あたしは今、アリスに指を手当てされながら椅子に座ってその様子を見ていた。
「どう?痛くない?」
「あぁ……大丈夫だ……」
「結構切ってるからしばらくは部活は難しそうだね」
「……そうだな」
そう言ってあたしは手の傷の応急処置をした後に2人でコップの破片を片付け始めた。その時にあたし達の間には沈黙があった。
「「……」」
するとアリスが片付けを終えると今度はあたしの手を掴んで言った。
「……お姉ちゃん」
「……なんだ」
「一緒にお風呂入ろっか」
「……は?」
「いいからいいから」
「ちょっ、まっ!?」
そしてあたしはアリスに風呂場に連れていかれるとそのままあたしの服を脱がせ始めた。
「やっ、やめ……」
「大丈夫だって私達2人ぐらいだったらお風呂にちょうど入れるから」
「分かった!!分かったからやめてくれぇ!!!!!」
そしてあたし達は一緒に風呂に入った。
チャポン……
「お姉ちゃんどう?痛くない?」
「……大丈夫だ。痛くなッ!!…」
「別に我慢しなくてもいいのに……」
「うるせぇ……」
あたし達は先に身体を洗って一緒に風呂に入った。改めて考えるとアリスとお風呂入るのは5年ぶりぐらいか?
「……あー…あったけぇ……」
「うん…あったかいね……」
しばらく風呂でゆっくりしているとアリスからとんでもない話をされた。
「お姉ちゃん秋先輩の事好きなんだよね……」
「……えっ?」
今アリスはなんて言った?あたしが秋の事好きって……そういえばあたしあの時……あっ、あっ、ああああああああぁぁぁ!!!!!
「あっ、あれはちっ、違」
「……あたし…は……秋が好きだったんだ……だったっけ?」
「それは…その……」
「話てくれるよね?お姉ちゃん♪」
「……はい」
そしてあたしはアリスにあの後の事を全て話した。
「へぇ〜…そんな事あったんだ……」
「なっ、なんだよ……悪いか?」
「ん〜……」
するとアリスはあたしの胸を思いっきり掴んで言った。
「なっ、何して!!」
「お姉ちゃん馬鹿でしょ?」
「……え?」
「これはお姉ちゃんが悪い」
「なっ!?」
アリスはあたしの胸を揉み始めたままため息をついた。
「お姉ちゃんは1つの事に囚われすぎなんだよ」
「いっ、いやだ…って……ん!!」
「それじゃお姉ちゃんは毎回同じような光景を見て毎回情緒不安定になるの?」
「そんな訳……な…い」
「ならそのまま好きになったら?」
「その…まま……んぁ……」
「そうそう。お姉ちゃんが秋先輩を振り向かせたらいいんだよ。秋先輩まだ誰とも付き合ってないんだし……立花先輩も響さんの情報で自覚はしてないし……」
あたしが秋を振り向かせる?……あたしにはそんな度胸は……
「……今あたしにそんな度胸ないって思ったでしょ?」
「ッ!!……」
「じゃあお姉ちゃん秋先輩取られちゃっていいの?」
「それは……嫌だ」
するとアリスはあたしの胸から手を離して言った。
「お姉ちゃんは何がしたいの?」
「あたしは……」
するとアリスがあたしの耳元で小さく囁いた。
「お姉ちゃんそんなに好きなら奪っちゃえ」
「あ……」
その言葉はあたしの心の何かの鎖を壊したような……そんな風に感じた。
「……悪い。あたし上がるわ」
「お姉ちゃん?」
「そうだよな。奪っちまえばいいんだよな……」
そしてあたしはお風呂から上がって身体を拭き始めた。
「……私…もしかしてやりすぎちゃった?」
* * * * *
あたしは風呂から上がってパジャマに着替えた後、自分の部屋に戻って布団にダイブした。
「……ん〜〜〜!!!!!」
あたしはすぐに近くにあったぬいぐるみで顔をうずくめて叫んだ。……あたしの顔はきっと自分でも分かるくらい赤いと分かる。そしてあたしはある写真に目がいった……それは中学生の時に撮った写真だった。あたしはそれを見て静かに決意する。
「……秋あたしはお前が好きだ。……だから覚悟しろよ?全部あたしが奪ってやるからな」
《マッカーサ軍曹の一言》そういえばお風呂シーンは久しぶりに書いた気が……いやそうでもないか。
次回夏の魔物