あるてまれアスカちゃん劇場´   作:立花アスカの偽猫

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あるてまれアスカちゃん劇場まとめ(41~45)

◆『キミは私の理想の女の子』◆

 

アスカ

「あの、どうですか?」

 

 

「うんっうんっ! すごくいいよっ!!!」

 

 

アスカ

「燦ちゃんがどうしてもコスプレして欲しいって言うから、てっきりアニメキャラクターの衣装を着るのかと思ってましたが。本当にカツラだけでよかったのですか?」

 

 

「分かってないなぁ、アスカちゃんは。水色の髪で片目が隠れていればそれだけで十分なんだよ」

 

 

アスカ

「私にはよく分かりませんが、燦ちゃんはこういう子が好きなの?」

 

 

「えと、……まぁ、その、ね」

 

 

アスカ

「ふ~ん、そうなんだ」

 

 

「あ、そのジト目もいいな……」

 

 

アスカ

「……決めました。燦ちゃんの理想の女の子になるためにも、私は今日から髪を水色に染めて片目を隠すことにします!」

 

 

「えぇ!? ちょっと待って! これは私の好みであって、アスカちゃんはアスカちゃんのままでいいから!」

 

 

アスカ

「むぅ、……いやっ」

 

 

「いやって、アスカちゃん。なんでそんなに私の好みにこだわるのさ?」

 

 

アスカ

「……だって、燦ちゃんが私以外の女の子を見るのがいやなんだもん。でも、私が燦ちゃんの理想の女の子になれば、他の女の子に目移りすることもなくなるよね?」

 

 

「……はぁ。アスカちゃんは一つ勘違いしてるよ」

 

 

アスカ

「勘違い?」

 

 

「うん。そのコスプレは確かに好みの女の子像だけど、私が唯一自分よりも美少女だって認めた理想の女の子は、今、目の前にいるアスカちゃん、たった一人だけだよ」

 

 

アスカ

「ぁ、だって、……嘘」

 

 

「嘘なんかじゃないよ。それとも、証明してみせないと、納得できない?」

 

 

アスカ

「うぅん、そんなことない! あぁ、もう。……どうしよう、すごく嬉しい」

 

 

「髪上げて、もっと顔をよく見せて。……うん、やっぱりそのままのアスカちゃんの方が、何千倍も可愛いし、えと、そのっ、私はちゅきだよ! あぅ、噛んじゃった」

 

 

アスカ

「えへへっ。私も、優しくてカッコよくて、でも最後は締まらない、そんな燦ちゃんが……」

 

 

「んむっ!?」

 

 

アスカ

「……あは、大好きです!」

 

 

 

 

 

◆『一緒に温まりたい』◆

 

アスカ

「ふぅ、急に雨が降ってくるなんて災難だったね」

 

 

「だよね。天気予報だと降水確率10%だったのにさ」

 

 

アスカ

「流石にゲリラ豪雨は予測が難しいのかもしれないね。……はい、タオルありがとうございました」

 

 

「どういたしまして。あ、濡れた服は脱がなくて大丈夫?」

 

 

アスカ

「そのっ、脱いだ方がいいですか?」

 

 

「私ので良ければ替えの服を用意するし、何なら乾燥機使ってもいいよ。だから、くちゅん! ……うぅ、すっかり身体冷えちゃったね」

 

 

アスカ

「大丈夫ですか? あ、そうだ! お風呂が沸くまで時間がありますし、そのっ、……身体を温めるいい方法があるのですが、えっと、試してみませんか?」

 

 

「うん、風邪ひくと大変だし。いいと思うよ」

 

 

アスカ

「それでは、しっ、失礼しましゅ」

 

 

「ふにゃぁっ!? え、ちょっと。なんで私を脱がそうとしてるのさ!?」

 

 

アスカ

「身体と身体をくっつけて暖を取る、よくあるアレなんです! これが一番温まるってテレビでやってたから! ですから、決してやましい気持ちがある訳では、あっ、ありませんからね!」

 

 

「うぅ~、でも、……これはちょっと恥ずいかも」

 

 

アスカ

「そ、そうだよね。……けど、燦ちゃんの背中、あたたかくて、ずっとこうしていたいな」

 

 

「……うん、私も。背中が気持ち良くて、ずっとこのままでいいかも」

 

 

アスカ

「……燦ちゃんのえっち」

 

 

「えぇ~、アスカちゃんが先にやろうって言ったんじゃん。ぶぅーぶぅー」

 

 

アスカ

「あは、冗談ですよ。……お風呂、このまま沸かないといいな」

 

 

「……うん。そだね」

 

 

 

 

 

『お風呂が沸きました』

 

 

 

 

 

「……沸いちゃったね」

 

 

アスカ

「はい、……そうですね」

 

 

「えとさ。ちょっと狭いかもだけど、そのっ、よ、よかったら一緒に……」

 

 

アスカ

「うん!」

 

 

 

 

 

◆『彼女がシャツに着替えたら』◆

 

アスカ

「お風呂ありがとうございました。すごく気持ち良かったですね」

 

 

「うん、……すごかった」

 

 

アスカ

「ところで燦ちゃん。貸してくれた服だけど、丈が長いとはいえシャツ一枚だけというのは、その、ちょっと恥ずかしいのですが……」

 

 

「大丈夫、似合ってるよアスカちゃん」

 

 

アスカ

「うぅ~、そうじゃなくて」

 

 

「この間、私のシャツを着てみたいって言ってたから、この機会に着てもらおうと思ったんだけど。もしかして嫌だった?」

 

 

アスカ

「いや、ではないけど。その件はごにょごにょ(夏波さんに対抗したくて)、つい、口にしてしまっただけで……」

 

 

「ん? よく分からないけど、嫌じゃないならいいよね」

 

 

アスカ

「はぁ。……そうですね、着替えありがとうございました」

 

 

「……ねぇ、アスカちゃん」

 

 

アスカ

「なぁに、燦ちゃん?」

 

 

「少しだけ、ほんのちょっとでいいからさ、……捲っていい?」

 

 

アスカ

「それは、えと、……うぅー」

 

 

「一瞬だけっ! ぺろん、ちらっで満足するから!」

 

 

アスカ

「……着替えの際もずっと見ていたのに、まだ見足りないの?」

 

 

「見足りない! あと、自分の手で捲って見ることに意味があるんだよ!」

 

 

アスカ

「燦ちゃん、やっぱりこういうことはよくないと思うな」

 

 

「うっ、……そう、だよね」

 

 

アスカ

「でも、……今日だけは、特別だよ」

 

 

「……いいの?」

 

 

アスカ

「燦ちゃんに、見て欲しいな。……あぅ、恥ずかしい」

 

 

「ごくり。じゃ、じゃあ捲るよ」

 

 

アスカ

「はい、どうぞ。アスカのこと、……見てください」

 

 

「う、うん。3、2、1、ぜ『ゴロゴロ!』ぴぃ!?

 

 

アスカ

「きゃ!? ……雷で停電になったみたいだね。そっちは大丈夫ですか? ……燦ちゃん?」

 

 

「あああああ、アスカちゃん! そこにいるよね、ね!」

 

 

アスカ

「はい、ちゃんとここにいますよ。……そうだ。私、実は雷が苦手でして、手、繋いでもらってもいいですか?」

 

 

「うん、すごくいいと思う! アスカちゃんが怖くないようにするためだもんね」

 

 

アスカ

「あは、そんなに強く腕に抱き着かなくても大丈夫だよ。もー、燦ちゃん可愛いなぁ」

 

 

「うぅー、まだゴロゴロ鳴ってるし。ア”ス”カ”ち”ゃ”ん”

 

 

アスカ

「よしよし、もう大丈夫ですよ。ほら、こうして私の胸の鼓動を聴いていれば、少しは怖くなくなるでしょ?」

 

 

「……うん」

 

 

アスカ

「それはよかった。雷が鳴り止むまで、暫くこうしていよっか?」

 

 

「……ありがと」

 

 

アスカ

「はい、どう致しまして。……んっ、もぅー、燦ちゃん。この停電が終わったら、燦ちゃんが元気になれるように、魔法かけてあげるから。だから、んっ、あとちょっとだけ、辛抱してね」

 

 

「えへへ、……善処します」

 

 

 

 

 

◆『黒猫さんなんかにたぶん負けないよわよわ現役コミュ障JK』◆

 

アスカ

「燦ちゃん遅いなぁ」

 

 

黒猫

「みゃーん」

 

 

アスカ

「もしかして、あなたも燦ちゃんですか? ふふっ、そうですか。時間ギリギリですけど、今日は遅刻しなくてえらいね」

 

 

黒猫

「にゃおーん?」

 

 

アスカ

「あは、くすぐったいよ。もー、甘えん坊さんですね。よしよし」

 

 

黒猫

「みぃーみぃー」

 

 

アスカ

「はいはい、ここがいいんですか? ごろごろ~」

 

 

「お、遅れてごめん。はぁはぁ、待ったよね」

 

 

アスカ

「え、燦ちゃんが二人?」

 

 

「いやいや、そっちはただの黒猫だから! 本物はこっち! 遅刻したのは謝るけど、この扱いは酷いよ」

 

 

アスカ

「あは、ごめんなさい。冗談です。それではショッピングに行きましょうか」

 

 

「うん」

 

 

黒猫

「みゃーお」

 

 

アスカ

「あ、こぉ~ら。そんなにすり寄ったら歩けないでしょ?」

 

 

黒猫

「にゃふ」

 

 

「その黒猫、可愛いね。ほら、おいで」

 

 

黒猫

「ふしゃーっ!」

 

 

ぴぃ!? なんでさ!」

 

 

アスカ

「あはは……。黒猫さん、燦ちゃんとも仲良くしないとだめですよ。きゃっ!? もー、どこに入って、あは、くすぐったいってば」

 

 

「……むぅ。羨ましい、じゃなくて怪しからん猫だなもう。ほら、私のアスカちゃんから離れた、離れた!」

 

 

黒猫

「にゃーん……」

 

 

アスカ

「あ、ありがとうございます。……あの、燦ちゃん。先ほどの言葉のことですけど」

 

 

「あっ、モウコンナジカンダー。ささっ、早く行こうアスカちゃん!」

 

 

アスカ

「……もぅ。そうですね、行きましょうか」

 

 

 

 

 

◆『推しを押してみた』◆

 

「アスカちゃん、手押し相撲しよう」

 

 

アスカ

「いいですよ」

 

 

「今の立ち位置から動いたら負けだからね」

 

 

アスカ

「私、結構強いんですよ。望むところです」

 

 

「それじゃあいくよ。よーい、スタート!」

 

 

アスカ

「はいっ、あっ、もう少し」

 

 

「ほいっ、このっ、わわっ!?」

 

 

アスカ

「今です!」

 

 

「あっ、ちょっ、待っ、……うわっと!?」

 

 

アスカ

「きゃっ」

 

 

「いた、くない? あれ、この手の平に伝わる柔らかさは……」

 

 

アスカ

「もー、燦ちゃん。相手の身体に触れるのはルール違反だよ」

 

 

「ご、ごめん」

 

 

アスカ

「……あの、そろそろ手を離して欲しいのですが」

 

 

「あのさ、特別ルールで胸を押してもいいことにしない?」

 

 

アスカ

「だめです」

 

 

「じゃあ、先っちょ、指先ならいいよね! 指一本でつんつんするのはありってことで!」

 

 

アスカ

「……つんつんするだけなんだよね?」

 

 

「うん、もちろんだよ!」

 

 

アスカ

「分かりました。それでは、よーいスタート!」

 

 

「おりゃ! って、ひゃん、ちょっと待って! そこはっ、ひゃっ、だめだって!?」

 

 

アスカ

「えっちな燦ちゃんにお仕置きです。ほらほら、ここがくすぐったいんですか?」

 

 

「ひぃ、横腹らめなの。待って、謝るからっ。ほら、動いてる、終わり、終わってるから、あっあっ!?

 

 

 


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