あるてまれアスカちゃん劇場´   作:立花アスカの偽猫

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あるてまれアスカちゃん劇場まとめ(61~65)

◆『昨夜はお楽しみでしたね』◆

 

「今日は暑いし、やる気も出ないから配信しなくていいかな?」

 

 

アスカ

「えっと、私みたいな個人Vtuberならともかく、企業所属の燦ちゃんはマネージャーさんの許可がないとだめだと思いますよ」

 

 

「だよね~。あぁーあ、やる気出ない~」

 

 

アスカ

「う~ん、季節的に夏バテかな? それなら、今日のお昼はスタミナのつく料理にしよっか」

 

 

「え、いいの!? やったぁ!」

 

 

 

その夜

 

 

 

アスカ

「あれ、燦ちゃん? 夜遅くにどうしたんですか?」

 

 

「えと、そのっ、……寝れなくて」

 

 

アスカ

「大丈夫ですか? どこか調子でも悪いの?」

 

 

「あ、いや。そうじゃなくて、えっと……」

 

 

アスカ

「燦ちゃん?」

 

 

「元気過ぎて、寝れないみたい」

 

 

アスカ

「えっと、それは……、どうしたらいいのかな?」

 

 

「一人で起きてるのはちょっと寂しくて、眠たくなるまで一緒にいて欲しいな。……なんて、だめだよね?」

 

 

アスカ

「あは、そんなことでしたら構いませんよ。元を辿れば私が原因みたいなものですし、燦ちゃんが眠りにつくまで付き添うよ」

 

 

「アスカちゃん、……ありがと」

 

 

アスカ

「どう致しまして。さて、ゲームでもしながら、おしゃべりして時間を潰しましょう」

 

 

「うん!」

 

 

 

 

 

◆『女性リスナーって本当にいるの?』◆

 

「えぇ~、今日は事前に予告していた通りに、女性リスナーさんから送られてきたましゅまろだけで雑談をしまーす」

 

 

『女性リスナー、いるのか?』

『自作自演の香りがする』

『あるてまの同期と先輩に頼めてえらい!』

 

 

「頼んでないが! 私にだって、ちゃんとした女性リスナーのファンがいるってことを証明してやるからな!」

 

 

『がんばえー』

『せやな』

『ましゅまろ0のときは俺が女性になりきって送ってやるからな』

 

 

「余計なお世話だし! さて、それでは早速ましゅまろ食べていくぞ~」

 

 

『どきどき』

『わくわく』

『来てるといいね』

 

 

「あっ、ほらほら! ちゃんと来てるじゃん!」

 

 

 

 

 

黒猫燦ちゃんが大好きでいつも応援しています

 通りすがりのJKより

 

ましゅまろ

❒″

 

 

 

 

「どや! 分かる人には私の魅力が分かっちゃうんだよなぁ~」

 

 

『うぜぇ』

『うーん、偽物っぽい』

『きゃぴきゃぴしてないからJKではないな』

 

 

「は? あぁーあ、そんなこと言うなら、これも見せちゃおっかな~」

 

 

 

 

 

燦ちゃんマジちょー可愛くね

 ちょべりばだし

 燦しか勝たんわ

 

ましゅまろ

❒″

 

 

 

 

『ちょ、ちょべりば?』

『ギルティ!』

『草』

 

 

「え、嘘。ちょべりばって死語なの? じゃあ、えっと、これならどうだ!」

 

 

 

 

 

いつも応援しています

 今日の配信も頑張ってくださいね

 立花アスカより

 

ましゅまろ

❒″

 

 

 

 

『うん』

『間違いなく女性リスナーでファンだけど!』

『先輩や同期じゃないだけマシかな?』

 

 

「え、アスカちゃん!? 嬉しいけど! ほ、他には、他にましゅまろは来てないの!?」

 

 

『泣いていい?』

『私、女性リスナーだけど、面白いから傍観するね』

『草』

『まぁ、黒猫のファンならそうするよな』

『いじめてこそ光るのが黒猫だし』

 

 

「いや、送ってよ! 燦虐して楽しいのかよ!」

 

 

『楽しい』

『愉しいです』

『愉悦』

 

 

「うぅ~、ろくなリスナーがいないじゃん。アスカちゃ~ん」

 

 

『私はどんなことがあっても燦ちゃんの味方ですよ』立花アスカ✓

『まじ天使』

『てぇてぇ』

 

 

「ありがと、アスカちゃんのお陰でまだ頑張れそうだよ。……あ、ましゅまろ来た」

 

 

 

 

 

可愛くて頑張り屋なアスカちゃんが大好きです

 これからも変わらないアスカちゃんでいてください

 アスカスキーなJKより

 

ましゅまろ

❒″

 

 

 

 

『あはは……、ありがとうございます』立花アスカ✓

 

 

「って、私宛てじゃないじゃん!」

 

 

『これが現実だ』

『俺たちがいるからさ』

『ほら、ち〇ーるでも食べて落ち着けって』

 

 

「うぅ~。〇ゅーるはいらないけど、……ありがと」

 

 

 

 

 

◆『苦い失敗』◆

 

「カレーを作ろうと思うんだ」

 

 

アスカ

「急にどうしたんですか?」

 

 

「昨日の配信で、料理できない扱いされてたの覚えてる?」

 

 

アスカ

「そう言えば、そのようなやり取りがありましたね。ダークマターを作りそうとかなんとか」

 

 

「そう、それ! でさ、いい機会だから、料理ができるってことを証明したいんだよね」

 

 

アスカ

「いい考えだと思いますよ。上手くできたらつぶやいたーに載せましょうか」

 

 

「うん、そうするよ。よし、じゃあレッツクッキング!」

 

 

アスカ

「分からないところは教えるので、まずは一人で頑張ってみてください」

 

 

「うん。えっと、まずは材料を用意して、と。にんじん、玉ねぎ、じゃがいも、お肉……。うん。見事に何もないね」

 

 

アスカ

「えっ!? 事前に用意してなかったの!?」

 

 

「いやー、あはは。材料もないし、今日はカレーライスのカレー抜きでいいよね?」

 

 

アスカ

「よくないよ。もぅ、どうするんですか?」

 

 

「うーん、あっ! 確か、ここの棚に……あった! じゃじゃーん。こちらが事前に作っておいたものとなります!」

 

 

アスカ

「……レトルトカレーですよね」

 

 

「まぁ、そうとも言うね。……違うって、決して面倒になった訳じゃないからね! 素人が最初から張り切ってもろくなことにならないし、レトルトカレーにちょい足しするくらいがステップ1なんだよ! ……たぶん」

 

 

アスカ

「……はぁ。千里の道も一歩からと言うもんね」

 

 

「だよね! そうと決まれば、レトルトカレーを温めて、っと。……よし。あとは隠し味だけど、何がいいかな?」

 

 

アスカ

「そうですね。よく聞くのは、牛乳や生クリーム、リンゴのすりおろしやはちみつですけど、そのレトルトカレーは甘口で元々入っているようなので、インスタントコーヒーでコクを足すのはどうでしょうか?」

 

 

「おっけー。コーヒーは、あった。スプーン、スプーン……は見つからないし、洗い物が増えると面倒だから、ビンから直接入れようっと」

 

 

アスカ

「あ、燦ちゃん、それはちょっと待って……」

 

 

「……あ」

 

 

アスカ

「……あぁー。いっぱい、入ってしまいましたね」

 

 

「あ、ア”ス”カ”ち”ゃ”~ん”」

 

 

アスカ

「よしよし。取り敢えず、混ざっていない、山盛りになっているところから減らしてみよっか」

 

 

「……うん」

 

 

アスカ

「とはいえ、隠し味が隠し切れていないといいますか、流石にこの量だと苦くて食べられないでしょうし。レトルトカレーを追加して希薄するのがベターかな?」

 

 

「試してみる。……できたけど。うっ、に”か”い”」

 

 

アスカ

「んぅ、そうですね。う~ん、牛乳を足してもだめかな?」

 

 

「……スパイスの効いたコーヒー牛乳になった」

 

 

アスカ

「えっと、これはちょっと」

 

 

「……いっそダークマターを作った方が、きっぱり食べるのを諦められて良かったかも」

 

 

アスカ

「あはは……。そうだ。せっかくですし、スパイシーコーヒー牛乳としてつぶやいたーに載せてみますか?」

 

 

「うぅ~っ、それは勘弁してください」

 

 

アスカ

「ふふっ、冗談だよ。一緒に練習して上手になったときに載せようね」

 

 

「うん。アスカちゃんが教えてくれるなら、……もう少し頑張ってみるよ」

 

 

 

 

 

◆『上手には焼けてましたね』◆

 

「料理は難しいって実感したから、今回はケーキを作ろうと思う」

 

 

アスカ

「えっと、お菓子作りも大変なんだよ。本当に大丈夫?」

 

 

「今度こそ大丈夫だって。この日のために、絶対に失敗しないケーキのレシピをヤホーで調べてきてるし」

 

 

アスカ

「因みに、それは何て名前のケーキなんですか?」

 

 

「ホットケーキだよ!」

 

 

アスカ

「な、なるほど。確かに、それなら比較的簡単なので安心ですね」

 

 

「でしょ。ホットケーキなら、材料はミックス粉と牛乳とたまごの三つで済むし。あとは混ぜて焼くだけだからね」

 

 

アスカ

「失敗しようがない、……と言いたいところですが、レトルトカレーの件もあるので気を付けてくださいね」

 

 

「うっ、善処します」

 

 

アスカ

「それと、あ、よかった。今回は事前に材料を用意できてるね。あっでも、分量をちゃんと計れますか? 難しそうなら私が代わりにやりますよ」

 

 

「だ、大丈夫だよ。……たぶん」

 

 

アスカ

「そこは断定して欲しいかな。でも、燦ちゃんがやる気なら、これ以上は口出しせずに傍で応援してるね」

 

 

「ありがと。……うん、分量よし。あとはこれを混ぜて、油を引いて温めておいたフライパンに流しいれてっと。アスカちゃん、これで合ってるよね?」

 

 

アスカ

「はい、正解です。コツとしては油を薄く引いて、高い位置から落とすように注ぐといいですよ。あとは、表面がぷつぷつになってきたらひっくり返してくださいね」

 

 

「うん、分かった。……そろそろかな?」

 

 

アスカ

「そうですね。ひっくり返すときはフライ返しで……」

 

 

「せーのっ、ほいっ!」

 

 

アスカ

「……ぁ」

 

 

「ありゃ?」

 

 

アスカ

「……燦ちゃん。フライ返しは器具名であって、フライパンから地面にひっくり返したの略称ではありませんよ」

 

 

「あ、あはは。いけるかなーって、思って。……ごめんなさい」

 

 

アスカ

「……もぅ、仕方ないなぁ。失敗したなら次に活かせばいいだけですし。何はともあれ、燦ちゃんが火傷しなくてよかった」

 

 

「ぐすっ、アスカちゃん……」

 

 

アスカ

「ちょっと待っててね。すぐに地面に落ちたホットケーキを片付けるから、今度はフライ返しを使ってもう一度挑戦してみよっか」

 

 

「……ありがとう。次こそは絶対に成功させるから。ちゃんとできたら一番にアスカちゃんにご馳走するね!」

 

 

アスカ

「あは、楽しみに待ってるね」

 

 

 

 

 

◆『ギスギスよりキスキス』◆

 

「争いはよくないって思うんだよね」

 

 

アスカ

「えっと、燦ちゃん。悟りでも開いたのですか?」

 

 

「いや、別に悟りは開いてないけどさ。ギスギスするのは良くないって気がついたんだよ」

 

 

アスカ

「……あぁ、なるほど。昨日は話題のゆるキャラバトルロイヤルゲームをしてましたね」

 

 

「うん、みんなから勧められたからね。……でも、殺伐というかギスギスとしたゲームだとは思わなかったよ」

 

 

アスカ

「あはは……。最初、余裕だってフラグを建てておきながら、確か開始三秒くらいで叫んでましたね」

 

 

「いや、アレはスタート直後に、後ろから掴んでくるのがおかしいんだって!」

 

 

アスカ

「それに、後半になると泣きながら怒ってましたし」

 

 

「な、泣いてないし!」

 

 

アスカ

「でも、物に当たるのはよくないですよ」

 

 

「うっ、……それはごめんなさい」

 

 

アスカ

「……でも、なんだかんだ楽しそうだし、せっかくだから私も遊んでみようかな?」

 

 

「だ、だめ! アスカちゃんには、もっとほのぼのしたゲームが似合うと思うな!」

 

 

アスカ

「う~ん、そうかな?」

 

 

「そうだよ。それに全然楽しくなかったからね! あ、いや。変な中毒性はあるかもだし、見てる側は楽しいのかもしれないけど、やってる私はイライラしかなかったからね!」

 

 

アスカ

「ふふっ、燦ちゃんがそこまで言うのなら分かりました」

 

 

「ふぅ、良かった。……なんか、ドッと疲れちゃったよ」

 

 

アスカ

「そうだ。昨日から色々とあってお疲れなようですし、膝枕なんていかがですか? 今なら特別なサービスも付けますよ?」

 

 

「二十四時間コースでお願いします」

 

 

アスカ

「ふふっ、流石に一日中膝まくらしていたら足が痺れちゃうよ。はい、どうぞ」

 

 

「わ~い、ありがと。……あぁ~、疲弊した心が癒される~」

 

 

アスカ

「それはよかった。……こほん。それではおひとり様限定の、特別サービスを提供させていただきますね」

 

 

「……んっ」

 

 

アスカ

「ん、……あはっ。ご満足いただけましたか? よければ、追加のサービスもございますよ?」

 

 

「うん、……もっとちょうだい?」

 

 

アスカ

「あは、かしこまりました」

 

 

 


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