あるてまれアスカちゃん劇場´   作:立花アスカの偽猫

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あるてまれアスカちゃん劇場まとめ(131~135)

◆『黒猫を捕まえた。ニックネームをつけますか?』◆

 

「アスカちゃん。マルクラで見せたいものってなぁに?」

 

 

アスカ

「それはですね。あは、実際に見てからのお楽しみだよ」

 

 

「えぇー、そう言われるとすごく気になるじゃん。早く見たいな!」

 

 

アスカ

「ふふっ、慌てなくてもちゃんと見せてあげますよ。案内するので、私のあとについて来てくださいね」

 

 

「うん、分かった」

 

 

アスカ

「……到着しました。これが燦ちゃんに見せたかったものだよ」

 

 

「普通の家だよね? 中に何かあるのかな?」

 

 

アスカ

「ん~、それは実際に中に入って確認してみてください」

 

 

「う、うん。……わあっ!? ねこがいっぱいだ! やばっ、かわいい!!!」

 

 

アスカ

「あは、喜んで頂けて嬉しいです。まだ未完成なんですが、頑張った甲斐があったかな」

 

 

「え、これでまだ完成じゃないの!?」

 

 

アスカ

「お恥ずかしながら、名前をつけるのと、最後の仕上げがまだ終わってなくて……。よかったら、燦ちゃんに手伝ってもらえないかな?」

 

 

「うん、もちろんだよ! 私はなにすればいいの?」

 

 

アスカ

「燦ちゃんにして欲しいことだけど、取り敢えず部屋の真ん中に移動してくれれば大丈夫だよ」

 

 

「移動するだけでいいの?」

 

 

アスカ

「はい、あとは私が仕上げるので、お願いしてもいいかな?」

 

 

「分かった。……それにしても、いろんな種類のねこを集めたんだね」

 

 

アスカ

「そうなんです。頑張りましたっ!」

 

 

「すごいね。あっでも、黒猫が一匹も見当たらないや。捕まえないの?」

 

 

アスカ

「……ふふっ、ちゃんと捕まえるよ。……ほら」

 

「え? ひゃわっ!? えっえっなになになに!?!? 落ちたと思ったら。なんか真っ暗になったんだけど!?」

 

 

アスカ

「ふふっ、……あは、あははっ! つっかまえたっ」

 

 

「アスカちゃん? ちょっ、なんで穴を塞いだの!? え、てかこのブロック壊れないし!」

 

 

アスカ

「ごめんね。燦ちゃんはねこハウスだと思ってたかもしれないけど、本当はね、燦ちゃんハウスなの」

 

 

「え?」

 

 

アスカ

「他のねこさんたちにも、あとで燦って名前を付けてあげる予定なんだよ! あは、燦ちゃんがいっぱいなお家に住めるなんて夢みたいっ!」

 

 

「どういうことなの!? お願い、ここから出してよ。ねぇ、アスカちゃん? アスカちゃん!!!」

 

 

アスカ

「だぁ~め。大事なものはちゃんと仕舞っておかないとね」

 

「やだっ!? 暗いの怖いよ! 謝るから! 出してっ! お願い、出してよ!!!」

 

 

アスカ

「えへへ、これでずっと一緒だよ」

 

 

「いやっ、アスカちゃん! アスカちゃん!?!?!?

 

 

 

……

 

…………

 

………………うわっ!?!? あれ、……夢?」

 

 

アスカ

「燦ちゃん!? よかった。急に叫び声が聞こえたから、びっくりしちゃった。大丈夫? 怖い夢でも見たの?」

 

 

「アスカちゃん……。ありがとう。大丈夫、ちょっと怖い夢を見ただけだから」

 

 

アスカ

「そう、ですか。取り敢えず、無事そうでよかった。……因みに、どんな夢だったの?」

 

 

「えっと、それはその……捕まる夢、かな?」

 

 

アスカ

「捕まる? 逮捕される夢かな? それは怖かったよね」

 

 

「えと、まぁ、牢屋よりも怖いところに監禁されてたからね。……ねぇ、アスカちゃん。一応というか。念のため聞くけど、マルクラで私に見せたいものってなにかある?」

 

 

アスカ

「燦ちゃんに見せたいもの。ですか?」

 

 

「あ、別にないならいいんだよ! 寧ろない方が嬉しいって言うか……」

 

 

アスカ

「……もしかして見つけちゃった?」

 

 

「え? もしかしてってことは……」

 

 

アスカ

「うぅ~っ、どうしよう。すごく恥ずかしい。で、でも違うの! 黒猫を見つけて、ちょっとテンションが上がったと言いますか、その、ふと思いついた名前が燦ちゃんだったってだけで。特に深い意味があるとかそういうんじゃなくて……」

 

 

「……ふぅ、よかった。正夢なんてある訳ないしね」

 

 

アスカ

「??? あ、せっかくですし、ねこさん専用のお家を一緒に作りませんか?」

 

 

「……私は住まないからね」

 

 

アスカ

「は、はい。もちろんそのつもりだよ。ふふっ、おかしな燦ちゃん」

 

 

 

 

 

◆『ドレファソラシド』◆

 

 

                              

みみみくみみみろみみみみみみねみこみみ

 みみみしみみみみすみみみみみみみすみみし

 み抜きいいですか?

 

ましゅまろ

❒″

 

 

 

 

「よくないが!?」

 

 

『なにがよくないの?』

『これはくそまろ』

『草』

 

 

「いや、だって……。と、とにかくっ! こういうのよくないからな!」

 

 

『ちょっと待つんだ。このまろには別のメッセージが隠されている!』

『どこに?』

『みを抜くと現れるとか?』

 

 

「みを抜く? えっと、……く、ろ、ね、こ、し、す、す、し?」

 

 

『黒猫死す、すし』

『草』

『やっぱりくそまろじゃん』

『みを抜くじゃなくて、しみを抜くんじゃね?』

『染み抜きか』

 

 

「あ、なるほど。しも抜くと、えっと、くろねこすす。って、私は煤じゃないが!?」

 

 

『草』

『くそまろじゃん』

『いつも燃えてるし』

 

 

「い、いつもは燃えてないはず……」

 

 

『せ、せやな』

『※ほぼ燃えてます』

『嘘だっ!』

 

 

「嘘じゃないし!? 今週は、えっと、一回、二回……」

 

 

『片手で足りる?』

『一回でも多いんだよなぁ』

『燦ちゃん……』立花アスカ✓

『アスカちゃんもよう見とる』

『誰かこの常習犯をどうにかしろよ』

 

 

「そ、そんなことより! 次のましゅまろ読むよ!」

 

 

 

                              

もう一回、み抜きいいですか?

 みしみみょみうみがみなみいにみゃみみあみみ

 

ましゅまろ

❒″

 

 

 

 

「は、はぁ? えっと、し、よ、う、が、な、い、に、や、あ。って、おい!?」

 

 

『み抜き助かる』

『これは草』

『マジのみ抜きじゃん』

『っ、……ふぅ』

『どういう意味なんですか?』立花アスカ✓

 

 

「アスカちゃんは知らなくていいからね!?」

 

 

『???』立花アスカ✓

『世の中には知らなくていいことがあるんだよ』

『黒猫が知ってるの草』

『だって、淫猫だもん』

 

 

 

 

 

◆『対岸の家事にあらず』◆

 

「あははっ、それはないって」

 

 

アスカ

「燦ちゃん、夕食の準備ができたよ」

 

 

「は~い。これ見終わったらすぐに行くね」

 

 

アスカ

「もぅ、仕方ないなぁ。なんの動画を見てるの?」

 

 

「Vtuberの料理配信だよ。これがすごく面白くて、アスカちゃんも一緒に見ようよ」

 

 

アスカ

「夕食のあとでなら構いませんが、その方はどんな料理を作ってるんですか?」

 

 

「え、ホットケーキだけど?」

 

アスカ

「ホットケーキを作る配信なのに、そんなに面白いの?」

 

 

「だって、牛乳がないからカ〇ピスの原液を入れたり、ミックス粉が足りないのにしゃばしゃばのまま焼いて固まらなかったり、甘すぎたからってしょうゆをかけてみたらし味にしたり。意味不明で面白いと思わない?」

 

 

アスカ

「……確かに、レトルトカレーをスパイシーコーヒー牛乳にしたり、ホットケーキを床に引っくり返したり、ゆでたまごを殻つきのまま半分にしたりするくらい面白いね」

 

 

「アスカちゃん!? それって私のことだよね! いや、確かに失敗してたけど! この配信者よりは酷くないよね!?」

 

 

アスカ

「……さて、夕食が冷えてしまいますし、動画はあとにしてご飯を食べに行きましょう」

 

 

「話逸らしたよね!? えっえっ、もしかして私ってこれと同レベルなの!?!? いや、そんなはずは……、ない、はず。たぶん。……ないよね?」

 

 

アスカ

「燦ちゃんはそのままでいいと思うな。大丈夫、私が一生ご飯の面倒をみてあげるから。ね?」

 

 

「……告白みたいで普段なら嬉しいはずのに、素直に喜べないんだけど。私はちょっと不器用なだけなのにさ」

 

 

アスカ

「あは、私はそんな不器用な燦ちゃんが好きだよ」

 

 

「……う~ん、なんか上手く誤魔化された気がして複雑だけど。ま、いっか。私も料理上手なアスカちゃんが好きだよ!」

 

 

 

 

 

◆『黒猫の鼻先にチョコをぶら下げる』◆

 

「はぁっ。また配信に遅刻して、マネージャーさんに怒られちゃった」

 

 

アスカ

「それは仕方ないよ。だから、あれほど寝落ちしないようにって言ったのに……」

 

 

「だって……」

 

 

アスカ

「だってじゃないよ、もー」

 

 

「うぐっ、……反省してます」

 

 

アスカ

「今度からは、配信の十分前くらいに、アラームが鳴るように設定しておいたらどうかな?」

 

 

「う~ん、でも、アラームをセットするのを忘れそう」

 

 

アスカ

「えっと、それなら配信の枠を取ったらすぐにアラームをセットできるように、付箋にメモしてよく見る場所に貼っておきましょう」

 

 

「……付箋、持ってない」

 

 

アスカ

「余ってるのを私があげるよ」

 

 

「うん、ありがとう。……でも、アラームでも起きれなかったらどうしよう」

 

 

アスカ

「もー、……仕方ないなぁ。だったら、こんなのはどうかな。例えば、今後の配信で遅刻しなかったら、配信後によくできましたスタンプをひとつ押してあげます」

 

 

「よくできましたスタンプ?」

 

 

アスカ

「はい、よくできましたスタンプです。それが十個集まる度に、頑張った燦ちゃんに私からご褒美をプレゼントするね」

 

 

「ご褒美、……ごくりっ。ちっ因みに、ご褒美ってどんな内容なの?」

 

 

アスカ

「それはね、……ひ・み・つ、です」

 

 

「え、すごい気になる。いぢわるしないで教えてよ」

 

 

アスカ

「だ~めっ。スタンプを集めるまで内緒だよ。だから、ちゃんと遅刻しないで配信しないとだね」

 

 

「は~い。これ以上、みんなに迷惑かけられないし、なによりアスカちゃんのご褒美のためだもん。頑張ってみる」

 

 

アスカ

「うん、その意気だよ。頑張れ!」

 

 

 

 

 

◆『期待じゃまな板は膨らまない』◆

 

「ほら、見て! よくできましたスタンプが、あと一つで十個になるんだよ! 私、頑張ったよね」

 

 

『遅刻しなくてえらい!』

『いや、それが普通だから』

『前から思ってたけど、夏休みの小学生がラジオ体操のあとに貰うスタンプみたい』

『ラジオ体操は草』

『まぁ、小学生みたいなものだし』

 

 

「は? 小学生じゃないが!? 寧ろ、ばいんばいんだし!」

 

 

『胸の話してないよ』

『自滅は草』

『知能は小学生以下』

 

 

「うぐぐっ……、ふふ~ん。そんな態度をしてていいのかなぁ? せっかく、アスカちゃんにご褒美を貰う様子を生配信してあげようと思ってたのにさ。あぁ~、配信できなくて残念だな~」

 

 

『は? 配信しろよ』

『一人だけずるいぞ!』

『俺も毎回遅刻しないで配信見てるのに』

『俺だって、眠たいのを我慢して配信を生で全部見てるんだぞ!』

『誰かさんが遅刻したときもずっと待っててあげたのに』

 

 

「うぇっ!? えっ、あ、ありがと。……えへへ、てか、みんな私のこと好きすぎじゃん」

 

 

『は? 好きじゃないが』

『別に黒猫燦のことなんて好きじゃないんだからね!』

『ち、ちげぇし!?』

 

 

「リスナーのツンデレとか誰得?」

 

 

『さぁ?』

『ところでご褒美配信はいつですか?』

『てぇてぇはよ』

『夜のラジオ体操まだ?』

『ご褒美の内容はなんなん?』

 

 

「配信はしません。それと、私もご褒美の内容は知らないんだよね。みんなはなんだと思う?」

 

 

『頭なでなで』

『膝まくら』

『ちゅー』

 

 

「確かにご褒美だけど、う~ん」

 

 

『え、これ以上のご褒美が貰えるの!?』

『普段からしてるからご褒美じゃない的な? 知らんけど』

『てぇてぇ』

『もっとすごいご褒美だから、楽しみにしててね』立花アスカ✓

『アスカちゃんもよう見とる』

『これ以上とか、ミャーチューブくん耐えられないじゃん』

『やばい、想像しただけで鼻血ががが』

 

 

「……ごくりっ。私は今からお風呂に入ってくるので、配信はここまでにします。ご視聴ありがとうございました」

 

 

『お風呂っておまっ』

『お風呂助かる』

『ふ~ん、淫猫じゃん』

『ねぇ配信は!? 音声だけでいいから!?』

『それじゃあ私も、お風呂に入ってからご褒美を渡しに行くね』立花アスカ✓

『ガチやん』

『明日の朝配信は久しぶりの遅刻かな?』

『事後報告よろ』

 

 

 


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