あるてまれアスカちゃん劇場´ 作:立花アスカの偽猫
◆『起きてますか?』◆
燦
「……アスカちゃん、起きてる?」
アスカ
「んぅ、……まだ起きてますよ」
燦
「あ、ごめん。起こしちゃったよね」
アスカ
「いえ、少しうとうとしていただけなので大丈夫ですよ。燦ちゃんは、やっぱり眠れないのですか?」
燦
「う、うん」
アスカ
「私もなんだか目が覚めてしまったので、眠たくなるまで一緒にお話でもしよっか」
燦
「……ありがと」
アスカ
「あは、お礼を言われるようなことじゃないよ。今日の燦ちゃん、苦手なことを克服しようと頑張ってたもん。だから、私にも最後までそのお手伝いをさせて欲しいな」
燦
「……ううん。アスカちゃんが傍に居てくれたから、応援してくれたから頑張れたんだよ。だから、……ありがとう」
アスカ
「……また、お礼言われちゃった。あは、どうしよう。すごくうれしい」
燦
「……」
アスカ
「燦ちゃんが居てくれたから、応援してくれたから、今の私があるんだよ。だから、私の方こそありがとうだよ」
燦
「……」
アスカ
「燦ちゃん?」
燦
「……すぅ、……すぅ」
アスカ
「ふふっ、寝ちゃったみたい。おやすみ燦ちゃん。……んっ、大好きだよ」
燦
「……えへへっ」
◆『目を開ければほらぁ、キミがいる』◆
燦
「えぇー、あるてまホラー強化週間ということで、今日はホラーゲームを仕方なくやりまーす」
『やる気出してけ』
『ホラー助かる』
『悲鳴期待』
燦
「これからやるゲームは、なんか右クリックするだけでいいらしいので、今日は目を瞑って配信します」
『目、開けろ!』
『いや、だめだろ』
『それは反則』
『発想がおバカじゃん』
燦
「は? 天才だが! てか、反則でも違反でもないし。ホラーゲームをしろとしか言われてないんだから、どうプレイしようが私の自由じゃん!」
『へりくつ』
『子供か!』
『かわいい、かしこい、くろねこさん!』
『ゲームの進行に支障が出るかもしれないので、音声は切ったらだめですよ』立花アスカ✓
燦
「あっはい」
『映像だけじゃなくて音声まで切るつもりだったのかよ』
『クリックするだけでお金が稼げる簡単なお仕事です』
『これは炎上だな』
『アスカちゃん偉い!』
燦
「それでは早速ゲームを始めまーす。私は目を瞑っているので、コメントで勝手に盛り上がってください」
『投げやり!?』
『勝手に盛り上がっては草』
『今日は一段と自由だなぁ(遠い目』
燦
「……ぴぃ!? え、なに今の音! ひぃ、急にBGM変わるなよ!」
『逆効果で草』
『頼むから目を開けてくれ』
『悲鳴助かる』
『もしかして今なら悪口言い放題?』
『ホラーよわよわ猫』
『胸ぺったんガール』
『悲鳴がセンシティブ猫』
燦
「これすごく怖いんだけど! 目、開けていい!? 開けるぞ! 大丈夫だよね! ぴゃっ!? 早くそうだと言って!」
『コメント見ろ』
『コメント見れ』
『今クライマックスなんだけど……いいよ』
『燦ちゃん、もう少しだから頑張って!』立花アスカ✓
燦
「あ、音途切れた! 終わった? もういいよね! 目、開けるからな!」
『ええよ』
『わくわく』
『あっ(お察し』
『ちょっと待って、燦ちゃん!』立花アスカ✓
燦
「せーのっ、……ぴぎゃぁ!?」
『草草草』
『撮れ高よし』
『椅子から落ちてない? 大丈夫か?』
『めっちゃすごい音したね』
『……反応がない。ただの屍のようだ』
『燦ちゃん?』立花アスカ✓
『マジで応答がないぞ』
『気絶した?』
『いや、流石にそんなことはない……よね?』
『……五分経過』
『え、マジで失神中?』
『誠に勝手ながら、本日の放送はここまでとさせて頂きます。ご視聴ありがとうございました』黒猫燦
『…………』
『…………』
『…………』
『俺たちの黒猫が、また新たな伝説の1ページを刻んだな』
『てか、誰がコメントしてるんだ?』
『本人ではないことは確か』
『まぁ、面白かったしいいんじゃね』
『ばいにゃー』
燦
「う~ん。……顔が、顔がぁ」
アスカ
「燦ちゃん、今日は本当にお疲れさま。あとは、ゆっくり休んでくださいね」
◆『水着だけど恥ずかしいよ』◆
アスカ
「えっと、燦ちゃん。今日はプールで涼もうって話だったと思うのですが……」
燦
「そうだよ。だから、頑張って用意しておいたんだよ」
アスカ
「プールはプールでも、子供用のビニールプールだよね」
燦
「え、だめだった?」
アスカ
「その、だめではないのですが、てっきり市民プールに行くと思っていたので。ちょっと困惑している、かな」
燦
「だって、市民プールなら人がたくさんいるじゃん。でも、ほら。これなら貸し切りだし、二人っきりできゃっきゃうふふできるよ!」
アスカ
「あはは……、そうだね」
燦
「でしょ。ほら、アスカちゃんも早く着替えてきなよ」
アスカ
「分かりました。でも、着替えなくても大丈夫ですよ」
燦
「ん、どういうこと?」
アスカ
「ふふっ、こういうことです」
燦
「おぉぉぉ! って、あれ。服の下に水着!?」
アスカ
「あは、プールが楽しみで着てきちゃった。だから、すぐに用意するからちょっと待っててね」
燦
「あ、うん。……じーっ」
アスカ
「えっと、そんなに見詰められると、脱ぎ辛いのですが……」
燦
「服の下に水着って、なんかエ○いよね」
アスカ
「うぅ~っ、燦ちゃん。そういうことは、そのっ、恥ずかしくなるので。口に出して言わないでください」
燦
「あ、ごめん。私に構わず、続けて」
アスカ
「はあぅ~。……な、中で着替えてきてもいいですか?」
燦
「いいけど、その場合は私も一緒について行くからね」
アスカ
「………………な、中でなら。そのっ、……燦ちゃんが見たいなら」
燦
「見たい! アスカちゃんが脱ぐところ、すごく見たい!」
アスカ
「もぅ、……燦ちゃんが○っちなんだもん。……仕方ないよね」
燦
「うんうん、仕方ないんだよ! ほら、早く行こう!」
アスカ
「あっ、待って。まだ心の準備が……」
燦
「大丈夫、私が代わりにしておくから!」
アスカ
「それは何か違うような……。あっ、もう」
◆『成長しても変わらないものもある』◆
燦
「今日は終理永歌の誕生日! そんな訳で見てるか分からないけど、おめでとう!」
『おめでとう!』
『覚えててえらい』
『本人が朝につぶやいたーで匂わせてたんだよなぁ』
『カンニング?』
『いや、黒猫が同期のつぶやいたーを確認しているはずがないし』
『アスカちゃんから聞いた説、割とあると思う』
燦
「お前らな! 十六夜桜花のときは素で忘れていたけど、私だってちゃんと成長しているんだぞ!」
『あ、そっちは忘れてたんだ』
『ざよいは泣いていい』
『それはマジないわ』
燦
「そもそもさ。女性は記念日とか気にし過ぎだと思うんだよね」
『お前も一応女だろ』
『黒猫燦♂』
『中身はおっさんだから、まぁ』
『黒猫に女を感じたことはない』
『豊胸してから出直ししてこい』
燦
「は? 喧嘩なら買うが。こんな美少女を見て男とか、いい眼科紹介してあげるよ?」
『美少女?』
『せやな』
『ごめん、耳が遠くて聞こえなかった』
『黒猫さんこそ眼科に行った方がいいと思うよ?』
『俺、視力2.0だけど画面にはちんちくりんしか映ってないぞ』
燦
「はい、雑談終わり! 今から視聴者参加型のゲームをします。ぼっこぼこにされたい奴から相手にしてやんよ!」
『わーい』
『燦虐助かる』
『自らいじめられに行くとか草』
『オチが見えた』
燦
「私が負ける前提で話するの止めてくれない!? 勝つが、今日の私はつよつよだし!」
『その自信はどこから来るのか』
『イキり猫』
『燦ちゃん、ゲームをする前に例のアレをしないとだめですよ』立花アスカ✓
燦
「あ、せっかくアスカちゃんに手伝ってもらったのに忘れてた。ちょっと待ってて!」
『例のアレ?』
『アスカちゃんが手伝ったって、なんだろう?』
『わくわく』
燦
「よし、それじゃあ今から動画を流します!」
『バースデーソング!?』
『歌助かる』
『あ、ケーキに終理永歌って書いてあるぞ』
『サプライズだ!』
『燦ちゃんに相談されたのでお手伝いしました』立花アスカ✓
燦
「本物のケーキは届けられそうにないから、恥ずかしいけど、この動画をお祝いのプレゼントとしました。あとで、つぶやいたーの方にも投稿するので、終理永歌に届くように拡散よろしく!」
『おk』
『俺らの力の見せどころだぜ』
『あの、拡散するまでもなくつぶやいたーで反応してるんですけど』
『あっ』
『悲報。俺らの出番即終了』
燦
「えと、その気持ちだけで十分嬉しかったよ。うん。……その、ありがと」
『可愛い、だと!?』
『デレた!?』
『これがギャップ萌え?』
燦
「で、デレてないが!? そっ、そんなに褒めても、さっきの暴言は忘れてないからな! このあと覚悟しておけよ!」
『だからなんで負けると分かっていて挑むのか』
『そこに山があるからさ』
『黒猫さんは谷だけどね』
燦
「だから、負けないが!? あと、ばいんばいんだって言ってるだろ!」
◆『月見が好き、だってススキなんだもん!』◆
お二人はお月見が好きですか?
ましゅまろ ❒″ |
アスカ
「お月見、風情があっていいですよね。私は好きですよ」
燦
「私も嫌いじゃないかな」
アスカ
「あ、またましゅまろが届きましたよ」
月見が好きって言って
ましゅまろ ❒″ |
アスカ
「??? 月見が好き、これでいいのかな?」
燦
「なにこのまろ。月見が好きってさっきも言ったじゃん」
『あ、なるほど』
『助かる』
『切り抜きしてくる』
燦
「は? え、切り抜きってどこを切り抜くの!? 私たち変なこと言ってないよね?」
アスカ
「そのはずだけど……。あっ」
燦
「えっ、え? どうしたのアスカちゃん!」
アスカ
「つきみが好きって、そういう……。はぅ」
燦
「え、だからどういうこと!? 月見が好きって言葉のどこに照れる要素があるのさ!?」
『おバカ燦』
『アスカちゃんかぁいい』
『卵の白身と黄身どっちが好き? アスカちゃんに教えてあげて』
燦
「おバカじゃないが! アスカちゃんが可愛いのは当たり前だし! あと、黄身が好き!」
『アス猫てぇてぇ』
『アスネコニウム助かる』
『これはオチたな』
『どうしてこのタイミングでそのコメントを拾ったwww』
『アスカちゃん生きてる?』
アスカ
「うぅ~っ」
燦
「だ、大丈夫?」
アスカ
「……そのっ、私も黄身が好きだよ」
燦
「あ、うん。そうなんだ」
アスカ
「……」
燦
「えと、どうしてジト目で見てるんでせうか」
アスカ
「……燦ちゃんの、ばか」
燦
「なんでぇ!?」