ではどうぞ
「マスター、コーヒーを」
「いらっしゃい、そろそろかと思って入れておいたよ」
「さすがマスター、私よりも私の事をわかっていらっしゃる」
「そうなの…かな…?」
気付いたら毎日仕事終わりにサブマリーナに通うのが日課になっている今日この頃、そう言えばあれから七星さんと桔梗さんが正式にバンドに加入したそうです。と言う事は残りはドラムですね…さてさて、どんな方が最後のメンバーになるのか
「あ、それとナポリタンも」
「ナポリタン好きだね、かしこまりました」
ここのナポリタン、美味しいんですよね、野菜多めで栄養バランスもきっちり考えられているし体に優しい味がするんですよね…
「お邪魔しまーす」
先に出されたコーヒーを飲みながらまったりしていると聞き覚えのある声が入ってくる
「お、スタッフさんもいたのか」
「おや五稜さん、今日はお一人ですか?」
「まあな、レポート提出するの忘れてて居残っててさ」
「ああ…なんか納得しました」
「なんでだよ!?」
声の主はお察しの通り五稜結人さん、七星さんと桔梗さんが正式加入してからなんだかずっとご機嫌な様子なんですよね、まだドラムが残っていると言うのに少し心配になります
とは言えあれから一番会う頻度が高いのは五稜さんというのもまた事実、こう言った新しい土地での出会いと言うものは大切にしたいものですね
「はい、お待ち」
「お、ありがとマスター、んじゃスタッフさん、乾杯」
「あ、はい」
コーヒーで乾杯というのも何だか違和感がありますがまあそれはいいでしょう
「はいよ、ナポリタンもお待ち」
「ありがとうございます」
「お、ナポリタンか、マスター俺も」
「はいはい、少々お待ちを」
「そういえば五稜さん、残りはドラムですね、あてでもあるのですか?」
「ああーそれな、なかなか良さそうなのが見つからなくてな」
「あと1人ですからね、尚更慎重にいかないといけない気持ちはわかります」
「そうなんだよなー、マジでいい奴いないかな…」
「気長に待とう…と言うつもりはありませんが、焦ってもいい事ないですよ。五稜さんやメンバーが納得のいく人材が見つかるよう祈っていますよ」
「はは、サンキューな」
こうして人と他愛のない話をするのも久しく忘れていた高揚感というか居心地の良さを思い出す。私も何か協力できれば良いのですが…今はぶっちゃけ仕事が忙しすぎてそれどころではありません……申し訳ない
「あ、コーヒーおかわり」
「あ!私も下さい!あとポテト」
「かしこましました」
話し込んでいるうちに気づいたらコーヒーを飲み干してしまい、もう一杯頂く事にする
というかここ、ポテトまであるのですね…メニューまで豊富とは…
「はい、コーヒーのおかわり、それとポテトね」
「ありがとうございます」
「やったー!」
「ここのポテト美味しかったんだよね、この前収録の後に見つけて寄ってみたら楽器とかもあるし、なんかるん♪ってするカフェだよね!」
「全く相変わらずポテトが好きですね、日菜さんは」
「まあね〜、あ、お姉ちゃんにも教えてあげなきゃ!」
ふふ、相変わらず超がつくほどのシスコンですね日菜さんは
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…なんで居るの!!!????」
「ん?どうかした?」
皆さんはお気付きになられただろうか、コーヒーとナポリタンを食しながら五稜さんと楽しくお話をしていました私ですがてっきり2人だけかと思ったらすぐ隣に自然に、それはもう本当に自然によく見知った人物が居座っていました
その名は氷川日菜さん、パステルパレットというアイドルバンドのギターを担当している天才少女、Roseliaの氷川紗夜さんの双子の妹である
「どうかした?じゃないよ!?なんで普通に居るの!?ここ函館だよ!?あなたなんでここに居るの!?おかしくない?」
「スタッフさんキャラが変わってるよ、いつもの話し方、どうしたの?」
「おっといけません、つい取り乱してしまいました…じゃなくて!そりゃ取り乱すわ!ツッコミどころが多すぎてもはやどこからツッコんだものか!!」
「あはは、スタッフさん相変わらずだね!実はね…」
話を聞くと、と言うかもう既に喋ってはいたのですが日菜さんはパステルパレットの収録で函館に来ていてその収録が終わり、自由時間になったところ暇を持て余した日菜さんはマネージャーやメンバーには何も言わずに勝手に函館を散策していたらサブマリーナを見つけて中に入ると知ってる人物、というか私がいたのを発見し、るんっ♪ときてそのまま居座っていたとの事
何を言っているのかわからないと思いますがつまり、そういうことだそうです
「いやあ〜まさかスタッフさんが函館にいたとは…ま、お姉ちゃんから聞いて知ってたんだけどね〜」
「ん?なんだスタッフさん、そいつ知り合いか?って言うか、パスパレの氷川日菜じゃん!」
そんなこんなであたふたしていたらずっと様子を見ていた五稜さんが話しかけて来ました、というかパスパレの事知ってたんですね
「こんばんは!私、氷川日菜!あなたは?」
「お、俺か?俺は五稜結人、あんたらと同じくバンドやってる大学1年生、ギター担当だ」
「五稜くんか!大学1年ってことは私と同い年だね!よろしく!」
「お、おう…」
「なんか…変わった奴だな…」
日菜さんに圧倒された五稜さんが耳元で私に囁く
まあ、五稜さんがそれを言うか…とは思いますが…
「ねえねえ、五稜くんはスタッフさんとどうやって知り合ったの??」
「俺?うーんと…そう言えばなんでだったっけ?気付いたら知り合ってた」
「へぇー!そうなんだ!私はね、東京にCiRCLEっていうライブハウスがあってね!」
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「いやあー!楽しかった!」
あれから閉店までの間、日菜さんと五稜さんはなにやら打ち解けたのかずっと他愛のない話で盛り上がり、そこからようやく解放された私は一応心配なので日菜さん達の泊まっている宿まで送る事になった帰り道
「なんかすごい馴染んでましたね、同じ感覚派の人間だからでしょうか…」
「あはは!そうかも、ていうかそれより、スタッフさん酷いよ!なんでみんなに黙って函館に行ってるのさ!しかもあんな面白そうな人と知らないうちに知り合ってたなんて!」
「いやあそれは何というか本当に申し訳ない…」
「最初お姉ちゃんから聞いた時は本当にびっくりしたよ!通りでこの頃CiRCLEに通っても見ないなと思ったら」
「まあ私も日菜さんが急に現れたのはびっくりしましたし、、お互い様という事で」
「あはは、何それ、でもスタッフさんが函館でも相変わらずでよかったよ」
「そのセリフ、そのまま返させていただきます」
久しぶりのよりによってまさかの人物との再開で身の上話に花を咲かせながら歩いていると日菜さんが立ち止まる、どうやらここがパスパレの滞在中の宿のようだ
「あ、どうせならみんなに会って行かない?なんだかんだスタッフさんに会いたがってると思うんだよね!」
「はは、気持ちは嬉しいですが夜も遅いし遠慮させて頂きます」
「ええーなんでー?みんな多分まだ起きてるよ、彩ちゃんとイヴちゃんは仕事でいないけど…ねえ〜少しくらいいいじゃん!」
「大丈夫ですよ」
だって………
ここ、私も借りてるマンションですから………いつでも会えるんだよなあ………
この後 隣の部屋だった事に気付くのはまた別のお話
お前かよ!ってツッコミ、お待ちしています
では次回