あるてまれアスカちゃん劇場´   作:立花アスカの偽猫

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あるてまれアスカちゃん劇場まとめ(36~40)

◆『天使の一声』◆

 

アスカ

「燦ちゃんは歌ってみた系の動画は撮らないんですか?」

 

 

「歌ってみたはちょっと……。上手くないし、それに、……恥ずい」

 

 

アスカ

「そっか、残念。燦ちゃんの歌、私は好きだよ」

 

 

「あ、ありがと。うぅ、普通に照れるからやめて……」

 

 

アスカ

「あは。普段はもっと褒めろーって言ってるのに、あーもう可愛いなぁ」

 

 

あぅあぅ。わ、私のことはもういいから。アスカちゃんこそ、昔みたいに歌ってみたを投稿しないの? 私、楽しみにしてたんだよね」

 

 

アスカ

「そうなんですか! ありがとうございます。えへへ、嬉しいな。……あ、それじゃあ一緒に歌っている動画を撮って投稿しませんか?」

 

 

「え? う~ん、一人なら嫌だけど、アスカちゃんと一緒なら、……でもなー」

 

 

アスカ

「はい、決まりですね! あは、楽しみです」

 

 

「あ、うん。そだね。……アスカちゃんの天使の歌声がまた聴けるんだし、よし、なのかなぁ」

 

 

 

 

 

◆『ぽんはぽんでもなくぽんはなんだ?』◆

 

 

 

ぽんな黒猫さんが麻雀でぽんしてるところみたいです。

 一緒に麻雀やりましょう

 

ましゅまろ

❒″

 

 

 

 

「ぽんじゃないが! それに麻雀でするのはポンだから!」

 

 

『ぽんじゃん』

『ぽんにゃ』

『ぽん助かる』

 

 

アスカ

「麻雀ですか。私はあまり詳しくないのですが、燦ちゃんはどうですか?」

 

 

「私も、少し分かる程度かな? 点数計算とかできないし」

 

 

アスカ

「あ、それならVtuberの間で流行っている麻雀ゲームを試しに遊んでみませんか。アシスト機能も付いているらしいので、初心者でも簡単に遊べるみたいですよ」

 

 

「まぁ、一回くらいならいいけど……」

 

 

アスカ

「決まりですね。…………はい、これで登録は終わりました。それでは燦ちゃんからお先にどうぞ」

 

 

「うん。アスカちゃんに私の秘められた才能を見せてあげるよ」

 

 

『はいはい』

『秘めたままにしておいた方がいいと思うよ』

『あ、お察し』

 

 

「お前らな!? 一位で上がるから見てろよ!」

 

 

アスカ

「頑張ってください、燦ちゃん!」

 

 

『うん、悪くないな』

『これは負ける方が難しいのでは?』

『CPUのレベルかんたんだろ。余裕だな』

 

 

「ふっふっふ、これは楽勝じゃん。ちみたちぃ、この運の良さこそが日ごろの行いの賜物なのだよ」

 

 

『うぜぇ』

『イキり猫』

『慢心だめ、絶対』

 

 

「来た!?」

 

 

『おぉ!』

『勝ったな。風呂入ってくる』

『これはリーチせずにはいられないな』

 

 

「リーチにゃ!」

 

 

 

 

 

CPU

『ロン』

 

 

 

 

 

アスカ

「あ」

 

 

「は?」

 

 

『あ』

『あちゃー』

『あ、やっぱりね』

 

 

「ま、まだ大丈夫だし! 次こそは!」

 

 

『と、思ってた時期もありました』

『特に何も起こることなく終わったな』

『地味な対局だった』

『四位のまま終了』

『お疲れ燦』

 

 

「……麻雀おもしろくない」

 

 

アスカ

「えっと、そうだ。次は私や視聴者さんと一緒にやりましょう! それなら一緒に楽しめますし、ね?」

 

 

「……アスカちゃんがそういうなら」

 

 

アスカ

「それでは、視聴者のみなさんも、良かったら参加してくださいね」

 

 

『で、こうなったと』

『……麻雀って楽しいね(遠い目』

『みんなで寄って集って黒猫をいじめて楽しいのかよ!』

『俺は楽しかったぞ』

『一番いじめてたのはアスカちゃんだったけどね』

『好きな子をいじめたくなるアレだな』

 

 

アスカ

「ち、違いますよ! 今回はちょっと運が良かったといいますか、その……」

 

 

『いい燦ドバッグがあったもんね』

 

 

アスカ

「違いますって!? もー、燦ちゃんも何か言ってくださいよ」

 

 

「ぐすっ、あの操作ミスがなければ勝ってたのに……、ひっく、なんで違う牌を捨てるのさ。私ってほんとバカぁ……」

 

 

アスカ

「あぁ、泣かないでください燦ちゃん。よしよし」

 

 

『敗因はぽん』

『迂闊にぽんするから』

『結局秘められた才能とやらは見られなかったな』

『ぽんな頭をぽんぽんして慰めてあげて』

『ぐだぐだだったけど、これにてカン』

 

 

 

 

 

◆『プレイングは大事』◆

 

「そう言えば、アスカちゃんは他の個人Vの人とコラボってしないの?」

 

 

アスカ

「う~ん、今のところは考えてないですね。そう言う燦ちゃんはどうなんですか? 別の企業の方とコラボする話があってもおかしくないと思いますが」

 

 

「あぁーうん。今のところはないし、正直あっても断りたいかな。話すの苦手だし」

 

 

アスカ

「でも、燦ちゃんの場合はそうも言ってられないと思いますよ。……そうだ! コラボに向けて一緒に会話デッキを作りましょう」

 

 

「うん、いいかも。会話デッキはいくらあっても困らないからね」

 

 

アスカ

「そうですね。燦ちゃんならどんなデッキにしますか?」

 

 

「私なら、まず天気でしょ」

 

 

アスカ

「天気は鉄板ですね」

 

 

「次に気温でしょ」

 

 

アスカ

「今日は暑い、寒いだけでも話題の切っ掛けになりますよね」

 

 

「あとは……、相手を褒める?」

 

 

アスカ

「なぜ疑問形なのかは分かりませんが、褒められて気分を害する人はほとんどいませんし、いいと思います」

 

 

「だ、だよね。アスカちゃんも何かアイディアないの?」

 

 

アスカ

「私なら、趣味とか聞きますね。やはり共通の趣味があれば話が弾むと思います」

 

 

「うんうん。それと、困ったら愛してるよゲームすればいいんだし、これでコラボも大丈夫だね」

 

 

アスカ

「そうですね。それでは私を初対面のコラボ相手だと想定して会話デッキを試してみますか? 実践練習も必要ですよね」

 

 

「うん、それじゃあお願い」

 

 

アスカ

「はい、任されました」

 

 

「えと、今日はいい天気でしたね」

 

 

アスカ

「そうですね。過ごしやすい気温でしたし、お昼はついうとうとしてしまいましたよ」

 

 

「え、ぁ、はい。そうですね」

 

 

アスカ

「あは、黒猫さんのそういうところも可愛らしくて好きですよ」

 

 

「あっ、その、……ありがとうございます。えと、立花さんも、ぁっ、形のいい乳していて、そのっ、好きです」

 

 

アスカ

「えっと、あはは……。ありがとうございます?」

 

 

「んんっ! えと、そのっ、ご趣味は?」

 

 

アスカ

「ピンク色のものとか可愛らしいぬいぐるみやシールを集めるのが趣味で、あとはお菓子作りも好きですね。黒猫さんはお菓子作りに興味はありますか?」

 

 

「ぁ、えと、食べる専門です。はい、……ごめんなさい」

 

 

アスカ

「謝らなくてもいいですよ。それなら今度お菓子を作るので、よかったら食べた感想を聞かせてくださいね」

 

 

「ぁ、はい」

 

 

アスカ

「……ふふっ、なんだかお見合いみたいですね」

 

 

あぅっ!? お見合いって、あわわっ!?

 

 

アスカ

「えっと、まだ会話デッキが残ってますが、そのっ、……続けますか?」

 

 

「えと、残りは確か、……あぅあぅ!? ぁ、ぇ、そのぉ、……さ、サレンダーで!」

 

 

アスカ

「もぅ、……それはプレイングミスだよ」

 

 

 

 

 

◆『恋敵に塩クッキーを送る』◆

 

アスカ

「えっと、燦ちゃん。午前中ずっとのんびりしていたようですけど、念のため確認しますが、今日が何の日か分かってますよね?」

 

 

「ん? 今日って何かの記念日だっけ?」

 

 

アスカ

「えぇ、まぁ。燦ちゃんにも関係のある記念日ではありますね」

 

 

「今日は7月21日だよね。うーん、記憶にないなぁ。語呂合わせ? なな、にい、ぜろなな、にーいち、あっ、分かった! 今日はオナ……」

 

 

アスカ

「違いますっ! 今日は十六夜桜花さんのお誕生日ですよ!」

 

 

「お誕、生、日? ……え、誰の?」

 

 

アスカ

「ですから、燦ちゃんの同期の十六夜さんですよ。えっと、もしかして知らなかったのですか?」

 

 

「……シッテタヨー、モチロン。ただ、ちょっとど忘れしちゃってただけだから。うん」

 

 

アスカ

「はぁ、そういうことにしておきますね。ところで、十六夜さんへのプレゼントは用意してますか?」

 

 

「えと、おめでとうメールだけじゃ、ダメ?」

 

 

アスカ

「……十六夜さんならそれだけでも喜びそうですが、せっかくの記念日なんですから、気持ちのこもったプレゼントを渡してもいいと思いますよ」

 

 

「……それは、うん。ごもっともだとは思うんだけどさ。お察しの通り、何にも用意してないんだよね。どうしたらいいと思う?」

 

 

アスカ

「うーん、そうですね。でしたら、簡単なお菓子、クッキーを焼いてお渡しするっていうのはどうですか?」

 

 

「手作りクッキーかぁ。そういうの貰い慣れてそうだし喜ぶかなぁ」

 

 

アスカ

「きっと大丈夫ですよ。大事なのは気持ちですから」

 

 

「そうだよね。あ、でも私、クッキー作ったことなかった。あ、アスカちゃん……」

 

 

アスカ

「はいはい、大丈夫です。もちろんお手伝いしますよ。最初からそのつもりでしたし、一緒に十六夜さんをお祝いしましょう」

 

 

「うんっ、ありがとアスカちゃん!」

 

 

アスカ

「どういたしまして。そうと決まれば材料を用意しますね。うーん、今日はお誕生日ケーキもあるでしょうし、甘さ控えめにした方がいいですよね。あ、塩クッキーなんてどうかな?」

 

 

「えと、……お、お任せします」

 

 

アスカ

「もー、メインは燦ちゃんなんだよ。ほぉ~ら、頑張って一緒に作ろうね」

 

 

「が、頑張るにゃー」

 

 

 

 

 

◆『匂い臭われ』◆

 

「ん? あれ、シャンプー変えた?」

 

 

アスカ

「えへへ。うん、そうだよ。よく分かりましたね」

 

 

「いつもと違う香りがしたから、そうなのかなって。ちょっと嗅いでみてもいい?」

 

 

アスカ

「えと、……どうぞ」

 

 

「くんくん。いつもより爽やかな感じだね」

 

 

アスカ

「ひ、ひゃい。なっ夏なので、少し爽快感のあるフレーバーのものにしてみたの。その、どうかな?」

 

 

「へぇー、そういうのもあるんだ。うん、いいと思うよ」

 

 

アスカ

「よかったぁ。……あの、実は、そのっ、……ボディソープもいつもと違うんです。感想、聞かせてくれる?」

 

 

「……ごくり。本当にいいの?」

 

 

アスカ

「これは、その、あくまで香りの感想を聞くためだから……」

 

 

「じゃあ、めっ捲るよ」

 

 

アスカ

「んっ、……ひゃっ

 

 

「はぁはぁ。アスカちゃんの汗の匂いでよく分からないよ。ねぇ、もっと近くで嗅いでも『ピロリン』ぴぃ!?

 

 

アスカ

「び、びっくりしました。……誰からの通知ですか?」

 

 

「えと、……結からみたい。その……」

 

 

アスカ

「どうかしましたか? 何かやましいことがあるのですか?」

 

 

「……この間プレゼントしたシャンプーの感想聞かせてって」

 

 

アスカ

「そっか。……ふ~ん」

 

 

「あ、アスカちゃん、これはその、違くて」

 

 

アスカ

「くんくん。でも、おかしいですね。折角夏波さんに頂いたのに、どうしてシャンプー変えてないんですか? あ、もしかして私と会うときだけ、前のシャンプーを使っているとか、そういうことはないですよね?」

 

 

「えと、この件はシャンプーだけに、水に流して欲しいなー、なんて……」

 

 

アスカ

「あは、だめです」

 

 

「ですよねー」

 

 

 


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