刹那の夢と嘘の玩具   作:月影 梨沙

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偽りの希望

 

 自分を呼ぶ声。呼びかける声。ひどく懐かしい、記憶の奥底にしまわれた声。その呼び声に瑞穂は瞼を開いた。射し込んでくる光。感覚の無い胸元に、暖かみが甦る。

 

 瑞穂は目の前に佇んでいる人影を見つめた。薄青色の幻想の中で、人影は一人の女性へと姿を変えた。

 

 水色の長髪に透き通るような白い肌をした女性だった。瑞穂は、女性の美しさに驚くとともに、先程まで感じていた懐かしさを思い出した。

 

「誰――?」

 

 瑞穂は訊いた。声は出なかった。泡のような白い線が波紋のように広がっていくだけ。ただ、波紋に乗って音だけは伝わる。

 

「私は――」一瞬躊躇い。「私の名前は、洲先雪菜」

 

「雪菜? どこかで聞いたことある名前。そうだ、私のお母さんの名前」

 

 似ている――と瑞穂は思った。雪菜と名乗る女性の姿は、瑞穂とよく似ていた。雪菜を3分の2くらいに縮め、髪型をツインテールにすれば、瑞穂と瓜二つだった。

 

「お母さん、なの?」

 

「そうなんだろうね。似ているもの――当たり前だけど」

 

「私、死んじゃったのかな? だから、お母さんがここにいるの?」

 

 瑞穂の母親は、瑞穂を産んだときに死んでいた。瑞穂は母親の顔を見たことがなった。物心つくときには既に、母親の写真はすべて父親の手によって処分されていたから。何故母親の写真を捨ててしまったのか。その疑問を父親にぶつけたときに、父は母親の名前だけは教えてくれた。だが、写真を捨てた理由は教えてくれなかった。その日は、喧嘩になり、瑞穂は泣きながら眠りについた。

 

 枕に顔を押し付け、漏れ出る嗚咽。背中が意思に反して小刻みに震え、それが惨めな気持ちを膨らませ、瞳から零れる涙は、さらに増していく。喉のヒクつきを堪えつつ、息を吸うと、枕の生地の匂いが鼻を擽った。今でも、今だからこそ、その匂いは鮮明に思い出せる。

 

 脳裏に蘇る、幼い頃の記憶。これが走馬燈っていうのかなと、瑞穂は考えた。やっぱり私、死んじゃったんだよね?

 

 雪菜は首を横へ振った。

 

「違う。私がただ、瑞穂に会いに来ただけ」

 

「天国から? だって、お母さんは――」

 

「あの世なんて無い。天国もね。人間が勝手に想像した世界だもの。人間は死んだら、消えるしかないの」

 

「でも、お母さんはここにいるよ? ここにいるじゃない!」

 

「違うの。あなたが、瑞穂がここにいるのなら、私はここに存在してはいけない――」

 

「どうして? 意味がわからないよ。お母さん?」

 

 雪菜は微笑みを浮かべ、瑞穂の身体を見つめた。

 

「それにしても本当に、私が子供だった頃にそっくりね――」

 

 消えていた。瑞穂の視界から、その言葉を最後に雪菜は消えていた。

 

 

 ○●

 

 

 冷たい海が裂けた。水飛沫の音が響き、海の裂け目から巨体が身を起こした。海水を滴らせながら、茶色の巨体は灰色の砂浜へ向けて歩き出した。

 

 巨体の身体には無数の体毛が――今は濡れているが、乾けば柔らかく暖かそうな体毛が――生えていた。身体の大きさに対して小さな顔には、鋭い瞳と裂けているかのような大きな口が付いている。口から覗く刃のような牙が、巨体の凶暴さを際立たせている。普通よりも1.5倍はあろうかという、大きなリングマである。

 

 微かな唸り声をたてるリングマの腕の中で、瑞穂は蹲っていた。眠っているのか、気を失っているのか。小さく白い身体は時折、意識のない震えを見せるだけだった。

 

 眠りながら、瑞穂は抱いていた。濃いオレンジ色をした卵を。少女の呼吸に合わせるように、卵は鼓動を繰り返している。

 

 リングマは、瑞穂の細い腕に抱きかかえられた卵と瑞穂の寝顔を交互に眺めた。透き通るように白く、柔らかな瑞穂の頬を撫でると、リングマは腕の中に抱きかかえた小さな身体を強く揺さぶった。

 

 瑞穂は目を覚ました。ごわごわとした感触に驚いて、即座に半身を起こした。見開いた瞳が、リングマの顔を覗き込む。

 

「リンちゃんが、助けてくれたの?」

 

 リングマの濡れた身体にしがみつき、瑞穂は耳元で囁いた。リングマは頷いた。

 

 瑞穂は礼を言い、リングマの身体から降りた。その時初めて、瑞穂は胸に抱いた卵に気付いた。まじまじと卵を見つめ、瑞穂は呟いた。

 

「これ、ポケモンの卵なんだろうけど。どうして私がこれを抱いてたんだろう」

 

 卵をリングマに預け、瑞穂は体中についた砂を払った。

 

「あの2人、私たちと一緒に、何かを処分するって言っいたような気がする。もしかしたらこの卵が、あの2人が処分したかったものなのかもしれない」

 

 砂浜を昇り、瑞穂は細い道の上から浜辺を眺めた。風が吹き、薄灰色の砂が舞い上がる。顔に降りかかる砂を掌で防ぎながら、少女は呟いた。その口許が、掌の後ろに隠れた。

 

「なんにせよ――直接、訊いてみるしかない。前は油断しちゃったけど、今度はそうはいかない」

 

 瑞穂は砂浜を後にし、育て屋へと急いだ。

 

 

 ○●

 

 

「う、嘘――」

 

 育て屋を目の前にして出た言葉は、それだけだった。呆然と立ち尽くす瑞穂の眼前で、大勢の警察官が、檻の中に閉じこめられているポケモン達を助けだしていた。驚くべきことに、育て屋の壁には大きな穴が空けられている。誰かが強引に突入した跡なのだろう。

 

「あの、巡査さん」

 

 指揮を執っているジュンサー(警察官)に、瑞穂は声をかけた。

 

「ん、何?」

 

「私、この育て屋にポケモンを預けてたんですけど」

 

「あぁ、それなら、あそこの」

 

 ジュンサーは、リストを手に持ち解放されたポケモン達を数えている警察官を指さした。

 

「男の人に言ってね。あなたのポケモンも見つかるはずだから」

 

「そうじゃないんです。それに、あのポケモン達の中に、私のポケモンはいないです。もう、別の場所へ移動させられているんです」

 

 瑞穂はかぶりを振り、事の次第をジュンサーへと説明した。

 

「お願いです。あの2人に会って話をさせてください」

 

 瑞穂の言葉に、ジュンサーは暫くの間思案し、徐に白バイの座席を軽く叩いた。

 

「いいわ、じゃあこれに乗って」

 

 

 

 ジュンサーに連れられてやってきた先は、コガネ警察署の地下にある留置場だった。

 

 留置場の壁は灰色に統一されていた。薄気味の悪い灰色の建物を眺める内に気分が悪くなったのか、瑞穂は思わず口を押さえた。胸が抑えつけられたようだった。

 

「あの2人、何者なんですか? 育て屋を偽って、預かったポケモン達を盗むことは簡単です。でも、盗んだポケモンを、彼等はどこかへ運んでいた。天井クレーンにしても、個人で簡単に用意できる物じゃ無いはずです」

 

 できるだけ周りを、気味の悪い壁を見ないように務めながら、瑞穂は訊いた。

 

「ロケット団よ」ジュンサーは短く応えた。

 

 ロケット団。その組織の名に、瑞穂は聞き覚えがあった。時折ニュースでも取り上げられる、大規模な犯罪組織である。最大の特徴は、ポケモンマフィアという別名の通り、悪事にポケモンを利用しているということである。最近では、トキワシティ・ポケモンセンターの爆破事件や、サントアンヌ号占拠事件などで知られていた。

 

 ジュンサーの立ち会いのもとで、瑞穂は檻の中にいる2人の前に立った。

 

 檻の中で自分を見つめている2人の顔を、瑞穂は見つめ返した。一人は老人に変装していた男で、もう一人は、瑞穂を気絶させ、卵とともに海へと棄てた女だった。

 

「お――お前は」

 

 老人に扮していた若い男が、驚いたように目を見開いた。彼等は、瑞穂がもう死んでいると思いこんでいるのだから無理もない。

 

「まさか、あの海に放り込まれて生きているとは。しぶといわね」

 

 ロケット団の女は毒づいた。男とは違い、驚いているわけではないようだった。ただ、作戦に失敗したのを悔しがっているように、瑞穂には思えた。だが、表情には余裕があった。この状況すらも、楽しんでいるかのようだった。

 

「教えてください」徐に瑞穂は切りだした。

 

「ソウちゃんは、私のフシギソウは、今どこに居るんですか?」

 

「知らないな」男は応えた。「俺達の仕事は、ただポケモンを確保するだけだ。確保した後のポケモンが、組織の何処へ運ばれているかは、俺達にも伏せられていた。もっとも、知っていたとしても、お前には教えられないがな」

 

 逮捕されているというのに、男の態度は太々しかった。それが余計に瑞穂の、掴み所のない不安をかき立てていた。少女は眼を細め、微かに敵意を込めて男を睨み付けた。

 

「無事なんですよね? 場所が解らないだけで、ちゃんと無事ですよね?」

 

「どうかしら」

 

 少女の白い頬がピクリと震えた。女は口許に笑みを浮かべ、興味深げに瑞穂の表情を眺めていた。

 

「それって、どういう意味です?」

 

「私達ロケット団は、ただポケモンを利用して金を稼ぐ集団じゃ無いって事よ。馬鹿で間抜けなトレーナーからポケモンを盗んだりするだけじゃ無い」

 

 歯軋りの音が聞こえた。意地悪そうに口許を歪めた女から眼をそらし、瑞穂は小さく俯いた。そこで初めて、歯軋りの音が、自分の立てた音だと気付いた。挑発に乗ってはいけないと、少女は自分に言い聞かせた。どうしてだろう、いつもはこんなことで、怒ったりしない筈なのに――冷静でいなきゃ。でないと――

 

 瑞穂は気付いていなかった。握り締めた掌に汗が冷たい汗が滲んでいることを。水色の美しい髪に隠れたこめかみに、薄く青い筋が浮いていることを。連れ去られたフシギソウを心配するあまり、不安になるあまり、彼女自身の安全装置が、既に外れていることを。

 

 女は続けた。怒りを堪えて俯いている瑞穂を、落ち込んでいると勘違いしたのか、からかうような口調だった。

 

「盗んだポケモンは、確かに闇ルートで捌くことが多い。それで小金を稼ぐ。稼いだお金で、さらに珍しいポケモンを盗む。でもね、ロケット団はそんなケチな組織だと決め付けて貰っちゃ困るわ」

 

 瑞穂の後ろに立っているジュンサーを、女は一瞥した。

 

「あんたのフシギソウ。今頃、組織の実験材料にされてるかもね」

 

「実験材料? 何です、それは」

 

「フシギソウなんて大して珍しくもないポケモン、売ったところでたかが知れているのよ。ロケット団にはね、より強いポケモンを生み出すための研究セクションがあって、値打ちのないポケモンはそこへ送られることになってるの。だから今頃は、解剖とかされているかもね」

 

 瑞穂の顔は火照っていた。忙しなく続く呼吸を落ち着かせようと、胸に手を当てた。掌に滲んだ汗が、胸元に染み込んでいく。

 

「何ですか? 解剖? 私が訊きたいのは、そんな事じゃ無いですよ」

 

「じゃ、何が訊きたいの? あんたのフシギソウが、今頃は解剖されて、グチャグチャに引き裂かれて、棄てられてるって言って欲しいの? それとも、あんまり抵抗するから、実験前に撃ち殺されてたりして。それでも、新型拳銃の実験にはなるわね」

 

 ガタン。音がした。鉄格子と何かが触れた音だ。瑞穂は身を身を乗り出していた。女の首筋を掴み――両腕で締めつけていた。女は苦しげに喘いでいた。

 

 瑞穂は女の首を握り締めたまま、鉄格子へと揺さぶった。女の頭に鉄格子がぶつかり、鮮血が散った。

 

「意味が分からない――」瑞穂は静かに、感情の無い声で叫んだ。

 

「ふざけないでくださいよ。私が訊きたいのは、そんな事じゃない!」

 

 女が絞められた首筋に手を伸ばし、身体を仰け反らせた。瑞穂は、小さな身体からは想像もできない力で女を手前へと引きずりこみ、血にまみれた鉄格子の隙間から女の顔を覗き込んだ。

 

「何故ここにいるんですか?」

 

 少女は顔を上げた、そこには黒い影が走っていた。

 

「消えてしまえば良いのに。ここから、私の前から、死んでくださいよ」

 

 呂律が回っていなかった。語尾が不明瞭に掠れていた。焦点の合わない瞳には、涙が溢れていた。

 

 首を絞めていた手を離す。女はげえげえ言いながら、床に伏した。瑞穂は女の額を掴み上げると、もう片方の手で、女の顔面を叩きつけた。

 

 女はコンクリートの床に転がった。隣の男は、なす術もなく座り込んでいた。

 

 鉄格子から首を出し、瑞穂は吠えた。歯を剥き出しにし、可愛らしい童顔を醜く歪めて、泣いていた。鉄格子を握り締めた手の甲には、女を殴り倒したときについた血が、こびり着いていた。

 

 ジュンサーは瑞穂を抑えつけ、鉄格子から引き離した。羽交い締めにされながらも、瑞穂は叫き散らし、小さな身体で藻掻いていた。

 

「離してくださいっ! 離してよ! 殺すんだから! 殺してやるんだからっ!」

 

「何言ってるの!」

 

 瑞穂は抵抗した。だが、虚しいと悟ったのか、やがて脱力したようにその場に座り込み、泣き伏した。少女の泣き声が、灰色の壁に反響していた。

 

 

 ○●

 

 

「気持ちは解るわ、でも、あれはやり過ぎよ」

 

 1階ロビーの自動販売機にコインを投入しながら、ジュンサーは言った。

 

 ベンチに、瑞穂はぐったりとした様子で座っていた。頬を流れる涙を盛んに拭いながら、少女は震える声でジュンサーに訊いた。

 

「私、何も覚えてないんです。昔から、そうでした。切れると見境が無くなるのは。頭の中が飛んでいってしまったようで、身体が私の物じゃ無くなるみたいに――気が付いたら、相手の子が泣いてて。それで、よく苛められたんですよ。私が、悪いんですけどね」

 

 ジュンサーは、ジュース缶のプルタブを開けて瑞穂に手渡すと、首を竦めて見せた。

 

 暫くの沈黙のあと、瑞穂は呟いた。

 

「巡査さん」

 

「なに?」

 

「もう一度、あの2人と話をさせてください」

 

 ジュンサーは、即座に答えた。

 

「駄目よ」

 

「どうしてですか?」

 

 瑞穂は思わず立ち上がった。断られる原因は分かっていたが、それでもなお食い下がらずにはいられなかった。

 

「これ以上あなたを、あの2人に近づけるわけにはいかない。自分でも解るでしょ」

 

 小さく頷き、瑞穂は項垂れた。

 

「解りました。それじゃ、ソウちゃんの捜索、お願いします」

 

 

 ○●

 

 

 コガネ警察署から出たとき、夕闇は既に沈み、地平線の辺りを微かに紅く染めていただけだった。遠くのコガネシティの派手な電飾が、暗闇を待ちわびてでもいるかのように輝いてみえる。

 

「これから、どうしよう――」

 

 一人になって、瑞穂は呆然と呟き、思わずため息をついた。これから、どうすればいいのだろう。少女は途方にくれ、何気なく薄い闇の広がる空を見上げた。

 

「え――?」

 

 瑞穂は自分の目を疑った。空に見えるのは満月だった。記憶が正しければ、昨日の夜も満月だった筈だ。どういう事なのだろうか。

 

 考え込む瑞穂の傍らで、不意にモンスターボールがカタカタと震えだした。昨日の夜と同じように。

 

 瑞穂は、すぐさまモンスターボールからポケモンをだした。それはポケモンではなかった。瑞穂がいつの間にか腕に抱いていた、オレンジ色をしたポケモンの卵だった。震えの原因は、激しく振動する卵だった。

 

「もしかして、産まれるの?」

 

 瑞穂は、興奮しながら卵に目をやった。卵に亀裂が入った。もうすぐ生まれる。誕生する。少女の口から、呟きが漏れる。

 

「がんばって――」

 

 タマゴの亀裂が広がる。パキパキと音が響き――タマゴが完全に割れた。産まれた。

 

 

 

 卵の中から出てきたのは、紫色で羽の生えたポケモンだった。

 

「可愛い」

 

 瑞穂は呟くと、さっそくポケモン図鑑を開いた。

 

「グライガー……とびさそりポケモン、いつもは崖に張り付いている。獲物を見つけると 羽を広げ 風に乗り 襲いかかってくる。」

 

 ポケモン図鑑の説明を聞き終わると、瑞穂はおもむろに言った。

 

「はじめまして、グラちゃん。私の名前は瑞穂」

 

「グラー?」

 

 グライガーは、首を傾げた。言葉の意味を理解できていないのだろう。だが、瑞穂は構わずに続けた。

 

「これから、よろしくね」

 

「グライガぁー!」

 

 グライガーは、そう叫ぶと瑞穂に飛びついてきて頬をすりすりしてきた。どうやら、瑞穂のことを母親だと思ったらしい。

 

 瑞穂は、グライガーを抱きしめた。グライガーは嬉しそうに笑っていた。

 

 

 

 グライガーをモンスターボールに戻すと、瑞穂はタマゴの殻を片づけ始めた。

 

 その時、ふと殻の破片の一つに非常に小さな刻印が成されているのを瑞穂は見つけた。昼間じっくり眺めていても発見できない程、小さな刻印を。

 

 瑞穂は、殻に刻印されていた記号を呟いた。

 

「sl/207f151mc(150)-1s(n)――?」

 

 一見すると、意味のないようにも思える。瑞穂は殻の破片をこっそりとウエストポーチに忍ばせた。

 

 瑞穂は、タマゴの殻を片づけ終わると言った。

 

「――これから、どうしようかな」

 

 それは、先ほどまでの不安に満ちた口調とは、まったく違っていた。モンスターボール越しに、グライガーの陽気な笑い声が聞こえる。それが瑞穂の心を明るくさせていた。

 

「ソウちゃんを捜さないと、それに――やりたいことは、やらきゃやらないことは沢山あるから」

 

 瑞穂は立ち上がり、歩き出した。ネオンの輝きが眩しい、コガネシティへ。その先に続く、まだ知らぬ新しい街へ。

 

 真っ暗な空を厚い雲が覆った。月は見えなくなった。雲は一晩中、月を覆い隠していた。今日が満月だったのか、昨日が満月だったのかは、もう誰にも分からない。

 

 そして少女はまだ知らない。卵の刻印に隠された秘密を。

 

 

 ○●

 

 

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