あるてまれアスカちゃん劇場´ 作:立花アスカの偽猫
◆『昨夜はお楽しみでしたね』◆
燦
「今日は暑いし、やる気も出ないから配信しなくていいかな?」
アスカ
「えっと、私みたいな個人Vtuberならともかく、企業所属の燦ちゃんはマネージャーさんの許可がないとだめだと思いますよ」
燦
「だよね~。あぁーあ、やる気出ない~」
アスカ
「う~ん、季節的に夏バテかな? それなら、今日のお昼はスタミナのつく料理にしよっか」
燦
「え、いいの!? やったぁ!」
その夜
アスカ
「あれ、燦ちゃん? 夜遅くにどうしたんですか?」
燦
「えと、そのっ、……寝れなくて」
アスカ
「大丈夫ですか? どこか調子でも悪いの?」
燦
「あ、いや。そうじゃなくて、えっと……」
アスカ
「燦ちゃん?」
燦
「元気過ぎて、寝れないみたい」
アスカ
「えっと、それは……、どうしたらいいのかな?」
燦
「一人で起きてるのはちょっと寂しくて、眠たくなるまで一緒にいて欲しいな。……なんて、だめだよね?」
アスカ
「あは、そんなことでしたら構いませんよ。元を辿れば私が原因みたいなものですし、燦ちゃんが眠りにつくまで付き添うよ」
燦
「アスカちゃん、……ありがと」
アスカ
「どう致しまして。さて、ゲームでもしながら、おしゃべりして時間を潰しましょう」
燦
「うん!」
◆『女性リスナーって本当にいるの?』◆
燦
「えぇ~、今日は事前に予告していた通りに、女性リスナーさんから送られてきたましゅまろだけで雑談をしまーす」
『女性リスナー、いるのか?』
『自作自演の香りがする』
『あるてまの同期と先輩に頼めてえらい!』
燦
「頼んでないが! 私にだって、ちゃんとした女性リスナーのファンがいるってことを証明してやるからな!」
『がんばえー』
『せやな』
『ましゅまろ0のときは俺が女性になりきって送ってやるからな』
燦
「余計なお世話だし! さて、それでは早速ましゅまろ食べていくぞ~」
『どきどき』
『わくわく』
『来てるといいね』
燦
「あっ、ほらほら! ちゃんと来てるじゃん!」
通りすがりのJKより
ましゅまろ ❒″ |
燦
「どや! 分かる人には私の魅力が分かっちゃうんだよなぁ~」
『うぜぇ』
『うーん、偽物っぽい』
『きゃぴきゃぴしてないからJKではないな』
燦
「は? あぁーあ、そんなこと言うなら、これも見せちゃおっかな~」
ちょべりばだし 燦しか勝たんわ
ましゅまろ ❒″ |
『ちょ、ちょべりば?』
『ギルティ!』
『草』
燦
「え、嘘。ちょべりばって死語なの? じゃあ、えっと、これならどうだ!」
今日の配信も頑張ってくださいね 立花アスカより
ましゅまろ ❒″ |
『うん』
『間違いなく女性リスナーでファンだけど!』
『先輩や同期じゃないだけマシかな?』
燦
「え、アスカちゃん!? 嬉しいけど! ほ、他には、他にましゅまろは来てないの!?」
『泣いていい?』
『私、女性リスナーだけど、面白いから傍観するね』
『草』
『まぁ、黒猫のファンならそうするよな』
『いじめてこそ光るのが黒猫だし』
燦
「いや、送ってよ! 燦虐して楽しいのかよ!」
『楽しい』
『愉しいです』
『愉悦』
燦
「うぅ~、ろくなリスナーがいないじゃん。アスカちゃ~ん」
『私はどんなことがあっても燦ちゃんの味方ですよ』立花アスカ✓
『まじ天使』
『てぇてぇ』
燦
「ありがと、アスカちゃんのお陰でまだ頑張れそうだよ。……あ、ましゅまろ来た」
これからも変わらないアスカちゃんでいてください アスカスキーなJKより
ましゅまろ ❒″ |
『あはは……、ありがとうございます』立花アスカ✓
燦
「って、私宛てじゃないじゃん!」
『これが現実だ』
『俺たちがいるからさ』
『ほら、ち〇ーるでも食べて落ち着けって』
燦
「うぅ~。〇ゅーるはいらないけど、……ありがと」
◆『苦い失敗』◆
燦
「カレーを作ろうと思うんだ」
アスカ
「急にどうしたんですか?」
燦
「昨日の配信で、料理できない扱いされてたの覚えてる?」
アスカ
「そう言えば、そのようなやり取りがありましたね。ダークマターを作りそうとかなんとか」
燦
「そう、それ! でさ、いい機会だから、料理ができるってことを証明したいんだよね」
アスカ
「いい考えだと思いますよ。上手くできたらつぶやいたーに載せましょうか」
燦
「うん、そうするよ。よし、じゃあレッツクッキング!」
アスカ
「分からないところは教えるので、まずは一人で頑張ってみてください」
燦
「うん。えっと、まずは材料を用意して、と。にんじん、玉ねぎ、じゃがいも、お肉……。うん。見事に何もないね」
アスカ
「えっ!? 事前に用意してなかったの!?」
燦
「いやー、あはは。材料もないし、今日はカレーライスのカレー抜きでいいよね?」
アスカ
「よくないよ。もぅ、どうするんですか?」
燦
「うーん、あっ! 確か、ここの棚に……あった! じゃじゃーん。こちらが事前に作っておいたものとなります!」
アスカ
「……レトルトカレーですよね」
燦
「まぁ、そうとも言うね。……違うって、決して面倒になった訳じゃないからね! 素人が最初から張り切ってもろくなことにならないし、レトルトカレーにちょい足しするくらいがステップ1なんだよ! ……たぶん」
アスカ
「……はぁ。千里の道も一歩からと言うもんね」
燦
「だよね! そうと決まれば、レトルトカレーを温めて、っと。……よし。あとは隠し味だけど、何がいいかな?」
アスカ
「そうですね。よく聞くのは、牛乳や生クリーム、リンゴのすりおろしやはちみつですけど、そのレトルトカレーは甘口で元々入っているようなので、インスタントコーヒーでコクを足すのはどうでしょうか?」
燦
「おっけー。コーヒーは、あった。スプーン、スプーン……は見つからないし、洗い物が増えると面倒だから、ビンから直接入れようっと」
アスカ
「あ、燦ちゃん、それはちょっと待って……」
燦
「……あ」
アスカ
「……あぁー。いっぱい、入ってしまいましたね」
燦
「あ、ア”ス”カ”ち”ゃ”~ん”」
アスカ
「よしよし。取り敢えず、混ざっていない、山盛りになっているところから減らしてみよっか」
燦
「……うん」
アスカ
「とはいえ、隠し味が隠し切れていないといいますか、流石にこの量だと苦くて食べられないでしょうし。レトルトカレーを追加して希薄するのがベターかな?」
燦
「試してみる。……できたけど。うっ、に”か”い”」
アスカ
「んぅ、そうですね。う~ん、牛乳を足してもだめかな?」
燦
「……スパイスの効いたコーヒー牛乳になった」
アスカ
「えっと、これはちょっと」
燦
「……いっそダークマターを作った方が、きっぱり食べるのを諦められて良かったかも」
アスカ
「あはは……。そうだ。せっかくですし、スパイシーコーヒー牛乳としてつぶやいたーに載せてみますか?」
燦
「うぅ~っ、それは勘弁してください」
アスカ
「ふふっ、冗談だよ。一緒に練習して上手になったときに載せようね」
燦
「うん。アスカちゃんが教えてくれるなら、……もう少し頑張ってみるよ」
◆『上手には焼けてましたね』◆
燦
「料理は難しいって実感したから、今回はケーキを作ろうと思う」
アスカ
「えっと、お菓子作りも大変なんだよ。本当に大丈夫?」
燦
「今度こそ大丈夫だって。この日のために、絶対に失敗しないケーキのレシピをヤホーで調べてきてるし」
アスカ
「因みに、それは何て名前のケーキなんですか?」
燦
「ホットケーキだよ!」
アスカ
「な、なるほど。確かに、それなら比較的簡単なので安心ですね」
燦
「でしょ。ホットケーキなら、材料はミックス粉と牛乳とたまごの三つで済むし。あとは混ぜて焼くだけだからね」
アスカ
「失敗しようがない、……と言いたいところですが、レトルトカレーの件もあるので気を付けてくださいね」
燦
「うっ、善処します」
アスカ
「それと、あ、よかった。今回は事前に材料を用意できてるね。あっでも、分量をちゃんと計れますか? 難しそうなら私が代わりにやりますよ」
燦
「だ、大丈夫だよ。……たぶん」
アスカ
「そこは断定して欲しいかな。でも、燦ちゃんがやる気なら、これ以上は口出しせずに傍で応援してるね」
燦
「ありがと。……うん、分量よし。あとはこれを混ぜて、油を引いて温めておいたフライパンに流しいれてっと。アスカちゃん、これで合ってるよね?」
アスカ
「はい、正解です。コツとしては油を薄く引いて、高い位置から落とすように注ぐといいですよ。あとは、表面がぷつぷつになってきたらひっくり返してくださいね」
燦
「うん、分かった。……そろそろかな?」
アスカ
「そうですね。ひっくり返すときはフライ返しで……」
燦
「せーのっ、ほいっ!」
アスカ
「……ぁ」
燦
「ありゃ?」
アスカ
「……燦ちゃん。フライ返しは器具名であって、フライパンから地面にひっくり返したの略称ではありませんよ」
燦
「あ、あはは。いけるかなーって、思って。……ごめんなさい」
アスカ
「……もぅ、仕方ないなぁ。失敗したなら次に活かせばいいだけですし。何はともあれ、燦ちゃんが火傷しなくてよかった」
燦
「ぐすっ、アスカちゃん……」
アスカ
「ちょっと待っててね。すぐに地面に落ちたホットケーキを片付けるから、今度はフライ返しを使ってもう一度挑戦してみよっか」
燦
「……ありがとう。次こそは絶対に成功させるから。ちゃんとできたら一番にアスカちゃんにご馳走するね!」
アスカ
「あは、楽しみに待ってるね」
◆『ギスギスよりキスキス』◆
燦
「争いはよくないって思うんだよね」
アスカ
「えっと、燦ちゃん。悟りでも開いたのですか?」
燦
「いや、別に悟りは開いてないけどさ。ギスギスするのは良くないって気がついたんだよ」
アスカ
「……あぁ、なるほど。昨日は話題のゆるキャラバトルロイヤルゲームをしてましたね」
燦
「うん、みんなから勧められたからね。……でも、殺伐というかギスギスとしたゲームだとは思わなかったよ」
アスカ
「あはは……。最初、余裕だってフラグを建てておきながら、確か開始三秒くらいで叫んでましたね」
燦
「いや、アレはスタート直後に、後ろから掴んでくるのがおかしいんだって!」
アスカ
「それに、後半になると泣きながら怒ってましたし」
燦
「な、泣いてないし!」
アスカ
「でも、物に当たるのはよくないですよ」
燦
「うっ、……それはごめんなさい」
アスカ
「……でも、なんだかんだ楽しそうだし、せっかくだから私も遊んでみようかな?」
燦
「だ、だめ! アスカちゃんには、もっとほのぼのしたゲームが似合うと思うな!」
アスカ
「う~ん、そうかな?」
燦
「そうだよ。それに全然楽しくなかったからね! あ、いや。変な中毒性はあるかもだし、見てる側は楽しいのかもしれないけど、やってる私はイライラしかなかったからね!」
アスカ
「ふふっ、燦ちゃんがそこまで言うのなら分かりました」
燦
「ふぅ、良かった。……なんか、ドッと疲れちゃったよ」
アスカ
「そうだ。昨日から色々とあってお疲れなようですし、膝枕なんていかがですか? 今なら特別なサービスも付けますよ?」
燦
「二十四時間コースでお願いします」
アスカ
「ふふっ、流石に一日中膝まくらしていたら足が痺れちゃうよ。はい、どうぞ」
燦
「わ~い、ありがと。……あぁ~、疲弊した心が癒される~」
アスカ
「それはよかった。……こほん。それではおひとり様限定の、特別サービスを提供させていただきますね」
燦
「……んっ」
アスカ
「ん、……あはっ。ご満足いただけましたか? よければ、追加のサービスもございますよ?」
燦
「うん、……もっとちょうだい?」
アスカ
「あは、かしこまりました」