公爵様の遺伝子は最強の遺伝子!?   作:ディア

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風魔法教師の正体

「結婚式用のケーキって…ウェディングケーキのことですか?しかしなんでそんなものを…?」

マルトーは困惑していた。何故そんなものが必要なのかを…

「理由は簡単なことだ。…俺、結婚すんだよ。」

シリウスが理由を言ったことによってマルトーはそれまでのことを整理出来たが驚かざるをえなかった。

「結婚!?確かシリウス様って13歳でしたよね…」

マルトーは平民であるので知らないが政略結婚となればそんな歳で結婚するのは珍しくない。もっともシリウスの場合恋愛結婚だが…

「たが貴族としては珍しくないだろ?トリステインの王族の中には政略結婚とかで3歳で結婚したって記録があるんだ。」

シリウスはそう言ってマルトーを納得させた。

「はあ…しかしシリウス様が結婚するとなればウェディングケーキも気合入れてつくんなきゃいけねえな!」

マルトーがそう言うとシリウス機嫌が良くなり…

「後は任せたぞ。マルトー料理長!」

笑顔でマルトーを応援した。

「おう、期待して待ってくれ!!」

それに答えようとマルトーは張り切った。

 

…これがシリウスの平民から好まれるやり口である。『後は任せた』…この言葉は不思議と責任感を持たせ、信頼されていると思わせる魔性の言葉だ。しかもシリウスは絶妙なタイミングで出したので効果は抜群だった。

 

~某所1~

 

「大変だ!ミスタ・ドイツが帰って来たぞ!」

一方、マリコリヌは生徒達を集めシリウスが帰ってきたことを知らせた…

「「「何ぃ~っ!?」」」

それに生徒達は大いに慌てた。というのも全員がシリウスを恐怖の対象としか思えないくらいビビっているからだ。

「ど、どうすればいい!?」

一人の生徒が言うとパニックが起こった…

「過激派も穏健派も関係ない!僕たちにできることは教師たちと和睦という名の一時休戦することだ!」

眼鏡をかけた委員長風の一年生の生徒レイナールが仕切るが…過激派は納得行かなかった。

「し、しかし…それは教師たちに頭を下げるということになる!」

そう…過激派はどうしても教師たちに頭を下げることが許せなかった。

「ミスタ・ドイツがいない時にチャンスはある!だから…今は我慢してくれ!」

レイナールはそう言って過激派をしぶしぶ納得させた。

「くそっ…俺達はこんなに無力なのかよ…」

生徒の一人がそう言うと全生徒が俯く。

「あれは仕方ないことだ…ミスタ・ドイツがいなかったからこそ今までやって来れたんだ。僕たちは良く頑張った方だ。」

レイナールは全生徒にシリウスの前では無力なのは仕方ないと言って教師たちにもあと少しで追い詰めることが出来たことを褒める。

「そうだな…」

その声が上がると全生徒が教師たちと和睦することを決め、教師たちにどう伝えるかを考えた。

 

~某所2~

「…皆に集まってもらったのは他でもない。ミスタ・ドイツのことじゃ。」

オールド・オスマンが教師たち全員にそう言った。

「ミスタ・ドイツはすぐにこの学院をやめさせるべきだ!今すぐにだ!」

ギトーは余程シリウスが嫌いなのかそう言って学院を退学にさせようと促す。

「証拠もある!これを見ろっ!」

ギトーが取り出したのはシリウスが暴力を振るっている報告書などだった。しかしそれはシリウスの権力の前ではなんの意味もなかった。

「いくら証拠があったとしても…ミスタ・ドイツを退学にすることは出来ない。」

コルベールがそう言うと周りも続く。

「その通り…ミスタ・ドイツを退学にすれば無実の罪を着せた我々やトリステインに報復するかもしれん…そうなればかつてのブリミル教の二の舞になりかねん…」

つい近年までハルケギニアの様々な国教だったブリミル教は既に滅ぼされている…それ故にギドーの発言は…

「ふざけるな!ブリミル教を滅ぼした国が一番偉い…とでも言うのか!!」

ブリミル教を滅ぼした14年前、当時ギトーは若すぎた…それ故に事実を知らない。

「何なら今すぐに伝統あるトリステインがノルマンディーに攻めてもいいんだぜ…」

そう言って現れたのはシリウスだった。

「なっ…!?どうしてここが分かった!?」

ギドーはそう言ってシリウスがここまで来れたことを質問する。

「ああ?てめえらの体内の温度、話し声、地面の感触…そして液体の動きでわかんだよ。てめえらみたいにボンクラ育ちじゃねえんだ…」

シリウスは僅か6歳で全てスクエアというシャルル・オルレアン公を遥かに上回るスピード快挙を成し遂げ、7歳でハルケギニア一の学校とも言われているカルロス軍事学校に入学し…そして闘技場ではカール以来となる無差別での無敗の王者だ。そんな彼が普通の生活を過ごせるかと言われれば否だ…それを自覚しているが故のセリフだった。

「貴様!」

そしてギトーは杖を持ち、魔法を放とうとするが…杖がなかった。

「なにっ!?」

動揺してギトーは自らの腰を見るが…

「お探しものはこれかな?」

シリウスがそう言い、ギトーはシリウスの手にあるものを見て実力行使で杖を取り返そうとした…が当然無理だった。

「返せ!」

ギトーはシリウスに命令し、返すように求めるが…

「ふんっ!!」

シリウスは自らの握力のみで杖を破壊すると縄を取り出しギトーを縛り付けた。

「さて…これでお前は話す以外に選択肢はない。じっくりと聞かせて貰おうか…」

シリウスがそう言うとシリウスはギトーをいきなりぶん殴った。

「がはっ!」

ギトーは血を吐いた。これでもシリウスは手加減している方だ。

「大人しく喋らなければ今の様にぶん殴る。」

シリウスの尋問…いや拷問はえげつない。ギトーは苦しむ程度に手加減をして殺気付きで殴る…これがどれだけ恐ろしいか理解できるだろうか?その恐怖により自分の都合のいいように喋らせる。これは洗脳の方法を真似た拷問だが非常に効果的だった。

「待ちなさい!!ミスタ・ドイツ!」

しかしそれを見て止められるのはコルベールだけだった。コルベールはそう言った場に慣れているから止められたのだ。

「聞いたぞ…教師と生徒の全面戦争こいつが原因らしいからな。たっぷりと教育させるだけだ…それでも無理だったら教師をやめさせる。」

そう言ってギトーの足を持ってシリウスは去っていった。ここでいうシリウスの教育とは洗脳であるが…ギトーのプライドの高さは半端ではないためシリウスですらも時間がかかるので教師をやめさせた方が有効的だと考えた。

 

「はぁ…学院長。何故止めなかったんですか?」

コルベールはオスマンが止めなかったことを責めるが…オスマンは涼しい顔だ。

「元々、ミスタ・ギドーは態度に問題があったからな…それを公正してくれるならありがたい上にミスタ・ギドーは少々罰を受けて貰わなくてはならんしの…止める必要はないと判断したまでじゃ。」

そう言ってオスマンはこう考えた…

「(それにむやみやたらにミスタ・ドイツを不機嫌にさせても逆効果じゃしの…)」

そう…オスマンはあの状態のシリウスに言っても無駄だということはわかっていた。

「しかし減給でもよかったのでは?」

コルベールは妥協案があったと思い、オスマンにそう言うが無駄だった。

「もう減給はやっておるよ…だがこれ以上減らしたらミスタ・ギドーがただで働くことになる。そうしたら奴も辞めざるを得ないじゃろうて…しかし奴も復讐心が芽生えてこっちの悪い噂を流すじゃろう…なんならいっそのことミスタ・ドイツに任せようではないか?」

これはオスマンにとって苦肉の策だった…もちろんブーイングはあるだろう。しかしそれ以上にメリットも大きい。

「まああの方は私たち土メイジにはいい感情は持てませんしミスタ・ドイツならやってくれるでしょう…」

ロングビルはミスタ・ギドーの一番の被害者だ。自分を口説きに来た時も「風のスクエアたる私と付き合ってくれ!」と言われた…そしてそれを断り、睾丸を蹴っ飛ばした。その後ギドーが疾風の如く保健室に向かったのでそこからついたあだ名は『疾風(笑)』という不名誉極まりないあだ名となった。

 

~学院外~

そしてシリウスはギドーを尋問していた…ギドーに違和感を感じていた。シリウスが帰ってきて感じたのは今までのギドーとはまるで別人のように見えた…

「で…なんでそんな魔力を持っているんだ…?」

そうギドーの魔力が大幅に増えていたのだ。

「…」

しかし帰ってきたのは沈黙…シリウスは殴って自白剤を速攻でつくり知っていることを吐かせた。

「どうやってそんな急に魔力を手に入れたんだ?」

シリウスがそう質問するとギドーは忌々しく答えた。

「レコンキスタだ…」

シリウスの目が開き、驚くがすぐに元の状態に戻した。

「そうか…では次の質問だ。レコンキスタに所属しているか?」

所属していることと協力していることは同じようでまるで違う…所属するということはトリステイン貴族であれば裏切るような真似はほとんどしないが協力となれば裏切ることも容易いということだ。

「している…」

どうやらギドーは前者の方だった。

 

「(やっぱりな…レコンキスタはつい最近作られた組織なんだが目的はブリミル教復活が表向きだが裏はノルマンディー王国を滅ぼすという目的がある…何故そんなことを目的にしたのかはわからんが表向きの親玉は確かクロムウェルだが本当の親玉はそんな小物じゃねえ…しかしガリアではないな…ガリアが手を出しているんだったら既に動いている。となればロマリアのブリミル教の関係者だ。そうとしか考えれん。)」

シリウスは推測するとさらに質問した。

「お前たちの親玉の名前はなんと言う?」

「一応表立ってはクロムウェルが指揮しているが本当の親玉はクロムウェルや一部の幹部しか知らん。私はそれに含まれんから知らん。」

「ではその幹部達の名前は?」

「わからん…幹部自体がそもそもあるのかどうか疑わしいくらいだ。」

「なるほどな…」

シリウスは頷くと再び考え始めた。

「(幹部はトリステインもアルビオンも関係ない…一応ノルマンディーやガリアに報告しておくか。)」

その後シリウスは帰って来たタバサを通して報告した。

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