あるてまれアスカちゃん劇場´   作:立花アスカの偽猫

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あるてまれアスカちゃん劇場まとめ(11~15)

◆『隠し味』◆

 

 

 

お菓子作りが趣味なアスカちゃんに質問です。

 黒猫さんにお菓子をプレゼントするときはどんな隠し味を入れてますか?

 

ましゅまろ

❒″

 

 

 

 

アスカ

「そうですね。砂糖の代わりにはちみつを加えたり、生クリームを使うときは練乳を足したりもしています。あとは……、その、愛情を、注いだり。とか」

 

 

『てぇてぇ』

『砂糖吐きそう』

『ブラックコーヒーが飲みたい』

『愛情(意味深)』

『つ愛情(髪の毛)』

『つ愛情(体液)』

『つ愛情(媚薬)』

『つ愛情(惚れ薬)』

 

 

『え、えぇ……』黒猫燦✓

 

 

『黒猫がドン引きしてる』

『お前ら、アスカちゃんがそんなもの入れる訳ないだろ』

『マタタビくらいなら、あるかも』

『流石に黒猫もそっち系はダメなのか』

『淫猫なのに?』

 

 

アスカ

「あっ、燦ちゃん! これは違いますから。愛情だけですからね! 変なものなんて入れてません、本当ですよ!」

 

 

『必死過ぎて逆に怪しい』

『愛情という隠し味が隠せてない件』

『まぁ、普段からスキスキビーム出してるし、そりゃ入ってない方がおかしいだろ』

『お菓子だけに?』

『今日はなんだか寒いな』

 

 

『大丈夫、私はわかってるから。アスカちゃんの愛情ならどんなものでも食べてみせるよ』黒猫燦✓

 

 

アスカ

「燦ちゃん!? それ、分かってないですよね! 信じてください!」

 

 

 

翌日

 

 

 

アスカ

「燦ちゃん、はい。今日の分の手作りおやつです」

 

「あ、ありがと。……えと、何か怒ってる?」

 

アスカ

「怒ってませんよ? ほら、早く味の感想を聞かせてください」

 

「う、うん。……あれ、いつもよりおいしい。あ、もしかして隠し味に何か入れてたりして?」

 

アスカ

「あは、中に何も入れてませんよ。それとも、何か、入れて欲しかったんですか?」

 

「ぴぃ!?」

 

アスカ

「……なんてね。昨日のお返しです」

 

「え?」

 

アスカ

「本当はレシピを少し見直しただけです。もう怒ってないので一緒に食べましょうか」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

◆『無人島に持っていくもの』◆

 

 

 

無人島に一つだけ持っていけるとして、

どんなものを持っていきますか?

 

ましゅまろ

❒″

 

 

 

 

「ド〇えもん」

 

アスカ

「燦ちゃん、それは現実的じゃないよぉ」

 

 

『生き残る気満々だな』

『ドラ〇もんにだって選ぶ権利があるんだぞ』

『黒猫なんかに選ばれて可哀想な狸型ロボット』

『ぽんにぽんを足しても意味ないんだよなぁ』

『道具全部故障中に1票!』

 

 

「お前らなぁ! 別に無人島生活がイージーモードでもいいじゃん! てか、ぽんじゃないんだが!」

 

 

『つ鏡』

 

 

「ぐぬぬっ……我慢、我慢だにゃ。えと、それじゃあアスカちゃんは何を持っていきたい?」

 

アスカ

「私は、そうですね。……恋人、です」チラッ

 

「ふぁっ!?」

 

アスカ

「好きな人となら、たとえ過酷な無人島生活でも、きっと楽しく過ごせるんじゃないかなって。……燦ちゃんは、どう、思いますか?」

 

「あっあっあっ」

 

 

『てぇてぇ』

『片やドラ〇もん、片や恋人。どうしてここまで差が出るのか』

『美少女(笑)と美少女(真)の差だろ』

『遠回しな告白やばい』

『黒猫が過呼吸で死ぬぞ』

『まぁ、ナイフとか使い慣れないもの選ぶよりは、悔いの残らない良いチョイスだと正直思うな』

『二人いれば人手も人口も増やせるし、悪くない選択ではある』

『せやな(目逸らし』

『恋人(同性)でどうせいっていうねん』

『コウノトリがどうにかしてくれるだろ(鼻ほじ』

 

 

アスカ

「私が誘ったら、私のために、今の生活を捨てて骨を埋めてくれますか?」

 

「アスカちゃん、なんだか目が真剣で怖いよ!? わすれろ草どこっ! この際、ミチビキエンゼルでもいいから! た、助けろド〇えも~ん!

 

 

 

 

 

◆『百合の日』◆

 

アスカ

「燦ちゃんは今日が何の日か知っていますか?」

 

「えと、祝日じゃないし、何の日だっけ?」

 

アスカ

「正解は、百合の日です」

 

「へ、へぇ。そうなんだ」

 

アスカ

「むぅ、燦ちゃんは嫌いですか?」

 

「う~ん、好きだけど、複雑な心境? みたいな。中と外、どっちを基準に考えればいいのかなって、ふと思ってさ」

 

アスカ

「???」

 

「あっ、分からないよね。別に大したことじゃないからさ」

 

アスカ

「よく分かりませんが、今日は百合の日ということで、私が大切に守ってきた百合を、受け取ってくれませんか?」

 

「アスカちゃんの、百合? (百合の花言葉は純潔、つまり)……ごくりっ」

 

アスカ

「はい! プランターで育てていた百合の花が綺麗に咲いたんです。ですから、せっかくなので燦ちゃんにもお裾分けさせてください」

 

「だ、だよね。うん、ありがとうアスカちゃん。大事にするね!」

 

アスカ

「いえいえ。それでは私のお家に取りに行きましょうか。ついでにお菓子も用意しますから、今日はお家の中でゆっくりしていってくださいね?」

 

「う、うん」

 

アスカ

「ほら、燦ちゃん。お家まで案内するので、迷子にならないように手を繋ごう」

 

「い、いいよ!? 何度か行ったことあるし、子供じゃないから大丈夫だよ。その、正直恥ずい」

 

アスカ

「だめです。迷子にならないためですから、我慢してくださいね?」

 

「はぅ!? これ、恋人繋ぎ……」

 

アスカ

「女の子同士なら普通だよ? あは、変な燦ちゃん」

 

「あ、うん。そうだよね」

 

アスカ

「そうなんです あは、やった

 

 

 

 

 

◆『雨も悪くない』◆

 

アスカ

「雨、降り始めましたね。本降りになる前に帰らないと」

 

「うん、そうだよね。……せっかくのお出掛けだったのに、今日はここまでかぁ」

 

アスカ

「私も残念だけど、仕方ないよ。……そうだ。お出掛けの代わりにはならないけど、折り畳み傘があるので、燦ちゃんのお家まで送って行きますね」

 

「わぁっ、いいの? やった、ありがと! ……あ、送って貰うんだし、傘は私が持つよ」

 

アスカ

「そうですか? では、燦ちゃんの厚意に甘えさせて貰うね」

 

「うんうん。しっかり甘えんしゃい」

 

アスカ

「えっと、それじゃあ、もっと近寄ってもいいですか?」

 

「遠慮しないで、もっと近くに来てよ。濡れちゃうよ」

 

アスカ

「はぁぅ。……これくらい、ですか?」

 

「だめ。腕組んでいいから、もっと近く、だよ」

 

アスカ

「うぅ~。……今日の燦ちゃんは強引、だね」

 

「アスカちゃんとの楽しいお出掛けを雨に邪魔されたんだもん。これくらいの役得がないと割に合わないじゃん。だから、はい」

 

アスカ

「……では、失礼します」

 

「……自分で誘っておいて、アレだけど、ちょっと恥ずかしくなってきたかも」

 

アスカ

「……私もだよ。でも……」

 

燦&アスカ

「「雨も悪くないかなって」」

 

 

 

 

 

◆『魔法少女アスカちゃん』◆

 

 説明しよう。

 

 立花アスカは異世界の妖精を自称する黒猫の『燦』と出会い、彼女が持つどんな願いも叶えるという虹燦石(レインボーサンストーン)を守るために魔法少女アスカとなった。

 

 今日も魔法少女アスカは、世界征服を企み虹燦石(レインボーサンストーン)を狙う悪の組織『あるてま』と激しい戦闘をしている。

 

 

世良祭

「今日こそ、世界中の祭りを世良祭にする」

 

アスカ

「そんなことはさせません! 燦ちゃん、行くよ!」

 

「うん、アスカちゃん!」

 

アスカ&燦

「「ミラクル、メイクアップ!」」

 

 

 燦の持つ首飾りについた虹燦石(レインボーサンストーン)に、アスカが口付けをすると、虹色の光がキラキラと煌めき二人を優しく包み込んだ。

 

 

アスカ

「虹の煌めきに導かれし一輪の華!

燦々シャイン! 魔法少女アスカ、華麗にキラッと参上です!」

 

世良祭

「魔法少女アスカ。今日こそ倒す。お願い、ブリッカー」

 

ブリッカー

「「「リー!」」」

 

「出たな、ブリッカー! あいつらはレンガでできたゴーレム兵で、戦闘力自体は強くないけど、数だけは多いから気を付けて!」

 

アスカ

「はい! やあっ!」

 

世良祭

「くっ、結構やる。でも、虹燦石(レインボーサンストーン)を手に入れて世良祭を開催するまでは終われない」

 

「マズい! アスカちゃん、大技が来るよ!」

 

世良祭

「もう遅い。ソング・オブ・ダークフェスティバル♪」

 

アスカ

「くぅ、この歌を聴いていると、力が……抜けて」

 

「アスカちゃん!」

 

世良祭

「♪♪♪ あなたの負け。大人しく黒猫さんと虹燦石(レインボーサンストーン)を渡すなら、あなたの命までは取らない。どうする?」

 

アスカ

「……ふざけないで、ください。燦ちゃんも、虹燦石(レインボーサンストーン)も、あなたたちの野望を叶えるための、……道具なんかじゃありません!」

 

世良祭

「まだそんな力が残っていたんだ。でも、私には勝てない」

 

アスカ

「確かに、私一人じゃあなたに勝てないのかもしれません。ですが、私は一人ではありません! 燦ちゃん、私に力を貸して!」

 

「もちろんだよ。受け取って、アスカちゃん! 煌めけ、虹燦石(レインボーサンストーン)!」

 

アスカ

「はい! パワー燦々、キラッとレインボー! サンライト……」

 

世良祭

「くっ、ソング・オブ……」

 

アスカ

「ブレイカーーーっ!!!」

 

 

虹の煌めきが世良祭の歌を打ち消すように突き進み彼女を飲み込んでいく。

 

だがしかし。

 

 

世良祭

「……今のは少し危なかった。今日のところは諦めるけど次は負けない」

 

アスカ

「……ふぅ。なんとか追い返せましたね」

 

「ごめんね、アスカちゃん。こんな危険なことに巻き込んじゃて」

 

アスカ

「謝らないでください。私、燦ちゃんと出会えて、本当に良かったって思ってるんだよ。だから、ごめんじゃなくて、ありがとう、って言って欲しいな」

 

「……うん! ありがと、アスカちゃん!」

 

アスカ

「こちらこそ、私と出会ってくれてありがとう、だよ。これからもよろしくね、燦ちゃん」

 

 

 こうして魔法少女アスカの活躍によって世界の平和は守られた。

 

 しかし、悪の組織『あるてま』の脅威が無くなった訳ではない。

 

 戦え、魔法少女アスカ! 負けるな、魔法少女アスカ! 

 

 世界の命運はキミたちの頑張り次第なのだから。

 

 

 

 

 

『駄作』

『祭ちゃん可哀想』

『小学生からやり直せ』

『悪の組織あるてまとか草だわ。怒られるぞ』

『妖精なのか黒猫なのかはっきりしろよ』

『ソング・オブ・ダークフェスティバル。サンライトブレイカー。……ぷぷっ』

『祭ちゃんは四天王の中で最弱なのです。面汚しなのですよ』

 

 

「なんでさーーーっ!?」

 

アスカ

「あはは。即興で書いたにしては、よくできていると思うよ。私は好きだな、燦ちゃんの小説」

 

「お前らが私の書いた小説がどうしても読みたい、ってせがむから仕方なく書いたんだが! だったら、もっと褒めろよ、ちやほやしろよ、そして甘やかせよ! うがぁーーーっ!」

 

 

 


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