あるてまれアスカちゃん劇場´ 作:立花アスカの偽猫
◆『黙って聞いてりゃ……』◆
アスカ
「燦ちゃん、ちょっといいですか?」
燦
「……」
アスカ
「あれ、聞こえてないのかな? 入りますよ」
燦
「ふんふふ~ん♪」
アスカ
「あ、なるほど。ヘッドホンを付けてスマホで動画を見てたから聞こえてなかったんですね。……あは、しっぽまで揺らしてリズムに乗っててすごく楽しそう。一体どんな動画を見てるのかな?」
燦
「ちぴちぴちゃぱちゃぱ、ふりふり、ふにゃふにゃ、マジ恋、にこにこ、ぷーん……」
アスカ
「ね、猫ミーム!? 燦ちゃんが、燦ちゃんがちぴちぴちゃぱちゃぱしてる……。か、かわいい……可愛すぎます!」
燦
「ちぴちぴちゃぱちゃぱ……あれ、アスカちゃん? って、えっ、顔真っ赤だけど大丈夫なの!?」
アスカ
「だ、大丈夫です……。そ、そんなことより燦ちゃん。黒猫ミームはとーっても危険ですので、絶対に私以外の前ではやらないでくださいね。約束ですよ」
燦
「……は? 黒猫ミーム? えっ、どういうこと???」
アスカ
「いいですね?」
燦
「あっはい。……黒猫ミーム???」
◆『もものせっく』◆
燦
「ひな祭りって子供の頃はともかく、大きくなると味気ない行事に感じない?」
アスカ
「そうですか? そんなことないと思いますが」
燦
「いやいやそんなことあるって。だって、節分なら豆を撒くし、バレンタインはチョコを貰えるよね。でも、ひな祭りはお祝いの料理は食べても特別な何かをするってことないでしょ」
アスカ
「なるほど。たしかに子供の頃はひな飾りを飾ったりお歌を歌ったりしますが、小さな子供のいないご家庭の方だと特別何かをするってことがないので、ちょっぴり味気ない行事に感じるかもしれませんね」
燦
「でしょ。あーあ、何かないかなー。大人も楽しめるひな祭りに因んだ特別なこと。アスカちゃんはどう思う?」
アスカ
「あ、あはは……。急にそんなこと言われても……。参考までに、燦ちゃんはどんなことをしたい、またはされたいですか?」
燦
「うーん、そうだなぁ。ひな祭り……桃の節句、桃……太もも? 膝まくらとか?」
アスカ
「くすっ、そんな簡単なことでいいの? 膝まくらならいつでもしてあげますし、もっと特別なことじゃなくていいんですか?」
燦
「んー、アスカちゃんの膝まくらは特別だから。ひな祭りに敢えて何かしてもらえるなら、アスカちゃんの膝まくらがいいな」
アスカ
「燦ちゃん……あはっ! じゃあ、ひな祭りが特別な思い出になるような、とびっきり特別な膝まくら、用意しないといけませんね。……んしょっと。……燦ちゃん、はいどうぞ」
燦
「え、いいの!? じゃあお言葉に甘えて……あー、いい。アスカちゃんの膝まくら、すごくいいよ」
アスカ
「あは、ありがとうございます。でも、これだけだといつもの膝まくらですので、今回は特別に……ぎゅーっ」
燦
「っ!?(ももが、おっきなももが顔にっ!?)」
アスカ
「ど、どうかな。ぎゅーって抱きしめながらする膝まくら」
燦
「も、ももが……ぎゅーって。桃の接苦……しゅごい……」
アスカ
「あは。よく分かりませんが、喜んで貰えているならよかったです。……桃の節句、いっぱい楽しんでくださいね」
燦
「ふぁ、ふぁい……」
◆『ネタバレじゃない』◆
燦
「はぁー、終わった。みんなはどうだった? 【ネタバレが激しいRPG】ってタイトルだったから心配だったけど、しっかりネタバレがあるのに面白いし、最後の敵の正体が勇者の父だったのはほんとすごかったよね」
『神ゲーだった』
『ほんとに最後の敵の正体が勇者の父ですげーってなったわ』
『ネタバレやめてください』
『いや、それはタイトルに書いてあっただろ』
『ネタバレなんだけどネタバレじゃなくて面白かった』
燦
「だよねー。今までにないゲームなんじゃないかな? それとも私が知らないだけで、ネタバレされてても面白いものってゲームに限らず他にあったりする?」
『有名なのだと名探偵なコ○ンの正体とか?』
『原作知らずに映画見に行ったらコナ○の正体を冒頭でネタバレされたんだが』
『草』
『まぁある意味ネタバレだけど、それを知ってる前提じゃないと話が進まないからしょうがない』
『知っててもあまり話(物語内の時間)が進んでないんですが……』
『あと有名なやつだと犯人は○スとか?』
燦
「あー、あれ有名だよね。どんな事件でなんで犯人になったのかは知らないけど、ゲームのタイトルを知らなくても犯人の名前だけは知ってるって人多そう」
『たしかに』
『ネタバレで有名になったまである』
『じゃあ黒猫もネタバレすればもっと有名になれるってこと?』
『黒猫のネタバレってなんだよ』
『ずばりパ○ツの色だな!』
燦
「なるほど! これネタバレなんだけど、今日のパ○ツの色は……って、言うかおばかっ!」
『えー』
『ネタバレありって配信タイトルに書いてたじゃん!』
『じゃあ他にネタバレないの?』
燦
「他に? いや、急にそんなこと言われても……。うーん、あっそう言えばみんなに言ったことあったかな。実は私、TS転生者なんだよね」
『あっはい』
『それはネタバレじゃなくてワ○ップじゃん』
『厨二乙』
『つまり前世がばいんばいんな美少女で今は男ってこと???』
『えーっ!? 黒猫ってTS転生者だったんですかっ!?』
『そういうのいいから』
燦
「お前らがネタバレしろって急かしたくせに酷くない!? てか、これでだめなら、他にどんなネタバレをしろって言うのさ」
『他にって、アスカと入籍しましたとか?』
『それはもうネタバレというかただの結婚報告なんじゃ……』
『結婚報告(ネタバレ)が激しい配信~アス猫の結婚式の最後の招待客はゆいまま~』
『ゆいままの脳が破壊されてて草』
『(招待状を送った)犯人はアス……』
『その結婚待った!? って奪いに来るパターンかもしれないし……』
『やばい。ネタバレだけで既に面白そうwww』
『お、もしかして6月に販売されるジューンブライドボイスのネタバレか?』
燦
「んなわけあるか、おばか!?」
◆『推し売り』◆
燦
「はい。てなわけで、本日は今話題のスーパーマーケットシミュレーターをプレイしていきたいと思います」
『こんばんにゃー』
『このゲーム、まだ早期アクセスの段階だけどすごい人気だよね』
『店名はスーパーサンだな!』
『黒猫が店長で大丈夫か?』
『お客が黒猫推しのリスナーだけになりそう』
『100日後に閉店しそうwww』
燦
「ふむふむ、なるほど。まずは店内の改装と商品の発注が必要と。じゃあ、商品棚はここで、ここはこうして……。最後に商品の発注もパソコンからして……、あっ商品の値段もつけないといけないんだ」
『やることいっぱいで大変そう』
『誤発注はするなよ』
『食パンの値段高くない?』
『食パンが売りのスーパーなんだよ、たぶん』
『序盤だから仕方ないけど商品少なくて寂しいな』
『やっとオープンか』
燦
「あ、お客さんだ。らっしゃーせー」
『ずこーっ』
『らっしゃーせーwww』
『コンビニにいるやる気のない学生バイトか!』
『こいつクビにしろ』
『これでも一応店長なんだよなぁ』
『お、混んできたな』
燦
「えっと、お釣りは……っと。アッ、間違えた!?」
『あーあ』
『お釣り一桁多くて草』
『黒猫、レジ係降りろ』
『さんすうの勉強からやり直そうか』
『ワンオペでやるから……』
『人雇おうぜ』
燦
「はぁー忙しかった。こんな感じなら、もう少しお金に余裕ができたら人雇った方がよさそうだね。商品の補充する暇もなかったし」
『そうだね』
『てか、他の商品は完売なのに食パンだけ綺麗に残ってて草』
『値段高いってクレーム入ってたぞ』
燦
「た、高くないから。この店の食パンは高級食パンだからお値段以上にお得なんだって」
『という設定』
『ゲームの仕様上、値段をあげても品質は変わらないぞ』
『ぼったくりじゃん』
『お値段異常ってこと?』
『非を認めて安くしようよ』
燦
「いやいや、まだ初日だから認知されてないだけで絶対に売れるから。ほっほら、リアルでも高級食パンブームがあったし、つまりそう、これは先行投資! 未来を見据えての経営戦略? なんだよ!」
『と先ほど言ってたけど?』
『1週間経ってもまだ売れてないけどね』
『消費期限切れちゃった……』
『カビ生えてそう』
『店長の推しで売りのパンなのになんで……』
『で、どうすんの? 責任者だろ』
燦
「……あ、あー! そう言えば、資金に余裕もできてきたところだし、そろそろ人を雇ったり、他にもいろいろとやんないとなー」
『あ、誤魔化した』
『漸くワンオペから卒業か』
『レジ係に品出し係、店の拡張に倉庫の追加、商品棚に加えて冷蔵庫の購入までして資金足りるのか?』
燦
「よし。あとは商品の補充と新商品も購入して……あっ」
『あっ』
『資金が足りませんwww』
『終わったな』
『100日も持たなかったか』
『スーパーサン改めスーパー破産ってか』
燦
「だだだ大丈夫。ままままだ、まだ慌てるときじゃない。この売れのこ、じゃなくてこの高級食パンが売れればまだワンチャンあるから……」
『1週間売れなかったのに?』
『パンしか売ってないスーパーはもはやパン屋なのでは?』
『家賃も払えないしどうすんの?』
『最悪、黒猫が身体で稼げば……いや黒猫じゃ無理か』
『他の店でバイトでもする?』
『スーパータチバナがレジ係のアルバイト募集してたよ』
『店長からアルバイトに降格してて草』
『まぁ本人はまだやる気みたいだし、もしかして何か秘策でもあるんじゃないのか?』
燦
「らっしゃーせー。そこのお客さん、食パンはいかが? うちの食パンは素材にこだわって作ってて……。は、値段が高い? はぁ~っ、高くないし! ねぇ、高級食パンって知ってる? 高級食パンは高級な食パンなの。分かる? あっこら、何も買わないで帰ろうとするな!? いいから黙って買え!」
『高級食パンってことは食パンの値段が高いってことです』
『小○構文?』
『押し売りで草』
『これは動画拡散されて炎上不可避』
『これ、悪質店長シミュレーターだったっけ?』
『パンの質も店長の質も良くない店でした。2度と行きません。星1つ』
『妥当なレビューだな。倒産もやむなし』
『黒猫に店長は早かったか』
『スーパータチバナで花婿の募集してたよ』
『再就職先決まってよかったね!』
◆『早く好きなことしたい!』◆
燦
「んにゃーっ、作業が終わらない!」
『自業自得だろ』
『がんばれー』
『作業配信助かる』
『俺らは見てることしかできないからなぁ』
『終わったら何したい?』
燦
「作業が終わったら? そりゃもちろん好きなことするに決まってるじゃん。やりたかったけど時間がなくていっぱい溜まってるし」
『好きな子とする!?』
『やりたかった!?』
『いっぱい溜まってる!?』
『黒猫くんさぁ』
『えっなのはいけないと思います!』
燦
「いや、それはこっちのセリフなんだが!? 中学生か! 新作ゲームの話だよ」
『知ってる』
『8番出入口ライクの新作ゲームやろうぜ』
『新幹線のやつか』
『なんでもいいからコラボして』
『風来のシ○ンの並走配信とかどう?』
『モ○ハン!』
燦
「あー、どれもいいなー。どうしよ、コメント見てたらやりたくなってきた……。ちょっとだけなら……え、だめ? ……はい」
『それはそう』
『作業してもろて』
『さっさと終わらせて好きなこと配信しろ!』
『そのときはアスカちゃんも呼ばないとね』
『因みにそれってなにするの?』
『好きなことするに決まってるじゃん』
『えっっっ!?』
『コラボ(意味深』
『アス猫でやるんか? 楽しみ』
『何はともあれ、まず作業を終わらせないとな』