あるてまれアスカちゃん劇場´ 作:立花アスカの偽猫
◆『ぐるぐる』◆
燦
「えっと、今日はゲーム配信の予定でしたが、ミャーチューブくんの調子が悪いので延期にします。みんなごめんね」
『りょ』
『仕方ないね』
『ミャーチューブくんさぁ』
『めっちゃぐるぐるしてる』
『ごめん。なんて言ってるか分からん』
『声が、途切れて、聴こえるよ』
『今ならなに言っても大丈夫そう』
燦
「あっ、じゃあこのまま配信終わるのもアレだし。30分くらい、私がなんて言ってるか当てるゲームしよっか!」
『配信続行助かる』
『発想の逆転的な?』
『ピンチをチャンスに変えてけ』
『実質ミャーチューブくんとのコラボだな』
『そういうとこ好きだぞ』
燦
「ちょっと待ってね。ネットで見つけたテキトーな文章から出題するから……これでいいかな? じゃあいくよ。大家さん、家賃は来月まで待って。賃貸ってやっぱつれぇわ」
『聞こえた』
『文章が草』
『聞き取れなかったの俺だけなの?』
『おとちんは聞こえた』
『え、お○んちん?』
燦
「言ってないが!? てか、そんな台詞、ぐるってても言う訳ないが???」
『いや、だって黒猫だし』
『この機会にぶちゃけてもおかしくないよね』
『俺たちは悪くないもん!』
『飛び飛びになってるから聞こえてもおかしくない』
『大家のお、家賃のちん、賃貸のちん』
『ミャーチューブくんも思春期だから(目逸らし』
燦
「や、絶対に嘘じゃん! そんな都合よく途切れる訳ないって!」
『嘘じゃないもん! ミャーチューブくんの仕業だもん!』
『もう一回言ってみれば?』
『逆にお○んちんって言ってみな』
『文章が悪かった。つまり選んだお前も悪い』
『じゃあ、代わりにこんなのはどう? あすは朝からすごい雪が降るでしょう』
燦
「これ読むの? あすは朝からすごい雪が降るでしょう。……聞こえた?」
『なんて?』
『ぐるってて聞こえなかった』
『ぱーどぅん?』
『聞こえた』
『アスカ好きって言った?』
燦
「だから、言ってないって。どこをどう聞いたらそう聞こえるのさ」
『草』
『え、聞こえたけど?』
『はい、私も聞こえました!』立花アスカ✓
『ほら、アスカちゃんも言ってるし』
『もう一回言って』
『恥ずかしがるなって』
『ミャーチューブくんのせいにしないでもろて』
燦
「はぁ。……はいはい、分かったって。ほんとはちゃんと聞こえてるくせに。まったくもう。言って欲しいなら、素直にリクエストしなよ。リスナーのみんなもアスカちゃんも大好きだよ。はい、これで満足した?」
『ぐるぐる』
『なんだって?』
『ガチでぐるってて草』
『???』立花アスカ✓
『あ、完全にミャーチューブくん逝っちゃったな』
『マジで聞こえなかった。最後なんて言ったの』
燦
「っ~、もー! 配信終わりっ!!! ばいにゃー!」
◆『瞳を閉じて』◆
燦
「じーっ」
アスカ
「燦ちゃん? そ、そんなに見詰められると、はっ、恥ずかしいよぉ」
燦
「あ、ごめん」
アスカ
「あの、もしかして私の顔になにか付いてますか?」
燦
「目と鼻と口?」
アスカ
「いえ、そういうことじゃなくて……」
燦
「くすっ、冗談だよ。えっと、つぶやいたーのトレンドに、Vtuberの瞳がみたいってあったから、アスカちゃんの瞳を見てたの」
アスカ
「そうだったんですか、よかったぁ。そういうことなら遠慮しないで、もっと近くでよく見てください」
燦
「あ、アスカちゃん?」
アスカ
「なんですか?」
燦
「えっと、顔。ちっ近くない?」
アスカ
「近くないよ」
燦
「で、でも……」
アスカ
「それに、……私も燦ちゃんの瞳を見たかったんだもん。……だめ、でしたか?」
燦
「あぅ。だだだめっじゃないけどっ……、は、鼻に鼻が当たってるし……」
アスカ
「ふふっ、当ててるんだよ」
燦
「あっあっ、んにゅぅ~」
アスカ
「あはは……、少しやり過ぎちゃったかな? あはっ、手で顔を隠してるけど、それじゃあ真っ赤になった耳は隠せてないよ。ふふっ、かわいい」
燦
「うぅ~、……アスカちゃんのいぢわる」
アスカ
「私のこと、嫌いになった?」
燦
「……ううん。すき」
アスカ
「あは、よかった。……瞳、閉じて?」
燦
「んっ……えへへっ」
◆『案件ください』◆
燦
「あっ、そうだ。アスカちゃん、聞いて! 私の好きなWeb小説が一周年なんだって!」
アスカ
「ほんとですか? わぁっ、一周年はすごいですね! おめでとうございます!」
燦
「だよね、ありがとう! 累計ランキングも14位だし、これはアニメ化も時間の問題かも!」
アスカ
「ふふっ、それは楽しみですね」
『唐突な宣伝。俺じゃなきゃ見逃してたね』
『もしかしてお金貰ってる?』
『草』
『前から好きだって言ってた小説だからセーフ!』
『人気作品ならアニメ化も夢じゃないな』
『Vtuberものだし、アニメ化したら声優案件来るかも?』
燦
「え、マジ?」
アスカ
「たしかに、小説の内容的にも、Vtuberを声優に起用してもおかしくないですね」
燦
「つまり、もしかしてもしかしちゃう?」
アスカ
「或いは、このアニメを切っ掛けに、声優さんがVtuberデビューするかもしれませんが……」
燦
「……や、まぁそれはそれで……うん」
『声優がなりきりVtuberデビューはありそう』
『公式なりきりはあり』
『架空のVがリアルでもVするのはヤバい』
『人気声優ならめっちゃ人気でそう』
『3D配信でハ○ヒダンス踊るぞ。俺は詳しいんだ』
『なんでだよwww』
『原作にそんなシーンないって怒られそう』
『カラオケ会たのしみ』
アスカ
「あ、あくまで可能性のお話ですから!? きっと燦ちゃんにもチャンスはありますよ!」
燦
「だ、だよね! という訳で、アニメ化の際には案件待ってます! 黒猫燦、黒猫燦をどうかよろしくお願いしますにゃ!!!」
『草』
『選挙かな?』
『にゃで媚びるな!』
『モブならともかく、声優でもないVTuberを採用するとは思えないが』
『でも、内容的に二期生なら素人でも違和感なくできそうじゃね?』
『流石に素人はないだろ』
『でもあの主人公ならむしろ素人の方がいけそうだし。ワンチャンあるかも?』
『まぁ、炎上癖があるうちは、企業も案件くれないと思うけどね』
燦
「うぐっ、たしかに。……善処します」
◆『アスカです。黒猫です。二人合わせてアスねこです』◆
5人全員を笑わせたらチャンネル登録100万人! 挑戦するジャンルは5つ 一発ギャグ・モノマネ・ショートコント・モノボケ・サイレント さぁ、1分間の持ち時間でクリアを目指せ!
ましゅまろ ❒″ |
燦
「うわっ、懐かしい」
アスカ
「たしか、100人の観客から選ばれた5人のうち、1~4ステージは3人以上、最終ステージでは5人全員を笑わせたら100万円が手に入るという番組ですよね」
燦
「そうそう」
『草』
『懐かしい』
『めっちゃ見てた』
『個人的にサイレントが難しいイメージ』
『またやんないかな』
『で、まずはどれに挑戦するの?』
燦
「挑戦しないが!? 逆に聞くけど、なんで挑戦すると思ったのさ」
『えぇー』
『今のは一発ギャグ?』
『芸人なら挑戦するでしょ』
『黒猫だし』
『チャンネル登録100万人目指そうぜ』
『サイレントは早めにクリアしたいね』
燦
「いや、一発ギャグじゃないし、アドバイスもいらないから!」
アスカ
「ふふっ、では、モノボケはどうですか?」
燦
「アスカちゃんも悪ノリしなくていいから!」
『ショートコント、配信』
『アスカちゃんボケだったのか』
『ナイスツッコミ!』
『草』
『草コメントが3人以上なのでクリアです』
『次のジャンルは?』
アスカ
「くすっ。う~ん、ではサイレントで」
燦
「……っ! ……っ!!!」
『強制ミュートwww』
『アスねこはコンビ名だった?』
『ミュートでもおもろいやん』
『コンビ芸助かる』
『100万人見えたな』
『二人でM1目指さないか?』
燦
「もーっ!!! この話題はここまで! 静かにしないなら配信終わるよ!」
『はい、しーん』
『草』
『サイレントだけに?』
『この場合、配信だけにじゃね?』
『てか、コメントだからそもそも静かなんだが』
『じゃあ、最後にモノマネください』
アスカ
「だから、しないが!? ふふっ、なんてね」
燦
「ア~ス~カ~ちゃ~ん。いい加減にしないと、めっ、だよ!」
アスカ
「あは、どうもありがとうございました!」
◆『難しんぶん』◆
燦
「ん~」
アスカ
「新聞とにらめっこして、どうしたんですか?」
燦
「あ、アスカちゃん。学校の宿題で、新聞を読んで小論文を書かないといけなくてさ」
アスカ
「なるほど。大学受験対策ですね」
燦
「そうみたい。でも、ネットでニュース記事はたまに読むけど、新聞はほとんど読まないから難しくて……」
アスカ
「そうだよね。最近は新聞を読む機会も減ってますし。記事によっては、前提となる知識がないと理解しづらいですからね」
燦
「あっうん。えっと、それもあるけど。……この段落の次って、どこを読めばいいのかなって」
アスカ
「……」
燦
「……いや、だって。新聞って独特な区切り方? してるから、どこがどうつながってるのか分かりづらいよね! ……って、私じゃなくてテレビでおばあちゃんが言ってたよ!」
アスカ
「えっと、じゃあそれっておばあちゃんの感想ですよね? 燦ちゃんはどうなんですか?」
燦
「………………にゃ」
アスカ
「……まずは新聞の読み方から勉強しよっか」
燦
「……はーい」