無限の空を飛ぶ妖精   作:北方守護

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第3話 顔馴染み

アキは楯無の作った夕飯を食べ終えると食器類を洗っていた。

 

「アキ君、それ位なら私がやるわよ」

 

「いえ、夕飯を作ってくれたお礼って事で俺にやらせてください」

 

「そう、ならお願いするわ……それにしても、アキ君て凄い食べるのね」

 

「えぇ、昔から沢山食べてましたね……(だからミラに食べ過ぎはダメだってよく叱られてたな)」

アキは過去の事を思い出しながら洗い物を終えていた。

 

「さてと……そういや俺はシャワーを浴びようと思うんすけど楯無さんはどうしますか?」

 

「そうねぇ……なら、私は大浴場に行ってくるわ」

 

「そうですか、じゃあ鍵は閉めてって下さい ()()()()()()()()()()()()

 

「分かったわ、じゃあ行ってくるわね」

楯無は着替えを持って大浴場に向かった。

 

一方、シャワー室でアキは誰かと話していた。

 

〔さてと……聞こえるか?【】?〕

 

〔うわっ!急に念話(テレパシー)をしてくるんじゃないわよ!!アキ!!〕

アキから念話を受けた相手は口調は怒りながらも何処かで嬉しそうだった。

 

〔悪かったな、それでそっちの方はどうだ?〕

 

〔あぁ、私の方は来月の頭くらいに学園に行けるわ〕

 

〔来月か……確か予定表にクラス対抗戦があるって聞いたけど……〕

 

〔そうなんだ……まぁ、私がいたら簡単に優勝するだろうけどね〕

 

〔ハハハ、相変わらず【】は自信家だな……おっと部屋の同居人が帰ってきたみたいだな〕

アキは楯無が帰ってきた事に気付いた。

 

〔ねぇアキ……同居人って……もしかして女性じゃないわよね?〕

 

〔ん?女性だぞ……リボンの色からすると2年生みたいだけどな……多分、俺が男性操縦者だからだぞ〕

 

〔え?そうなの?〕

 

〔あぁ、本当なら俺は寮に入る予定じゃなかったけど、国の方からな……〕

 

〔なるほど……貴重なアキを守る為か……そういう事なら分かったわ、じゃあねアキ〕

アキと念話をしていた相手は念話を終えた。

 

その後、アキもシャワーを終えて出ると、そのまま眠りについた。


次の日の朝、アキは学園内のグラウンドの1つに来ていた。

 

「朝飯前に軽く運動するか……」

 

「おや?誰かと思えばドレアーだったのか」

アキが体をほぐしてるとジャージ姿の千冬が来た。

 

「あっ、織斑先生も朝練ですか?邪魔なら場所変えますけど……」

 

「いや別に構わん……それと私といる時だけは()()()()()()()()()()()()()()

 

「織斑先生……いや冬姉(ふゆねえ)がそう言うって事は束姉(たばねえ)から聴いてるの?」

 

「あぁ、お前が見つかったと私の携帯に連絡が来た時にな……アイツに言っておけ……【面倒ごとを起こすな】と」

 

「は、はい……わかりました」

アキは千冬の迫力に怯えていた。

 

「そうだ、久し振りに私が手合わせをしてやろう……さぁ来ると良い」

 

「いやいや!俺は軽く体をほぐそうとしただけだよ!!」

 

「遠慮するな、私の相手になれる奴はそうはいないのだからな!」

 

「分かったよ!けど俺も昔と違う所を見せてあげるよ!」

アキは千冬との手合わせを開始した。

 

その日の朝、朝練をしてる部活の部員達から何者かの悲鳴が聞こえたとの話があった。

 

 

 


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