あるてまれアスカちゃん劇場´   作:立花アスカの偽猫

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あるてまれアスカちゃん劇場まとめ(56~60)

◆『氷も解けるアツさ』◆

 

アスカ

「今日は暑いので、かき氷を作ってみました」

 

 

「おぉっ! やったぁ!」

 

 

アスカ

「あは、喜んでもらえて嬉しいです。シロップは何味をかけますか?」

 

 

「イチゴ、いや、レモンかな。でもメロンも捨てがたいし。う~ん、やっぱりブルーハワイもいいな」

 

 

アスカ

「それなら私にいい考えがあります」

 

 

「え、なになに?」

 

 

アスカ

「二人で別の味を選んで、分け合いっこしましょう。それなら二種類の味を楽しめるよね?」

 

 

「あ、それいいね! じゃあ私はイチゴにするから、アスカちゃんはそれ以外の好きな味を選んで」

 

 

アスカ

「分かりました。それなら私はレモン味にしよっかな?」

 

 

「そうと決まれば、シロップをかけてっと。いただきます! うーん、おいしい!」

 

 

アスカ

「レモン味もおいしいですよ。はい、あーん」

 

 

「あ、アスカちゃん!?」

 

 

アスカ

「食べないんですか? 早くしないと、解けちゃうよ?」

 

 

「うぅー。あ、あーん」

 

 

アスカ

「あーん。……おいしい?」

 

 

「……うん、おいしい。キスの味がした」

 

 

アスカ

「れ、レモンの味だよ。もぅ」

 

 

「じゃあさ、たっ、確かめてみる?」

 

 

アスカ

「えぇ!? それは、……その、かき氷、解けちゃうから……」

 

 

「う、うん。……そうだよね」

 

 

アスカ

「だから、その、ね。……食べ終わったら、えっと、検証。そう、検証しましょう!」

 

 

「ぁ、うん! 検証って大事だもんね!」

 

 

 

 

 

◆『ペアですね』◆

 

「わぁっ! 今日のアスカちゃんはポニーテールだ!」

 

 

アスカ

「もぅ、そんなに驚くことかな? 夏なので、少しでも涼しくなるかなって。思い切ってポニーテールにしてみました。どうですか、似合ってますか?」

 

 

「うん、バッチリだよ!」

 

 

アスカ

「あは、ありがとうございます。そうだ。燦ちゃんも気分転換に髪型を変えてみませんか? きっと似合いますよ」

 

 

「うーん、でも髪短いからなぁ。変えるにしても髪型が限られちゃうよね」

 

 

アスカ

「それならいいアイディアがあります。ちょっと後ろを向いて座ってくれますか?」

 

 

「うん、じゃあお願い」

 

 

アスカ

「……できました。こんな感じでどうかな?」

 

 

「あっ、ミニポニーテールだ! かわいい!」

 

 

アスカ

「良かった。……あは、お揃いだね」

 

 

「えへへ、そうだね。お揃いの髪型だからかな、なんだか姉妹みたいかも」

 

 

アスカ

「ふふっ、そうですね。それなら私が姉で、燦ちゃんが妹かな」

 

 

「えぇー、私が姉で、アスカちゃんが妹だよ」

 

 

アスカ

「むぅ……。それなら間を取って恋人、……なんて。どう、かな?」

 

 

「う、うん。……あぅ、じゃあそれで」

 

 

アスカ

「えへへ、決まりですね!」

 

 

 

 

 

◆『ハグの日、厄日で、世話を焼く』◆

 

アスカ

「燦ちゃん、ぎゅぅ~っ」

 

 

わわっ!? 抱き着かれて嬉しいけど、急にどうしたのアスカちゃん?」

 

 

アスカ

「えへへっ。今日、8月9日はハグの日らしいので、感謝の気持ちを込めてぎゅってしてみました」

 

 

「へぇー、そうなんだ。じゃあ私も。アスカちゃん、ぎゅぅ~っ」

 

 

アスカ

きゃっ。……もぅ、どこに顔を埋めているんですか」

 

 

「ん~っ、アスカちゃんの抱き心地最高」

 

 

アスカ

「……はぁ、燦ちゃん」

 

 

「も、もちろん感謝もしてるよ! 今のは冗談で、ほらっ、感謝のはぎゅっ!?

 

 

アスカ

「え、燦ちゃん!? 大丈夫ですか!?」

 

 

「いたい。舌噛んだ」

 

 

アスカ

「ほら、口の中を見せて。……よかった、血は出てないみたい。でも、変なことばかり言うから、きっと罰が当たったんですよ」

 

 

「うぅー。これじゃあ、ハグの日じゃなくて厄の日だよ」

 

 

アスカ

「あ、上手い。座布団一枚ですね」

 

 

「もー、アスカちゃん!」

 

 

アスカ

「あはは、ごめんなさい」

 

 

「……じゃあ、もう一回ぎゅってしてくれたら、許してあげる」

 

 

アスカ

「ふふっ、今日は一段と甘えん坊さんですね。はい、これでどうですか?」

 

 

「……うん、いたくないなったかも」

 

 

アスカ

「あは、それはよかったです」

 

 

 

 

 

◆『女子力がなくてもあなたが好き』◆

 

 

 

捨猫燦にゃー

 優しい誰かに拾って欲しいにゃー

 

ましゅまろ

❒″

 

 

 

 

アスカ

「はいはい! 私が飼い主になります!」

 

 

「いや、捨て猫じゃないが! てか、アスカちゃんも悪ノリして立候補しないでよ!」

 

 

アスカ

「え、本気ですよ」

 

 

「え?」

 

 

アスカ

「え?」

 

 

『え?(きょとん)』

『この子、マジやぞ』

『黒猫燦ハーレム狙ってそう』

『ど、動物愛護のためだから……』

『そのうち黒猫に首輪とかプレゼントしそう』

 

 

アスカ

「あは、なんてね。今のは冗談ですから、もちろん首輪をプレゼントなんてしませんよ。……あ、でも燦ちゃんならチョーカーとか似合いそうかも。みなさんはどう思いますか?」

 

 

『チョーカーって、えぇ~』

『ほぼ首輪やんwww』

『黒猫、早く逃げて!』

『今日からお前は飼猫燦だ!』

『所有物アピールですか?』

 

 

アスカ

「あれ、似合わないかな? それなら燦ちゃんはどう思いますか?」

 

 

「えと、チョーカーはちょっと……」

 

 

アスカ

「そうですか? 似合いそうなのに、……残念です」

 

 

『ほ、ほら。猫って首輪とか嫌がるものだからさ!』

『そうそう』

『猫だから仕方ないよ』

『これだから猫は』

『猫派辞めて犬派になります』

『黒犬燦に改名するまでファン辞めます』

 

 

「は? いや、なんで私が悪いみたいな流れになってるのさ! お前ら、ちょっと自分の身になって考えてみろよ! 好きな人にプレゼントで首輪渡されたらどう思うよ!」

 

 

『……うん』

『ないな』

『首輪のことチョーカーっていうのやめなよー』

 

 

「だよね」

 

 

アスカ

「チョーカー、可愛いのに。……だめなんですね」

 

 

「うぅ、悪いことしてないのに罪悪感ががが……」

 

 

『女子力皆無な黒猫にチョーカーは早すぎたんだ』

『アスカちゃん以外は野郎しかいないし』

『黒猫燦♂』

『まぁどことは言わないけど男みたいなものだし。よしっ!』

『黒猫燦が男の娘って本当ですか?』

『男の娘の燦ちゃんすし』

 

 

「は??? 喧嘩なら買うぞ!」

 

アスカ

「まぁまぁ。私は性別を問わず、ありのままの燦ちゃんが好きですよ」

 

 

「アスカちゃん……。うん、私もアスカちゃん好き!」

 

 

『てぇてぇ』

『これが真実の愛ってやつなのかな』

『禁断の恋から普通の恋になるだけなんだよなぁ』

『しーっ』

『でもさ、女好きな黒猫はアスカちゃんが男だったら好きになってないよね』

『まぁ、うん』

『それは言わないお約束だから』

 

 

 

 

 

◆『熱中症?』◆

 

あ”つ”い”~

 

 

アスカ

「エアコンも扇風機も壊しちゃったんだっけ?」

 

 

「うっ。いや、うっかりぶつかって壊しちゃった扇風機はともかく、エアコンは普通に故障だから!」

 

 

アスカ

「あは、もちろん分かってますよ」

 

 

「あぁもぅ~、ちょっと叫んだだけですっごい汗出てきた」

 

 

アスカ

「熱中症は怖いですからね。水分補給と体温調整に気を付けないといけませんよ」

 

 

「て、言われてもさ~。うちわもこれしかないよ? うちわって扇いでいるときは涼しいけど、結局疲れるし汗かくし意味ないよね」

 

 

アスカ

「では、代わりに私が扇ぎますね。ぱたぱた~」

 

 

「あ、涼しい」

 

 

アスカ

「あは、それはよかったです」

 

 

「……でも、これだとアスカちゃんが熱中症で倒れちゃうよ。次は私が扇ぐよ」

 

 

アスカ

「だ、だめです! 燦ちゃんの身体はもう一人だけのものじゃないんですから、大切にしないとだめだよ!」

 

 

「えと、すごく誤解を招きそうな台詞だけど、Vtuberとしてって意味だよね。そうだよね」

 

 

アスカ

「??? はい、そうですよ」

 

 

「あ、ううん。それならいいけどさ。……って、話が逸れてるし! ほら、貸して」

 

 

アスカ

「むぅ~。あ、そうだ! 燦ちゃん、こっちに来てください」

 

 

「え、いいけど。どうするの?」

 

 

アスカ

「まず、私が座ります。次に、ふとももの上に燦ちゃんが座ります」

 

 

「うんうん、それで?」

 

 

アスカ

「最後に、その態勢のまま私と燦ちゃんが交代でうちわで扇ぎます。どうですか。これなら二人とも涼しくなれるので、一石二鳥の妙案ですよね」

 

 

「……密着したら、その分暑くなるよね」

 

 

アスカ

「わ、私冷え性なので……」

 

 

「それ、夏、関係ないよね」

 

 

アスカ

「あぅ。……だめ、かな?」

 

 

「……うちわ、足りないもんね」

 

 

アスカ

「はいっ、足りないので仕方ないですよね!」

 

 

「……アスカちゃん、すごく胸がドキドキしてる。熱中症?」

 

 

アスカ

「……んっ」

 

 

「んっ、……えへへっ」

 

 

アスカ

「もぅ。燦ちゃんのせいで、身体が火照って、余計にアツくなっちゃった」

 

 

「じゃあ止める?」

 

 

アスカ

「……分かってるくせに。このままでいいから、……熱中症」

 

 

 


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