あるてまれアスカちゃん劇場´ 作:立花アスカの偽猫
◆『赤ずきん燦ちゃんSOS』◆
燦
「今度、コラボで絵本の朗読をすることになったんだけど。アスカちゃんがよかったら、練習に付き合ってくれる?」
アスカ
「もちろん構いませんよ。因みに、なんの絵本を朗読するんですか?」
燦
「赤ずきんちゃんだよ」
アスカ
「赤ずきんちゃんですか。今からコラボが楽しみですね」
燦
「ありがとう。じゃあ、私が赤ずきんちゃんの台詞を読むから、アスカちゃんはそれ以外をお願いね」
アスカ
「はい、任せてください!」
燦
「………………こんな感じかな。ねぇ、どうだった?」
アスカ
「ん~、よかったと思いますよ。ただ、強いて言うなら、終盤の緊迫感が伝わるように、もう少し台詞に感情を込めた方がいいかもしれませんね」
燦
「そうかな? ……たしかに言われてみると、ちょっと照れがあって緊張感に欠けてたかも?」
アスカ
「意外と朗読は難しいですからね。では、時間もありますし。感情を込める練習を兼ねて、少しアレンジを入れて、このシーンからもう一回やってみましょう」
燦
「アレンジ? まぁ、アスカちゃんが言うなら、取り敢えずもう一回やろっか。おばあさんの耳は、どうしてそんなに大きいの?」
アスカ
「それはね、燦ちゃんの可愛い声をよく聴くためだよ」
燦
「あっ、アスカちゃん? 顔、ちかい……」
アスカ
「燦ちゃん、台詞読み中だよ。ほら、ちゃんと続けて?」
燦
「うっ、うん。……ど、どうしてそんなに目が大きいの?」
アスカ
「それはね、燦ちゃんの可憐な姿をよく見るためだよ」
燦
「あぅあぅ」
アスカ
「ほら、また止まってる。続き、読まないと」
燦
「はぅ、……ど、どうしてそんなに、くっ、口が大きいの?」
アスカ
「ふふっ、それはね?」
燦
「きゃっ。……え、私、なんでベッドに押し倒されてるの!?」
アスカ
「それはね。燦ちゃんを食べるためだよ」
燦
「あああアスカちゃん!? 食べるってその、あと、えっとっ、心の準備が……。あっ、まっ、ちょ、……はあぅ」
アスカ
「……なんてね。緊張感、出せましたか?」
燦
「ほぇ? ……むぅ~。た、たしかにドキドキはしたけど。こ、これは緊張とは別のドキドキだよ。もー」
アスカ
「ふふっ、そうでしたか? でも、これに懲りたら、悪いオオカミさんに騙されないよう、今後は気をつけないとだめだからね? 約束できる?」
燦
「う、うん。約束する。……でもそれじゃあ、相手がいいオオカミなら、食べられてもいいってことだよね?」
アスカ
「えっと、そういうことでは……」
燦
「アスカちゃんは、私を食べれるいいオオカミ?」
アスカ
「っ、私は……そのっ」
燦
「それとも、私を食べれない悪いオオカミ?」
アスカ
「ぁっ、ぅ~、……んっ。……燦ちゃんの、いぢわる」
燦
「えへへ、オオカミに食べられちゃった」
◆『燦家直送の名状しがたきもーの』◆
燦
「なんか食べ残しのましゅまろがいくつかあったから、今日はそれらを紹介していきます」
ましゅまろ ❒″ |
アスカ
「あの、もうそろそろ3月になるのですが……」
燦
「きゅ、旧正月なら……」
『食べ残しきちゃない』
『草ってそう』
『いや、食べ残しじゃなくて食べ忘れやんけ』
『旧正月も終わってるけどね』
『年賀状の出し忘れの件といいズボラというかなんというか』
燦
「そ、そんなことより年賀状だよ! えっと、どれだったかな? あった、今年の年賀状はこんな感じだよ」
『う、し?』
『どうして頭にたけのこ乗せてるの?』
『目がいやらしい』
『こっち見んなwww』
『製作時間5分』
燦
「たけのこじゃなくて角! 目、かわいいじゃん! あと、5分じゃなくて10分だし!!!」
『たけのこのこと角っていうのやめなー』
『そうだね。おじさん化してるときの黒猫の目みたいでかわいいね』
『それは誤差や』
アスカ
「実は、この年賀状は、書き直したものなんですよ」
燦
「そうそう。みんなに見せようと思ったけど、スキャナーが上手くいかなくてさ。せっかく可愛い牛のイラストが描けてたのに、お披露目できなくて残念だなー」
『ホントに?』
『証拠を見せろ』
『スマホのカメラで撮れば?』
『動画でもいいぞ』
『はよっ』
燦
「あれれ~、おかしいぞ~。カメラの調子が悪いなー。なんでだろー」
アスカ
「あ、あはは……。えっと、カメラの件は嘘ですが、本当に手描きの年賀状は存在してるんですよ」
燦
「あ、アスカちゃん!? その話はだめだってば!」
アスカ
「だけど、あまり評判がよくなかったので、紹介するにあたって、急遽ペイントソフトで書き直しをしたんだよね?」
『まじか』
『めっちゃ気になる』
『評判悪い方見せて?』
アスカ
「みなさんはこう言ってますが……。どうしますか?」
燦
「絶対に無理! 見せたら恥ずか死ぬからね!」
アスカ
「ふふっ、だそうです」
『じゃあ、どんな絵だったか教えて』
『感想どうぞ』
『ちゃんと牛だった?』
アスカ
「ん~。牛と言うよりは……、ス○ー、かな?」
『○プー!?』
『某画伯による、お○あさんといっしょの絵描き歌で有名なあの!?』
『あっ察し』
『見なくて正解だわ』
『危うくSAN値チェックが入るところだった』
燦
「そこまで酷くないが!? 酷くないよね、ね!?」
アスカ
「……さて、そろそろ次のましゅまろを読みましょうか」
燦
「アスカちゃんまで!? もーっ!!!」
◆『個人的には満点なので』◆
燦
「本日の配信は、私とアスカちゃんが審査員になって、リスナーの特技に点数をつけていきます」
アスカ
「募集は既に締め切っていますが、急なお願いにもかかわらず、たくさんのご応募ありがとうございました!」
『アスねこらぼの時間だぁぁぁあああ!!!』
『やべっ、応募間に合わなった』
『だからあれほど締め切りを確認しろと……』
燦
「では、最初の挑戦者はこの方です!」
アスカ
「あ、燦ちゃんのリスナーさんですね。さて、どのような特技を披露して頂けるのか、楽しみです」
『おぉー』
『上手だな』
『一発目からすごいのきちゃ!』
燦
「はい、という訳で披露してくれた特技は、ピアノ演奏でした。はい、みんな拍手!」
アスカ
「ぱちぱちぱち」
『8888』
アスカ
「とても素敵な演奏でしたね」
燦
「そうだね。思わず寝ちゃいそうになったもん」
『それは褒めてないぞ』
『起きろ黒猫!』
『こんな審査員で大丈夫か?』
燦
「な、何はともあれだよ。これは間違いなく10点満点をあげてもいいよね」
アスカ
「はい、私も満点だと思います!」
『満点やったー』
『最初から満点出して大丈夫なの?』
『後続にプレッシャーががが』
燦
「はい、次いくよ。続いての特技はこちら!」
『かわいい』
『アスねこてぇてぇ』
『いつもファンアート描いてる人じゃん』
燦
「特技はイラストを描くこと、という訳で、私とアスカちゃんのファンアートを送ってくれました」
アスカ
「ぱちぱちぱち。いつも素敵なファンアート、ありがとうございます!」
燦
「てか、ほんとにすごいよね。指とか服のしわとか、細かいとこまで丁寧に描いてくれてるし。あと、めっちゃかわいい!」
『これは満点だな』
『文句なしの満点』
『これは全員満点の流れかな?』
燦
「じゃあ、次、いくよ!」
『さくらんぼのヘタを口に入れて結ぶってwww』
『急に宴会芸になった』
『審査会場間違ってますよ』
燦
「あ、あはは。という訳で、特技は、口の中でさくらんぼのヘタを結ぶでした」
アスカ
「ぱちぱちぱち。この方は、舌がとても器用なんですね」
燦
「そうみたいだね。でも、この特技が役に立つことあるのかな?」
『それ言っちゃう?』
『キスが上手いとか』
『バカにしてる黒猫よりキスが上手いのは間違いない』
燦
「は??? 勝手な想像で決めつけないでくれる?」
『証拠を見せてもろて』
『で、実際どうなの?』
『経験者、つまりアスカちゃんなら分かるはず』
『審査員のアスカさん、得点をお願いします!』
『黒猫のキスは何点なの?』
アスカ
「えっと、あの、それは、そのっ……。し、審査員特別賞。かな?」
燦
「あ、アスカちゃん!? そこは真面目に答えなくていいから!」
『てぇてぇ』
『審査員特別賞は草』
『つまり満点ではないけど良かった的な?』
『えっこひいき! えっこひいき!』
『てか、キスしてることは否定しないんだね』
燦
「っ!?!?!?」
アスカ
「……はぁぅ」
燦
「あっあっ、つ、次! 次、いこっか!!!」
アスカ
「は、はい! そうしましょう!!!」
『アスねこの特技はてぇてぇを供給することに違いない』
『これだからアスねこは止められねぇぜ!』
『アスねこのてぇてぇはよく効くからね』
◆『不特技だから!』◆
燦
「なんやかんやあったけど、今日は色々な特技を見れて楽しかったね」
アスカ
「そうですね」
『楽しかった』
『ジェットコースター並みの落差があったけどね』
『親指が取れるマジックしてすまん』
『どんまい』
『俺は好きだったぞ』
アスカ
「最後は、リスナーさんの投票で選ばれた特技を振り返って終わりにしたいと思います」
燦
「みんなはどの特技がよかった?」
『やっぱりピアノかなぁ』
『にん○んっていいなの替え歌で、アスねこっていいなに1票』
『できれば黒猫とアスカちゃんの特技が見たい』
燦
「え、私たちの!? えーっと、アスカちゃんは、なにか披露できそうな特技ってある?」
アスカ
「ん~、そうですね。急にお披露目できそうな特技というと、以前お見せした燦ちゃんのモノマネくらいしか……」
燦
「あ、あれはもういいから!?」
『草』
『じゃあ、黒猫の特技は?』
『ぽん』
『マルクラの全ロス』
『炎上芸』
燦
「そんな特技はないが!?」
『え、あんなに上手なのに!?』
『黒猫の特技に1票』
『ノ』
燦
「あっ、お前ら! 私は対象外だって!」
『いや、対象だろ』
『そう言えば、概要欄の審査員が新サインになってるけど気づいてる?』
『新サインwww』
『これはぽん』
『満点特技です!』
燦
「……エ、ナンノコトカナ? ほら、ちゃんと審査員になってるじゃん? きっと目の錯覚だよ」
アスカ
「あ、あはは……。えっと。最後に燦ちゃんが特技をお披露目したところで、本日の配信はここまでとさせていただきます。ご視聴ありがとうございました!」
燦
「アスカちゃん!? あっあっ、こんな終わり方だとまた切り抜かれちゃうんだって!? ちょ、あっ、まっ!」
『お疲れさまでした』
『ばいにゃー』
『大トリに相応しい特技だったよ』
燦
「だから、特技じゃないから!?」
◆『言ったもん勝ち』◆
燦
「う~ん、特技かぁ」
アスカ
「まだ悩んでいるんですか?」
燦
「うん。だって、みんななにかしらの特技があるのに、私だけないのってなんか悔しいじゃん」
アスカ
「ん~、私はそんなことないと思うけどなぁ。燦ちゃんは、もう既に立派な特技を持ってますよ」
燦
「え、どういうこと?」
アスカ
「私は燦ちゃんに救われました。きっとリスナーのみなさんだって、多かれ少なかれ、燦ちゃんに元気を貰っているはずです。それって、誰にでもはできない、他人に誇れる立派な特技だと思いませんか?」
燦
「そう、なのかな?」
アスカ
「そうなんです。だから、燦ちゃんの特技は、きっと、たくさんの人たちを笑顔にすることなんだよ」
燦
「……えへへ、アスカちゃんがそう言ってくれるなら、そうなのかも。ううん、そうだったらいいな。……あぅ、でも人前で言うのは、流石にちょっと恥ずかしいかも」
アスカ
「ふふっ。じゃあ、二人だけの秘密にしておこっか?」
燦
「くすっ、それだと私の特技がまたなくなっちゃうよ」
アスカ
「ん~。じゃあ、特技を隠すのが特技というのは、どうかな?」
燦
「や、なにその実力隠してる系なろー主人公みたいな感じ!?、結局、それって特技を披露できないから、特技がないのと一緒だよね?」
アスカ
「あは、そんなことありませんよ。だって、誰にもほんとうのことが分からない、シュレディンガーの特技ですから。言ったもん勝ちです」
燦
「いや、言ったもん勝ちって……。恥ずかしくて言えないから、実質負けなんじゃ……。ねぇ、なんで目を逸らすの? アスカちゃん?」