あるてまれアスカちゃん劇場´   作:立花アスカの偽猫

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あるてまれアスカちゃん劇場まとめ(116~120)

◆『炎上(あぶり)がご所望ですか?』◆

 

 

                              

お寿司屋さんとかけまして

 お笑い芸人と解きます

 その心は……自分で考えてもろて

 

ましゅまろ

❒″

 

 

 

 

「いや、穴埋め式にするとかさ。ちゃんと最後まで考えてよ!?」

 

 

アスカ

「あはは……。珍しいなぞかけ問題の出し方ですね」

 

 

「そもそもちゃんとした問題になっているのかが疑問なんだけど。お寿司屋さんとお笑い芸人の二つに共通するものなんてあるのかな?」

 

 

アスカ

「う~ん、どちらもネタが重要とかはどうでしょうか?」

 

 

「あ、それいいかも。他にも何かないかな?」

 

 

『最初の掴みが大切とか?』

『漫才のつかみと、シャリを適量取るときの掴み的な?』

『食べるときに手掴みで食べるって意味なんじゃないの』

『でも、箸で食べることもあるし』

『だめか~』

 

 

アスカ

「ん~、意外と思い浮かばないものですね」

 

 

「そうだね。こういうときに、視聴者の中に某有名大学出身の人とかいたら助かるんだけどね。ほら、クイズとかなぞときとか、そういうのが得意そうなイメージだし」

 

 

『黒猫燦の視聴者にインテリがいると思う?』

『知性のちの字もない配信しかしてないからいないよ』

『アスカちゃんの方ならワンチャンあるかな?』

『お寿司屋さんと黒猫さんのなぞかけなら思いついたけど』

 

 

「え、なにそれ。ちょっと気になる」

 

 

『お寿司屋さんとかけまして』

『黒猫燦と解きます』

 

 

アスカ

「その心は?」

 

 

『どちらもまな板が欠かせないでしょう』

 

 

「……は???」

 

 

『せやな』

『草』

『これは満点』

 

 

「私はばいんばいんなので、まな板が欠かせないは当て嵌まりません。はい、残念でした」

 

 

『???』

『はい?』

『残念なのは黒猫の胸元なんだよなぁ』

 

 

「はいはい、分かってるよ。どうせ暴言を吐かせて私を燃やすつもりなんでしょ。流石にお見通しだって。私だって成長してるんだからな」

 

 

『ちっ』

『(胸元を見ながら)成長?』

『先に成長させるべき場所があるんじゃ……』

『成長したな(まな板から目を逸らしつつ)』

『……あの、そろそろなぞかけの続きをいいですか?』

 

 

アスカ

「あれ? あっ、もしかして先ほどのコメントは別の人でしたか?」

 

 

「え、そうだったの!? あわわっ、えっとごめんなさい。よかったら続きを教えてください」

 

 

『あ、ホントだ』

『なんかごめん』

『改めて、その心は?』

『どちらも捌くのが上手いでしょう、なんてどうかな。黒猫さん、昔と比べたらコメント捌くの上手くなってるし』

 

 

アスカ

「ふふっ。よかったね、燦ちゃん」

 

 

「うぅ~っ、……ありがと」

 

 

『照れてる』

『かわいい』

『悔しいけど黒猫さんのことを可愛いと思ってしまった』

『確かに成長したよね』

 

 

「ばっ、もう褒めるの禁止! 褒められるのは慣れてないんだよ!? ねぇ、配信終わっていい? いいよね?」

 

 

『だ~め』

『この際だから、褒められ耐性もつくように成長しよう』

『褒め殺し耐久配信する?』

 

 

アスカ

「わぁ、それいいですね! ぜひ、やりましょう!」

 

 

「やらないからね!?」

 

 

アスカ

「ん~、それなら配信はここまでにして、続きは私の枠で、燦ちゃんを褒める配信をやりますね」

 

 

「お願いだから勘弁してください!? ホントに悶え死ぬから!」

 

 

『諦めてもろて』

『まな板の鯉になるんだよ!』

『まな板の猫? 炎上(あぶり)もあるよ!』

 

 

「あぁもう。いっそ燃やして!?」

 

 

 

 

 

◆『喧嘩するほど仲がいい?』◆

 

 

                              

最近ミドリガメを飼い始めました

 名前はまだないです

 この子がアカピッピミシミシガメに進化すると思うと

 夜しか眠れません

 ところでカメの餌って意外と高価だけど

 使い残しの金魚の餌でもいいのかな

 私はマグロが好きです

 

ましゅまろ

❒″

 

 

 

 

「ねぇ、どこからツッコミを入れればいいのかな」

 

 

アスカ

「あはは……」

 

 

『このまろ好きかも』

『名前はまだない。これはマジなのかツッコむところなのか?』

『アカピッピミシミシガメに進化ってポ〇モンかよ』

『夜寝れるなら十分だろ』

『金魚の餌止めてもろて』

『マグロが好きとか聞いてないから!?』

 

 

「取り敢えず、一言だけ言うけど、ミシシッピアカミミガメが正解だからね」

 

 

『え?』

『ミシシッピアカミミガメ? なにそれ』

『それ本気で言ってるの?』

『小学生からやり直してもろて』

『既に胸は小学生だけどね』

 

 

「えっえっ!? アカピッピミシミシガメだっけ。あれ、違うよね。アカシッピ? ミシピッピ? あれあれ?」

 

 

アスカ

「燦ちゃん、落ち着いてください。ミシシッピ、ミシシッピで合ってるよ」

 

 

「だ、だよね。ほら、ミシシッピで合ってるじゃん!」

 

 

『間違ってるなんて言ってないし』

『そうだそうだ』

『そっちが勝手に勘違いしてただけじゃん』

『いちゃもんつけないでよ』

 

 

「ぐぬぬっ、……それはごめんなさい。って、じゃあ後半はただの悪口ってことじゃん!?」

 

 

『あ、バレた』

『ワルグッチバレバレダネ』

『なんかポケ〇ンにいそう』

『出た、ムネナッシーのじだんだだ!』

『草』

 

 

「は?」

 

 

アスカ

「まぁまぁ。もぅ、燦ちゃんが好きだからって、あんまりいぢめちゃだめですよ」

 

 

『す、すきちゃうし!?』

『そそそそんな訳ないじゃん!』

『俺らは好きな子をいじめちゃう小学生男子か!?』

 

 

「へぇ~、そうだったんだ~。にやにや」

 

 

『うぜぇ』

『勘違いしないでよ。黒猫燦なんて好きじゃないんだからね!』

『ツンデレ?』

 

 

「そう言って、ホントは私のこと好きなくせにぃ~。ね、アスカちゃん?」

 

 

アスカ

「ふふっ、そうですね。私も燦ちゃんのこと大好きですよ」

 

 

「アスカちゃん……、私もしゅき」

 

 

『アスカちゃんにメロメロやん』

『あれ、同性にメロメロは効かないんじゃ……』

『つまりムネナッシーはオス?』

『やっぱりな。前からそうだと思ってたんだよ』

『中身おっさんやし』

 

 

「オスじゃないし、ムネナッシーでもないし、おっさんでもないが!?」

 

 

アスカ

「あはは……。みなさんと燦ちゃんって本当に仲が良いですよね」

 

 

「良くないから!?」

 

 

『良くないから!?』

 

 

アスカ

「ふふっ、流石にこれは、くすっ、説得力がないよ」

 

 

「っ~!? もー、アスカちゃん!」

 

 

 

 

 

◆『V先生に学びたい』◆

 

「アスカちゃんって先生とか似合いそうだよね」

 

 

アスカ

「そうかな?」

 

 

「うん、美人で優しい先生って感じ」

 

 

アスカ

「あ、ありがとうございます。……先生かぁ。子供が好きだから、もしなれるなら幼稚園の先生か小学校の先生がいいな」

 

 

「それすごくいいと思う! アスカちゃんが先生なら学校も楽しそう!」

 

 

アスカ

「ふふっ、お世辞でも嬉しいな」

 

 

「むぅ、お世辞じゃないのに……。だったら、今度、アスカ先生のお勉強配信とかしてみる? きっとリスナーのみんなも楽しそうって言ってくれると思うよ」

 

 

アスカ

「えっと、それはどうなのかな? 第一、人に勉強を教えることに慣れてないし」

 

 

「そこは一緒に勉強していけばいいんじゃない?」

 

 

アスカ

「……そうかもしれませんね。でも、どうせなら私だけじゃなくて、色々なVtuberさんを先生として招いて、リスナーのみなさんと一緒に勉強できたら楽しそうだと思いませんか?」

 

 

「あ、それもいいかも。多種多様なVtuberがいるし、嵌っていることや趣味の話を授業にするの面白そう」

 

 

アスカ

「ふふっ、それなら第一回目の授業は黒猫燦先生にお願いするね」

 

 

「え、私!? 私はちょっと……」

 

 

アスカ

「燦ちゃんは趣味とか、得意なこととか、何か語れることはありませんか?」

 

 

「えっと、趣味はあるけど語れるほどじゃないし。得意なこと? う~ん、炎上とか?」

 

 

アスカ

「もぅ、それは得意だとだめなものだよ……。でも、燦ちゃんは生徒に好かれる、立派な反面教師になりそうですね」

 

 

「えへへ、ありがとう。……って、それ褒めてないよね!?」

 

 

 

 

 

◆『萌えて、燃え上がって、もえもえちゅん?』◆

 

「10月10日の今日は萌の日だし。折角だから、アスカちゃんにアレをしてもらわないと……」

 

 

アスカ

「燦ちゃん、夕食の準備ができましたよ」

 

 

「うん、分かった!」

 

 

アスカ

「はい、どうぞ。それにしても、急にオムライスが食べたいだなんて、今日は何かあったの?」

 

 

「えっと、それは……、オムライスの気分だった。みたいな?」

 

 

アスカ

「どうして疑問形なの?」

 

 

「そっ、そんなことよりも! アスカちゃんにお願いがあるんだけど……」

 

 

アスカ

「お願いですか? なんだろう?」

 

 

「えっとね。このケチャップで、オムライスにハートマークを描いて欲しいの。だめ、かな?」

 

 

アスカ

「……ふふっ、そんなことでいいの? 燦ちゃんのことだから、メイド服を着て、萌え萌えきゅんをして欲しいって言われるのかと思っちゃった」

 

 

「……ソ、ソンナコトナイヨー」

 

 

アスカ

「怪しい。本当かなぁ、……じぃ~っ」

 

 

「うっ……、ごめんなさい。追加でお願いするつもりでした」

 

 

アスカ

「ふふっ、やっぱり。燦ちゃんだもんね。……でも、そんな燦ちゃんだから、今日だけは特別だよ」

 

 

「えっ」

 

 

アスカ

「おいしくなぁ~れ、萌え萌えきゅん♡」

 

 

「……あ、死んだ。萌え尽きた」

 

 

アスカ

「もぅ、大げさだよ。ほら、早く食べないと冷めちゃうよ。はい、あ~ん」

 

 

「あ、あ~ん」

 

 

アスカ

「おいしい?」

 

 

「おいちい。……天国ってホントにあったんだね」

 

 

アスカ

「ふふっ、褒め上手なんだから。あっ、唇にケチャップついてるよ」

 

 

「え、どこ?」

 

 

アスカ

「ほら、ここだよ。……あは、おいしい」

 

 

「はぁう!? 今日のアスカちゃん、あざと可愛くて萌え萌えだよ」

 

 

アスカ

「だって、燦ちゃん、こういうの好きだよね? いつも燃えてばっかりで大変そうだから、たまには癒してあげたいなって。だから、あ~ん。――覚悟してね」

 

 

「あむっ、……でへへっ。じゃあ、覚悟して今日も萌えるね。ん~っ」

 

 

アスカ

「ふぇっ!? ……もー、甘えんぼさんなんだから。はい、……んっ。いいよ。萌えちゃえ」

 

 

「えへへ、ごちそうさま。萌えちゃった」

 

 

アスカ

「っ、もぅ。……お粗末様でした」

 

 

 

 

 

◆『10月11日と書いて尊い(てぇてぇ)と読む』◆

 

アスカ

「ふぁ~っ。燦ちゃん、朝ですよ。おはようございます」

 

 

「んぅ。……おはよう、アスカちゃん」

 

 

アスカ

「あのっ。昨日の約束、覚えてますか?」

 

 

「昨日の約束? ん~っ、なんだっけ?」

 

 

アスカ

「むぅ、……覚えてるくせに。燦ちゃんのいぢわる」

 

 

「えへへ、ごめんってば。ちゃんと覚えてるよ」

 

 

アスカ

「もぅ……」

 

 

「じゃあ、しよっか?」

 

 

アスカ

「……うん。相手の名前の数だからね」

 

 

「もぅ、分かってるよ。ア・ス・カ」

 

 

アスカ

「さ・ん」

 

 

「ちゃんと届いた?」

 

 

アスカ

「うん、ちゃんと届いたよ。燦ちゃんからのウィンク」

 

 

「でへへ、じゃあこれで私たち両想いだね!」

 

 

アスカ

「あは、うん! ……えへへっ、どうしよう。すごく嬉しい」

 

 

「私も。こんな幸せな気持ちになれたのは、ウィンクの日のおまじないのことを、アスカちゃんが教えてくれたからだよ。だから、ありがとう」

 

 

アスカ

「いえ、そんな。燦ちゃんが一緒にやろうって言ってくれたから。だから、私の方こそありがとう。だよ」

 

 

「あはは。じゃあお相子だね」

 

 

アスカ

「はい!」

 

 

「……ねぇ、アスカちゃん」

 

 

アスカ

「どうかしましたか?」

 

 

「手、ぎゅってしていい?」

 

 

アスカ

「ふふっ、もちろん。はい、どうぞっ」

 

 

「えへへ。アスカちゃんの手、好き」

 

 

アスカ

「あは、ありがとうございます。でも、好きなのは、手、だけなの?」

 

 

「もぅ、アスカちゃんだっていじわるじゃん。……でも、そういうのも含めて、手も、髪も、んっ、はむっ、耳も、んっ、っ、……そしてここも。恥じらうところも、全部が好きだよ」

 

 

アスカ

「はぁはぁ……。えへっ、えへへ。……私も、好き。大好きだよ。だから、もっとぎゅってして……」

 

 

「うん。二人でぎゅってしよ?」

 

 

アスカ

「んっ、離さないから。……離さないで」

 

 

「離してって言われても、離さないよ」

 

 

アスカ

「えへへっ、んっ、……すき」

 

 

「知ってる。んっ、……私もすきだよ」

 

 

 


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