あるてまれアスカちゃん劇場´ 作:立花アスカの偽猫
◆『似たもの同士?』◆
アスカ
「次のオフコラボの件ですけど、燦ちゃんは何かやりたいこととかありますか?」
燦
「うーん、ゲーム配信かな。楽だし」
アスカ
「いいですね。それなら、ジャンルはどうしましょうか? 夏なのでホラーとかが人気なんですかね?」
燦
「えぇー、ホラーはちょっと。……できればアスカちゃんと仲良く遊べるやつがいいなー、なんて」
アスカ
「燦ちゃん……、はい! 私も燦ちゃんともっともーっと仲良くなりたいです! それじゃあ、えっと、……ポッ〇ーゲーム。なんて……、どう、かな?」
燦
「……」
アスカ
「……な、なんちゃって。もー、冗談なんですから、燦ちゃんも何か言ってくださいよ」
燦
「私は、したいな。アスカちゃんとポ〇キーゲーム」
アスカ
「……え」
燦
「アスカちゃんは、私と、したくないの?」
アスカ
「えっ、えぇっ!? わ、私も、……きゃっ!? 燦ちゃん……、そのっ、顔が近い、よ」
燦
「耳まで真っ赤になってる。アスカは可愛いな」
アスカ
「あっ、あぅ。そんな、急に……」
燦
「……私のものになれ、可愛い子猫ちゃん」
アスカ
「囁いちゃ、あっあっ、だ、だめぇーーーっ!?」
ちゅんちゅん
アスカ
「はぁぅ~、こんな夢を見るなんて……。燦ちゃんともっと仲良くなりたいって、短冊に書いてお願いしましたけど。だからってこんな、こんなの……、はしたないよぉ」
◆『告白?』◆
燦
「負けたーーーっ!」
アスカ
「今日は私の勝ちでしたね。……それでは、視聴者さんが選んだ罰ゲーム、『負けた方が勝った方に告白をする』をどうぞっ」
燦
「ぐぬぬぅ~っ……。えと、罰ゲームの内容だけどさ、違うのにしたいなー。なんて」
アスカ
「あは、だめです」
燦
「ほら、こういうのはムードが大事だって言うし! みんなも見てるしさ」
アスカ
「私は別に気にしませんよ? はい、他に言い分がないのであれば、罰ゲームを続行しましょうね」
燦
「うぅーーーっ。……分かったよ。それじゃあ告白します」
アスカ
「はい。……どうぞ」
燦
「私、黒猫燦は、……えと、た、立花アスカの、こっことを……」
アスカ
「私のことを?」
燦
「あ、ぁ、あっ……」
アスカ
「頑張れ、燦ちゃん!」
燦
「あっあっ、あっ、あぁー、あいっ、……あい、すを勝手に食べてごめんなさい!」
アスカ
「……燦ちゃんの、意気地なし」
燦
「うっ、そんな目で見ないで……。でもでもっ、こ、これだって歴とした告白だもん」
アスカ
「……はぁ。仕方ないなぁ、もー。今回だけですよ」
燦
「うん!」
アスカ
「でも、……次はちゃんとした愛の告白をしてね」ぼそっ
燦
「う、うん。……善処します」
◆『ぴ〇んでぱおん』◆
燦
「最近、ぴ〇んとかぱおんとかよく聞くんだけど、アレってどういう意味なんだろうね?」
アスカ
「えっと、私も中学生や高校生の間で流行ってる言葉、ということくらいしか知らないんです。力になれず、すみません」
燦
「そっか、こっちこそごめんね」
アスカ
「い、いえ。……やほーで調べてみましょうか?」
燦
「そうだね。えっと、ぴ〇ん、意味で検索っと」
アスカ
「あ、出ましたね。……えっと、嬉しいときや悲しいときなど泣きたい気持ちを表す言葉、だそうです」
燦
「へぇー、ぱおんはその上位みたいな感じの言葉らしいね。ぴ〇ん通り越してぱおんみたいにして使うみたい」
アスカ
「あはは……。私も数年前は高校生でしたが、流石についていけそうにないです」
燦
「うん、私もだよ」
アスカ
「……あっ」
燦
「え、どうかしたの?」
アスカ
「えっと、この記事なんですが……そのっ」
燦
「え、なになに。ぴ〇んは中国では、……えっ!?」
アスカ
「さ、燦ちゃん」
燦
「あっあっあっ、違うから!? しししっ知らなかったの!」
アスカ
「……えっち」
燦
「あー、もういやっ!? ぴ〇ん通り越してぱおんだよ!」
◆『本のものより本物がいい』◆
アスカ
「燦ちゃん。どうして私が怒っているのか、分かるよね?」
燦
「はい……」
アスカ
「はい、じゃなくてですね。燦ちゃんの口からその理由を答えて欲しいんです」
燦
「……うぅ~っ。昨日、間違って黒猫燦のアカウントで、結のセンシティブなファンアートをいいねして拡散したから、です」
アスカ
「そうです。もーっ、燦ちゃんはまだ未成年なんですよ。その、センシティブなファンアートを、見るなとはいいません。ですが、それをいいねしたり拡散したりすると問題になるんですよ」
燦
「うぐぅ、……反省してます」
アスカ
「二度とこんなことが起こらないように、今回ばかりは私も心を鬼にして、燦ちゃんをしつけないといけませんね」
燦
「あ、アスカちゃん!? ちゃんと反省したからっ! もうしないって誓うよ!」
アスカ
「燦ちゃんに口で言ってもだめなのは分かってます。だから、今日はみっちりと、身体に分からせてあげますね」
燦
「ああああっアスカちゃん!?」
アスカ
「夏波さんに、よそ見できないくらい、私が燦ちゃんをセンシティブに満足させてあ・げ・る」
燦
「あっ、アスカちゃん。にゃ、にゃあん!?」
アスカ
「見、見ちゃだめーーーっ!?」
燦
「えぇ!? あっ、せっかくネット通販で買ったのにっ! 酷いよ、アスカちゃん」
アスカ
「酷くありません! とにかく、燦ちゃんは読んだらだめなんですっ!」
燦
「で、でも漸く見つけた、貴重なあすねこえちち本なんだよ!」
アスカ
「だめったら、だめなのっ!」
燦
「そんな殺生なぁ! 先っちょだけっ、ううん、チラッと読むだけだから! 今すぐこの本を読まないと元気が出ないの!」
アスカ
「もーっ、またそんなこと言って……。それなら、こっこれで、……どう、かな?」
燦
「は、え? ……ピンクの、紐」
アスカ
「ほっ、本物の方が、元気出るかなって。……元気、出ましたか?」
燦
「あ、うん、それはばっちり。寧ろ元気が溢れそうかも……」
アスカ
「は、はいっ。この件は終わりです! 燦ちゃんも元気になりましたし、この本は私が責任を持って処分するからね!」
燦
「そ、それはちょっと……」
アスカ
「本物の私以外に、よそ見したら、……いやなんだもん」
燦
「……アスカちゃんの、わがままだもんね。できるだけ我慢するよ」
アスカ
「はいっ! ありがとうございます、燦ちゃん! あ、で、でもっ、我慢できなくなったときは、そのっ……、また、言ってね?」
燦
「……ぁ、ごめん。そんなこと言われたら、我慢できないかも」
アスカ
「さ、燦ちゃん!? も、もーっ。……仕方ないんだからぁ」
◆『早起きは燦文の徳?』◆
燦
「おはようにゃー。今日も一日頑張るにゃー。はい、終わり」
アスカ
「あれ? おはようございます、燦ちゃん。珍しく早起きして、何をしていたんですか?」
燦
「ふぁ~っ。あ、おはようアスカちゃん。えとね、#におはようVtuberってつけてツイートするのが、Vtuberたちの間で流行ってるらしくてさ。マネージャーさんに勧められて今日から始めてみたんだ」
アスカ
「なるほど、それは楽しそうですね」
燦
「いや、毎朝同じようなツイートをしなきゃいけないって思うと、初日から憂鬱なんだけど」
アスカ
「あはは……、燦ちゃんらしいって言えばいいのかな」
燦
「だってさ。どのVtuberのツイートも、要約しちゃえば『おはよう、今日も一日頑張ろう』になるんだよ。ねぇ、これってやる意味ある? ないよね。時間の無駄じゃん」
アスカ
「あはは……。えっと、恐らくですけど、フォロワーのみなさんと交流をすることに意味があって、ツイートの内容はそんなに重要ではないのかもしれませんね。あとは、広報活動の一環って側面もあると思いますよ」
燦
「そうかもだけどさー」
アスカ
「それなら燦ちゃんは、朝の挨拶をするのが無意味だからって、私におはようって言ってくれないんですか?」
燦
「そ、それは……するけど。話が違う、って言うか……」
アスカ
「私はおはようって言葉を通して、燦ちゃんと繋がりたい、仲良くなりたいって思うな。フォロワーのみなさんも、きっと同じ気持ちなんだと思うよ」
燦
「……うん。そう、だよね。分かった、もう少し頑張ってみるよ!」
アスカ
「はい、その意気です。今日から私も一緒につぶやくので、頑張って早起きしましょうね!」
後日
アスカ
「燦ちゃん、朝ですよ。つぶやかなくていいんですか?」
燦
「うぅ~ん。ママ、あと五分……」
アスカ
「もー、燦ちゃん。燦ちゃんっ。……はぁ、やっぱり三日坊主になっちゃいましたか」
燦
「むにゃむにゃ」
アスカ
「……気持ち良さそうだし、私も二度寝しようかな。……い、いいよね? お、お邪魔しましゅ」