あるてまれアスカちゃん劇場´   作:立花アスカの偽猫

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あるてまれアスカちゃん劇場まとめ(71~75)

◆『一人でおつかいできるかな?』◆

 

アスカ

「燦ちゃんは、子供の頃におつかいを頼まれたことってありますか?」

 

 

「……そう言えば、ないかも」

 

 

アスカ

「そうなんですか? 子供を一人でおつかいに行かせるのは危険だ、という批判的な話も聞きますし。燦ちゃんもそんな感じだったのかな?」

 

 

「まぁ、うん。……危険というよりは、危なっかしいだけど」

 

 

アスカ

「小さい頃の燦ちゃん、写真で見たことあるけど、すごく可愛らしかったからね。心配になる気持ち、分かる気がします」

 

 

「アスカちゃんは子供の頃におつかいに行ったことあるんだよね? そのときって、どんな感じだったの?」

 

 

アスカ

「どうだったかな? 詳しくは覚えてないけど、……お恥ずかしながら、不安と寂しさからずっと泣いていたような気がします」

 

 

「あぁー、そうだよね」

 

 

アスカ

「でも、お家に帰って褒められたときは、すごく嬉しくて。それと同時に誇らしくもあって、きっとあのときの経験がなければ今の私はなかったと思いますね」

 

 

「……なんかちょっと羨ましいかも」

 

 

アスカ

「ふふっ、だったら、今からでも初めてのおつかいをしてみませんか?」

 

 

「え? まぁ、アスカちゃんの頼みなら、おつかいくらいするけど。……なにか違くない?」

 

 

アスカ

「そうかな? でも、物は試しと言いますし」

 

 

「う~ん、……一人で買い物はちょっと寂しいけど、行ってくるよ」

 

 

アスカ

「ありがとうございます! それでは急いでお買い物リストを用意するね。えっと、にんじん、じゃがいも、たまねぎ、お肉、ターメリック、ハラペーニョ、シナモン、カルダモン、パプリカ、コリアンダー……」

 

 

「ちょ、ちょっと待って! なにそのラインナップ。難易度高過ぎだよね!」

 

 

アスカ

「え? でも、燦ちゃんは子供じゃないし、これくらいの難度じゃないと初めてのおつかいにならないよね?」

 

 

「そ、そうかもだけど。……うぅ、後半の呪文みたいなの、見たことも聞いたこともないよ」

 

 

アスカ

「あは。呪文ではなくて、香辛料の名称ですよ。大丈夫です、ちゃんとメモしておきますから。燦ちゃんならできます!」

 

 

「……うん、頑張ってみる」

 

 

アスカ

「はい、それでは行ってらっしゃい」

 

 

「行ってきます。……はぁ、不安だなぁ。名前だけ分かっても、売り場が分からないし。店員さんに聞くのも、ね。ホントに大丈夫かなぁ、……ん?」

 

 

アスカ

「燦ちゃん、一人で大丈夫かな」チラッチラッ

 

 

「……うん、なんか大丈夫な気がしてきた。よし、頑張るぞ!」

 

 

 

 

 

◆『猫すいとーよ?』◆

 

アスカ

「ん~っ、いいなぁー」

 

 

「どうしたの?」

 

 

アスカ

「その、猫の動画を見ていたのですが、ちょっと羨ましいなぁって思いまして。例えばこの子とか、すごく可愛らしいですよね?」

 

 

「あ、可愛い」

 

 

アスカ

「そうだよね! はぁ。私も飼ってみたいけど、お世話できるか自信がないし。なので、猫を飼っている人が時々だけど、羨ましく思うことがあるんだよね」

 

 

「よかったら、私が猫の代わりになろうか?」

 

 

アスカ

「……いいの?」

 

 

「私を誰だと思っているのさ。黒猫燦だよ。アスカちゃんのためなら、猫にだってなりきってみせるよ!」

 

 

アスカ

「で、では、そのっ、……昔から憧れていたことをしてもいいですか?」

 

 

「もちろん。抱くなり撫でるなり好きにしていいよ」

 

 

アスカ

「本当にいいんですね? それじゃあ、……失礼しますね」

 

 

「……えと、アスカちゃん。頭がこそばゆいんだけど」

 

 

アスカ

「すーはー。すーはぁ」

 

 

「こっ、これはもしかして! 猫吸い?」

 

 

アスカ

「すぅーはぁー。……はむっ」

 

 

ぴゃっ!? み、耳は、だっあっ、んっ、はぁぅ!?」

 

 

アスカ

「……すーはー。あは、これ好きかも」

 

 

「あああアスカちゃん! はい、終わり。猫タイム終わり!」

 

 

アスカ

「え、もうですか? 次はお腹を撫でてみたかったのに……」

 

 

「うっ、……そんなしょんぼりした顔をされても、……されても。…………もぅ、ちょっとだけだよ」

 

 

アスカ

「はいっ!」

 

 

 

 

 

◆『それはちょっと笑えないよ』◆

 

アスカ

「う~ん、どうしようかな」

 

 

「どうかしたの?」

 

 

アスカ

「そのっ、お恥ずかしながら急に欲しいものができまして。アルバイトでもしようかなって、求人情報サイトを見ていたんだけど。隙間時間にできるお仕事がなくて……」

 

 

「へぇ、そうなんだ。……うん、確かにあまりいい募集がないね」

 

 

アスカ

「そうなんだよね。……はぁ、どうしようかな」

 

 

「そうだ! 欲しいものリストを作って、みんなに買ってもらうっていうのはどうかな」

 

 

アスカ

「う~ん。でも自分で稼いだお金で買いたいものですし、それにちょっと申し訳ないかなって」

 

 

「そういうものなのかなぁ。因みに何を買う予定なの?」

 

 

アスカ

「……笑いませんか?」

 

 

「笑わないよ。約束する」

 

 

アスカ

「それなら、本当に笑わないでくださいね! えと、来月に発売される、その……」

 

 

「来月発売の?」

 

 

アスカ

「燦ちゃんの公式グッズ、です」

 

 

「うんうん。……へ?」

 

 

アスカ

「だ、だから。燦ちゃんの公式グッズが欲しいんです!」

 

 

「え、えぇ!?」

 

 

アスカ

「ぐだっとぬいぐるみシリーズのくろねこしゃんに、公式Tシャツ、バスタオルも欲しいし、アクリルキーホルダーと、あとは……」

 

 

「ちょ、ちょっと待って! え、公式グッズ!? 私、それ聞いてないんだけど!」

 

 

アスカ

「……え? で、でも運営公式つぶやいたーで告知していましたよ」

 

 

「……ホントだ」

 

 

アスカ

「えっと、その……。メールとか、確認していますか?」

 

 

「メール? ……あっ。一週間前に連絡来てたみたい」

 

 

アスカ

「……と、取り敢えず、どんなグッズがあるのか一緒に見ませんか?」

 

 

「……そうする」

 

 

 

 

 

◆『ほらぁね』◆

 

「ホラーは嫌だ。ホラーはいやだ。ホラーはイヤだ」

 

 

アスカ

「えっと、燦ちゃん? 先ほどから何やら呟いていますが、どうしたんですか?」

 

 

「あ、あすかちゃ~ん。ホラーはいやだよぉ」

 

 

アスカ

「よしよし。よく分からないけど、私が付いているから大丈夫だよ」

 

 

「うぅ~、ありがと。もぅ、誰だよ! あるてまホラー強化週間とかいうくそ企画を提案したの。夏が終わるっていうのにホラーとかありえないんだが!」

 

 

アスカ

「あぁ、そういうことでしたか。……因みにコラボですか?」

 

 

「……九月になるまでに、一人で一回以上ホラー配信をしないといけないんだってさ。頭おかしいよね」

 

 

アスカ

「あはは……」

 

 

「ねぇ、お願いアスカちゃん。一緒にホラーゲームしよう! 大丈夫、バレなきゃあとで怒られるだけだからさ!」

 

 

アスカ

「怒られることは確定なんですね。……お誘いは嬉しいのですが、やっぱり燦ちゃんのためにならないので、ごめんなさい」

 

 

「そんなぁ」

 

 

アスカ

「その代わりと言ってはなんですが、怖くないホラーゲームを探すのをお手伝いしますね。だから、そんなに悲嘆しないでください。ね?」

 

 

「……うん、ありがと」

 

 

アスカ

「そうと決まれば、善は急げと言いますし、ホラーゲームの候補を見繕いましょうか。……あ、これなんてどうですか? ポップでかわいいホラーゲーム。そのシュールさが逆に怖いと評判のぴ○んなんてどうかな?」

 

 

「……他の人の配信で見て、普通に怖かったんだけど」

 

 

アスカ

「え、えと。それは……、そのっ。だ、大丈夫です! 燦ちゃんはやればできる子ですから。そうだ、配信に向けて一緒に特訓しましょう!」

 

 

「特訓!? え、ちょっと。アスカちゃん!?」

 

 

アスカ

「まずは配信までに身体をホラーに慣れさせましょうか。大丈夫です。本番は無理ですが、特訓の間は私が傍にいるので、遠慮なく怖がってくださいね」

 

 

「全然、大丈夫そうじゃないんだが!? ……ぴぃ!? だから、ホラーは無理なんだって! もうホラーはいやぁぁぁ!

 

 

 

 

 

◆『先ほどのことは水に流しましょう』◆

 

コンコン

 

 

アスカ

「はい、どうぞ」

 

 

あ、アスカちゃん

 

 

アスカ

「ふふっ、こんな夜更けにどうかしましたか?」

 

 

「いっ、いや。そのっ。今日、ホラーゲームに付き合ってもらったから、アスカちゃんが怖くて眠れてないんじゃないかなー。って思ってさ」

 

 

アスカ

「それでわざわざ様子を見に来てくれたんですね。あは、ありがとうございます」

 

 

「え? あっ、うん。そうなんだよ」

 

 

アスカ

「ん~っ。お恥ずかしながら、確かにちょっと一人で眠るのは心細くて、どうしようかなぁって思っていたところなんですよ。……燦ちゃんさえよければ、今夜は傍にいてくれませんか?」

 

 

「うん、もちろん! ありがとー、アスカちゃん!」

 

 

アスカ

「ふふっ、ありがとうはこっちの台詞だよ。……あ、寝る前にお手洗い一緒に行く?」

 

 

「……いく」

 

 

アスカ

「あは。はい、それじゃあ扉の前で待ってるので、燦ちゃんからお先にどうぞ」

 

 

「ぜ、ぜったいそこに居てよ。約束だからね!」

 

 

アスカ

「もー、心配性だなぁ。そんなに不安なら、私も一緒に入ろっか?」

 

 

「ぁ、それは、うぅ~、でも、…………うん」

 

 

アスカ

「そ、そうですよね。……え、燦ちゃん!? 今のは冗談で、……はあぅ」

 

 

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