公爵様の遺伝子は最強の遺伝子!?   作:ディア

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決闘の決着!

「フレイムボール!」

キュルケはシリウスに向かってファイヤーボールの上位互換のフレイムボールを放ち、攻撃をする。威力は相当なものであり、これを防ぐには少々骨が折れる。最も普通のスクエアメイジを基準としたらの話だが…

「水の鞭!」

ビシィッ!

シリウスはそんなものを関係あるかと言わんばかりに、水の鞭を出してキュルケのフレイムボールに向かって振り、フレイムボールを破壊する。

「…っ!なら炎の矢!」

キュルケは自分の得意とするファイヤーボールの進化系でありトライアングルスペルのフレイムボールがドットスペルである水の鞭で防がれてしまったことに動揺してしまったが、次の攻撃を放つ。

「やれやれ…やっぱり闘技場をやってねえ奴らは戦闘もろくに出来ないか…凝縮!」

シリウスはそう言うと空気にある水蒸気を水に変えて、巨大な水の壁を作った。

すると炎の矢は水の壁によって止められた。

「プレゼントだ…取っておけ。プレスウォーター」

更にシリウスはその水の壁をキュルケに向かって押した。壁が進むスピードは戦車の弾と互角と思ってくれればいい。

「なっ…!?きゃぁぁぁ!?」

キュルケはシリウスやタバサとは違い、身体を鍛えておらず、避けることは不可能だった。

 

「トルネード!」

タバサが風の魔法で水の壁に穴を開けて、キュルケを助けた。

「あ、ありがとう…」

キュルケはそれに礼を言って体勢を戻し、シリウスに立ち向かう。

 

~解説席side~

「流石、ミス・タバサ。風の使い方が非常にうまい。どんなに強力な魔法でも液体で有る以上は風でゴリ押しができる。だがそれを出来る生徒は愚か、軍隊でもほとんどいないだろう…」

ギトーは風のスクエアと言うことで元々軍隊に入っていたが態度に問題があり成長出来ずにやめてしまったのだ。なので軍隊で多少のことは理解出来ている。

「しかし、何故ミスタ・ドイツは土の魔法を使わないんでしょうか?」

ここでシリウスの得意としている土の魔法を使わないことに不思議に思ったロングビルが声に出す。

「使う必要が全くないからだ。」

その質問に答えたのはエンペルだ。

「え?」

 

「ノルマンディー王国の研究者達の話によると属性魔法には相性がある。水は火に強く、火は土に強く、土は風に強く、風は水に強い…そう、四すくみの関係になっている。だけどほぼ同じ魔力でやったら優劣がつく話なので、余りにも魔力が違えば魔力の大きい方が勝つ。」

「つまり、ミスタ・ドイツはミス・ツェルプストーの使う魔法に対処していたと言うことですか?」

「それもある…だがミスタ・ドイツの使った魔法は全てドットスペルかそれ以下のコモンマジックによる応用だ。」

エンペルは水の魔法教師なだけあってシリウスが使った魔法を解析出来ていた。

「確かに…言われてみれば。」

ロングビルもそれに気づいてハッとする。

「だが…ミス・ツェルプストーやミス・タバサはトライアングルスペルの魔法しか使っていない。」

「それってつまり…!?」

「ああ…二人はシリウスに遊ばれている。」

~解説席sideend~

 

「シリウスは今まで一度もラインスペル以上の魔法と、シリウスが得意とする土魔法は一回も使っていない。彼は本気じゃない…」

エンペルと同じ結論に達したタバサはキュルケにそういった。

「…どうすればいいの?」

キュルケは、タバサにシリウスに勝つ方法を尋ねる。

「接近戦はおそらく無理。シリウスが強すぎる。私のスピードがあっても勝てない。」

タバサの言うとおり、シリウスは格闘術、魔法学その他戦闘に関わることをカルロスに教育されたのだ。

「結構詰んでいない?」

キュルケがそう言うのは無理はない。魔法で勝てない上に接近戦は無理、勝てる要素が全くないのだ。

「だけど勝ち目はある…」

それでもタバサの目は諦めておらず、勝利を手にしようとしていた。

 

「どんな案?」

キュルケはその案を聞くことにした。

「一つ目は時間を稼ぐ。」

これが一番シンプルでシリウスに最も勝率の高い案だろう。

「…そんな勝ち方いやよ。」

キュルケもプライドが高くないとはいえ貴族のプライドのせいか、そんなおこぼれみたいな勝ち方は嫌だった。

「二つ目は属性魔法の相性を考えて攻撃するしかない。」

タバサは先程エンペル達が口にした相性を考えて攻撃する案を出した。まだ闇雲に突撃するよりかは勝率は上がる。

「相性?そんなのあるの?」

キュルケにそんなことを言っても仕方ない。なぜなら属性の相性については世間では偏見のせいかほとんど知られておらず、知っているのはノルマンディー王国の教育を受けた人々、闘技場の上位クラスの人々しか過ぎないのだ。

「とにかくキュルケはシリウスの土属性の魔法が出てきたら攻撃、私は水属性の魔法が出てきたら攻撃をする。」

「はあ…わかったわ。」

キュルケはそれを承諾し、タバサと息を合わせた。

 

~解説席side~

「おや?キュルケ&タバサチームの二人が息を合わせましたね?」

ロングビルが二人の様子に気づき実況をする。

「恐らく、このままでは勝てないと思ったのでしょう。ミスタ・ドイツには制限時間がありますからそこをついてカウンターを狙うつもりですね。ミスタ・ドイツが水の魔法を使えばミス・タバサが風の魔法を、ミスタ・ドイツが土の魔法を使えばミス・ツェルプストーが火の魔法を使えば十分効果的です。」

エンペルがロングビルの疑問に解説をして、攻略法も喋る。

「なるほど…しかし、そう簡単に行くでしょうか?」

「なんとも言えません。ですが可能性はありますよ?ミスタ・ドイツが本気になったら二人の遺体を回収しなければなりませんので…本気ではやれないでしょうね。国際問題にも発展しかねませんし。」

シリウスは一応二人のことを考え、しかも自分にも影響が及ばないように配慮していた。

「そうですか…それにしてももう一人の解説者は役立たずですね。」

ロングビルがそう言い、ギトーの方へ振り向くとギトーは全く喋らずにいた。

「同感です。」

エンペルもそれに同感し、頷いた。

~解説席sideend~

 

「ふう…ようやく勝つ気になったか。」

シリウスは二人がチームワークを発揮したことに気がつき、目が少し本気になった。

「それじゃ、本気になったところで悪いが片を付けるか…」

シリウスは一気にキュルケとの間を詰めた。

「なっ…!?」

キュルケが驚くのは無理ない。キュルケはシリウスの魔法の攻撃に対応すべく待ち構えていたのにシリウスが一気に間を詰めたことで動揺してしまったのだ。尤もシリウスはキュルケの経験不足を見込んでのことだったが上手く行った。

「はい、杖回収!からの蹴り!」

シリウスはすぐさまキュルケの杖を取り上げ、その後キュルケに蹴りを入れた。

「がっ…」

キュルケは頭にシリウスの蹴りが入り、脳震盪で気絶した。もちろんシリウスは普通に蹴りを入れたら最悪殺すことになるので手加減をしたのは言うまでもない。

 

「これであと一人…タバ子お前だけだ。」

シリウスはタバサにそう話しかけた。

「…私を舐めないで。私は彼女とは違う。」

タバサはキュルケ以上に舐められていると思ったのか不機嫌になる。

「それもそうだな。お前は仮にも闘技場の重賞を勝っている。奴程甘くはない。来い!」

その声でタバサとシリウスの戦いが再開された。

 

「ウインディ・アイシクル!」

タバサがトライアングルスペルの氷の矢を放ち、シリウスを襲う。

「遅い!もっと速くしないと重賞二度と勝てないぞ!水の鞭!」

シリウスは全て氷の矢を水の鞭で叩き落とした。

「トルネードカッター!」

タバサは殺す気満々でシリウスを風の魔法で攻撃をした。

「サンドウォール!」

シリウスは砂の壁を出し、それを防いだ。

 

~解説side~

「残ったのはやはりミス・タバサとミスタ・ドイツですね。」

「風系統が残るのは当たり前だろう?何故なら風魔法は最強だからだ!フハハハハ!」

「「(良い加減くたばれよ…こいつ)」」

ギトーのムカつく解説にエンペルとロングビルが内心そう思ったのは無理もなかった。するとその頼みは意外な方向からやってきた。

「ハハハ…あべし!」

ギトーの顔面にキュルケが飛んで、ぶつかって来たのだ。何故そうなったのかというと、シリウスが邪魔になったキュルケを投げ飛ばし、解説席の方に投げたのだ。もちろん解説席に投げたのは意図的なものではない。偶然である。

 

「え~…完全に役立たずになったゴミは置いといて、ミスタ・エンペル、ミスタ・ドイツの水の鞭についてなんですが…あんなことは出来るんですか?」

ロングビルがギトーのことをゴミ扱いし、シリウスがやった氷の矢を落とすと言う芸当について聞いた。

「あれは神業です。ノルマンディー王国ならいざ知らず、似たようなことをやれる人は数人しかいないでしょう…しかもドットスペルの水の鞭でトライアングルスペルのウインディ・アイシクルを叩き落とすのは私が知る限り、カール大帝しか知りません。」

「カール大帝って…ノルマンディー王国のカール国王のことですか?」

「ええ…そうです。ミスタ・ドイツは限定的な部分で言えばカール大帝を超えています。」

「やはりそのくらいにならないとノルマンディーの闘技場で優勝出来ないのでしょうか?」

「余程超人じみた身体能力でもないとミスタ・ドイツには勝てませんよ。」

「そうですか…解説ありがとうございます。」

~解説sideend~

 

「錬金!」

シリウスがタバサの周りの空気をある液体に変えた。

「エアハンマー!」

タバサはその液体を払おうと自分の周りに風を起こした。それがタバサの間違いだった。

 

BAGOOOOOOOOOOON!!!

 

タバサの周りから、いつも爆発ばかり起こすルイズも真っ青な爆発が起きた。

シリウスの錬金した物質は…ニトログリセリン、通称ニトロである。

 

この物質はダイナマイトに使われる程爆発の威力は強い。だが液体の状態だと大変衝撃に弱く、すぐに爆発してしまう。これはノルマンディー王国の義務教育にも知られているのでノルマンディー王国に住む人々なら一般常識である。

 

「ううっ…!」

当然タバサはその爆発の被害を受け杖を落とし、気絶した。この勝負の決着がついた。

 

「勝者!シリウス・ドイツ!」

決闘はシリウスの勝利に終わった。




ぶっちゃけ属性の相性はオリジナル設定です。
風が水より強いのは風属性に雷も入っており、土が風よりも強いのも同じ理由です。
火が土よりも強いのは土は高温だとマグマになるのでそう決めました…
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