あるてまれアスカちゃん劇場´ 作:立花アスカの偽猫
◆『余計なお世話だったな』◆
燦
「あいたたたっ」
アスカ
「ご、ごめんなさい。私を庇ったせいで……」
燦
「ううん、これは勝手に庇おうとして怪我をした私の問題だから謝らないで。それよりもアスカちゃんが無事でよかったよ」
アスカ
「燦ちゃん……、うん。本当にごめんね。そして庇ってくれてありがとう」
燦
「えへへ、どう致しまして。うーん、でも利き腕を怪我しちゃったのはちょっと困ったかも」
アスカ
「それなら燦ちゃんが日常生活に困らないよう、私が責任を持っておはようからおやすみまでサポートします!」
燦
「え?」
~食事~
アスカ
「燦ちゃん、あーん」
燦
「あ、あーん。ん~っ、おいしいっ!」
アスカ
「えへへ、よかった。じゃあ、次はお味噌汁を……口移しでいいかな?」
燦
「い、いや、それくらいは一人で飲めるからね」
~お風呂~
アスカ
「それじゃあぬぎぬぎしましょうね~」
燦
「あ、アスカちゃん!? 服くらい自分で脱げるから……」
アスカ
「そうですか? でも、片手だと大変ですし、せめて身体と髪を洗うときは手伝わせてください」
燦
「う、うん。……じゃなくて、そこまでしなくても大丈夫だって。もー、大げさなんだから」
~お花摘み~
アスカ
「燦ちゃん、本当に一人で大丈夫ですか? もしものことがあったらすぐに呼んでくださいね!」
燦
「いやいやいや!? 本当に一人で大丈夫だし、もしものこともないよ!」
アスカ
「そうかもだけど……。じゃあ、せめて安心できるようにオムツにしませんか? そうしたら私もサポートできますし」
燦
「そのサポートはいらないし、私が安心できないんだけど!?」
~配信~
アスカ
「立花アスカ、利き手に怪我をした燦ちゃんの代わりに歌います!」
燦
「……」
『黒猫生きてるかー?』
『腕のケガ関係ねぇw』
『黒猫の目が死んでる』
『猫は構いすぎるとストレスになるって言うし』
『よし、いつものアス猫だな(目逸らし』
『話を聞く限りお世話というよりもはや介護なんだが』
『なんでお世話する側がいきいきしてるんだろうなぁ』
『黒猫、強く生きろよ』
『いやいや、黒猫もちやほやされたいって言ってたし本望だろ。知らんけど』
『なるほど、余計なお世話だったな』
◆『誤魔化せなイカ』◆
燦
「ビンゴしたら即終了ス○ラトゥーンするよー」
『ビンゴ?』
『黒猫にスプ○は無理』
『これが噂のイカゲーム?』
『なんだこれ』
『説明してもろて』
燦
「はいはい、いまから説明するよ。ルールは簡単。9つのマスにそれぞれ書かれている行動をする度にアウトになって、縦横斜めでアウトが3つ揃ったらビンゴ。配信が即終了って感じ。ね、簡単でしょ?」
『なるほど』
『5分持つかな』
『舌打ち、台パン、「は?」、暴言、「バカ」、「○ね!」、キレる、「くそ」、コントローラーを投げる』
『無理じゃね?』
『おつかれ~』
『ばいにゃー』
燦
「まだ始まってすらいないんだが!? バカか!」
『草』
『キレてる?』
『はいアウトー』
『バカもはっきり言ってたな』
『もう諦めよう。無理だよ』
燦
「ま、まだ始まってないからセーフ! はい、じゃあスタート。今からビンゴ開始ってことで」
『黒猫「私がルールだ!」』
『がんばれー』
『うーん、へたっぴ』
『当たらんなぁ』
『棒立ちやめなー』
『自陣を塗れ』
燦
「あっあっ、避けて! あーっ落ちた! って、は、えっそれで死ぬの!? イカなのに!? あっ、こら、避けんな! 当たれ、ちっ、当てろ! うにゃー!? ……は? はぁ??? くそじゃん。当ててるのに死なないとかチートじゃね???」
『操作は音声認識じゃないぞ』
『勝てないからってチート扱いは草』
『くそざこえいむ』
『そもそも当たってないよ』
『音声だけ聴いたら白熱してるのに画面見たら低レベルな戦いしてておもろいな』
『とっくにビンゴしてるぞ』
燦
「え、ビンゴ!? はやっ!? あっあっ、ちょっと待って。し、舌打ち、舌打ちはしてない! さっきのは投げキッス! ちゅっ。ほら、投げキッスだから!」
『ほなセーフか』
『投げキッス助かります』立花アスカ✓
『アスカもよう甘やかしとる』
『いやいや、そんなんで誤魔化されなイカらな』
『言い訳はイカんぞ』
『ばいにゃー』
燦
「ちっ、やっぱだめか。……あっ」
『あっ』
『すぐ舌打ちしてて草』
『これはアウト』
『ばかめ、油断したな』
『次枠はよ』
『大人しくストーリーモードしよ』
『ねぇ、なんで即終了にしたの?』
『でも耐久よりはマシだから』
『それはそう』
『ばいにゃー』
◆『愛を込めて○○を』◆
燦
「そう言えば、みんなからのファンレター届いたよ! いつもありがとね」
『おぉー、届いたか』
『俺も書いてみようかな』
『なに書いたらいいか分からないんだよなぁ』
燦
「内容なんてなんでもいいんだって。応援してるよとか、大好きだよとか。大事なのは文章に込めた想い。気持ちだよ」
『ええこと言うやん』
『つまり気持ちが籠ってればなんでもいい、と』
『じゃあ不幸の手紙送るね』
『俺しか分からない暗号で書いてもいい?』
『俺は新聞の文字で脅迫状風にして送ろうかな』
『そのうち気持ちの込もった白紙が届きそう』
燦
「おい、気持ちどこ行った!? てか、もはや嫌がらせなんだが!」
『草』
『お前が気持ちが大事って言ったからだろ』
『まぁ、流石にヤバい内容の手紙はスタッフが事前に対処してくれるからええやろ』
『あーあ、黒猫のせいでまたスタッフが苦労しとる』
『スタッフに感謝の手紙送っておくか』
『俺めっちゃ字汚いけど大丈夫?』
燦
「スタッフさんの方は分からないけど、字の方は最低限読めるなら大丈夫だよ」
『スタッフさん……いつもありがとな』
『そっかー。なら今度ファンレター送るね』
『手紙送る人、ふりがな付けるの忘れずになー』
『なんなら全部ひらがなでもいいぞ』
『ひらがなで字が汚いって幼稚園児からの手紙かな?』
『だって、漢字使ったら黒猫読めないし……』
『草』
燦
「お前らな! てか、リスナーの中に幼稚園児もいるかもしれないし、ひらがなだけで送るのは紛らわしいからするなよ。分かったな? 絶対にするなよ?」
『よし分かった!(分かってない』
『……え、俺らの中に幼稚園児いるの?』
『ぼくたかし5ちゃい、ぷらす30ちゃい!』
『黒猫の配信が子供向けコンテンツだった、だと!?』
『黒猫を見てる幼稚園児とか将来が不安過ぎる』
『幼稚園児リスナー、黒猫の同級生かな?』
燦
「だれが幼稚園児だ!? 高校生じゃい!」
『草』
『え、黒猫って幼稚園児じゃなかったんですか!?』
『でも胸は……』
『ば、ばいんばいんだし(自称』
『で、結局どんな手紙送ればいいんだよ』
燦
「とにかく、推しへの愛を込めて、書け。以上!」
『りょーけーした』
『愛かぁ。……1枚に収まるかな?』
『つまり、ラブレターを書けってことだな!』
『それは違、くもないのか?』
『よし、ラブレターなら任せろ!』
~後日~
燦
「……確かにとにかく推しへの愛を込めて書けとは言ったけど! 愛を込め過ぎたせいで、手紙に文章を書ききれなかったからって、手紙しか受け付けてないのに巻物に書いて送るなよ!」
アスカ
「あ、あはは……。えっと、愛されてますね」
燦
「うぐっ、それはそうなんだけどさぁ。中身を確認してるスタッフさんも困るだろうし。ファンレターをくれるのは嬉しいんだけど、こういうのは……って、全部ひらがなとかやっぱ嫌がらせじゃねーか!」
◆『お風呂配信』◆
燦
「うにゃーーーっ!?」
アスカ
「あは、私の勝ちですね」
『ナイス!』
『やる前から知ってた』
『罰ゲームはなにがいいかな?』
『ホラゲーにしよう』
『最近流行の地獄温泉やろう』
アスカ
「コメントだとホラゲーが多いみたいですね。どうしますか?」
燦
「……やっ」
アスカ
「あはは、いやみたいです」
『いや、じゃないが?』
『負けた方が罰ゲームって言ったの黒猫だろ』
『黒猫に拒否権ないよ』
『罰ゲームから逃げるな!』
『じゃあ、アスカに見守ってもらおう』
『見守りオフコラボでもいいからさ』
アスカ
「なるほど。燦ちゃん、見守りオフコラボならどうかな?」
燦
「う~ん。……あとでお風呂、一緒に入ってくれる?」
アスカ
「お風呂ですか? もちろん、燦ちゃんさえ良ければぜひ!」
燦
「え、いいの!? じゃあじゃあ、そのままお泊りしよ! そして夜は一緒のお布団で寝ようね!」
アスカ
「くすっ。うん、じゃあそうしよっか。燦ちゃんが怖くないように、お布団でもちゃんと見守ってあげるね」
『は? 黒猫だけズルいぞ!』
『罰ゲームじゃなくなった』
『てか、見守らないといけないアスカの方が罰ゲームまである』
『アス猫は、――あります!』
『じゃあ、お風呂配信もしてくれるってこと?』
燦
「お風呂配信? 地獄温泉があるでしょ?」
『たしかにお風呂配信だけど!?』
『そんなぁ~』
『天国温泉も配信しろ!』
『まさか罰ゲームを受けるのが俺たちだったとは』
『草』
◆『下手でもAIがある』◆
燦
「そう言えば、最近AIイラストが問題になってるらしいね」
アスカ
「そうですね。たしかにすごい技術なんですが、リスナーのみなさんから頂いたファンアートをサムネに使用することもありますし。権利関係のことを考えると、いろいろと気をつかないといけませんよね」
燦
「うんうん」
『科学の力ってすげぇー』
『黒猫はホントに分かってるのか?』
『サムネに使ってもらえないのは残念』
『個人で楽しむ分にはいいけどね』
『でも絵心なくてもファンアート描けるのは助かる』
『自作発言しなければいいと思うよ』
燦
「あー、確かに。絵心ない人からすれば助かる技術ではあるんだよね」
アスカ
「はい。でも、絵師のみなさんの立場からすれば、AIイラストが普及すると仕事が減って生活できなくなりますし。難しい問題ですね」
燦
「あ、そっか」
『ほんと絵師殺しの技術だよね』
『やっぱ下手でも愛がある手描きイラストだな』
『絵師が生き残るにはAIがマネできない画風を模索するしかないのかも』
『黒猫の絵はマネできなさそう』
『絵を学習する段階でAIがフリーズするぞ』
『絵師殺し殺しで草』
燦
「だれが絵師殺し殺しだ!?」
アスカ
「あ、あはは……。燦ちゃんの絵は独創的で味があるもんね」
燦
「アスカちゃんまで!?」
アスカ
「あっ、ち、違います!? 決して燦ちゃんの絵が下手という意味ではなく、AIでもマネできない個性的な絵だという意味でして……」
『つまり画伯ってことだな』
『墓穴を掘ってて草』
『AIイラストの普及で黒猫を神絵師と呼ぶ時代がいずれ来るかもしれないな』
『よ、神絵師!』
『イラストレーター界の救世主!』
『ピカソみたいな絵!』
燦
「お前らな!? 褒めてないの分かってるからな!」