あるてまれアスカちゃん劇場´ 作:立花アスカの偽猫
◆『繋がるアス猫ライブ』◆
燦
「あ、最後に告知忘れてた。来週なんだけど、アスカちゃんとオフコラボすることになったからよろしく」
『それを先に言え』
『ばいにゃーキャンセルするな』
『アス猫助かる』
『オフコラボ!?』
『で、なにするの?』
燦
「んーっとね。なにすると思う? まだ相談中で未確定なんだけど、今のところ一緒にゲーム配信する予定。おそらく鎖で繋がれて耐久するやつになりそうかな」
『質問に質問で返すな!』
『たしか頂上を目指すアップオンリーみたいなゲームだよね』
『あーあれか。こっちは協力プレイができてなぜか鎖で繋がれてるけど』
『え、つまり黒猫がアスカに鎖で繋がれる耐久オフコラボ配信ってこと?』
『監禁されてて草』
『リアル脱出ゲームかな?』
『アスカと繋がって(意味深)達しないと(意味深)出られない部屋かもしれない』
『えっっっ!?』
『○ックスしないと出られない部屋は草』
『何にせよ、黒猫強く生きろよ』
燦
「いや、普通にゲームするだけだから! お前ら、私たちのことなんだと思ってるの!?」
◆『リップの重ね塗り』◆
燦
「あれ? アスカちゃん、今日ちょっといつもと雰囲気ちがう?」
アスカ
「雰囲気ですか? あ、もしかしたら新しいリップに替えたせいかもしれません」
燦
「新しいリップ?」
アスカ
「はい。この間ショッピングに出かけた際に、店員さんにおすすめされて試しに買ってみたんです。なんでも【気になるあの人も思わず見惚れる魅惑のぷるぷるりっぷ】になれるそうですよ。……どう、かな?」
燦
「へ、へぇー。……うん、すごく似合ってると思うよ」
アスカ
「えへへ、ありがとうございます。あ、そうだ。良かったら燦ちゃんも試してみませんか? 魅惑のぷるぷるりっぷ」
燦
「うぇ!? あー、えっと。私はそういうのは別に……」
アスカ
「そう、ですか……」
燦
「うっ。……ま、まぁ一回くらいなら試してもいい、かな。うん、試してみたいかも」
アスカ
「……はい! そういうことなら任せてください! では、燦ちゃん。少し目を瞑ってもらってもいいですか?」
燦
「うん。これでいい?」
アスカ
「はい、大丈夫です。では……塗りますね」
燦
「ん……んんっ?!」
アスカ
「……えっと。どう、かな? ぷるぷるりっぷ」
燦
「う、うん。……ぷるぷるがくちびるですごいぷるぷるりっぷだった」
アスカ
「くすっ、なんですかそれ。あは、でも喜んでもらえて良かったです」
燦
「あーでも、一つ聞いていい? えっと、なんでリップを塗るのに、その……したの?」
アスカ
「あ、あぅ……。えっと、その、実は肝心のリップを持ってくるのを忘れていまして。だから、その、燦ちゃんにぷるぷる感を試してもらうにはこうするしかなかったといいますか、その……キスでリップを塗ってあげるイラストを見て憧れていたといいますか……(ごにょごにょ)。あの……いや、でしたか?」
燦
「……ううん。いやじゃない、よ。むしろ一回じゃよく分からなかったし、できればもう一回試したいくらいだもん」
アスカ
「えへへっ、ほんとうですか!? ……じゃあ、もう一回。……しますか? 薄めのリップだったから、上手に塗れてなかったかもしれませんし。綺麗に塗るためにも、重ね塗りしないと、だよね」
燦
「ん……、だね。重ね塗りは、大事、だよね」
◆『祭りのあとは』◆
燦
「そう言えば、気づけばもう夏祭りの季節なんだよね。みんなは友達とか恋人とか、誰かと一緒にお祭りに行く予定とかってあるの?」
『夏、……祭り?』
『うっ、トラウマが……』
『友達も恋人もおりゃんのにどうしろと?』
『妹に無理やり連れてかれて財布にされた思い出しかない』
『まだいいじゃん。俺なんか1人で行って即ヤンキーにカツアゲされて泣いて帰った記憶しかないってのに……』
『そう言う黒猫こそ誰かと行く予定あるの? 友達もいないのに』
燦
「うぐっ!? あっいや。わ、私にだって、一緒に夏祭りに行く人くらい、いっいるから……。えと、その、あっ、アスカちゃんとか」
『それって友達として? それとも恋人?』
『アス猫てぇてぇ』
『お、デートのお誘いか?』
『ぜひ行きましょう! 少し遠い場所なんですが、花火で有名なお祭りが来週あるのでどうですか?』立花アスカ✓
『アスカちゃんもよう見とる』
燦
「へぇー、そうなんだ。でも、少し遠いのかぁ。うーん、まぁアスカちゃんと一緒だし、たまには遠出してお祭りを楽しむのも悪くないのかも……。分かった、今度一緒に行こうか」
『はい! 楽しみですね!』立花アスカ✓
『良かったなぁ』
『アス猫は――ある』
『あれ? 調べてみたけど、来週開催で花火で有名な祭りってかなり遠い場所だけど終電とか大丈夫なのか?』
『ば、バーチャル日本のバーチャル夏祭りだから……』
『どこかに一泊するんじゃね? 知らんけど』
『えっっっ!?』
『アス猫、密室、一泊。何も起きないはずもなく……』
『やったね、黒猫! 来年は夫婦(?)で夏祭りに行けるね!』
『今更撤回はできないだろうし、せめて祭りの後の既成事実だけは気をつけるんだぞ』
『祭りの後だけに、後の祭りになるぞってか!』
『草』
◆『アザラシ、癒し、嫌らしい、アザらしい』◆
アスカ
「燦ちゃん、これ知っていますか?」
燦
「ん? なにこれ? ……アザラシの動画?」
アスカ
「はい! アザラシ保育園と言って、保護されたアザラシの様子を24時間配信している海外の動画なんです。エックスの投稿が切っ掛けで最近流行ってて、私も見るようになったのですが、立って泳いでいる姿とかほのぼのとした様子がすごく可愛くて。どうですか、癒されませんか?」
燦
「んー、たしかに可愛いし癒されるけど……」
アスカ
「けど?」
燦
「アザラシだけみんなからちやほやされててずるい! 私だって立ち絵あるし目を泳がせられるしたまに配信だってしてるのに! 全人類、もっと私をちやほやしろ!!!」
アスカ
「あ、あはは……。えーっと、よしよし。燦ちゃんも可愛いですよ」
燦
「ほんとに?」
アスカ
「もちろんです。それに燦ちゃんは可愛いだけじゃなくて、こうやって実際にぎゅーってできて、とっても癒されますし」
燦
「わぷっ!? あ、アスカちゃん。む、胸が。胸が顔に当たって、その……」
アスカ
「……ぎゅってされるの、いや?」
燦
「い、いや……じゃない、です」
アスカ
「あは、よかった。じゃあ……もっと癒しを摂取しても、いいよね?」
燦
「ほぁ!? あ、アスカちゃん。ちやほやされたいって言ったし、ぎゅってするのも許可したけど。これ、抱きしめるというよりも抱き着く感じになってるし、首のとこに息が当たって、くっ、くすぐったいし、こ、これ以上は癒し摂取じゃなくて、ぃっ、いやらしい摂取なんじゃ……あっ、ん……あっあっ……」
~翌日ゆいくろオフコラボ直前~
結
「あれ、燦? 首のところ、ちょっと赤くなってない?」
燦
「にゃっ!? ななななってないよ!? み、見間違いじゃないかな」
結
「いや、なってるって。ほらここ」
燦
「うぐっ。あっいや、かっ、仮に赤くなってたとしても、これはその……あ、アザ! ただのアザで大丈夫なやつだから!」
結
「アザ? ふーん。ただのアザ、ね。……ま、それはそれで大丈夫じゃない気もするけど。時間もないし今日はそう言うことにしておいてあげる」
燦
「ほっ……」
結
「でも」
燦
「ほぇ?」
結
「……次はないから」
燦
「ひぇぇぇ。あっ、は、はい」
◆『好きにして』◆
燦
「なるほど、8月10日はハートの日。家族や親しい人に感謝の気持ちや想いを伝えよう。ハートの日にオススメの猫でも作れる簡単オムライスはこちらのページで紹介中、か。ふむふむ、これなら私でも……よしっ!」
アスカ
「あれ、燦ちゃん? キッチンに何か用事ですか? あ、もしかしてお腹空いちゃった? ごめんね、急いでお昼ごはん作りますね」
燦
「え? あ、違うちがう。そうじゃなくて、えっと、今日のお昼なんだけど私が作ろうかなって」
アスカ
「燦ちゃんがですか!?」
燦
「うんっ! だめ、かな?」
アスカ
「えっと、だめではありませんが、その……一人で大丈夫ですか?」
燦
「うっ、た……たぶん? あっいや、大丈夫だよきっと。うん」
アスカ
「そ、そうですか。燦ちゃんがそこまで言うのなら……。でも、何か困ったことがあったらすぐに呼んでくださいね」
燦
「分かった。ありがとアスカちゃん。よし、じゃあ早速つくっていこう。えっと、レシピだとえーっとたしかこんな感じだった気が……あっ」
アスカ
「……ほんとうに大丈夫かなぁ」
燦
「………………できたっ! アスカちゃん、これ見てっ!」
アスカ
「わぁ、すごい! これ、オムライスですよね。少し卵が焦げてて破れていますが、初心者とは思えないくらい上手にできていますよ」
燦
「でへへっ、もっと褒めてもいいんだよ。って、そうじゃなくて。このケチャップで書いた文字を見て。これが私の今の気持ちだから」
アスカ
「ケチャップの文字ですか? ちょっと待ってくださいね。えっとこれは……ヌ……キ? ヌキ? お昼ごはんが抜きってことかな?」
燦
「そうそう。お昼ごはんが抜き……って違うよ!? え、なんでそうなるの!?」
アスカ
「あれ、違いましたか? じゃあ……えっと、その。さ、燦ちゃん。お昼から、そっそういうのは……よくないと思います」
燦
「なんか変な誤解されてる!? てか、なんでさっきからこんなことに……。あっ、スって書いたつもりがはみ出てヌになってる!? い、いつの間に!」
アスカ
「え、そうだったんですか? じゃあ、この文字の本当の意味は……」
燦
「う、うん。……今度こそ気持ち、伝わった?」
アスカ
「は、はい。……ちゃんと伝わったよ、燦ちゃんの気持ち」
燦
「えへへ、よかった。8月10日はハートの日だから、たまにはこうしてハートを伝えるのもいいかもって思ってさ。……まぁ、某検索サイトの記事からの受け売りなんだけどね」
アスカ
「そうだったんですね。……あのね、燦ちゃん。それなら次は、私の気持ち。……受け取ってくれる?」
燦
「アスカちゃんの気持ち? ……うん、もちろんだよ」
アスカ
「あは、よかった。……じゃあ、目……閉じて」
燦
「……んっ」
アスカ
「……どう? 私の気持ち、ちゃんと伝わったかな?」
燦
「……もう一回。もう一回、してくれないと。ちゃんと伝わらないかも」
アスカ
「も、もぅ……。せっかく作ってくれたオムライス、冷めちゃうよ?」
燦
「……だめ?」
アスカ
「あぅ……。だっだめ、……じゃない、よ」
燦
「えへへっ、やった。じゃあ……んっ」
アスカ
「……そう言えば、燦ちゃんの分のオムライスはどこにあるんですか?」
燦
「あっ。急いでいたから自分の分を作るのすっかり忘れてた!」
アスカ
「くすっ、じゃあさっきのヌキはやっぱりお昼ごはん抜きって意味だったんですね」
燦
「たしかに!? って、間違ってスがヌになっちゃったことはもう忘れてよ!」
アスカ
「あは、ごめんなさい。そのお詫びではありませんが、燦ちゃんの分のオムライスは私が作ってあげますね。仕上げにケチャップで書く文字はヌキでいいですか?」
燦
「アスカちゃん! もーっ、好きにすれば!」
アスカ
「あは。はい、じゃあ好きにします」