3月の初旬、この時期に行なわれる行事は……まぁ、やっぱりと言えばそうなるのだが、卒業式だ。
『卒業生入場』
──パチパチパチパチパチパチ
在学生達の拍手と共に卒業生達が後ろから2人1組で席の方に歩いてゆく、そこには僕の知っている奏先輩とマリア先輩もいた。
『これより、卒業式を始めます』
改めて考えるとなんだかとても寂しくなる。正直に言ったら僕もなんだかんだで楽しかったから、でも……仕方ない。皆、誰だって大人になるのだから。学生はいつかは社会人になって働かないといけない……誰だって大人にならないといけないのだから。
『3年生代表の言葉』
気がつけばもう既に卒業式は中間あたりを過ぎていた。そして階段を登るのはやはり……
「奏、先輩……」
そこには僕の知っている、優しくて頼れる先輩がステージに登って行くのが見えた。きっと、奏先輩は僕から見たら誰よりも輝いてみえた。そして、奏先輩が答辞を送る
「肌寒い風が吹きつつも、暖かい日差しが私たちを照らす、今日この日、私たち卒業生のためにこのように厳かで、晴れやかな卒業式を挙行していただき、心より感謝いたします。これからの未来に対して、期待や不安が入り混じる中、こうして無事旅立ちの日を迎えることができました。本当にありがとうございます」
普段使っていない言葉をただ、ひたすらにしっかりと読んでいる先輩は僕は今まで見たことがなかった。
「ほどは、校長先生、来賓の方々、在校生一同から力強い励ましの言葉と温かい餞の言葉を頂戴し気持ちが奮い立ち、身の引き締まる思いです。
私はこの学校でで過ごした日々を振り返ると本当に色々な日々が思い出されます。高校一年の四月にこの場所で入学式をむかえ、お互いのことが全く分からず、最初は友人ができるか、心配でした。しかし、日が進むにつれ、だんだんお互いのことがわかっていき、初めは静かだった教室も次第に賑やかになっていきました」
確かにあの奏先輩の事だから最初は友達も出来なかっただろうし、もしマリア先輩が奏先輩と友達になっていなかったかもしれない。もしかしたらすぐにケンカしそうになるんだろうな……なんて思った。
「そして、体育祭などで盛り上がった「騎馬戦」、文化祭での出店や全コースを越えて一つの作品を作り上げた「スクラッチアート」、クラスが今までにないほど団結した「歌王決定選」、これらのイベントを過ごしていくにつれ、気がつくと入学後すぐに感じていた不安はいつのまにかなくなり、高校で知り合えた友人たちとの日々がとても楽しく充実した一年間を過ごせていました。この三年という時間は私たちに勉強だけでは決して学び得ることの出来ない、たくさんの思い出をくれました。この思い出がこの学校で育むことが出来た友情が、この先、手に入れることが出来ない、かけがえのない宝物です」
あぁ……そうか。奏先輩……僕は奏先輩と学校では1年間しか過ごしてなかったけど楽しかったんだ。奏先輩……
「そして、後輩たちに伝えたいことがあります。私たちは本日でこの学校を去ることになりますが、今まで私たちが教えてきたことと自分たちが今まで学校で過ごしてきた中で培ってきた経験があればきっとこの学校の伝統を閉ざすことなくこの先新たに入学してくることとなる後輩たちへバトンをつないでいけるはずです。私たち以上に皆さんがこの学校でで活躍し、より発展させていく、ことの、卒業生とし、て期待しています。頑張っ、てくだ、さい」
奏先輩は段々終わりが見えてくるに連れて言葉を濁していく……奏先輩はただ、笑いながら泣いていた。その思いはきっと誰よりも思い出深いものなんだと……そう感じた。
「最後になりましたが、……ぐずっ…長先生はじめ、諸先生方のご健勝と、この学校の…ひっく……さらなる、発展を、祈念し、卒業生の、答辞といたし、ます……」
奏先輩……ありがとうございました。そして……改めて卒業おめでとうございます。
* * * * *
そして卒業式も終わり、既に周りには沢山の卒業生と在校生、そして保護者達でそれぞれの集団が出来ていた。
「……終わったか」
「なーに辛気臭い顔してんだよ」
「クリス……いや、まぁ…ね?」
「……ほらよ」
「ありがと」
僕はあたりを見渡すとマリア先輩と奏先輩は他の生徒達から言い寄られて動けない状態だった。
「……行かなくていいのか?」
「……別れの言葉はもう済ませた」
「なら、いいんじゃねぇか。ん?あれは……鈴か」
「秋、クリスちょっといい?」
「どうした?」
「いや……実は……」
すると肩をトントンとされて振り返るとそこには……
「あっ!!引っかかりましたね秋吉さん!!」
「響ちゃん!?いや待って……そういえば昨日は」
「私達の卒業式もありましたから」
「小日向まで……」
後ろを振り向くとそこには響ちゃんと小日向がそこにはいた。そして後からまたぞろぞろと知り合いが沢山こっちにやって来た。
「あの…秋先輩こんにちは」
「よっ!!秋先輩!!」
「アリスちゃんと椿ちゃんまで……」
「せっかくだから呼んじゃいましたー!!」
どうやら響ちゃんはアリスちゃんと椿ちゃんを何故か……いや、多分暇だったんだろうなー
「待ったく……なにし「おいおい秋、そろそろこっちに来たらどうだ?」なっ!?か、奏先輩!?他の生徒は……」
「あぁ。それならあたしがみんなと写真撮りたいって言って逃げてきた」
「えぇー……」
「あら?秋は写真はいやかしら?」
すると向こうからマリア先輩がこっちにやって来た。何故かうちの妹とそして……
「やって来たデスよ〜!!」
「暁もいるのか」
「私もいる」
「月読まで……あーうん大体分かってるよ」
「兄さんその、僕とキャロルは……」
「セレナちゃんに呼ばれたんだろ?」
「……察しが良くて助かる」
すると奏はカメラを何故かセッティングしてこっちにやって来た。
「よし!!写真とるぞ!!」
「えっ……写真撮るの?」
「当たり前だ!!ほら全員で写真とるぞ!!」
「……マジ?」
そして集まったみんなで結局写真を撮ることになったのだが……
「せ、狭い……」
「ちょっと!!私の胸触ったの誰!!」
「し、調ちょっと横に寄って欲しいデス!!」
「ここ辺りで……」
「エルフナイン。そこは見切れるこっちだ」
「響、もっとこっちに……」
「未来……せめて鼻血拭こう?」
「ほら、秋はここの辺り」
「ハイハイ……」
するとカメラはピピピと音がなる。多分タイマーになっているのだろう。そしてみんなはカメラに向かってポーズやピースをして構える……しかし、たまたま風が強くなって写真を撮る瞬間にカメラが傾いた。
「「「「「「「「「「「「「「「「あぁっ!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」
こうして僕達の1年間が終わりを迎える……しかし、それは終わりではなく始まりだと僕は思っている。決して間違いでもなく、ありふれた日常……それは僕が望んでいないことでもたまたま偶然起きた事でもあたり前のように戻ってゆく光景を決して間違いとは言わない……何故なら……
これは僕の日常のストーリーなのだから……
マッカーサ軍曹の一言『はい。これで最終回です。本当に長かった……2ヶ月間ずっと毎日投稿してましたから、ハハ……次は多分グレ響ルートを書く予定ですが、多分新作の小説の方が多いと思います。今までこの小説を読んでくださった方、ありがとうございました。』