公爵様の遺伝子は最強の遺伝子!?   作:ディア

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ドイツ公爵の新たな放課後、エンペルの正体

授業が終わり放課後…ルイズはシリウスに渡されたメイド服に着替え、伊達眼鏡をかけ、髪はツインテールに変えて変装していた。…もちろんこの変装はルイズがルイズだとバレないようにするためだ。

「よし…それじゃ訓練を始める。」

「よろしくお願いします!」

 

シリウスはゴーレム作成の応用で十ほど的を作りそれを指差した。

「訓練をやる前にお前の爆発について考察をする…この用意した的の中心を目掛けて魔法を使ってみろ。」

「はい!」

「それじゃ始め!」

シリウスの声でルイズは杖を構えた。

「えい!ファイヤーボール!」

ルイズの杖の先から火が出て的に炸裂…

 

BAGON!

 

…するはずもなく、爆発は起きたが的には傷一つなかった。

「…なるほどちょっと来い。」

それを見たシリウスはルイズを呼んだ。

「なんでし…ひゃぁ!?」

ルイズはシリウスのそばによると押し倒され、シリウスに真顔で腹を揉まれる。

「ちょっと!やめて下さい!師匠!セクハラで訴えますよ!!」

ルイズは必死に抵抗するが無駄だった。シリウスとルイズの体重の差は倍以上あり、貴族の中では力がある方のルイズでは無理だった。

「…やはりか。」

シリウスはルイズの腹を揉むのをやめ、そういった。

「はぁ、はぁ…何がよ?」

ルイズはシリウスに腹を揉まれるあまり息が荒くなり、顔も真っ赤にしてシリウスに聞いた。

 

「ある人間は腹を揉むことで大体の魔法の源…つまり魔力はわかるんだ。俺もその類の人間だ…」

 

シリウスはルイズの魔力に違和感を感じていた。それを確かめるためにルイズの腹を揉んでいたのだ。

「それじゃ…さっきの行為は…?」

「ま、お前の魔力を確かめるためにやったんだ。」

「…疑って申し訳ありませんでした!」

ルイズはシリウスを疑ったことに謝り、謝罪するが…シリウスは首を振った。

「いや謝る必要はねえよ…それよりも結果を言わせて貰う。お前は魔力がデカすぎる。」

シリウスは謝らないあたりプラマイゼロと考えているのだろうか…驚くべき結果を告げた。

 

「え?どういうこと?」

ルイズは首を傾げ、シリウスに聞く。

「どういうこともこういうこともねえ。お前の場合、魔力がデカすぎるあまりに魔法が暴走して爆発を起こすってわけだ…」

シリウスはそう解釈してルイズに話す。

「つまり…普通の魔法が使えない訳じゃないのね!?」

ルイズは顔を明るくし、笑顔になった。

「可能性はあるが…おそらく無理だろうな。」

「どうして?!無理だって言えるの!?」

「落ち着け…」

そう言ってルイズを宥めるがルイズには無駄だった。

「落ち着ける訳ないでしょ!私に素質があるとわかったんだから!」

「お前の言うとおり、お前の素質はある…だがお前は通常の練習じゃ魔法は扱えない。」

「特別な練習なら使えるの?」

「いいか?よく聞け。魔法は通常決められた魔力によって使える。だが魔力が足りなければ当然失敗するし、魔力が必要以上に多ければ威力も強くなる…お前の場合は後者の方だ。」

「でも私の魔法は全て爆発するわよ?」

「それだ。それで正しい。あまりにも魔法に込める魔力の量が多いと爆発する。例えば煙草の火をつけるのにお前の場合はスクエアスペルでつけるのと同じだ。」

「へえ~…」

「お前は親がいくら優秀とは言え、魔力が暴走するだけデカいとなると…何かの突然変異で生まれた人間だろうな…」

「うーん…なるほど。」

「とまあ…俺の話はここまでだ。お前は魔法を使えることを望んじゃいない…俺はお前の爆発のコントロールを教えるために来たんだ。的に正確に当たらかった回数ごとにその格好でランニングに付き合って貰うぞ…」

「うっ…わかったわよ…」

ルイズはなんだかんだで返事をしてしまう…

 

「(べ、別に私がこの服を着ていることを自慢したいんじゃないんだから!シリウスに付き合わされて無理矢理やらされるだけなんだから!)」

ルイズは自分は、師匠のシリウスに言われたからやるとそう納得し、決して自分が自慢したい訳ではないと思い込ませた。

 

案の定…

 

「ぜはー…ぜはー…」

ルイズはあれから結局一発も当たらず学校の周りを10周走る羽目になった。なんで10周かと言うと的が10個だったからだ。

「遅いぞ!ルイズ!」

シリウスが最後の周を終えたルイズにそう言って叱る。

「む、無茶言わないでよ…はぁー…こっちは身体を鍛えていない貴族で、か弱い女の子なんだから…」

ルイズの言うとおり、基本的には貴族は身体を鍛えない。何故なら魔法と言う便利な武器がある以上は何もする必要はないからだ。

「だとしても遅すぎだ!俺との差が50周以上も差もあるのは何事だ!」

 

シリウスもシリウスで化け物じみた体力があり、ルイズの6倍以上の速さでそのままルイズの6倍の距離を走っていた。どんなに大差をつけてもルイズは貴族の中では体力はある方なので3倍くらいの差で済むがシリウスは違った。シリウスはスペインにいた頃にめちゃくちゃハードに鍛えられ、体力もついた。具体的には100mを5秒で三時間で走れるくらい。

 

「それはあんたが鍛えているからでしょうが…」

ルイズの言うことも間違いではないのだが…シリウスはそれでも体力お化けと呼ばれるだけのスタミナがある。

「魔力と口答え出来る口はあるくせに体力はないか…よし!喜べ…新しい特訓をつけてやる。」

ルイズの体力のなさを見かけたシリウスはそんなことを言い始めた。

「へ?」

ルイズはそんな声を出して間抜けな顔をした。

「明日から早朝トレーニングをする。そうだな4時に起きろ。」

シリウスの起きる時間はとても早い。朝…というか夜中の3時に起き、生活しているが故の台詞だった。

「無理無理!私そんなに早く起きれないわよ!」

ルイズはそれに比べ低血圧である…そのため朝に非常に弱い。シリウスもそれを言って引き下がるだろうと思って言ったのだろうが…

「ほう…なら俺が起こしに来てやるから安心しろ。」

ルイズの思いは無念に終わり、逆効果だった。それどころかシリウスは自分の部屋に行こうと提案…もとい強行手段に出たのだ。

「わ、わかったわよ!だから来ないで!」

ルイズはシリウス…というか男に自分の寝顔を見られたくないのだ。

 

「まあ時間通り来たらその提案は受け入れるぞ。せいぜい頑張って早起きするこった…今日のところはこれで終わりだ。」

「はあ…よかった…」

そう言ってルイズが立ち去ろうとするが…シリウスはルイズを止めた。

「何勘違いしてやがる…」

「え?」

「言ったよな?一定期間従者として付き合って貰うって。」

「えーと何の事でしょうか?」

ルイズは惚けるが…シリウスには無駄だった。シリウスは無言で一つの道具を出した。

「何よこれ…」

「これはノルマンディー特産の一つ、ボイスレコードだ。過去の出来事の音声を記憶し再生出来る物だ…ではスタート!」

シリウスはそう言って再生した。

 

【どうしても俺に師事したいと言うならこれを着て一定の期間従者として付き合って貰うぞ…】

【何でそんなものが!】

…以下省略

【わかりましたシリウス師匠。】

 

「で?これで反論はねえよな?」

シリウスはドヤ顔でルイズにそういった。

「…は、嵌められたー!!」

ルイズはシリウスに嵌められたことに気がつき、大声で叫んだ。

 

ルイズに合掌…

 

一方…水の魔法教師エンペルはギトーと対立していた。

「何の用ですか?ミスタ・ギトー…私は明日の準備をしなくてはなりませんので用件を早めに言って下さいよ。」

エンペルは嫌味たっぷりにそういいギトーを帰らそうとした。

「ミスタ・ドイツの件に関してだ。」

ギトーは顔を表面が赤いメロンにするが怒鳴りはしなかった。

「ミスタ・ドイツがどうしました?」

エンペルがそう言うとギトーは切れた。

「…あの小僧は水最強説を唱え、私の授業を妨害をする!それもこれも水の魔法教師をしている貴方の責任だ!エンペル!」

 

ギトーはシリウスのことが邪魔だった。何しろ追放したくてもそれ以外の授業の成績の関係上できないし、座学に関しても文句無しの歴代一位。さらにシリウスはノルマンディーのNo.4である。その怒りを学院はともかくトリステインに向けられたらたまったものではない。エンペルが呼び出されたのは八つ当たりである。

 

「だからなんですか?私はそもそもシリウス君に教えた覚えはありませんよ。」

シリウスは免除になっている授業があり、それは土と水の魔法の授業だった。面倒ごとを避ける為にエンペルはそういったのだ。

「生徒の責任は教師の責任!その責任を取って貰うぞ!偏在!」

ギトーは逆ギレしてエンペルに向けて偏在…つまり分身をした。

 

「それがスクエアスペルの偏在ですか。」

しかしエンペルはあくまで冷静だった。

「何故風が最強と呼ばれるのかその身体にきっちりと教えよう…ライトニング・クラウド!」

ギトーはそう言うと分身と合わせて巨大な雷を作り、エンペルに放った。

 

「凝縮!」

エンペルは冷静に水のコモンスペルを使いスクエアスペルである雷を防いだ…

「なっ…!?私の雷が…!?」

それに驚いたギトーは狼狽える。

「ギトー。」

エンペルは冷たい声でギトーを呼んだ。その声の冷たさにギトーは正に凍りつく。

「お前の失敗は俺の正体に気づかなかった事だ。北斗百烈拳!」

エンペルは何故か北斗の拳の技、北斗百烈拳(笑)を本体のギトーに味わせた。

「うぼぁーっ!」

かなり小物臭い断末魔だったが本体のギトーは気絶し、それによって分身は消えた。

 

「ふう…やれやれ。この学院で皮を被るのも疲れるもんだな。」

エンペルはそう言うと顔に掛かっていた変身を解いた。すると髪の毛の色はたちまち青くなり、顔も50代前後から20半ばまで変わった。

 

そう、エンペルの正体はカール大帝ことカールだ。

 

カールがここに来ていたのは弟のシリウスの監視と他に理由があった。その理由はルイズの虚無の魔法である。ルイズの虚無魔法は主に時空移動を得意とし、原作ではサイトの世界までも繋げた。

カールはそれを応用し、機械での異世界の移動を可能にさせようとしたのだ。

これだけ聞くとカールがルイズ達からクズ呼ばわりされても仕方ないが恩を売るチャンスが一つだけある。それはルイズの姉のカトレアだ。

 

ルイズの姉カトレアは生まれつき病気で数年後には死ぬと言われている。それを治そうとしたのだが…今まで機会がなかった。

 

世界でも大国のノルマンディー王国のトップが一介の公爵嬢ごときに動いては不審に思われる。

 

だからカールは弟カルロスとルドルフ、そして養子入りしたジョゼットにノルマンディー王国を任せて単身でトリステイン魔法学院に水の魔法教師としてやって来たのだ。シリウスはばれた時の保険で言い訳に使えるから入学させたのだ。

 

何故ルイズでないとダメかと言うとノルマンディーに住んでいる虚無の使いの二人…ジョゼットやティファニアにやらせても異世界までの移動は無理らしく、ガリアの虚無、ジョゼフに頼んだら借りを作ることになり面倒になるので出来ない。そのため一学生であるルイズを狙ったというわけだ…

 

「さてもう一度かけないとな…この魔法は一々掛けないとばれそうになるから面倒なんだよな…」

カールがエンペルの変装を解いたのはそう言う訳であり、面倒だったのだ。

しばらくし、カールはエンペルとなり変装が終わった。

 

「さてどう言い訳するかね。」

エンペルはそう言ってギトーを気絶させた言い訳を考えて立ち去った。

 

~シリウスの部屋~

「う~ん…」

ルイズはシリウスの従者の真似事で余程疲れたのかシリウスの部屋の椅子に座り、メイド服姿で舟を漕ぎ始めた。

「はぁ…まあ仕方ないと言えば仕方ないか。」

シリウスは暖かい目でルイズを見た。

「ん…?何か言いました?」

ルイズは寝ぼけながらも、メイドになり切りそう答える。

「帰る際にこれでも読め。」

シリウスは本を取り出し、ルイズに渡した。

「んー…」

ルイズは本を受け取るが動こうとしない。

「(あれだけ動いたんだ。少しは休ませるか。)」

シリウスは今更、ルイズを働かせたことを罪悪感を感じ自分の部屋で少し休ませることにした。

 

数十分後

 

シリウスは数十分前の自分を殴りたくなった。

「おい!起きろ!」

「くー…くー…」

ルイズは爆睡し、シリウスが大声を出して起こそうとするも無駄だった。

「はあ…このまま寝かせてもいいが絶対に面倒になるからそっと運んでおくか。」

シリウスはそう決断するとルイズをお姫様抱っこで抱えた。

「本来は俺じゃねえよな…この役目。」

シリウスはそう呟くが何を言っても無駄である。周りに、シリウスとルイズ以外は誰もいない。

「…」

寝ているはずのルイズはシリウスを抱きしめた。

「(…こいつ、怖い夢か今と同じ夢でも見ているのか?まあいい…俺のやるべきことはルイズを届けるだけだ。)」

 

シリウスはついにルイズの部屋に辿り着いた。

そしてそのままルイズをベッドにおいて去ろうとするが…

「行かないで…お願い。」

ルイズが寝言を言ったのか空耳なのか全くわからないがシリウスはそう聞こえた。

「『行かないで下さい、お願いします』と言ったら考えてやるよ。」

シリウスはそう言ってボイスレコードの音声記録のスイッチを押した。

「行か…ないで、下さ…い。お…願いし…ます…」

ルイズの言葉は途切れ途切れだったが記録出来たのでシリウスはそれで良しとした。

「それじゃ俺は椅子にでも座って本でも読むか。」

シリウスはルイズが完全に寝るまで本を読んで待つことにした。なんだかんだで面倒見が良いのである。

 

~翌日~

 

「よう…起きたか?」

ルイズが今朝初めて聞いた言葉がそれである。

「…おはよう。」

ルイズは寝ぼけているのかシリウスが何故ここに来ていることにまだ気づかない。

「さて…これに着替えたら、行くぞ。部屋の外で待っている。」

「ん~…」

ルイズはメイド服を受け取り、着替えて顔を洗った。

「って何やっているのよ!私!?」

ルイズは思わず突っ込む。何故なら何で自分がメイド服なのか全く覚えていないからだ。

「…あーもう!シリウス師匠の馬鹿ーっ!」

ルイズは叫び、更に敗北感を覚えた。ちなみにルイズの叫び声は響き渡らないようにシリウスがカバーしているので誰も起きない。

 

なんだかんだでルイズは髪の毛をツインテールに整え…眼鏡をかけて外に出た。

「準備は終わったのか?」

外に出るとシリウスが仁王立ちしており、待ち構えていた。

「終わりました…」

今のルイズはシリウスの従者であるので敬語で答えた。

「それじゃ行こうか…ルイ「師匠、この格好でルイズって呼ばれるのはちょっと…」そうか。じゃあ俺がつけるぞ。従者の名前を決めるのは主人たる俺の役目だ。お前の名前は…ルナだ。」

シリウスの言葉をルイズが遮り、従者としての名前を求め、ルナと名付けられた。

「ルナ…いい名前ですね。」

ルイズはその名前が気に入り笑顔になった。

「それじゃ、ルナ行くぞ。」

改めてルイズを連れて学院の外へ向かった。

「はい!」

ルイズは返事をしてシリウスの後をついて行った。

 

なお、この後ルイズは理不尽とも言えるランニングを強制されてヘトヘトになったのは言うまでもない。




またもやギトーの扱いが(笑)になってしまいましたね。
まあ…それよりもエンペルの正体が明らかになりました。
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