魔法少女まどか☆マギカ×仮面ライダー   作:カワムライダー

2 / 3
「ふわぁ〜あぁ......」

珍しく目覚ましが鳴る前に目が覚めた。
楽しかった昨日を振り返ると仕事が憂鬱になるが、これもまたサラリーマン。
レンタルショップの雇われ店長2年目。出世は遠い。
のそのそと洗面所に歩くと、やはり雑に顔を洗う。



「そういえば」



「今日は夢観なかったな」


便乗

いつも走る国道の道中、コウタはずっと考えていた。

なぜ今日は夢を観なかったのか。たまたま?疲れていた?

今まで一日たりともそんな事なかったのに。

救世主の登場で展開が変わった?暁美ほむらと呼ばれた女の子は、勝つことができたのだろうか。

 

 

「今日は観られるかなぁ」

 

 

赤信号につかまる。今日は朝からついてない。

ギアをニュートラルに入れると、クラッチから手を離して道路を見つめた。この信号は長い。

 

じっと道路を見ていると、一瞬、視界に黒いモヤがかかったような気がした。

シールドを開けて瞬きを繰り返すと、黒いモヤは見えなくなった。

 

 

「何だ?お、やっと青になった」

 

 

ギアをローに入れ、赤いバイクは走り出した。

 

 

 

 

その瞬間、視界が一気に黒く染まる。

 

 

「あっぶねぇ!」

 

 

慌ててブレーキを握る。たった今まで明るかった景色が黒に変わり、 カラフルな何かが宙に浮いている。

ペンキをぶちまけたような色彩の物を見て、コウタはそれが何なのかわかった。

 

 

「あれ、DVDか?それとビデオテープ......まだあったのか」

 

 

わけのわからない状況に遭遇すると、変に冷静になってしまう。

そんなことより、ここから出て仕事に行かなければ。でもどうやって?

 

 

「あなた、どうしてここにいるの?」

 

「え?」

 

 

不意に声がして、コウタは声のする方に振り返る。

得体の知れない何かに巻き込まれたのは自分だけじゃなかったと、少し安心したはずだった。

 

 

「君は......」

 

 

目線の先にいたのは何度も夢に観たあの姿。

 

どこまでも黒く、つやのある長い髪。

 

どれほどの絶望を見てきたのか、冷たい輝きを持つ紫の瞳。

 

左手に埋め込まれた宝石と、携えた盾。

 

 

 

「暁美、ほむら......」

 

 

名前を呼んだ瞬間、暁美ほむらの目は動揺したように見開かれた。

 

 

「どうして私の名前を知っているの?」

 

「えっと、それは」

 

夢で観た、なんて言って良いのか。そもそも今見ているものが夢じゃないのか。コウタは答えに詰まった。

 

 

「答えなさい」

 

いつの間にか、ほむらの手には拳銃が握られていた。

 

あぁ、それも何度も観たよ。でも向けられるとは思ってなかったな。

 

「夢で観たんだ、君の戦いをずっと、繰り返してるのもずっと、観てた......」

 

 

精一杯、自分の言葉を紡いだ。

 

 

「そう」

 

拳銃を盾にしまい込むと、ほむらは髪をなびかせた。

 

 

本来入れないはずの場所に男が居る。

今までのループには無かったシーン。

偶然か必然か、男は自分の名前を知っている。

ほむらは少しだけ興味が湧いた。このループに終止符を打てるなら、何だって利用してやる。

 

「あなた、ここが何なのかわかる?」

 

「これと似たような景色なら、夢で観たことがあるよ。確か、君たちが戦っている相手の......」

 

「そう、魔女の結界。そして、あなたはここから出られない」

 

「それはちょっと、困るかな......」

 

 

何度も夢に観た存在が、今目の前に居る。

これが夢なのか現実なのかわからないが、何とかしなきゃいけないと強く感じた。

暁美ほむらがずっと戦ってきたことを、知っているのだから。

 

 

「この先、あそこの扉が見えるかしら」

 

「あれ?うちの店の自動ドアだ」

 

「あの向こうに魔女がいる。そいつを倒さないと、ここから出られないわ」

 

毎日出入りする見慣れた自動ドア、あの先にいるのは部下と韓流マダムくらいだと思うが、ほむらが言うならそうなのだろう。

 

 

「乗せなさい、あのドア遠いのよ」

 

「あぁ、良いよ。メットは......いらないか」

 

 

二人を乗せたバイクは、いつもの自動ドアに向かって走り出した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。