クノイチは笑みを浮かべる。
「なんらなんら?何の話をしてるんら?」
「ジョーカーも起きたんだな、おはよう。なに、昨日の謎のネコ型アンドロイドの話をしていただけだ」
クノイチに続いてやってきたジョーカーにそう声を掛ける。
これで、まだ来ていないのはアキレスとエンペラーだけか。
まぁ、あの二人のことだし朝から走り込みでもしているんだろうけど。
「昨日のあれか…そういえば、アキレスちゃんは大丈夫なんかね?」
「あぁ、それに関しては大丈夫だ…」
「おろ?随分自信満々らね〜…もしや隊長ちゃん、昨日アキレスちゃんと何かあったろ?」
ニマニマしながら、ジョーカーが俺にそう聞いてくる。
「いや、別に何もなかったぞ…」
「ほれほれ、ジョーカーにだけ話してごらん…大丈夫、誰にも言わないから」
「誰にも言わないという言葉ほど信用ならないものはないから言わないぞ。それ以前に何もなかったしな」
いやまぁ、何もなかったわけではないけど、色々と踏み込んだ話だったしアキレスに許可もなく話すわけにはいかないからな。
「…むぅ、これは口を割りそうにないか…なら、しょうがない。今回はそういうことにしておくのら」
「助かる。ありがとう…ジョーカー」
「そ、そんな真面目に返されると反応に困るのら…まぁ、隊長ちゃんのそういう所…嫌いじゃないけろも」
俺とジョーカーがそんな会話を交わしていると、アキレスとエンペラーが基地へと帰ってきたようで、元気な声が基地へと響き渡る。
「おはよう、隊長!みんな!」
「おはようございます!皆さん、お揃いのようで何よりです」
「あぁ、2人ともおはよう。アキレスも元気になったようで良かったよ」
「うん!おかげさまですっかり元気になったよ!隊長!」
そう言って、アキレスは元気な笑顔を見せる。
…大丈夫だとは思っていたけど、こうして改めて元気な姿を見せてくれるとやっぱり安心するな。
「むむっ…心無しかアキレスさんと隊長の距離が縮まっているような…まさか!?昨日、何かあったのでは…」
「隊長ちゃ〜ん、皆揃ったわけだしそろそろ朝食にするのら。ジョーカー、もうお腹ペコペコなのら」
「そうだな。そろそろ朝食にするか」
「それなら、私もお手伝いしますね隊長さん!」
「ありがとう、ハンター。エンペラーも手伝ってくれるか?」
「へっ!?は、はい!お手伝い致します!隊長!」
そうして、俺はハンターとエンペラーの2人と一緒に朝食作りへと向かった。
「ナイスだ、ジョーカー…上手いこと話を逸らせたな」
「あのまま修羅場突入とか笑えんからね…まぁ、そんなことにはならないとは思うけど、念の為ってやつら」
「なるほどな…やれやれ、鈍感な隊長を持つと大変だな」
「まったくら…まぁ、後で隊長ちゃんにはたっぷりと報酬をもらうつもりらけどね〜」
「ちゃっかりしてんな…お前」
後に、ジョーカーの言葉通り、晴哉は大量のおやつを報酬として要求されることになるのだが、それはまた別の話。
といった感じの閑話でした!
これはまだ悩んでいる途中なのですが、この小説でオリジナルの要素を出そうと思っています。
その名もLBSS(仮)リトルバトラーシンクロシステムの略です。
LBCSの簡易版のようなもので、主人公に使わせるのもアリかもしれない…何てことを考えています。
まぁ、実際どうするかはわかりませんが。
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます。