もし南雲ハジメが全集中の呼吸の使い手だったら   作:籠城型・最果丸

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南雲ハジメ、雷に打たれて金髪になる。


どうも、最果丸です。

雷に打たれたら面白そうだなと思ったのでハジメに雷落としちゃいました。そしてそれは全部クソッタレエヒトのせいにします。


そしてハジメが完全に善逸だった件。


第三話 露わになる秘密

うちのクラスの迷惑カルテットのお陰で俺達は戦いの術を学ばなければならなくなった。といっても俺は雷の呼吸使えるからまあまあ戦えるだろう。いくら俺達が規格外の力を潜在的に有していると言っても、元を返せば戦後の平和主義にどっぷりと浸かり切った日本の高校生。いきなり魔物や魔人族と戦えって言っても不可能に決まっている。

 

しかし、その辺の事情は当然予想していたらしく、クソジジイ曰く、この聖教教会本山がある【神山】の麓の【ハイリヒ王国】にて受け入れ態勢が整っているらしい。

 

王国は聖教教会と密接な関係があり、聖教教会の崇める神――あのくそったれエヒトの眷属であるシャルム・バーンなる人物が建国した最も伝統ある国ということだ。国の背後に教会があるのだからその繋がりの強さが分かるだろう。俺からの信用は一瞬でガタ落ちした。

 

俺達は聖教教会の正面門にやって来た。下山しハイリヒ王国に行くためだ。

 

 

聖教教会は【神山】の頂上にあるらしく、凱旋門もかくやという荘厳な門を潜るとそこには雲海が広がっていた。

 

高山特有の息苦しさなど感じていなかったので、高山にあるとは気がつかなかった。おそらく魔法で生活環境を整えているのだろう。全集中の呼吸の修行にはピッタリだ。

 

俺達は、太陽の光を反射してキラキラと煌めく雲海と透き通るような青空という雄大な景色に呆然と見蕩れた。地球でもこんな光景見たかった。

 

どこか自慢気で気色悪いジジイに促されて先へ進むと、柵に囲まれた円形の大きな白い台座が見えてきた。大聖堂で見たのと同じ素材で出来た美しい回廊を進みながら促されるままその台座に乗る。

 

台座には巨大な魔法陣が刻まれていた。柵の向こう側は雲海なので大多数の生徒が中央に身を寄せる。それでも興味が湧くのは止められないようでキョロキョロと周りを見渡していると、ジジイが何やら唱えだした。

 

「彼の者へと至る道、信仰と共に開かれん――〝天道〟」

 

その直後、足元の魔法陣が燦然と輝き出した。そして、まるでロープウェイのように滑らかに台座が動き出し、地上へ向けて斜めに下っていく。高所恐怖症じゃないけど何かゾクゾクする。

 

どうやら、先ほどの〝詠唱〟で台座に刻まれた魔法陣を起動したようだ。この台座は正しくロープウェイなのだろう。ある意味、初めて見る〝魔法〟に生徒達がキャッキャッと騒ぎ出す。うるせぇ。

 

 

そして、雲海に突入する直前、誰もが予想していなかったことが起こった。

 

「んがっ……」

 

 

俺の頭上に、突然雷が落ちてきた。文字通り青天の霹靂だ。確かに誰も予想できない。ジジイも想定外の出来事に目玉が飛び出ている。でも何で俺なの?異世界召喚されて早々死ぬとか洒落にならないんだけど……

 

「南雲くぅぅぅん!!!!」

 

ああ、意識が遠のいていくよ……白崎さんが俺の名前を頻りに叫んでるような気がする……

 

皆ごめん……俺、先に逝くわ……俺を恨まないでくれよ……それと、とっととくたばれ塵山共。

 

雲海を抜けると同時に、俺の思考の糸は音を立てて切れた。

 

 

再び俺が目を覚ますと、既に王宮に着いていた。周りの奴らは皆ジジイと同じ驚き方をしてる。どうやら俺は、まだ死なせて貰えないらしい。覚えてろよエヒト。

 

「な、南雲……お前……」

 

え?どうしたの天之河?俺の顔に何か付いてんの?

 

「南雲くん……髪の毛が……」

 

俺の髪の毛がどうなってるって?ギャグマンガみたいにパーマみたいになってんのかな。それだけならまだありがたい。

 

取り敢えず前髪を指で束ねて確認した。問題の髪の毛の様子を見て、俺はこの場にいる誰よりもデカい叫び声を上げた。

 

「何じゃこりゃぁぁぁぁ!?」

 

 

俺の髪の毛……雷に打たれて金髪になりました……

 

 

身体の方は俺の髪色が黒から金髪に変わったことを除いて特に何もなかったので、真っ直ぐ玉座の間に案内された。本当に無事でよかったよ俺の身体。

 

教会に負けないくらい煌びやかな内装の廊下を歩く。道中、騎士っぽい装備を身につけた者や文官らしき者、メイド等の使用人とすれ違うのだが、皆一様に期待に満ちた、あるいは畏敬の念に満ちた眼差しを向けて来る。俺達が何者か、ある程度知っているようだ。

 

俺は居心地が悪いと感じながらも、最後尾をのんびりと歩いていった。

 

美しい意匠の凝らされた巨大な両開きの扉の前に到着すると、その扉の両サイドで直立不動の姿勢をとっていた兵士二人がジジイと勇者一行が来たことを大声で告げ、中の返事も待たず扉を開け放った。いや、少しは待ってやれよ……

 

ジジイはあたかも当然かの如く、悠々と扉を押し開いた。天之河達一部の者(俺も含む)を除いて生徒達は恐る恐るといった感じで扉を潜った。

 

扉を潜った先には、真っ直ぐ延びたレッドカーペットと、その奥の中央に豪奢な椅子――玉座があった。玉座の前で覇気と威厳を纏った初老の男が()()()()()()待っている。恐らく国王だろう。

 

その隣には王妃と思われる女性、その更に隣には十歳前後の金髪碧眼の美少年、十四、五歳の同じく金髪碧眼の美少女が控えていた。更に、レッドカーペットの両サイドには左側に甲冑や軍服らしき衣装を纏った者達が、右側には文官らしき者達がざっと三十人以上並んで佇んでいる。

 

玉座の手前に着くと、ジジイは俺達をそこに止め置き、自分は国王の隣へと進んだ。

 

そこで、おもむろに手を差し出すと国王は恭しくその手を取り、軽く触れない程度の口付けをした。この国は教皇が偉いのかよ……ホントジジイ嫌い。これでこの国を動かしてるのがくそエヒトであることが確定した。エヒトてめぇも嫌い。

 

そこからは頼んでも無い自己紹介だ。国王の名をエリヒド・S・B・ハイリヒといい、王妃をルルアリアというらしい。金髪美少年はランデル王子、王女はリリアーナという。

 

後は、騎士団長や宰相等、高い地位にある者の紹介がなされた。正直言ってお前らの名前なんか覚えなくても別に困らねぇだろ。ちなみに、途中、美少年の目が白崎さんに吸い寄せられるようにチラチラ見ていたことから白崎さんの魅力は異世界でも通用するようである。やべぇ。

 

その後、晩餐会が開かれ異世界料理を堪能した。見た目は地球の洋食とほとんど変わらなかった。たまにピンク色のソースや虹色に輝く飲み物が出てきたりしたが非常に美味だった。本当に美味かった。

 

ランデル殿下がしきりに白崎さんに話しかけていたのをクラスの男子共がやきもきしながら見ているという状況もあった。

 

俺としては、もしや矛先が殿下に向くのではと、ちょっと期待したりした。といっても、十歳では無理だろうが……頼むから向いてくれよ!

 

王宮では、俺達の衣食住が保障されている旨と訓練における教官達の紹介もなされた。教官達は現役の騎士団や宮廷魔法師から選ばれたようだ。いずれ来る戦争に備え親睦を深めておけということだろう。うん、そのチョイスはグッジョブだ。

 

 晩餐が終わり解散になると、各自に一室ずつ与えられた部屋に案内された。天蓋付きベッドに愕然したのは俺だけじゃないはずだ。俺は、豪奢な部屋にイマイチ落ち着かない気持ちになりながら、それでも怒涛の一日に張り詰めていたものが溶けていくのを感じ、ベッドにダイブする。だが、ここでも困ったことが起こった。

 

「眠れない……」

 

そう、地球ではあれだけ俺を苦しめた睡魔が、ここでは一切来なくなっていた。原因は恐らく、昼間の雷だ。

 

でもまあ丁度いいや。皆寝静まってる頃に俺は雷の呼吸の鍛錬ができる。

 

俺は窓を開け、そこから躊躇なく飛び降りた。普通の人なら絶対痛いだろうが、俺は脚を鍛えてるので着地しても痛くなかった。

 

雷の呼吸の鍛錬を、俺は夜明けまで続けたのだった。

 

 

翌日から早速訓練と座学が始まった。

 

まず、集まった生徒達に十二センチ×七センチ位の銀色のプレートが配られた。不思議そうに配られたプレートを見る生徒達に、騎士団長メルド・ロギンスが直々に説明を始めた。

 

騎士団長が訓練に付きっ切りでいいのかと俺は思ったが、対外的にも対内的にも〝勇者様一行〟を半端な者に預けるわけにはいかないということらしい。

 

メルド団長本人も、「むしろ面倒な雑事を副長(副団長のこと)に押し付ける理由ができて助かった!」と豪快に笑っていたくらいだから大丈夫なのだろう。とんでもねぇ団長だ。

 

「よし、全員に配り終わったな?このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」

 

名前そのまんまじゃないか……分かりやすいから別にいいけど。

 

この人は非常に気楽な喋り方をする。豪放磊落な性格の彼は、「これから戦友になろうってのにいつまでも他人行儀に話せるか!」と、他の騎士団員達にも普通に接するように忠告するらしい。俺としてもそっちの方が気楽でいい。だって年上から慇懃な態度取られると居心地悪いんだもん。音も気持ち悪いし。

 

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 〝ステータスオープン〟と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

「アーティファクト?」

 

アーティファクトという聞き慣れない単語に天之河が質問をする。

 

「アーティファクトって言うのはな、現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことだ。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな、複製するアーティファクトと一緒に、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通は、アーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも流通している。身分証に便利だからな」

 

一体どうやって複製してるんだ。そして完全じゃないけど複製という形で再現しちゃってんじゃん。

 

なるほど、と頷き生徒達は、顔を顰めながら指先に針をチョンと刺し、プクと浮き上がった血を魔法陣に擦りつけた。すると、魔法陣が一瞬淡く輝いた。俺も同じように血を擦りつけ表を見る。

 

すると……ステータスプレートに俺のステータスが表示された。

 

 

===============================

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

天職:鍛冶師

筋力:90

体力:100

耐性:80

敏捷:4100

魔力:80

魔耐:70

技能:全集中 雷の呼吸[+壱ノ型・霹靂一閃][+弐ノ型・稲魂][+参ノ型・聚蚊成雷][+肆ノ型・遠雷][+伍ノ型・熱界雷][+陸ノ型・電轟雷轟][+漆ノ型・火雷神]・抜刀術・縮地・雷属性適正・刀鍛冶・錬成・音響探知・魔力感知・魔力操作・常時覚醒・言語理解

===============================

 

 

……やべぇ。

 

まるでゲームや漫画のキャラみたいになっている。そしてちゃんと雷の呼吸も技能として表示されている。周りを見渡すと、他の生徒達もマジマジと自分のステータスに注目している。

 

「全員見れたか?説明するぞ?まず、最初に〝レベル〟があるだろう?それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」

 

レベルの上がり方がゲームとは違った。レベルが上がると同時にステータスも引き伸ばされるのではなく、各ステータスが上がって初めてレベルが上がるのだ。

 

「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後でお前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」

 

……刀あるかな。両刃の剣だと雷の呼吸が使い辛いんだよ。

 

そしてレベル上げは地道にやるしかないようだ。世の中そんなに甘くない。

 

「次に〝天職〟ってのがあるだろう?それは言うなれば〝才能〟だ。末尾にある〝技能〟と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」

 

がっつり戦闘力持ってるのに〝錬成〟って……これ絶対非戦闘系の持つものだよね?何で俺が持ってんの?

 

「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 全く羨ましい限りだ!あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」

 

この世界の平均なんか正直どうでもいいんだよ。でも皆それなりに顔が輝いてる。嬉しそうな音もする。俺もその一人だった。

 

メルド団長の呼びかけに、早速天之河がステータスの報告をしに前へ出た。気になった俺はチラッと盗み見をした。

 

============================

天之河光輝 17歳 男 レベル:1

天職:勇者

筋力:100

体力:100

耐性:100

敏捷:100

魔力:100

魔耐:100

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

==============================

 

(天之河……お前……)

 

「ほお~、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か……技能も普通は二つ三つなんだがな……規格外な奴め!頼もしい限りだ!」

「いや~、あはは……」

 

(いいご身分だなぁぁぁ!?ステータスオール100とか完全にチートじゃねぇかよ!62レべのメルド団長でもステータス平均は300前後なのにお前はそれをたった1レべで三分の一に迫ってるだとぉ!?しかも天職が勇者って何だよ!!俺の喜びを返せよ!!!俺は……俺はな……!?お前が毎日アハハのウフフで女の子といちゃついてキラキラ輝くために嫌われたんじゃない!そんなことの為に俺は毎日檜山達(結局呼び名を戻した)に殴られ蹴られたのかぁぁ!?勇者ってのはなぁ!!お遊び気分でなるもんじゃねぇ!お前のような奴と檜山達は粛清だよ!!即粛清!!)

 

……そうやって頭の中でギャースギャースと喚いてる俺を置いて、他の奴らも自分のステータスを見せる。こいつらも十分チートだった。天之河程じゃないけど。そして戦闘系ばっかり。

 

しばらくして俺の番が回って来た。

 

今まで、規格外のステータスばかり確認してきたメルド団長の表情はホクホクしている。多くの強力無比な戦友の誕生に喜んでいるのだろう。

 

その団長の表情が「うん?」と笑顔のまま固まり、ついで「見間違いか?」というようにプレートをコツコツ叩いたり、光にかざしたりする。そして、ジッと凝視した後、もの凄く驚愕した表情でプレートを俺に返した。

 

「お前……非戦闘職の鍛冶師なのにがっつり戦闘向きな技能が詰まってるとは、今まで見た事がないな……適正は偏ってるが、レベル1でこれなら、もしかしたら光輝をも上回るかもしれんぞ」

 

……え?そんなにやばいの?俺のステータス。確かに非戦闘職が戦闘系の技能持ってたらそりゃビックリするわな。

 

でも、それ以上に周りがざわついてて五月蝿い。天之河ですら驚きを隠せていないようだった。

 

天職が勇者ということもあり、天之河のステータスはチートだった。だが、俺はそれ以上のチートだったようだ。全体的にステータスは高めだし、体力なら天之河と同じ100で、敏捷は四桁行ってる。

 

そんな様子に俺を目の敵にしてる男子共が喰いつかないわけがない。クラスメイト全員が戦闘職を持つのに対し、一人だけ非戦闘職でしかも勇者をも上回り得ると言われたのだ。食いつかないほうがおかしい。

 

ただでさえ嫌いな男子の中でも、一番嫌いな奴……というかクラスで一番嫌いな奴の檜山が気持ち悪い笑みを浮かべながら声を張り上げた。

 

「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か?鍛治職でどうやって戦うんだよ?メルドさん、その鍛冶師って珍しいんっすか?」

「いや、鍛冶師自体は大して珍しくはないが、ステータスはかなり上だ」

 

檜山が小さく舌打ちをした。その反応を見るに、そいつのステータスは俺よりも下らしい。メルド団長は気づかなかったようだが、俺は耳がいいからバッチリ聞いた。

 

「……どうせハッタリに決まってる。おい南雲、お前のステータス、見せてみろよ」

 

そう言って檜山が俺のステータスプレートを奪い取ろうと手を伸ばした。それを俺は寸でのところで手首を掴み、軽く握ってみた。血使ってんだからイカサマなんか通用するわけないだろ。こいつ脳味噌腐ってんの?

 

「……いってぇな。何しやがる」

「何人のステータス勝手に見ようとしてんの?これ君のじゃないんだけど?」

 

俺の冷たい声にクラスのほぼ全員が注目する。今までどれだけ敵意を向けられ、暴力を向けられても何もしてこなかった奴が、突然反抗の意を示したのだ。檜山は更に苛立つ。

 

「いいから俺に見せ……」

 

俺に向かって突撃してくる檜山の背後に回り込んで肘打ちをお見舞いしてやった。檜山はたった一発で気絶した。話にならないな。

 

「おせーんだよ、クズ」

 

俺はただそれだけを吐き捨てた。周りの奴らには効果抜群だったようで、皆恐怖と憎悪の目を俺に向ける。それは最早どうでもいい。白崎さんと八重樫さんも、俺に対して少しばかり恐怖を抱いていたようだった。これで白崎さんが俺に近寄らなくなってくれたら俺は気が楽になる。

 

これからの前途多難さに、俺は更に苛立ちを積もらせるのであった……




「「いよっと」」

香織「あの時の南雲くん……ちょっと怖かった」
雫「ええ、あんな南雲君初めて見たわ」
香織「でも、私の知らない南雲くんの一面も見れたし、もっと仲良くなれるといいな~」
雫「香織……ポジティブね……私だったら今後近寄るのすら難しくなりそうだわ……」
香織「何言ってるの雫ちゃん!南雲くんが可哀想でしょ!?」
雫「ごめんなさい。私の不注意だったわ」


香織「ここで、トータスこそこそ噂話」

香織「南雲くんがかなり上のステータスを持ってるのは、神山を下りるときに雷に打たれたからだそうだよ」


雫「もしそれが本当なら彼、とんでもない体質の持ち主ね……」
香織「雫ちゃんも南雲くんに追い抜かれないよう頑張ってね!」
雫「貴女私と南雲君どっちを応援するの……?」
香織「二人共だよ!」
雫「いやもう追い抜かれてるでしょ……」
香織「次回、第四話 狙われたハジメ」
雫「どっかで聞いたことのある題名ね……」


つづく

名称変更しようかなと思っておりますが、変えてもいいと思いますか?

  • 変えてよし
  • そのままでなんとか頑張れ
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