バレンタイン……そう、この日はバレンタインデーである。男子は女子から貰うチョコの数で競ったり、その有利性によっては男子の中での争いが起きる日である。そして、クラスの男子達は今か今かと待ちわびていた。
──ざわさわざわざわざわ
「……それでな…その…」
「あぁ…そうか…うん」
「でさ…その……」
「ほらあれが……あれで」
まぁ、ハッキリ言ったら男子達はチョコが貰えるか貰えないかでソワソワしてた……まぁ、僕もなんだけど……
「男子達〜チョコいるならこっち来て〜」
「マジかよ!?」
「ありがてぇ……ありがてぇよ……」
「それじゃ一口……この美味さ悪魔的だぁ〜……」
「これで俺達は地獄から這い上がれる!!」
クラスの女子達から貰った男子達はまるであのカ〇ジのような喜びをして喜んでいた。改めて見るとうちのクラスって個性的だよな……
「神原くんもいる?」
「ん?それじゃ……ってやめとくよ」
「えっ?なん……ってあー……」
クラスの女子が後ろを向くとそこにはドアの隙間からじっ……っとみている猫…じゃなくてクリスがいた。……可愛い。
「……そうだね。チョコ渡すのはやめとくよ」
「助かる」
「でも、一応カバンの中に入れとくから」
「……まぁ、手で受け取ってない訳だしいいよ」
そしてクラスの女子が離れると同時にクリスが教室に入って、僕の太ももの上に座った……ん?太ももの上…あー…イライラしてらっしゃる……
「えっと……クリス?」
「……」
「あの、どいていただけないでしょうか?」
「……や」
「……ちょっと重「もぐぞ?」いやー軽いなー最高ですわー」
そしてしばらくの間、クリスは僕の傍から離れずに昼休みが終わるまでずっと座っていた。たまにクリスがチラチラこっちを見て僕の手を弄り始める様子はとても可愛いくてこれが嫉妬って奴なのかなって思った。
「……誰にもチョコ貰ってないよな?」
「まぁね。それでも先輩達とか立花が先に渡してきそうだけどね」
「……ちゃんとあたしも渡すから……その…あたしの部活に来てくれ」
「うん、分かった……ん?部活?……ンン!?」
そうして昼休みが終わるのだった。
* * * * *
そして放課後。学校が終わって僕はクリスの家に行く為に部活中のクリスを待っていると奏先輩が教室を開けてこっちにやって来た。
「よっ、秋」
「どうも奏先輩今日は……いや、言わなくても分かりますよ」
「まぁ、今日はバレンタインだからな。ほら、マリアと翼そしてあたしの分だ」
「ありがとうございます。他の先輩達にも伝えといて下さい」
そうして僕は奏先輩からチョコを受け取ると、奏先輩は不安そうな顔をして僕に聞いてきた。
「了解。……所で秋、その…あたし達のチョコ受け取っても大丈夫なのか?」
「そこは大丈夫ですよ。ただ、知ってる人以外から貰ったら……うん」
「そうか〜彼女が独占欲が高いから仕方ないよな〜。じゃあな、秋」
「はい。奏先輩」
そして僕は奏先輩が帰った後、時間がきたので弓道部の方に向かう。弓道部の方に向かう途中に後ろからトントンと肩をたたかれたので振り向くとそこには立花がいた。
「立花」
「秋はクリス待ち?」
「まぁあね。立花は今から帰るのか?」
「うん。その前に……はい」
そうして立花が渡してきたのは可愛くラッピングされたチョコだった。
「それじゃ私……帰るから」
「えっと…ありがとう」
「どういたしまして。ほら、後ろ」
「後ろって……あ」
僕は後ろを振り向くとクリスが涙目でうるうるしながらこちらを見ていた。……えっ?これ怒ってるの?……可愛いすぎない?
「じゃ、私帰るね。バイバイ」
「あ、うん。バイバイ」
そうして立花が帰っていくと、クリスがこっちにやって来て僕をギュッと抱きしめた。
「……クリス?」
「他の女からチョコ貰っただろ」
「えっと……うん」
するとクリスは何かを口の中に入れてキスをしてきた。その瞬間甘い何かが口の中でいっぱいに広がっていた。
「……んぁ…ちゅっ……じゅるっ……どうだ?」
「……甘い…です」
「そうか……へへっ、そうか〜……もう一個いるか?」
「……欲しいです」
そうして僕はもう一度クリスにキスをされる……この日のチョコはとても甘いのか段々よく分からなくなってきたがとても幸せだった。
「……ん…あむ…ちゅっ……はぁ、美味しかったろ?」
「そうだね。後ホワイトチョコが口で溶けて口元から垂れてるぞ」
「……なっ!?べ、別に狙った訳じゃ……」
「分かってるよ。クリス」
そうしてバレンタインデーは終わって、そして2月も段々過ぎてゆく……
《マッカーサ軍曹の一言》口の中に溶けたホワイトチョコを呑み込まずに秋に見せるクリス……(˙꒳˙ )
次回2月を終わり、そして……