公爵様の遺伝子は最強の遺伝子!?   作:ディア

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後始末をするドイツ公爵

~フリッグの舞踏祭当日~

ついにヴィリエ達は犯行を実行しようとした…

「よし…行くぞ…!」

ヴィリエはキュルケに杖を向けて構えた。

「悪く思うなよ…エアカッター!」

ヴィリエはキュルケに関しては何の恨みもない。だがタバサを濡れ衣を着せる為にやる必要がある。タバサの本を燃やす予定の上級生もタバサ自身には恨みはない。互いに濡れ衣を着せる為に危害を加えるのだ。

 

そしてそのままキュルケに風の魔法が届こうかと思われたその時…!

 

「アイアンウォール!」

シリウスが魔法を唱え、キュルケの前に鋼の壁が現れヴィリエの魔法が無効化されてしまった。

「なっ…何故!?」

ヴィリエはそのことに驚いていたがシリウスはその後も色々と無意味に魔法を放っていた。その理由は…

「ど~だ!見たか!驚いたか!びっくりしたか!ひゃははは!」

シリウスが偶々そこにあったローマ特産の『悪魔殺し』と言うアルコール68%と非常に度数の高い酒を飲んでしまい一気に酔っ払ってしまったのだ。

「それじゃとっておきの…メテオインパクト!」

シリウスがその魔法を唱えたことにより、小さいながらもかなりの数の隕石が舞い降り、トリステイン魔法学院に被害を及ぼした。ちなみにヴィリエのみが生徒の中で一番被害を受けたのは言うまでもない…

 

かくして舞踏祭は中止となり、ローマ特産の『悪魔殺し』もトリステインでは『死の予兆』と呼ばれるようになった。

 

~数日後~

「ふう…やっと男子寮終わったか。」

シリウスはあの後当然ながら処分を与えられ、罰として一ヶ月間の男子寮と女子寮の廊下の掃除を命令された。

「後は女子寮の廊下だな。」

本来男子は女子寮に入ることは禁止されているのだが、シリウスはハンサムであるので女子生徒から人気もあるといえばある。噂はどうあれ一回みて見たい変わり者の女子生徒達から廊下のみの掃除を学院長に要望されたのだ。

 

「はあ…ん?」

シリウスがため息をつくとタバサの部屋から上級生三人が出て行った。咄嗟にシリウスは隠れ、一言。

「タバ子にあんな友達いたのか?」

まるっきり言っていることが父親らしいものだがタバサに真実を聞くべく、上級生が行ったのを確認しその部屋の扉を開けた。

「おいおい…そういうことかよ。」

そこにあったのは本だったものが炎によって炭にされていたのだ。シリウスが理解したのは先程入って行った上級生三人が何らかの理由でタバサの本を燃やしたと考えたからだ。

「こりゃとっとと廊下掃除に戻るか。」

シリウスは廊下掃除に励み、夕食を取るべく食堂に向かった。

 

~食堂~

「今度こそは…!」

ヴィリエは舞踏祭の時にシリウスに妨害されてしまい失敗した。先程上級生がタバサの部屋に入り、本を燃やし、任務を終えた。

 

その焦りから今夜人の最も多い食堂でキュルケにエアカッターを唱え、服をビリビリに破き、作戦を実行しようと考えたのだ。

 

「エ…」

「ヴィ~リ~エ~く~ん。」

ヴィリエがエアカッターを唱えようとしたその時、シリウスが後ろから現れた。

「うわぁぁぁ!?」

ヴィリエはシリウスが後ろから現れたことに対し驚いてしまった。

「何をしているんだい?」

シリウスは口調こそかなり穏やかであるが目が笑っていない。

「これは、ちょっと…!」

「ふうん…俺にはあそこにいるキュルケにエアカッターを唱えようとしていたように見えたが?」

シリウスはヴィリエがエアカッターをする寸前に声をかけることで混乱させ、事情を聞くことにした。

「それは魔法の練習を…!」

ヴィリエは咄嗟に魔法の練習をすると答え、誤魔化そうとした。

「ほう…こんな人の多いところでか?」

シリウスが目を細め、ヴィリエを見る。

「そうだ!」

「そうか…なら俺の特訓にも付き合ってくれるよな?」

「え?」

「そう言うことだ。」

シリウスはヴィリエを首を掴んだ。

 

ここでシリウスの得意とする魔法の属性は土である。父親であるノルマンディー公爵も『砂漠』とまで呼ばれ、近代兵器を持ち込んだカール達を相手に一時的とはいえ優勢にさせるような馬鹿げた魔力を持つ化け物じみた土メイジだった。簡単に言うなら土版烈風カリンと思ってくれればいい。

 

「ガッ…!?」

故に、ノルマンディー公爵も出来たように、シリウスも首を掴んでそこから水分を吸収することが出来る。

「どうだ?俺の特訓は気持ちいいか?」

シリウスがそんなことを言っているとヴィリエの水分がどんどんなくなってきてついには肌が乾燥し、ミイラの一歩手前まで来てしまった。

「み、ミス…!」

「水なら俺からプレゼントだ…たっぷり飲むがいい…」

ここでシリウスが怒っている訳を話そう…シリウスは寮の掃除によるものと女子からの不快な目線を浴び続けたことによってストレスがたまっていたのだ。

ストレスがたまったシリウスが見かけたのはそこに偶々いたヴィリエだった。

「ジェットウォーター!」

水分がなくなったことによって軽くなったヴィリエを投げ、そこに目掛けて水を大量にだしヴィリエの口に無理やり入れた。

「がぼぼぼ!」

当然ヴィリエは水を無理やり入れたことによって呼吸が出来るはずもなく放物線運動をして着地し…ピクピクと動きながらも気絶した。

 

「さて…と。」

「ちょっと待ちなさい。」

シリウスがそのまま食堂に入ろうとした時、キュルケが声をかけた。

「あん?」

「貴方シリウスだったわよね?」

「そうだが…?」

「貴方のせいで服がびしょ濡れなんだけど…どう責任を取ってくれるの?」

キュルケが声をかけたのは至って単純で先程シリウスが水を出した際にキュルケに被害が及び…文句を言いに来たのだ。

「で?弁償しろと?」

「いいえ、決闘よ!」

キュルケは闘技場の概念については知っているが勝った人物についてあまり知らない。その上、前の学校では誰もキュルケに叶う者はいなかった。それ故にキュルケは自分がこの学校で一番強いと思っている。

 

「やめておけ…」

「あら?ひょっとして怖気ついたの?」

「そうだ。お前のようになまじ強いものだと手加減ができない。死ぬぞ?」

「へえ…そう。だけど私はそんな理由で引かないわ。私『微熱』のキュルケは『暴君』シリウスに決闘を申し込む!」

キュルケは食堂で堂々と宣言をしてシリウスに決闘を申し込んだ。

「ちょっと待って。」

それに割って入ったのはタバサだった。

「タバ子…どうした?」

「私もシリウス・ドイツに決闘を申し込む。」

「はあ?」

シリウスは思い切り呆れかえった。タバサはシリウスに劣るのはわかっている。それ故にシリウスに決闘を申し込む理由がわからない。

 

「あんた見たいなチビは黙っていなさい!」

キュルケは大反対。キュルケはタバサのことを自分は愚かドットクラスだと思っているからだ。

「私は闘技場で重賞を勝っている。私と貴方と組めば勝率はゼロではない。」

「ふーん…そう。だけど闘技場の強さ=決闘の強さじゃないのよ?」

「それはそう。何しろ闘技場では手加減できない。」

「どうしても引き下がらないのね…?」

「ん。」

「わかったわよ。」

キュルケはタバサに説得され、キュルケとタバサが手を組んでシリウスを倒すか倒されるかと言う決闘が決まった。

 

「決闘の場所と時間はどうする?」

シリウスはキュルケ達に決闘の場所と時間を聞いた。

「もちろん虚無の曜日の学校の屋外でやるわよ。」

キュルケは休みの日である虚無の曜日を使って戦うことに決めた。

「わかった。」

シリウスはそれを承諾し、夕食を食べに向かった。

 

「そういえば貴方…なんで決闘を?」

「貴方と同じ。シリウスの魔法による被害。」

「そう…」

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