2月の下旬……この日は在学生達がとある行事で忙しくなる時期でもある。そして僕も……
「どうしたの?さっきからボーッとして」
「えっ?あ、すみません風鳴先輩……」
「気持ちは分かる…もう少しで」
「卒業式……ですもんね」
「あぁ……そう、だな」
そう、3月になると3年生の卒業式があるのだ。そしてその3年生達は2月の中旬から必要な日以外は登校していたない。もちろんマリア先輩と奏先輩もだ。
「今年1年……色々ありましたね」
「あぁ……奏とマリアにはいつも世話になりっぱなしだった」
「そりゃそうですよねー。片付けとか料理と「い、今それは言わなくていい!!」ですよねー」
そして僕は風鳴先輩と飾り付けを続ける……意外と終わらないな。
「秋は……その、知ってるのか?」
「何がですか?」
「私と…奏が歌手になる事を」
「へー歌手ね……want歌手!?」
「あ、あぁ……知らなかったんだな」
僕はまさか風鳴先輩と奏先輩が歌手になる事になるなんて思ってなかったからかなりびっくりしていた。風鳴先輩ならまだしも奏先輩だぞ!?
「いやー…元ヤンが歌手ねー…」
「奏の事を元ヤンど言うのはこの学校でお前だけだが。しかし、秋は奏とどれくらいの付き合いなんだ?」
「んー……小5ぐらいからの付き合いかな?」
「なるほど……奏は…中1ぐらいか」
あの時の奏先輩は町1番のヤンキーだったと僕は今でも覚えている。そう考えたらあの出会いは意外と奏先輩の人生を大きく変えたのかもしれないな。
「……さて、そろそろ準備は出来たし戻るか」
「そうですねそれじゃ」
「2人共何してんだ!!」
「「ッ奏(先輩)!?」」
気がつけば僕達の後ろには奏先輩がその場に立っていた。奏先輩の服装は制服じゃなくてバリバリの私服だった。
「あー…奏先輩また怒られますよ」
「いいじゃんいいじゃん。これくらい何も言われないって!!」
「奏はどうしてここに……」
「いやー……まぁ、ちょっと寂しくなってね……。それに懐かしい話を聞いたしね」
「イヤナンノコトダカサッパリダナー」
「しらばっくれんなよ秋。元はお前があたしをこんな風にしたんだ……さっさと責任とれ」
「無理ですね!!」
正直、昔は奏先輩はここまで明るい性格ではなかった。昔はまるで周りを敵でしか見てなくてまるでその様子は復讐者のようだったと僕は覚えている……ぶっちゃけその人にケンカを吹っかけたの僕なんですけどね。
「責任……って秋が何かしたの?」
「あたしにケンカを仕掛けて来たんだよ。理由はわかるか?楽しく無さそうな顔してたからだって……今、思い、出ただけ、で……」
「恥ずかしいからやめてください」
「悪かったって。まぁ、お前のお陰で学校生活も悪くなかったよ」
「僕はボコボコにされただけですけどね」
「でも、あたしに初めて参ったって言わせたのは秋だぞ?」
「そりゃ……まぁ……」
すると奏先輩は僕の頭を撫でてニカッと笑った。その優しい撫で方はやはり僕の憧れの先輩だと再び確信が出来た。
「お前との高校1年間楽しかったよ」
「それは卒業式に言ったらどうですか?」
「卒業式はあたしが喋ろうと思っても……な?」
「奏は学校の生徒から慕われてるから人がいっぱい集まるだろうね」
「そうだな翼。……そろそろ帰るわ」
そうして僕と風鳴先輩から奏先輩は離れて帰ってゆく……
「またな翼。次会う時は仕事でな」
「うん……」
「……じゃあな秋。次はそうだな……秋が大人になったら一緒に飲もう」
「……分かりましたよ。付き合いますよ」
「よし…なら十分だ」
こうして2月が終わってゆく……次は卒業式だ。
《マッカーサ軍曹の一言》先輩の言葉は大事……今になって分かる
次回卒業式そして、これからも……