魔法少女まどか☆マギカ×仮面ライダー   作:カワムライダー

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粉塵と爆煙の踊る景色の中で、暁美ほむらは横たわっていた。

「何をやってもあいつには勝てない......」

何度も憶えた感情が湧いてくる。
あと何度繰り返せば良いのか、あと何度この気持ちを味わえば良いのか。

絶望でソウルジェムが濁りはじめる。
そのとき、不意に声がした。



再会

「暁美ほむら......」

 

「誰......?」

 

傷だらけの身体でうっすら目を開けると、赤い仮面の男が爆煙の向こうに見えた。

 

「次のループに全てを賭けろ」

 

「何を言って......」

 

「持っていけ、必ず役に立つ」

 

男は何かを渡して姿を消した。

 

 

 

「今までのループにはこんなことなかった......」

 

渡された何かを盾にしまい込み、歯を食いしばって立ち上がる。

 

「次のループ......言われなくても、命だって賭けるわ」

 

 

男のいた場所に呟くと、時間遡行魔法を発動させた。

 

 

 

 

魔法少女まどか☆マギカ×仮面ライダー

 

 

 

 

枕元に置かれた携帯電話が鳴り響く。

持ち主の手は何度も空振りしたあと、ようやく手に取った。

 

「はい、もしもし......」

 

「コウタなにやってんだー時間過ぎてるぞ」

 

「え?やっば!悪いすぐ行く!」

 

布団から跳ね起き、洗面所に駆け込む。

やや雑に顔をすすぎ、これまた雑に掛けられたタオルで顔を拭く。

 

「そういえば......」

 

 

 

「今までの夢にはあんなことなかったな」

 

雑にタオルを掛け直すと、思い出したかのように呟いた。

 

「まずい、早く行かないと!」

 

 

 

 

古びた階段を駆け下り、駐輪場に停めてある真っ赤なバイクに跨った。

エンジンをかけると勢いよく吹け上がり、甲高い音を立て走り出した。

 

 

 

 

「すまん、遅れた!」

 

「おぉ、こっちこっち」

 

待ち合わせ場所の喫茶店で、学生時代の友人が待っていた。

卒業して離れ離れになり何年も会っていなかったが、久しぶりに帰ってきたのだった。

 

「いらっしゃいませ、ご注文は?」

 

「俺、アイスカフェオレ。お前は?」

 

「アイスティーおかわりで」

 

「かしこまりました」

 

学生時代によく来た喫茶店。あのウェイトレスは始めて見る顔だが、頼むものはあの頃と同じだった。

マスターも変わらず無愛想で決してオシャレな店ではないが、何故かこの店が好きだった。

 

「で?何してたんだよ」

 

「いや、夢の続きが気になってさ」

 

「おいおい、数年振りの再会より夢か?」

 

「まぁ聞けって」

 

コウタが語りだそうとすると、先ほどのウェイトレスが飲み物を持ってきた。

アイスカフェオレを一口飲むと、コウタは語り始めた。

 

「魔法使いの女の子がいるんだよ、その子は親友を守るために戦ってる」

 

「なぁ、俺たちいくつだと思ってるんだよ」

 

友人の茶々入れをまったく無視して続ける。

 

「時には他の魔法使いと協力したり、敵対したりしながらずっと戦ってるんだ。でも、最後のラスボスにどうしても勝てない」

 

「それで?」

 

こうなったらコウタは止まらない。茶化すのを諦め、聴いてみることにした。

 

「女の子は時間を巻き戻す魔法が使える。だから負けると時間を巻き戻して、また最初からやり直すんだ。前と同じ展開になるかどうかはわからないけど、とにかくやり直せる」

 

ここでアイスカフェオレを口に含む。

 

「そんな夢を、ここ1ヶ月くらい見てる」

 

「お前大丈夫か?病気とか......」

 

「ねぇよ!でも、今日の夢は違ったんだよなぁ」

 

ここまで話されると逆に気になってくる。

 

「どう違ったんだよ」

 

「お、興味出てきた?あのな、今日も女の子は負けちゃったんだ。それで時間を巻戻そうとしたら赤い仮面の男が出てきて、女の子に何かを渡してこう言ったんだよ!」

 

興奮気味にまくし立てると、やはりアイスカフェオレを一口。

氷がカランと鳴って、コウタは再度口を開いた。

 

「暁美ほむら、次のループに全てを賭けろ......って」

 

「救世主ってやつ?赤い仮面ねぇ」

 

「でも、何を渡したのかが思い出せないんだよなぁ〜!」

 

 

 

 

 

楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、コウタは帰路を走る。

友人はまた県外に戻るらしい。自身も明日は仕事だ。

駐輪場にバイクを停め、古びた階段を上る。

ドアを開けると、誰もいない部屋にただいまと呟いた。

 

 

「次のループに全てを賭けろ、か......」

 

この夢を観始めてから、コウタは寝るのが楽しみになった。

何度も繰り返しながら懸命に戦う女の子を応援しながら眠りにつくのが日課になった。

 

コウタが夢で観た景色を女の子は体験している。

夢の中とはいえ、女の子は生きている。

これは、夢の世界が実在するってことなんじゃないか?

コウタは夢を観ることでしか女の子を応援できないのが、どうしようもなく歯がゆく感じた。

 

 

 

「頑張れ......おやすみ」

 

 

 

誰もいない部屋で、夢の中の女の子に呟いた。

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