それにしても、最近はようやく夏らしくなってきましたね…ただ、その代わりに暑い日が続き、若干ダウンぎみの今日この頃です。
皆さんも体調管理には充分に気をつけてください。
それでは、本編をどうぞ!
「せいっ!!」
次々現れるミゼレムを撃破し、ひと息つく。
「ふぅ…ようやく終わりか…?」
そう口にしながら辺りを見渡すと、ミゼレムの姿は見当たらず、ようやく一区切りといったところだろう。
おそらく、これ以上ミゼレムが来ることはないだろう。
まぁ、油断は禁物だけど…うん?今のは?
「…っ!危なっ!」
「へぇ、今のを防ぐのか…やるね」
「いきなり、銃撃は卑怯じゃないか?アキレスディード」
まさか、いきなり不意打ちをしてくるとは驚きだ。
咄嗟に反応できたから良かったものの、最悪の場合、死んでたかもしれないな。
「さぁ、行くよ!一体君はどこまで耐えられるかな?」
「くっ…!」
「隊長!待ってて、今助けに―――――」
「あんた達の相手は私よ!」
ディードの攻撃をしのぎながら、皆の状況を把握する。
どうやら、マッドドックが数体のミゼレムと共に皆を妨害しているようだ。
(これは、しばらくは俺1人で切り抜けるしかないな…)
「よそ見をしている場合かい?」
「速っ…!」
一瞬で俺に接近し、ディードが蹴りを喰らわせに掛かる。
それを何とか防ぎ、カウンターを仕掛ける。
だが、それはバックステップでかわされ、下がると同時に銃撃が放たれる。
「甘いよ!」
「わかってる!」
かわされるのは想定の範囲内、だからここは銃撃を防ぎながら突撃する。
そうして、そのまま攻撃を続けて、ディードの攻撃を回避しては反撃、回避しては反撃を繰り返し、隙をついて接近して攻撃を仕掛ける。
「はぁあっ!!」
「くっ…!なかなかやるね…」
「そっちこそ!だからこそ、余計に気になる…何でお前みたいなすごい装甲娘がミゼレム側についてるんだ?お前ほどの装甲娘なら、より多くの人達を助けられるだろ?」
「っ…!君に何がわかる!」
そう叫びながら、彼女は俺を蹴り飛ばし、そのまま距離を取る。
「あんな…あんな奴らと一緒に戦えるか!ましてや、それを守るなんて…そんなことできるはずがない!」
そう声を張り上げる彼女の姿はどこか悲しそうで、それでいて苦しそうに見えた。
「ディード…お前……すまない、いくらなんでも踏み込み過ぎたな」
「何で謝るんだ…別に君が原因というわけじゃない」
「そうかもしれないが、俺の一言でお前の心の傷を抉ってしまった気がするからな…そのことの謝罪はしっかりしないと」
「…何か魂胆でもあるのか?」
「魂胆?いや、特に何もないが?」
「なっ!?本当にただ、謝罪しただけなのかい?」
「え…?むしろ、他に何があるんだ?」
何故か、ディードが驚いた顔をしていたので、思わずそんな風に聞き返す。
「本当に…?だとすれば、君はただのバカか、相当なお人好しだね……まったく、君と話していると調子が狂う」
そう口にしながら、ディードは俺に向けていた銃を下げる。
「戦いはやめか?」
「あぁ、君との戦いはね…ただ―――」
「隊長!お待たせ!大丈夫だった?」
「アキレス!あっちは大丈夫なのか!?」
「大丈夫!みんなが戦ってくれてるから。多分、すぐに合流できると思う!」
「わかった!俺はちょうど今、あいつと話して――――」
「ただ、アキレス…お前は別だ!」
「ディード!?」
アキレスがこちらにやってくるとディードがすさまじい速度でアキレスに向かっていき、戦闘を開始していた。
だが、ディードの実力はアキレスよりはるかに上であり、アキレスは徐々に追い詰められていく。
「つ、強い…!」
「こんなものか…これなら、まだ君達の隊長の方が手応えがあったよ」
「くっ、まだまだ!」
「アキレス!」
ディードの猛攻を受けているアキレスの前に出て、盾で防ぐ。
それに合わせて、アキレスがディードに攻撃を仕掛ける。
「アキレス!2人でやるぞ!俺も彼女にはまだ聞きたいことがある!」
「わかった!行くよ!隊長!」
「あぁ!」
俺の声と共にアキレスが駆ける。それに合わせて俺も地を蹴る。
互いにアイコンタクトを取りながら、ディードに連携攻撃を仕掛けていく。
(…それにしても、阿吽の呼吸っていうのか?アキレスの動きが手に取るようにわかる。多分、アキレスも俺と同じなのかもしれないな)
(わかる…わかるよ!隊長が何を考えているか、どうやって動こうとしているのか…なんか不思議な感じ…)
「アキレスの動きが、さっきよりも格段に良くなった…これも、あの隊長のおかげというわけか…」
(なるほどね…今のアキレスの実力は僕には遠く及ばないが、隊長と連携すれば、何倍もの力を引き出せるということか…)
「アキレス…この程度か。勝負は預けたよ。あぁ、そうそう…これだけは聞いておきたかったんだ。隊長、君の名前は?」
「俺か?俺の名前は晴哉だ」
「晴哉か…良い名前だ…覚えておくよ。機会があればまた会おう」
そう口にして、アキレスディードは撤退していく。
「逃げた…っていうか、逃げてくれた…かな。あの人、強かった……隊長と一緒だからなんとか戦えたけど…」
「そうね…正直私でも勝てたかどうか…あんなコが居たなんてね」
アキレスディードとマッドドック…ミゼレム側の装甲娘か…今回は特に問題はなかったが、彼女達が本気で攻撃したらDフィールドが壊されていたかもしれない。
実際、LBXのアキレスディードもDエッグによって展開されていたバトルフィールドに穴を開けて脱出したことがあったし。
…もし、これを考えてやっているとしたら…やっぱり、指揮系統のような存在があると考えるべきだな。
「それに引き換え、コッチはチョロかったろ」
そう言って、ジョーカー達が連れてきたのは、悔しそうに泣いているマッドドックの装甲娘だった。
「うぅ〜ちくしょう〜…グスッ…えぐっ…」
「さ、聞かせてもらいましょうか。一体どうしてこんなことをしたの?」
そう、エンペラーに問われ、マッドドックは口を開いた。
彼女が言うには自分バカにした連中を見返してやりたかったのだそうだ。
元々、彼女は皆からチヤホヤされたくて装甲娘になりたかったらしく、初期選考にも通り、周りの皆にも自慢をしていたらしい。
まぁ、動機こそ不純ではあるが一応初期選考にも通り、途中までは順調だったようだ…だが、最終選考に落ちてしまった。
彼女の周りの人達は励ましてくれたらしいが、裏では笑っていて、どうしたら良いかわからなくなった…そう言った。
「そしたら…アイツが…諦めることないって……ムシャクシャした気持ちをぶつけてやれって…LBCSを…」
「アイツ…?」
「アンタにはわかんないわよ!ちゃんと装甲娘やってるアンタには!私の気持ちなんか!」
「当たり前でしょ!!わかるもんですか!わかりたくもないです!チヤホヤされたくて装甲娘になりたいなんて不純甚だしい!しかも、こんな簡単にたぶらかされて…だから、最終選考で落ちるんです!因果応報です!」
「うっ……うぇえ〜!ごべんださい〜!…わがっでだの…こんなじゃ…だべだって〜…!」
ついに、泣き出してしまった…一応、反省?はしてるみたいだし根っからの悪人ってわけじゃなさそうだな。
「チ…チヤホヤされたいのダメですか……でも、隊長…このコ、どうしましょうか?」
「…とりあえずは基地で保護だな…その後、しかるべき所に預けよう」
「そうですね…それが良いと思います」
俺とハンターの会話を聞いて、エンペラーが皆に帰投準備を始めるように指示をする。
それを聞きながら、俺も帰投準備を始め、皆に声を掛ける。
「帰り道にもミゼレムが潜んでいるかもしれない。皆、警戒を怠るなよ!」
…基地に帰ったらマッドドックから話を聞いて、カカムに連絡するか…あいつの仕事を増やすような感じがしてちょっと悪い気がするけど。
…それにしても、女子社会の闇を見た気分だな…もしや、アキレスディードも彼女と似たようなことがあったのだろうか?でも、カリナがそんな陰湿なことをするとは思えないし。
あっ…もしや、天然で何かやっちゃったパターンか?それならありえなくはないか…で、それが原因で周りから酷い目に遭わされて、ミゼレム側についたのかもしれないな。
ただ、こればっかりは俺の想像だし、本人から直接聞かないことにはわからないけど。
…カカムなら、彼女についても何か知っているかも…マッドドックのことを知らせるついでに聞いてみるか。
俺はそんなことを考えながら指揮車に乗り込み、基地に向かって走り出した。
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「もしもし?カカムか?」
『あら?晴哉君、どうかした?」
基地へ戻ってきた俺は、エンペラーと共にマッドドックに話を聞き、皆に黒い猫が装甲娘達をミゼレム側に引き込んでいることを伝え、黒い猫に声を掛けられても決してついていくなと警告をした。
そして、その後、カカムへと連絡をしにいき今に至る。
「あぁ、実はな…」
そうして、俺は今日の出来事を知らせ、明日の朝にマッドドックを迎えにきてほしいと頼んだ。
『えぇ、それぐらいお安いご用よ。じゃあ、明日の朝に迎えに行くわね』
「すまん、ありがとうな…あ、そうだ!カカム、アキレスディードの装甲娘について何か知らないか?」
『アキレスディード…今日、戦ったっていう装甲娘よね?もしかして、彼女かしら?』
「知ってるのか?」
『えぇ…少しね』
「教えてくれないか?…あぁ、でも彼女の過去を勝手に探るのは気が引けるし、とりあえずは名前だけで良い」
『わかったわ…彼女の名前はワキタイズミ』
「ワキタイズミ…それが彼女の名前か」
『えぇ。でも、どうして彼女のことを?』
「うーん…なんていうか、根っからの悪いやつには見えなくてさ…何かしらの事情があるんじゃないかって思えてならないんだ」
実際、あの時のディードの叫びには怒りや悲しみとかいろんな感情が混ざっていた…あんな心の叫びを聞かされてしまったら気になってしまう。
『あなたらしいわね…わかったわ、それじゃあ彼女の簡単な情報を後で送るわね』
「色々とありがとうな」
『良いのよ、気にしないで。あなたの力になれたなら私としても嬉しいから。…それじゃあ、また明日ね』
「あぁ、また明日」
そう言って、俺は通話を終了した。
本当にカカムには世話になりっぱなしだな…今度、お礼に何か用意しておこう。
俺がそんなことを考えていると、ふいに扉をノックする音が聞こえてくる。
「どうぞ…」
「あ、隊長…今、大丈夫?」
そう口にしながら、遠慮がちに姿を見せたのはリボンだった。
「リボンじゃないか…どうかしたのか?」
そう聞きながら、リボンを椅子へと座らせる。
「それで、何かあったのか?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど…明日はアタシの初陣だから、緊張しちゃって」
「なるほど、そういうことだったのか…それなら心配ないさ、お前なら大丈夫だ!自信を持っていい」
リボンの言う通り、明日は彼女の初陣だ…俺は、リボンの強さが実戦で通用すると判断したからこそ、明日の初陣を認めたんだ。
だから、リボンはもっと自信を持っていいと俺は思う。
「隊長…ありがと。アタシ、頑張るよ!」
「あぁ!その意気だ!」
「…隊長は、いざというときはフォローするとか言わないの?」
「もちろん、いざというときはフォローするさ。だけど、リボンなら他の皆とだって肩を並べて戦えると信じてるからな」
「隊長ってば、相変わらずアタシに対する信頼がすごいわね…まぁ、信頼されるのは悪くない気分だけど…」
そう言って、リボンは照れくさそうに頬を赤く染める。
「あ、そういえばリボンにはまだ伝えてなかったよな。装甲娘をミゼレムに引き込んでいるやつのこと」
「えっ!なにそれ初耳…そのミゼレムに引き込んでいるやつってどんなやつなの?」
「あぁ、マッドドックから聞いた話によると、そいつは黒い猫らしい」
「黒い猫…!?」
「…何か知ってるのか?それとも、もう会ったパターンか?」
「いや、そういうわけじゃなくて…シータちゃんって白いネコでしょ?だから、何か関わりがあるんじゃないかなって思っただけ」
「そうなのか?なんか、びっくりしてたみたいだから、てっきり何か知ってるのかと思ったぞ」
「知ってたら、隊長にちゃんと言ってるわよ…」
「それはそうかもな…わかった。とりあえず、黒い猫に何か言われても相手にはするなよ」
「わかった。それじゃあ、アタシはそろそろ戻るから…ありがとう、隊長。おかげで、明日も頑張れそう!」
「あぁ、ゆっくり休んでくれ…それじゃあ、おやすみ」
「うん、おやすみ…隊長」
リボンは最後にそう口にし、部屋を後にした。
「…どう見ても何か隠してるよな…やっぱり、謎の黒猫に声をかけられたのか?もし、そうだとしたら…いや、まだそうと決まったわけじゃないか」
そう口にしながら、俺は上手く言葉で言い表せない不安を感じていた。
どうか、この不安が思い違いでありますように…俺はそう願いながら、1日を終えた。
といった感じの後編でした!
そういえば、新しくフェンリルの装甲娘を仲間にできるイベントが始まりましたね!パンドラに続きフェンリル…この調子で行けば、次はオーディーンが来てくれたりしないかなと、ひそかに期待しています。
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!