あるてまれアスカちゃん劇場´ 作:立花アスカの偽猫
◆『あなたのスパチャで破燦から救え!』◆
燦
「本日は、コラボイベント中の某有名ソシャゲをしようと思います」
『お、マジか』
『爆死楽しみ』
『案件?』
『スパチャできないんだけど』
『ガチャ代送れない』
燦
「案件ではないです。あと、コラボの関係でスパチャを一時的に切ってます。気持ちだけ貰っておくから、ごめんね」
『いいってことよ』
『そっか』
『これをきっかけに案件来るといいね』
燦
「応援ありがとー。じゃあ、早速始めていきます」
『ストーリーとBGMはいいよね』
『某イベントとレアアイテムのドロップ率が渋くなければなぁ』
『古銭場から逃げるな』
『闇鍋ガチャもあるよ』
『迷わず女主人公を選んだな』
燦
「へぇ、たしかに面白いストーリーだね。あと、女の子がかわいい!」
『後半が本音だろ』
『男いらね』
『百合ハーレムパーティ作ろうぜ!』
燦
「あ、チュートリアルガチャが引けるようになったってさ。よし、みんな。ガチャの時間だ!」
『よっしゃ!』
『わくわく』
『SSRは確定だから爆死はないぞ。安心して引け!』
燦
「そうなんだ! 分かった、じゃあ引くよ!」
『おっ!』
『きちゃ!?』
『あ』
燦
「……男」
『草』
『知ってた』
『男でもいいだろ!』
『差別やめなー』
『イケメンのなにが嫌なんだよ』
燦
「あっ、待って。まだ引ける! 大丈夫、次こそはかわいいキャラ出るから!」
『おっ、SSRだ!』
『運いいじゃん』
『ちっ』
燦
「来たっ!? これは勝ったな!」
『あっそれフラグ』
『当たりだね。このキャラめちゃ強いよ』
『でも男だ』
燦
「なんでぇ!? ねぇ、これってちょっとあんまりじゃない!? 私はただ、かわいい女の子たちと冒険したかっただけなのに!」
『甘えるな』
『天井まで引いてから文句言ってもろて』
『案件消えたな』
『だ、大丈夫。年末に真の仲間が来るから(震え声』
『緑恐竜と赤モップだけがこのゲームの良心』
『なお、目当てのキャラが手に入るとは言ってない』
『そこに好きなキャラが手に入るチケットがあるじゃろ』
燦
「ぐぬぬっ、あと一回だけ。有償だけど、一回だけならいいよね?」
『ようこそ沼へ』
『そこから先は地獄やぞ』
『楽しめてるうちはいいと思うよ』
『お小遣いあげなきゃ』立花アスカ✓
『草』
『アスカちゃんナイスパ(お小遣い)!』
『アスカちゃんも甘やかしちゃだめだよ』
『ま、破燦しないようにだけ気をつけてくれよな!』
◆『味のあるサイン?』◆
燦
「う~ん」
アスカ
「なにをしてるんですか?」
燦
「アスカちゃん。リスナーへのプレゼントで、色紙にサインを書くことになったんだけど。どんなサインを書いたらいいか悩んでるんだよね」
アスカ
「サインかぁ。それなら、芸能人のサインを参考にしてみたらどうかな?」
燦
「う~ん。でも、私、センスないから。気の利いた言葉を入れたり、こんな風にサービスでキスマークを入れたりみたいなことできないよ?」
アスカ
「ん~、困りましたね。……あ、そうだ! 手形を入れるのはどうかな?」
燦
「あ、それいいかも! それならパクリにならないし、サインがテキトーでも目立たないよね!」
アスカ
「あはは……、流石にテキトーなのはだめだけど、目立たなくはなると思うよ」
燦
「うっ、だよね。まぁ、サインはあとで決めるとして、手形を押す準備しよう!」
アスカ
「はい。お手伝いしますね」
燦
「ありがとう。あ、せっかくだし、余った色紙にアスカちゃんもサインしてみない?」
アスカ
「いいんですか? それなら、燦ちゃんとサインの交換がしたいな」
燦
「うん、もちろんいいよ! 私も、アスカちゃんの色紙欲しいもん!」
アスカ
「決まりですね」
それからそれから
燦
「ぺったんこ。あとは名前を書いて……、よしできた!」
アスカ
「ぺったんこ。……はい、私もできました」
燦
「じゃあ、交換しよ!」
アスカ
「はい、交換しましょう!」
燦
「えへへ、これがアスカちゃんのサイン……。家宝にするね」
アスカ
「もー、大げさだよ」
燦
「それにしても、改めて手形を押した色紙を見るとさ。なんでかお相撲さんのサインを思い出すというか、イメージしちゃうんだよね。なんでだろう?」
アスカ
「……」
燦
「あっ、違っ!? アスカちゃんの色紙だからじゃなくて、手形のある色紙だからそう思ったってだけで! 決して、アスカちゃんが太ったとかそういうんじゃ……」
アスカ
「燦ちゃん? 私、いますごく機嫌がいいので、サービスでほっぺたにもサインしてあげますね。あは、遠慮しなくていいですよ。真っ赤なマークを綺麗につけてあげますから」
燦
「ご、ごめんなさい! だから、張り手は勘弁してください!」
アスカ
「だ~め。目、瞑って?」
燦
「うっ、……うぅ~。や、優しくしてね?」
アスカ
「ふふっ。じゃあ、いくよ? ……んっ」
燦
「にゃっ!?」
アスカ
「……えへへ、なんてね。もー、気をつけないとだめだよ。太ったって言葉は、女の子には禁句なんだからね!」
燦
「ふぁ、ふぁい」
◆『うっかりさん、ちゃっかりさん』◆
燦
「ひ~ま~だ~」
アスカ
「そうだね。私も、配信する予定だったけど、ミャーチューブが落ちたから延期になって暇になっちゃった」
燦
「じゃあ、一緒になにかする?」
アスカ
「いいですね。なにをしますか?」
燦
「う~ん、……そうだ。昨日、面白い動画を見つけたんだけど一緒に見よう!」
アスカ
「えっと、燦ちゃん。ミャーチューブは今……」
燦
「あっ。あはは、そうだったね。……はっずい」
アスカ
「ふふっ、大丈夫だよ。私もさっき、似たように動画を見ようとして、あっ、ってなりましたし」
燦
「えへへ、じゃあお揃いだね」
アスカ
「はい、お揃いです!」
燦
「じゃあさ。ソシャゲがメンテナンスで暇になったから、暇つぶしにソシャゲをしようとしてメンテナンス中じゃん、ってなったりとかもある?」
アスカ
「あはは……、それは流石にないかなぁ」
燦
「え、ないの!?」
アスカ
「うっかり燦ちゃんだね」
燦
「もーっ、アスカちゃん!」
アスカ
「ふふっ、ごめんなさい。うっかり噛んでしまいました」
燦
「えー、それは流石に私でもないかぁ」
アスカ
「えっ!? さ、燦ちゃん」
燦
「なんてね。さっきのお返しだよ」
アスカ
「もー。そういうところは、ちゃっかりしてるんだから……」
燦
「でも、これでお揃いだよ?」
アスカ
「……うん。えへへっ」
◆『にゃんでもにゃいようにゃ幸せ』◆
燦
「最近、猫要素が足りないって思うんだよね」
『急にどした』
『いまさらじゃね?』
『最初から無かったぞ』
『そんな設定だったな』
『え、猫だったの!?』
燦
「猫、だったよね? いや、もしかしたら猫じゃないのかもしれない」
『なん、だと』
『いや、猫耳の生えたJKだろ』
『記憶喪失設定、追加しないでもろて』
燦
「そんな訳で、初心を思い出すべく、今からあの早口言葉を言いたいと思います」
『最初からほとんどにゃって言ってないんだよなぁ』
『そもそも初心がないぞ』
『初心とは?』
『初配信二回行動(ぼそっ』
『早口言葉助かる』
燦
「それじゃあいくよ。斜め77度の並びで泣く泣く嘶くナナハン7台難なく並べて長眺め」
『8888』
『すごいです!』立花アスカ✓
『いや、噛めよ!』
『今日に限って絶好調だし』
『にゃって言え!』
燦
「あっ。……やっぱり猫じゃなかったみたい」
『くそっ、どうしたらいいんだ』
『黒猫から猫要素を取ったら清楚(笑)しか残らないっていうのに』
『なにかないのか!』
『おら、これあげるからにゃって言え』¥1000
『その手があったか!? ほらっ、猫時代を思い出すんだ』¥1000
『にゃって言ったり言わなかったりしろ』¥500
燦
「いやいや!? スパチャされたからって、にゃって言わないからね!?」
『だめだ。猫要素を取り戻すには、まだスパチャが足りないんだ』
『頼む、みんな。黒猫にスパチャを分けてくれ!』¥1000
『オラのスパチャも使ってくれ!』¥590
『ふっ、仕方ないな』¥5000
『ほらよ、持ってけ!』¥1000
燦
「だから、いくらスパチャされても、もうにゃって言ったりなんか、しっ、しないし……」
『あとちょっとだ!』
『石油王の私がスパチャするんだ。お前らもさっさとスパチャを渡さんか!』¥50000
『石油王きちゃ! これで勝つる!』¥1000
『黒猫!』¥500
『黒猫燦』¥1000
『燦ちゃん!』立花アスカ✓¥10000
燦
「にっ、にゃーーーーーっ!!!」
『にゃーーーっ!』
『にゃーきた!?』
『おめでとう!』
『おめでとにゃー!』
『黒猫、よかったな』
燦
「って、にゃにこのにゃがれ!? にゃっにゃっ、スパにゃありにゃとうごにゃいます。これからは、もっとにゃって言いますにゃ」
『にゃ助かる』
『人要素ないなった』
『もう一回スパチャる?』
『ごめん、石油王だけどもう残高がないんだ』
『草』
『じゃあ猫のままでいっか』
『猫になってる今だから言うけど、にゃって言っても言わなくても最推しだよ』
『猫だからコメント読めないか。じゃあ俺も。好きだ!!!』
『頑張るキミに元気もらってるよ。これからもずっと応援してるからね』
『これまでも、これからも大好きだよ』立花アスカ✓
燦
「うぅ~っ、みんにゃしてにゃんにゃのさ。……でも、ありがと」
『にゃんだって?』
燦
「にゃんでもにゃい!」
◆『こんにちは、赤さん?』◆
ましゅまろ ❒″ |
燦
「う~ん、……やっぱり結かなぁ」
『ゆいくろてぇてぇ』
『乙葉ママじゃないの?』
『やめてあげろ』
『草』
『黒猫みたいな娘はちょっと……』
『ママにだって娘を選ぶ権利はあるんだぞ』
燦
「……なんてことがあってさ! みんな酷いよね!」
アスカ
「ふふっ、そうですね。私なら、燦ちゃんみたいな素敵な娘は大歓迎なんだけどな」
燦
「え、じゃあ今日からアスカママの娘になりゅ!」
アスカ
「あは、構いませんよ。は~い、アスカママですよ~。燦ちゃん、今日もいい子だね。よしよし」
燦
「えへへっ、ママ大好きっ!」
アスカ
「きゃっ。……ふふっ、もー、甘えんぼさんなんだから」
燦
「だってだって、アスカママにぎゅってして欲しかったんだもん。……だめ?」
アスカ
「ううん、全然だめじゃないよ!」
燦
「じゃあ、ぎゅ~~~、ってして?」
アスカ
「もー、かわいいっ!」
燦
「えへっ、えへへ。……あっ、お腹なっちゃった。ママ、ごはんは?」
アスカ
《font:8》「あっ、そうだよね。ちょっと待っててね」
燦
「うん!」
アスカ
「……はい、お待たせしました」
燦
「あ、アスカちゃん。その手に持ってるのは……」
アスカ
「え、哺乳瓶だよ? もー、アスカちゃんじゃなくてママでしょ。めっ、だよ」
燦
「ごめんなさい。……って、そうじゃなくて! ちょっ、ちょっと待って。たしかに娘の設定年齢を下げたのは私だけどさ!? 哺乳瓶は、その、ちょっと……」
アスカ
「これ、やっぱりだめだったかな?」
燦
「そうだよ! せめてミルクは哺乳瓶じゃなくて、普通にじかで飲ませてよ!」
アスカ
「燦ちゃん!? そ、そうだよね。うぅ~っ、すごく恥ずかしいけど……。燦ちゃんは、まだ子供だもんね。哺乳瓶じゃなくて、こっ、こっちだよね」
燦
「えっ!?」
アスカ
「はい、……どうぞ」
燦
「……」
アスカ
「っ、……あれ? えっと、燦ちゃん?」
燦
「きゅ~っ?!」
アスカ
「……ふふっ、急に寝ちゃうなんて、本当に子供みたい。……お休みなさい、私の可愛い燦ちゃん」