あるてまれアスカちゃん劇場´ 作:立花アスカの偽猫
◆『おじゃま、無視、聞いてたの』◆
アスカの部屋にお邪魔していた黒猫であったが、どうしても終わらせないといけない作業があるとのことで、その間ベッドで横になりながらマンガを読んで大人しく待つことにした。
そうして作業する音とマンガのページをめくる音が静かに響く中、机に向かってパソコンで作業していたアスカがふいに呟く。
アスカ
「好きって言って」
燦
「え?」
アスカ
「好きって言って」
燦
「えっあっ、ちょっちょっと待って!? 急にそんなこと言われても……」
アスカ
「君の……が、好きなんです」
燦
「にゃっ?! あっ、ぅっ……わっ私も。その……アスカちゃんのことが……す、すっ」
アスカ
「ん? あ、燦ちゃん。いま私のこと呼びましたか?」
燦
「……え? えっと、呼んだもなにも、アスカちゃんが先に話かけてきたから……」
アスカ
「私が? あっすみません! 音楽を聴いていたので、それで曲のワンフレーズをつい口ずさんでしまってたみたいです。……あーもぉ、恥ずかしいな。作業に集中してたから、一人でいるときみたいに気が緩んじゃうなんて」
燦
「そ、そうだったんだ。……ん? え、じゃあさっきの言葉は……」
アスカ
「さっきの言葉?」
燦
「ななななんでもないよ! アスカちゃんは気にしなくていいから!」
アスカ
「そう言われると逆に気になっちゃうな。さっきの言葉……あっ、もしかして先ほど口ずさんでいた歌詞のこと? それに燦ちゃんが返答してたってことは、え、それってつまり……」
燦
「あっあっ、違う! 言ってない、まだ言ってないから!」
アスカ
「まだ? まだ、ってことはいつか言ってくれるってこと?」
燦
「あぅ……そ、それは」
アスカ
「あは。じゃあ……」
そのときを待ってるね、と黒猫の耳元でアスカは小悪魔な笑みを浮かべながら囁いた。
耳まで真っ赤に染めた黒猫は、近くにあった枕を抱き寄せ顔の半分を隠しつつ、アスカちゃんはいじわるだと潤んだ瞳を上目遣いにして抗議の視線を向ける。
だが、抱き寄せているその枕のカバーに、アスカに見えるようにはっきりとYesの文字が刻まれていたことに黒猫が気づくことはなかった。
因みに、その枕カバーは黒猫が昔プレゼントしたもので、アスカちゃんがYesするところが見たいという邪まな理由から選んだものなのは余談である。
◆『サムネ作り』◆
燦
「はい、てなわけで作らないといけないサムネがいっぱい溜まっているので、今日は雑談しながら作業配信をしていこうと思います」
『りょ』
『サムネ作りがんばって』
『なんのサムネ作るの?』
燦
「雑談用のも作っておきたいし、アス猫コラボのサムネもいくつか必要かな。それと今度やるゲームのサムネも今のうちに作っちゃう予定。あ、あと来週参加する【あるてまウソ・ホントダウト最弱王決定戦】のサムネもまだだっけ」
『アス猫コラボ助かる』
『前やりたいって話してた新作ゲームか』
『企画に黒猫も参加するんだっけ』
『あれ楽しみ』
『ちゃんとルールを覚えておくんだぞ』
燦
「あれ、もうルールって公開されてるんだっけ?」
『出てるよ』
『てか、なんで参加者なのに知らないの?』
『ウソとホントのことを書いたカードをそれぞれ8枚ずつ用意して、ゲーム開始時にそこから3枚引いたものが最初の手札になる。プレイヤーは自分のターンにカードの内容がウソかホントかと宣言しながら1枚を場に出すことができて、相手がダウトを宣言して成功したら相手の手札が1枚減って自分の手札が1枚増える。ダウトが失敗したら相手の手札が1枚増える。ダウトされずスルーされたら次の人のターンになる。それらを繰り返していき手札を0にした人が勝ち』
『長いよ。三行で頼む』
『黒猫とそのリスナーが一行以上読めるわけないだろ! やり直し!』
燦
「ねぇ、バカにしてる? 私のことバカにしてるよね???」
『してる』
『だって黒猫だし』
『てか、さり気なく俺らも刺されてなかったか?』
『まぁあながち間違いでもないけどさ』
『で、ルールは分かったの?』
燦
「な、なんとなく??? と、とにかくカードに書くウソとホントのことを8つずつ用意しておけばいいんでしょ」
『まぁ当日にもルール説明があるだろうし今はそれでええか』
『分かり易いのはだめだぞ』
『好き嫌いだとすぐバレそう』
『マニアックな内容がいいかも』
『今日のパ○ツの色を書こう』
『えっっっ!?』
燦
「いや、書くか! お前らバカなの? バカだよね?」
『えー』
『やだやだやだ。書いて!』
『スパチャするから!』
燦
「スパチャするって、お前らどんだけ必死なのさ……。はぁ、しょうがないにゃー」
『ありがとナス!』
『今日のパンツの色は黒、って、サムネで黒猫が持ってるカードに書いてどうする!』
『たしかにカードには書いたけど!』
『詐欺だ!』
『スパチャ返せ!』
『で、ホントに黒なの?』
燦
「そうだよー」
『ダウト!』
『証拠見せて』
『これはウソかホントかを確かめるためであって、決していやらしい気持ちでパ○ティ見たいという訳ではなくてだな……』
燦
「証拠を見せろって? えっと、じゃあこれでいい?」
『えっっっ!?』
『絵じゃん』
『サムネに使ってたファンアートの全身ってそうなってたんだ』
『ぶかぶかのシャツを着て黒いおぱ○つ丸出しとかそんなの……ふぅ』
『くそ、黒猫のくせにえ○い格好しやがって……。悔しい、でもガン見しちゃう!』
『ダウト! みんな騙されるな! 黒猫はこんなにお○ぱい大きくないしこれはウソに違いない!』
燦
「ホントだが? こちとら上から97、56、89やぞ?」
『あっうん。そうだね』
『ダウト!』
『前言ってたスリーサイズより大きくなってるじゃん』
『盛るな!』
『せ、成長期だから……』
『好きな人に揉まれて大きくなったんだろ、知らんけど』
『アスカちゃん、嘘だよね……』
『ほなノーダウトかぁ』
『てか、パッドはスリーサイズに含めないって言ったよね?』
『パッド入れるなバッド(低評価)入れるぞ』
『今日はサムネじゃなくて詐胸を作る作業配信だったか』
『だれが上手いこと言えとwww』
◆『ワ○ルドでしょ』◆
燦
「はい。そんな訳で今日発売のスウィッチ2のゲーム、【マ○カワールド】で参加型します。さっそく部屋作ったからみんなあつまれ~」
『マ○カの時間だぁぁぁあああ!』
『参加型だと!?』
『のりこめー』
『俺は8で行く』
『あっ察し』
燦
「うーん、ぜんぜん参加者集まらないね。みんなマ○ク回線だったりする?」
『そりゃ今日発売したばっかだし』
『みんな一人で遊んでるんじゃね? 知らんけど』
『てか、マッ○のWi-Fiでマ○カやるやつなんておらんよな!』
『……ごめん。今マ○クで8やってる』
『おるやんけ!? それも8!?』
『8でやる?』
燦
「8? いや、やるならワールドでしょ。あ、もしかしてみんなスウィッチ2をお持ちでない? えっえっ、嘘だよね!? 最新作のワールドが発売されたのに、まだスウィッチで8やってる人なんて、いやまさかそんな可哀想な人うちのリスナーの中にいないよね?」
『は? キレちまったよ』
『落選しましたがなにか!!!』
『低評価押しました』
『あ、あえて8やってるだけだし! 俺は8が好きなんだよ!』
『も、持ってるけど参加できないだけだもん!』
『エラーでしょうか? お部屋を変えてみたらどうでしょう?』立花アスカ✓
燦
「あ、たしかに。エラーの可能性が高そうだからいったん部屋作り直すね。あ、そのついでにキャラクターも変えようかな。せっかくだからみんなでウシオンリーのウシのカートやろうよ」
『もしかして8民を煽ってる?』
『こ、こいつ……』
『8にもウシいるもん!』
『別にウシが使えるからって羨ましくなんてないんだからね!』
『ほら、そんなこと言ってるからまた参加者0じゃん』
『ぼっちカート始まってて草』
燦
「は? えっえっ、ちょ、ちょ待って。なんで参加者私だけなの!? これ一人モードじゃなくて参加型だから! ほら、みんなも遠慮せずに参加していいんだよ!? 一緒にワールドやろうよ!?」
『ワールド持ってません』
『ごめん、うちのスウィッチは1なんだ』
『抽選敗北者だから無理』
『(NPC)参加型なんでしょ』
『良かったね、世界のNPCと遊べて』
『実は一緒に遊んでくれる俺らは別売りなんだ』
燦
「うぐぐぅ。い、いいもん。私にはアスカちゃんがいるし。ね、アスカちゃん。たしかスウィッチ2当選してたよね? 今から一緒にワールドやろう!」
『すみません。当選はしたのですが発送の際に問題が発生したとのことで……』立花アスカ✓
『あっ』
『俺も当選したけどまだ届いてないんだよな』
『は? 自慢か???』
『まぁまぁ』
『やーい、お前のワールド一人用!』
燦
「……い、今からみんなで8やらない? 8楽しいよね! え、ワールドはいいのかって? なんのことか分からないにゃー」
『手の平クルクルで草』
『一人でワールドしてもろて』
『まず8民に謝罪しようか』
『今更謝ってももう遅いけどね』
『ワールドでNPCと仲良くなー』
『あっこら、8を始めるな!』
『参加型で人が集まらないから別のゲームを始めてやったぜ。ワイルドだろぉ~』
『いや、やるならワールドでしよ。参加型するならワールドの方が盛り上がるって』
『サムネまで変えてて草』
『てか、ワールドでリスナーが参加できなかったのは設定ミスなんだけど、気づいてないみたいだし面白いからこのまま黙っておこうっと』
◆『おしまちがい』◆
燦
「はい、そんな訳で本日は指示厨リスナーの力を借りて、コメントを見ながらソロで爆弾を解除するゲームをしていきます」
『指示厨を頼って大丈夫か?』
『いつもは敵なライバルが新たな強敵を前に一時休戦して主人公と一緒に戦うやつみたい』
『味方になると弱いパターンかもしれん』
『元から指示厨は役に立ってないぞ』
『てか、指示厨に混ざってワ○ップ出てきそう』
燦
「そうだね。でも、そこは配信者の腕の見せ所で、いかにワザ○プコメントを避けて指示厨コメントを拾うかもこの企画の面白いところだと思うので、今日だけはワ○ップも指示厨も解禁とします!」
『おぉーっ!?』
『つまりワ○ップVS指示厨ってことか』
『面白そう』
『じゃあ俺はワ○ップでいく!』
『いや、見せるほど腕ないだろ。ほんとに大丈夫か?』
『アスカちゃん凸待ちしてるよ。凸してあげなー』
燦
「そうそう、そんな感じ。って、あっちょっと! 指示厨とワザ○プは許可したけど鳩行為は許可してないから!? ちゃんと見えてるからな!」
『草』
『鳩やめなー』
『鳩は許されなかったか』
『鳩を禁止にしたらクリアできるよ』
『さっそく指示厨出てるな』
燦
「それじゃあ始めるよ。指示コメントお願いね」
『任せろー!』
『まず服を脱ぎます』
『電池は何本入ってる?』
『ワイヤーのやつからやろう』
『どこ住み? ラ○ンやってる?』
燦
「はい、お前ワ○ップね。電池? 電池は1本だよ。えと、ワイヤーのやつからやった方がいいの? じゃあそうしようか。どこ住み? えっと、住んでるのは、ってこれゲーム関係ないよね!? てか、さり気なくナンパしようとするな!」
『コメント欄がカオスだ』
『速すぎて読めない』
『遅延もあるし制限時間内にクリアするの難しそうだな』
『指示厨がんばれー』
『尻見せて』
燦
「尻見せて? って、尻!? いや、見せるかおバカ! てか、私が欲しいのは尻厨コメじゃなくて指示厨コメだから!?」
『尻厨コメwww』
『尻厨も来てくれてます』
『シリアルナンバーのことじゃね?』
『速さ重視でコメントしたんだろうな』
『伝わってないから意味ないけどね』
『ワイヤー切ろう。黒猫が今穿いてるパ○ツの色のやつ』
燦
「はいはい、ワ○ップワザ○プ。そんな見え透いた嘘に引っ掛かる訳ないでしょ。ざんねんでしたー」
『それワザ○プじゃないよ』
『時間無いから早く!』
『信じて』
燦
「えっえっ、ほんとに? ウソじゃない??? え、コメント多っ!? ちょっほんとにほんと!? お前らのこと信じるからな」
『セーフ!』
『黒かぁ……』
『エッッッ!?』
『俺、ワ○ップだと思ってたわ』
『てか、なんで黒って知ってたんだ?』
『黒猫のガチ恋リスナーこわっ』
燦
「じゃあ次は? 次どれをやればいい? ……ふんふん、分かった。この記号みたいなやつね。どれを押せばいいの?」
『記号の描かれた4つのキーパッドを順番に押すんだよ』
『アルファベットみたいなやつ』
『黒猫の胸みたいな記号を押して』
燦
「えっ、どれ? 私の胸みたいなやつ? いや、それは流石にワ○ップでしょ。あっでもさっきは合ってたし……ええい、なんとかなれーっ! って、やっぱり○ザップじゃねーか!?」
『不正解で草』
『違う、黒猫が押し間違っただけ』
『なんでアルファベットのAみたいなやつ押さないの?』
『見え張るな』
『たしかに正面から見たら巨乳みたいだしアルファベットのWみたいにも見えるけど! お前はそうじゃないだろ!!!』
『お前がワ○ップしてどうすんだよ』
『指示が合ってても黒猫が間違ったら一生クリアできないよ』
『ワ○ップ黒猫VS指示厨リスナーだったのか』
『それってなんか二つ名みたいだね』
『ワ○ップ黒猫は不名誉な二つ名過ぎるwww』
◆『はだ○が見たい』◆
燦
『見てみたい新衣装?』
アスカ
「はい。実は新衣装について悩んでまして、燦ちゃんならどんな新衣装を見てみたいですか?」
燦
『うーん、そうだなぁ。参考になるか分からないけど、もうすぐ夏になるんだし新しい水着とかはどうかな?』
アスカ
「新しい水着ですか?」
燦
『うん。アスカちゃんならかわいいのでもセクシーなのでも似合うと思うし』
アスカ
「あは、ありがとうございます。ですが、水着衣装はすでに一着ありますし、せっかくの新衣装が水着だとリスナーのみなさんががっかりしちゃわないかな?」
燦
『いやいや、とんでもない!? VTuberの水着衣装はいくらあってもいいんだから! それにもし衣装かぶりが気になるなら、衣装差分を用意するとかして差別化を図ればいいんじゃないかな?』
アスカ
「なるほど、それは良い考えですね! 水着の衣装差分なら、Tシャツや上着を着たりパレオを巻いたりとかいろいろできそうです。せっかくなので、燦ちゃんも何かアイディアはありませんか?」
燦
『そう……ね! あ、……なら水……に……なんて……かな?』
アスカ
「え? 燦ちゃん、すみません。電波が悪いのかよく聞こえなくて……」
燦
『そ……なの? ……あ、もう……言うね。水……に、はだ……かどうかな?』
アスカ
「(水……に、はだ……か? はだ、か……裸!?)さ、燦ちゃん!? 流石にそれは……」
燦
『だめ? 大事なところを隠せばBANされないし、普段は見れないセクシーなアスカちゃんの姿、私もリスナーのみんなも喜ぶと思うな?』
アスカ
「はぁぅ。で、でもそんな水着差分に裸だなんて……。恥ずかしいよぉ」
燦
『……はぇ? え、どういうこと???』
アスカ
「……え? だって、先ほど燦ちゃんが水着差分に裸が見たいって」
燦
『いいい言ってない!? そんなこと言ってないよ! 水玉コラに裸足とかどうかな、とは提案したけど、裸は流石に言ってないから!?』
アスカ
「ひゃぁ! すすすすみません!? よく聞き取れなくて、燦ちゃんのことだから、てっきりそう言ったのかと早とちりしてしまったようで……」
燦
『アスカちゃん!? 私のことなんだと思ってるのさ!?』
アスカ
「えっと、それはその……すみません」
燦
『謝られた!? 違うから、私は裸を見たいとかセクハラするような猫じゃないからね!?』
アスカ
「……でも先ほど水玉コラが見たいって」
燦
『………………で、電波が悪くてよく聞こえないにゃぁ』
アスカ
「じーっ」
燦
『うっ……すみません、セクハラしてました! とても反省してます!』
アスカ
「あは、なんてね。別に気にしてませんよ。一意見として参考になりましたし。それに……私はそんな燦ちゃんのことも……」
燦
『え? よく聞こえなかったんだけど、最後なんて言ったの?』
アスカ
「あは、内緒です。新衣装、楽しみにしててくださいね」