あれから2年が経った。カールに魔法を使えるようにすることに決めたノルマンディー公爵は数日前にカールに杖と契約できるように杖を渡した。貴族のプライドが無駄にあるせいか杖はオリハルコンの杖剣だった。
「はぁ…面倒な。」
しかし、カールにとっては苦痛でしかなかった。何故ならカールの身体全体が杖なのでこんな杖を貰っても迷惑だからだ。
「ま、この杖をどうするかがキーポイントだな。」
その後カールは色々なことを考えていると…
「おぼっちゃま!」
いきなりカールの部屋に慌てたメイドが入り込んだ。
「何の用だ?」
カールはメイドに五歳児らしくない返事をしたがメイドはそれどころではなかった。
「公爵様の新しい子供が産まれました!」
その言葉はカールに取って良い情報だった。
「本当か?」
カールの父であるノルマンディー公爵の子供は女神の影響で転生者なのだ。つまりカールは新たな味方をつけたと言うことだ。
「本当です!女の子ですよ!」
それを聞いたカールは戦闘に置いて男の方が体格的には有利なので、弟よりも妹が産まれたことに少しがっかりしたがもしかしたら有能な奴かもしれないと思い希望を持った。
「わかった。では父に伝えてくれ。杖を契約は終わったと…」
「わかりました。」
メイドはすぐにノルマンディー公爵に報告しに行った。
「(妹か…普通なら政略結婚とかに使われそうだな。俺としてはなるべく生かしておきたい。待てよ…生かす?…もしかしたら転生者の中には土台が出来上がっていないと力を発揮出来ない奴もいるかもしれない。)」
カールはあらかじめ用意された道具がなければ動けない人間もいるということをよく知っている。例えば車を運転するドライバーは車がなければただの人である。そう…人は仕事に必要な道具があって始めて仕事が出来るのだ。
「(となれば俺が出来ることはその必要な物を用意することだ。)」
カールはそう考え、次々と出でくる出あろう転生者達、そしてカール自身のバットエンドを回避する為にも準備をすることを決めた。
「カール!貴様、今日杖と契約出来たのは本当か!?」
突然、ノルマンディー公爵がカールの胸を掴み、そう尋ねた。
「…!」
カールはノルマンディー公爵に掴まれているせいか息が出来ず首を縦に振ることくらいしか出来なかった。
「そうか…これであのクソ王子共を黙らせることが出来る…ククククッ!」
ノルマンディー公爵はカールを比喩表現無しで投げ飛ばし、機嫌良く退室して行った。
「あいつ…本当は病気なんじゃねえのか?」
カールは受け身を取り、無事だったがノルマンディー公爵の行動について行けず思わずそうぼやいてしまった。
それからはカールは大変だった。例えばノルマンディー公爵が自慢したことによって本家ガリア王国の刺客がカールを焼き殺そうとしたり、ノルマンディー公爵の弟…つまりカールの叔父がカールを殺しに来たりとにかくマイナスのイベントは多かった。
逆にプラスのイベントも多かった。例えば領地経営を任され、闘技場を造りそこから優秀な人材が手に入ったり、ノルマンディー公爵の息子は一人しか増えなかったが娘は合計七人にもなり、全員が転生者だった。その転生者達の助言のおかげでカールの経営している領地の文化や技術が進んだ。
そしてカールが15歳となったある日…ついにカール達転生者とノルマンディー公爵領の人々はノルマンディー公爵に向けて革命を起こした。
最初こそノルマンディー公爵がカールにロマリアを異端認定を認めさせ、ロマリアはノルマンディー公爵に味方になったのと、本家ガリア、アルビオンをも凌いだ地形の利を生かし、一時優勢になった。
しかしカール達転生者が造った最強の戦闘機や艦体、そしてそれらの数の暴力に勝てるはずもなく死に、ロマリアもカール達に敗北し、ロマリアは滅んだ。
そして転生者やガリア王家達を除いたノルマンディー公爵の一族である人々を皆殺しにし、その中にはゲルマニアの領地を多く持っていた者もいたのとロマリアの領地を吸収したためカールが引き継いだノルマンディー公爵領も増えた。
ついにはガリアと同格になるくらいなど広くなってしまい、文化も大幅に発達している為ノルマンディー公爵領は王国となった。
だが驚くべき事実がわかった。ノルマンディー公爵に四人目の息子シリウスが産まれていた。女神に頼んで調べて貰ったが転生者ではなかった。原作スタート時には14歳になるがまだ今は赤ん坊なので三男ルドルフ(現在9歳)の元で育てることにした。
今回はここまで…