「いやー、本日も良い天気だ。こんな日はピクニックでもしたくなるな!」
「ドクター。現実逃避をしないでください。お仕事はまだ始まったばかりですよ」
ある日のロドスの早朝。穏やかな空気に包まれた静かで安らかなその時間帯に、私と秘書の12F君は執務室に缶詰めになっていた。
理由は簡単。仕事が溜まっているのだ。
その溜まりっぷりは机が書類で埋め尽くされるような優しいものではない。もはや床にまで書類山脈が形成されている。
ここ最近危機契約などで書類作業に避ける時間が無かったせいだな…
それでもちょっと引いてしまうほどの仕事量だが。
もう全部他の優秀なオペレーターに丸投げして私は自室で眠りこけたいのだが、私の立場がそれを許さない。様々なところから一癖も二癖もある人材を募り、また様々な組織と交渉をするロドスは機密事項も多いのだ。それこそ上位の責任者でしか対応を許されない書類も多い。結果、私がそれらの対処を行うことになる。
普段ならアーミヤやケルシーがある程度捌いてくれたりもするのだが、二人は現在こちらに余力を避ける状態に無い。
だから私が全ての対処をしなくてはならない。
あー、もう逃げたい。
眼前に広がる紙の海は、前線から抜けてきたヴェンデッタが目の前にいるより絶望感がある。
だがしかし投げ出すわけにはいかないのだ。
私がここで仕事をサボってしまえばロドスの運営に大きな悪影響を及ぼしてしまう。
記憶のない私にとって、ここは故郷に等しい大切な場所だ。そんな場所に迷惑をかけることは許されない。
「…そうだな。悪い、12F君。早く終わらせよう」
「そうですね…私も精一杯お手伝いいたしますから、頑張りましょう」
そうだ、頑張らなければいけないのだ。こんな仕事はさっさと片付けて、鉱石病の研究ができるだけの知識を取り戻さなければいけないのだから。
早速手元にあった書類を睨み、ペン立てから一本のペンを取り出す。
「よし、やるぞ」
そういって覚悟を決め今まさに書類に手を付けようとしたとき、勢いよく執務室の扉が開け放たれ部屋の温度が急上昇した。
ぎょっとした私と12F君はそろって入り口へと顔を向ける。
「ドクター、お話がありますの!」
そこにいたのは、随分と興奮したご様子の若き天才術師…スカイフレアだった。
○○〇
「…」
「…」
私と12F君は言葉が出ずにその場で固まる。
目の前の彼女の姿があまりに普段からかけ離れていたので、呆気に取られてしまったのだ。
いつもの彼女は常に大胆不敵で自信満々。たまに傲慢とも受け取れてしまいそうなほど自信過剰ではあるが、こんな風に高揚を露にする姿は見たことが無い。
そんな彼女の様子にフリーズしている私たちに構うことなく、彼女はズカズカと部屋を踏み分け、どん、と執務机に手を突いた。
その周囲は陽炎で歪んでおり、かなりの高温になっている。
吹き付ける熱波に私の顔からは汗が噴き出し、熱により生じた気流に書類が周囲にばらまかれていく。
あぁ、せっかく整理したのに…12F君が。このばらまかれた書類もあとで整理しなくちゃいけないんだぞ…12F君が。見たまえよ彼のあの苦々しい顔。可哀そうに…ハイビスの健康食を味わってしまったかのような表情をしているぞ。
「まぁまぁ、落ち着いてください。どうされたんですかスカイフレアさん。そんなに頭に血を登らせて」
「私は頭に血を登らせてなんかいませんわ!」
12F君がまるで猛り狂った野生動物を鎮めるかのような仕草で彼女の冷静を取り戻そうとするがまるで焼け石に水。また一層温度が上がった気がする。
焚火の前にいるかのような熱気だ。というか実際にちりちりと細かい火の粉が漂い始めており、彼女が手を突いている机が黒く変色し始めている。あ、煙も出始めた。
このままでは執務室が炭になるまでそう時間はかからなさそうだ。
流石にそろそろ落ち着いてもらった方がいいな。
部屋一つをいつかの書類みたいにされては適わない。
「わったから取りあえず温度を下げろ。執務室を燃やす気か」
「っ…ごめんなさい、少し熱くなっていましたわ」
「とりあえずこちらにお掛けになってください。今お茶をお持ちしますので」
「えぇ、ありがとう」
彼女の手元を指さしながら指摘してやると、慌てて温度を下げてくれた。ようやく自分がどれだけ物理的に熱くなっていたか自覚してくれたようだ。今は赤面して羞恥に悶えている。
こういうとこが可愛いんだよなぁ。書類を燃やされたときもこれで許してしまった。
だがしかし、愛嬌で被害は無かったことにならない。机の一部に目をやるとそこにはくっきりと炭化した手形が付いていた。
ロドスでは珍しい木製の机だったのに…気に入っていただけあって結構悲しい。
そうして一人落ち込んでいるうちに12F君が彼女をソファに誘導しお茶を淹れに行ってくれた。流石は気遣い上手の12F君。私の秘書が有能でとても助かる。
当の彼女はいくらか冷静さが戻ったようで先ほどまでの高温は鳴りを潜めていた。
だが熱気が完全に止まったわけではない。ソファに座ったまま未だ煮えたぎる鍋のようにふつふつと熱を放ち続けている。
ちょっと窓を開けるか。このままでは執務室がサウナ室になってしまう。
黒ずくめの下で既にかなりの汗を流してしまった私は衣服が張り付く不愉快な感覚に顔を顰めながら窓を開け放った。あぁ涼しい。
「それで、一体何の用なんだ?君がそこまで感情的になるなんてよっぽどのことなんだろう?」
「はい、実はドクターにある作戦の許可をいただきたくて来ましたの」
作戦許可?
私は彼女の対面のソファに腰を下ろしながら眉を顰める。
一体彼女が何の作戦を発令しようというのか。
自分が炎役になってキャンプファイヤーでもするとか…?なんて、それは流石に無いか。
そのような提案で机に黒紅葉を刻印されたのなら流石に苦言を零さずにはいられない。でもまぁ最近危機契約とかで忙しかったし、一つ息抜きイベントなどを設けてもいいかもしれない。シエスタでも陰謀を潰したり巨大火山砲オリジムシを追い返したりであまりバカンスできなかったし。
などと脇道に逸れ始めた思考を一旦隅に追いやって意識を現状に戻す。
「その作戦ってのは?」
「ブックマークを捕まえて尋問しますわ!」
「…」
…確かに驚いたな。その突拍子の無さに思わず思考停止してしまった。
ついでに素っ頓狂さで言えば、ミステリアスお姉さんだと思っていたスカジが戦闘記録を見て「ダーッと行って、ドンッと倒して、パパッと片付ける!なるほど、覚えたわ」とか言い出したときといい勝負だ。
というかブックマーク…?なんであいつを尋問する必要がある?いつも何処にいるんだかわからないしたまに悪戯もするが、勤務態度も真面目で問題のある奴ではなかったと思う。
「なぜその作戦を発令したいんだ?」
「えぇ…これを話すと長くなりますわ…」
☆
☆
☆
あれは私と彼がある任務に参加したときですわ。
私たちの部隊は敵重装部隊と術剣士部隊の挟撃を受けましたの。
これにより前線は混乱し、一時的に危険な状況に追い込まれましたわ。
そのとき、彼は敵部隊の隊長をアーツで打ち抜きました。
これにより敵指揮系統は混乱。
その隙に形成を逆転させた私たちは無事敵を無力化し、任務を完遂しましたの。
彼のアーツは業腹だけど見事でしたわ。優れた空間把握能力と演算能力から放たれる急所を効果的に破壊するアーツの弾丸…よく洗練されていましたわ。
だけど、私は違和感を覚えましたの。以前彼とアーツについて意見を交わしたとき、彼はこの私と対等に語らえるほどアーツに対して深い理解を有していましたわ。
それなのに、あのとき彼が披露したアーツはあまりに平凡すぎる。
もちろんその練度は凄かったけれど、アーツそのものは基礎の域を出ていません。
知識は力。多くの法則を知っているのなら、それをアーツに組みこみ強化するのは術師であれば皆当たり前にしていること。そうやってオリジナルのアーツが作られていくのに…
彼のアーツにはそういったものが見受けられませんでしたわ。
適正がないんじゃないかですって?とんでもない!適性が無い人があそこまで精密にあれだけの威力を出すことはできません。
彼は意図的に力を得ることを制限している。もしくはまだ見せていない力がある…
彼ほど熟練した術師であれば、力を得ていないなんてことは考えにくいから、きっと力を隠しているのでしょう。私はそう確信していますわ。
☆
☆
☆
「だから、彼をとっつかまえて隠し持つ力を白状させましょう、ドクター」
「うーん…」
また熱くなり陽炎を出し始めた彼女を半目で眺めながら、腕を組んで唸る。
正直なところ彼女の言い分は言いがかりの域を出ないというのが私の意見だ。
彼女の話を聞く限りブックマークが力を隠している明確な証拠はなく、スカイフレアの感想が根拠のほぼ全てを占めている。当然私はアーツの専門家ではないので詳しい話になるとどうとも言えないが、少なくとも彼は現時点で十分戦力になっているし仕事に手を抜いているような空気も無い。そんな彼を証拠もないのにとっちめるのは何だか気の毒だ。
天才である彼女がここまで言っているのだから完全な白というわけでもないのだろうが…
ぶっちゃけ却下したい。仮に実力を隠しているのなら何かしらの事情があるのだろうし、そこを不用意に刺激して要らぬ不和を招きたくない。
しかし彼女はこの通り非常にヒートアップしてしまっている。
精神的にも物理的にも熱々だ。
またちらつき始めた火の粉を見てジェスチャーで温度を下げるように伝えると、先ほどと同じく赤面してわたわたと温度を下げている。
この調子では却下したところで何かしら行動を起こすだろう。その時被害を出されるのも怖いし、かといって私がこんなことに許可を出したと大手を振るって言いふらされたらケルシーにどんな目に遭わされるか…彼女は今手が離せない仕事か何かで研究室に缶詰めだったり出かけたりと非常に忙しそうなので伝わるまでしばらくかかるだろうけど。
どうせ問題が起きるのなら、せめて自分で制御できるようにしておいた方がいいのかもしれない。しかし、知らぬ存ぜぬで目を逸らしたくもある…
私はスカイフレアの話中に12F君が用意してくれたお茶に一つ口を付けた。
美味しい。ヴィクトリアの茶葉かな…
「ドクター、私からもいいですか」
口に広がる風味を楽みつつ面倒事から一時的な現実逃避もとい慎重な審議を行っていると背後に控えていた12F君が口を開く。予想外の方向からの発言に私は危うくお茶を取り落としそうになってしまった。
「12F君も何か思うところがあるのか?」
「はい。私はスカイフレアさんほどアーツに精通しているわけではありませんが…ブックマークさんの使うアーツには前々から違和感を感じていました」
「違和感…?」
アーツに違和感なんてあるのか…?門外漢である私にはさっぱりだ。今度アーツについても調べておいた方がいいな。…記憶を失う前の私ならこういった知識もあったのかなぁ。思わせぶりなことを言う奴がぽつぽつといるので記憶を取り戻すのは少し怖いが、こういう話のときは以前の私の知識が欲しくなる。
いつになったら戻るのかなぁ、記憶。
目覚めてしばらく経つが、そんな気配はさっぱりない。
「はい。何といいますか…彼のアーツの挙動は不自然というか…アーツの単純さに比べ彼が行っている演算が多すぎる気がするのです」
「というと…?」
「どう表現したら良いのか…感覚的なものなのです。先ほどスカイフレアさんが仰っていたように、彼のアーツはその出力と精密さで別物に見えますが、実際はとても基礎的な物です。発動に必要な制御技術はたいしたことはありません。なのに彼は、アーツ発動の際に必要以上の集中と制御演算を行っているように見えます。私の知る限り、彼は最小の労力で最大の効果を得ようとする合理的な人です。あのアーツ運用は、そんな彼の印象とどうにも噛み合いません…」
うーん…これまた抽象的というか、なんというか…明確な根拠に欠ける意見だ。
12F君もそれは自覚しているのだろう。上手く言い表せないもどかしさに顔を歪めている。しかし、彼も長い間戦場でアーツを用いて戦ってきた戦士だ。そんな彼が感じる違和感を気のせいだと一蹴するのも憚られる。
面倒だなぁ…と再びお茶を口にしながらスカイフレアを盗み見ると非常に真剣な顔で首肯していた。彼女は先ほどの話で強い共感を覚えたらしい。
そして何やら意を決したような表情を浮かべて懐から用紙を取り出し始めた。
ああ、嫌だな。紙媒体で何かを伝えようとするときは大体面倒事が加速するんだ。受け取りたくない…
「ドクター、12Fさんが違和感を覚えているように、このロドスで勤務しているほとんどの術師の方が、彼のアーツに違和感を覚えていますわ。これはその人たちの中で、今回の作戦に参加してくださる方々の署名です」
うわぁ…案の定だよ。署名まで募ってくるとかいよいよ本気じゃん…
差し出されたそれを渋々受け取ると、まぁ書かれてあるわそうそうたる顔ぶれが。
アンジェリーナ、モスティマ、シャイニング…アーミヤの署名まである。何してるんだよ社長…あんた私に手を貸す余裕も無いんじゃなかったの…?
「ドクター…これだけの方々が違和感を感じているのに、この問題を放置するわけにはいきません。是非とも、一度ブックマークさんをとっちめる必要がありますわ」
ずいと身を乗り出したスカイフレア。私はその迫力に圧倒され身を逸らしてしまう。
強い眼差しは熱血漫画よろしく炎が揺らめいているかのようだ。
強固な意志が伺えるその瞳に宿った決意とやる気は尋常ではない。
彼女は引かないだろう。
そして私が作戦を却下しても止まることは無い。
絶対勝手に行動をして問題を起こし、そして私が怒られる。
そんな気がする。
はー…もう、面倒だなぁ。私は今まさに大量の仕事を抱えているのに、なんでこんな面倒事が舞い込むのだろう?記憶喪失の件と言い、世界に嫌われているのではと思ってしまう。
私は目を閉じ少し真剣に解決策を模索する。
どうすればケルシーに怒られず、かつ事態が丸く収まるのだろうか…
…いや、無理だな。ケルシーが事態を把握すれば間違いなく私が怒られる。
かといって強引に却下すると術師達の不満が溜まるだろう。
インテリの多い術師達のことだ…作戦の申請の仕方も断るごとに巧妙なものへと変わっていくはず。今回の申請が最初の申請…つまり、今スカイフレアがやっている嘆願が一番かわいい嘆願である可能性が大きいのだ。書類ばらまかれて机焦がされたけど。
私だって暇じゃない。毎回そんなのの相手をするのは面倒だ。
だが今回である程度のガス抜きをさせればしばらくこういったことは無いだろうし、飽きてもうしなくなるかもしれない。
あー、でも怒られるの嫌だな…
ぐるぐると妙案は無いか考える。
いくつものサンプルケースが現れては消えていく。
予めケルシーに
ならば術師達を宥めすかせて…これは爆弾を先送りにするだけだな。
いっそブックマークを生贄に…良いじゃん。…いやいやいや、駄目だな。どちらにせよ怒られる。
無理だ。どう考えてもケルシーを怒らせず、この根拠に乏しい作戦を遂行する景色が思い浮かばない。
まさに二律背反。矛盾する二つが同時に存在するなんて無理なんだ。
彼女はただ知的好奇心のみを重視するような利益を伴わない作戦を絶対に認めない。
いや待てよ。そもそも認めてもらう必要があるのか?というか、知らせる必要なんてないだろう?彼女が知らなければそもそもこの状況は生まれない。
そうだ。バレなければいいんだ、バレなければ。
どうせケルシーは最近大忙しなんだ。気取られる前に決着をつけさせればいい。
念のため作戦は極秘にして…そして足が付かないよう実害を出すのも無し。
物的被害はもちろん、彼への被害も無しだ。
被害が出ていないのなら、万が一バレてもそれまで怒られないだろう。
術師達も一度作戦を行っておけばある程度満足するだろうし、ブックマークの奴も被害を与えないということなら比較的安全。
…これ良いのでは?というかこれしか無いのでは?
私は天啓を受けたかのようにカッと目を見開いた。スカイフレアが少し引いた顔をしていたが気にしない。
私は不敵な笑みを浮かべ口を開く。
「いいだろう、スカイフレア。君の作戦、許可しよう」
「!!…ありがとうございます、ドクター!」
「ただし、いくつか条件がある。もしこれが守れなかったら…」
「守れなかったら…?」
「私がケルシーにしこたま怒られる」
スカイフレアがずっこけた。背後からも音が聞こえたのできっと12F君もずっこけたのだろう。なんで二人してそんなリアクションを取るんだ。これが一番重要だろうが。
君たちは知らないだろうがな、ケルシーは怒るとそれはそれは恐ろしいんだ。
多分恐ろしさで言えばあのタルラにだって勝るだろう。チェルノボーグで相対した私が言うんだから間違いない。
「はぁ…何はともあれ、作戦許可ありがとうございます。それで?条件というのは何かしら」
「あぁ、では…」
私は周囲を…スカイフレアの熱波で滅茶苦茶に散乱した書類たちを見回す。
それだけで賢い彼女は私が何を求めているか察したようだ。顔が急速に嫌そうな顔に染まっていく。
ふふ、ちょっといい気味だな。
「まずはこれを整理するのを手伝ってもらおうかな」
p.m. 15:13 —ロドス船内会議室—
「ただいま戻りましたわ」
「お帰りなさい。遅かったですね」
「大丈夫ですか…?なんだかやつれているように見えますが…」
「ちょっと…後処理をしていまして」
「?」
「それで?作戦の許可はどうなったんだい?」
「えぇ、許可はいただきましたわ。ただ、いくらか条件を設けられましたけど」
「その条件というのは?」
「まず、この作戦は極秘作戦とすること。最低でもドクターケルシーには絶対に悟られないようにすること」
「それはかなり難しいね…」
「まず無理ですね。ケルシー先生がロドス内の空気の変化に気付かないはずがありません」
「ドクターもそれは仰っておられましたわ。ただ、ケルシー先生は明日からしばらくロドスを留守にするそうですの」
「では…作戦のリミットはケルシー医師が外出している期間になるわけですね」
「先生が出かけるのは、確か一週間でしたね。その間で全てを終わらせないといけない…ですか」
「そうなりますわね。彼女に悟られれば、最悪私たちも罰則を受ける可能性があるとドクターは仰っていましたわ」
「うーん…減給は嫌だな。食べ歩きが出来なくなる」
「その程度で済めばいいですが…」
「では次の条件ですが、実害を出さないことですわね。これは徹頭徹尾、徹底するようにとの厳命です。ついでにブックマークへの被害も出さないようにとのことですわ」
「それは当然です。私たちは彼が隠しているアーツが知りたいのであって、彼を酷い目に遭わせたいわけではないですから」
「だけど、もし手荒なことが必要になったら?」
「んー…極力避けなければいけませんが、怪我をさせず、物を壊さない程度なら大丈夫ではありませんの?まぁロドス内であまり大きなもめごとを起こすと言い訳が利きませんので、そこは留意する必要がありますわね」
「ふーん…ま、仕方ないね」
「あとちなみに、もし物を壊した場合は壊した人の自費で修復させるそうですわよ」
「うわ、気を付けなきゃ…」
「それで、他に条件はありましたか?」
「いいえ、以上ですわ」
「わかりました。それでは時間も無いことですし、早速行動に移りましょう」
「えぇ」
「了解」
「はい」
「それでは、作戦名【オペレーター:ブックマーク包囲網】…開始ですわ!」
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