シャルロットが転校してきてから数日経ったある日の朝……
「えーっとドイツから新しい生徒が転入してきました、自己紹介をお願いします」
「ドイツから来たラウラ・ボーデヴィッヒだ」
1組に転校生が来ていた。
彼女は小さい体で長い銀髪で片目に眼帯をしておりズボンを履いていた。
「おいボーデヴィッヒ、もっと話さんか」
「はい分かりました教官」
「全く、ここでは教官と呼ぶな……それではボーデヴィッヒの席はあそこの空いてる場所だ」
千冬に指示されたラウラが席に向かう途中で一夏に声をかけた。
「お前が教官の弟の織斑一夏か?」
「あぁ、そうだけど何か俺に用か?」
「そうか……では昼休みにでも少し話をしたいのだが構わないだろうか?」
「俺は構わないぜ」
「うむ、受け入れてくれて感謝する」
ラウラは軽く頭を下げると席に着いた。
昼休みになって食堂でアキとシャルルが食事をしていた。
「それにしてもアキ君て物凄く食べるんだね……」
「まぁ、食べれる時に食べる癖があってな」
シャルルはカルボナーラにスープとサラダがついたセットだったがアキは1カゴ5本入りのフライドチキン3カゴとハンバーグ3枚挟んだハンバーガーを5個とコーラの1.5ℓのジョッキを2杯をそれぞれ食べていた。
「ふぅ、ご馳走さん。なんだシャルルはまだ食べ終わってなかったのか?」
「ハハハ、なんか見てるだけでお腹がいっぱいになっちゃったみたい……」
「そうか、食事が終わったなら、ちょっと来て欲しい所があるんだけど良いか?」
「うん、僕は大丈夫だよ」
2人は食器をかたすと食堂を出て行った。
2人が来たのは生徒会室だった。
「ドレアーですけど大丈夫ですか?」
〔あぁ、入って構わないぞ〕
「失礼します、すみません織斑先生」
「気にするな生徒の問題に対処するのも教師の役目だ」
2人が入ると千冬と楯無に虚、それに鈴がいた。
「えっと……アキはなんでここに僕を連れて来たのかな?」
「ん?ちょっと聞きたい事があったから連れて来たんだよ、シャルル・デュノア……いや
「え?な、何を言ってるのかな?僕はシャルル・デュノアだよ?」
「そんな青い顔をして震えた声で言ってるの証拠になるんじゃないのか?」
アキに言われたシャルルは観念した表情になっていた。
「はぁ……そうだよアキの言う通りだよ……ボクの本当の名前はシャルロット・デュノアだよ」
「やっぱりな、どう見ても男子には見えなかったし」
「私から見ても女子にしか見えないわよ」
アキと鈴がシャルロットを見て話していた。
「あの、織斑先生……アキはわかるんですけど、なんで鈴もここにいるんですか?」
「それは簡単よ、私もあんたの正体を知ってたからよ」
「そうなんだ……アキは鈴にボクの正体をバラしてたんだ」
「いえ、私はアキから正体を聞いてないわよ?」
鈴の言葉を聞いてシャルロットは頭を捻った。
「私がシャルル……シャルロットって言わせてもらうわ、私が正体を知ったのは
「俺も鈴と同じ理由で知ったんだ……うーん
「はぁ……話すのは構わないが……更識に布仏、これからアキが話す事はここにいる者達だけの秘密にしてもらうが構わないか?」
「あの……それは物凄く聞いちゃいけない事なんでしょうか?」
「あぁ、これに関しては超重要機密に値する情報だからな」
「そう言う事なら……私はそれを受け入れます。虚ちゃんもそうするわよね?」
「はい、その様な事情ならば私も受け入れます」
「ということだ、アキ。
「うん、分かったよ冬姉。あっごめんね束姉、急に連絡して、実は……うん、分かったよ。冬姉、あっちは構わないって」
「そうか、ならばやってくれ」
千冬から指示をされたアキはポケットから何かを取り出したのを見て知っている鈴は何も言わず、分からない楯無、虚、シャルロットは何をするか分かってなかった。
「ちょっと離れててねー、映像ラクリマをここに置いて、ホイッ」ブオン
【ヤッホー久し振りだねーちーちゃん】
アキがポケットから出した片手ほどの大きさの水晶玉を床に置いて何かをすると水晶玉が輝いてその場に束の姿が現れた。
「久し振りとは言ってもお前は映像だがな、
【にゃははは、それもそうだねちーちゃん】
「えっ?アキ君……今織斑先生が束って言ってたけど……もしかして、この人って……篠ノ之博士……なの?」
2人の話を聞いていた楯無は気になった事をアキに尋ねた。
「えぇ、世界中が探してる篠ノ之束ですよ、まぁ今の束さんは映像ですけどね」
【もーう!タッくん!そんな他人行儀じゃなくていつも通りに呼んでよー!!】
「はぁ、分かりましたよ束姉」
「えっ?アキってあの篠ノ之博士と繋がりがあったの?」
「えぇ、アキと私は一夏……織斑先生の弟と幼馴染で、その繋がりで知り合ったの」
アキと束が仲良く話してるのを見てシャルロットが戸惑っていると鈴が説明した。
【リーちゃん!私の事は束さんで良いって言ってるでしょっ!!】
「はいはい分かりましたよ束さん」
「全く、それよりもアキ、デュノアの事は束から聞かされていたって事で良いんだな?」
「はい、冬姉にも言ったけど俺とスズは企業に行った時に聞かされたんだシャルロットの事を……そして……
「それって……デュノア社の社長が男性操縦者としてボクをIS学園に編入させた事だよね?そんなのアキや織斑一夏と言った男性操縦者の機体データや生体データを手に入れる為でしょ……」
「いや、それはあくまでも
アキの言葉を聞いたシャルロットはどういう事か分かっていなかった。
「アキ……その建前ってどういう意味?……」
「なぁスズ、お前がもしシャルロットが女だって知らなくて初対面で見たら男子と思うか?」
「え?そうねぇ……ちょっと無理はあるかしら。百歩譲って女顔だなって思う所よ」
「そうか、まぁ知らなくても誰かが違和感を感じるかもって感じで、まるで
「えっ!?そんな事になったらボクはどうなるの!?」
「それが
シャルロットが詰め寄るがアキは平然としていた。
「目的の一つって……じゃあ社長はボクが女子だってバレても良かったって事?……けど、なんで?……」
「そうした理由は束姉良いかな?」
【ハイハーイ!分かったよタッくん、ポチッとな】
アキが束に言うと束が何かを操作し始めて中空に幾つかのウィンドウが浮かんだ。
「こ、これって……ボクが学園に来る事になった理由?……」
シャルロットがそれらを見てると自分がここにきた経緯などが書かれていた。
それには
社内で副社長派がデュノア社を乗っ取る為に色々としている事。
そして……
「嘘……ボクを殺す……じゃあ、ロゼンダさんはなんでボクの事を【泥棒猫の娘】なんて言ったの!?」
「その理由はこっちに書いてあるみたいだな……そう言う事だったのか、ロゼンダさんは不妊症で子供が出来にくい体質だったんだ」
「それと、こっちにはアルベールとシャルロットの母親、ロゼンダとの関係が書かれてあるぞ」
千冬が見つけた情報を見るとシャルロットの母親とロゼンダは従姉妹同士で父親は2人の幼馴染と書いてあった。
「そっか……ロゼンダさんは嫌われても良いからシャルロットちゃんを守る為にIS学園に送ったのね」
「そして、それがバレた場合は自分達が罪を被ってシャルロットさんには何も及ばない様にした訳ですか……副社長派を一掃する為に……」
楯無と虚もモニターを見てアルベール達の最終目的が分かり、それを知ったシャルロットは膝をついて泣いていた。
「そんな……それじゃボクがあの人達の事を恨んでたのは……」
「それが親ってもんなんだろうな……どれだけ憎まれようが嫌われようが子供の為なら、なんでも出来るんだ……」
アキがシャルロットを優しく抱くとシャルロットは大声を出して泣き出したがアキはそのまま泣かせていた。
ラウラの様子を見た添の心中……
(おいおいおい!なんでラウラが一夏にビンタをしないんだよ!?)
自分が知っている物語と流れが違う事に戸惑っていた。
昼休み……
(本だと確かシャルロットは一夏達と屋上で食べてる筈だけど……どこにいるんだ?)
添は昼休み中探し歩いていた。