あるてまれアスカちゃん劇場´   作:立花アスカの偽猫

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あるてまれアスカちゃん劇場まとめ(21~25)

◆『私回文V化したわ』◆

 

「……」ぶつぶつ

 

 

アスカ

「燦ちゃん?」

 

「すみでミス。トマト的。う~ん、だめだ!」

 

 

アスカ

「さっきからずっと考え事してるみたいですが、どうしたんですか?」

 

 

「きのうの配信のことなんだけど、次のコラボで回文クイズすることになってさ。それで、練習のつもりで回文を考えてるんだけど、全然思いつかなくて困ってたんだよね」

 

 

アスカ

「それは大変ですね。私に手伝えることはありますか?」

 

 

「のーとがあったら貸して貰おうかな。こういうのって書いた方が浮かびそうな気がするし」

 

 

アスカ

「分かりました。えっと、使ってないノートが確かこの辺に……」

 

 

「しんぴんじゃなくていいよ。何なら切れ端みたいなのでもいいから」

 

 

アスカ

「えっと、それならルーズリーフでもいいですか?」

 

 

「るーずりーふでいいよ。ありがと、アスカちゃん」

 

 

アスカ

「どう致しまして。あ、鉛筆とシャープペンシルのどっちを使いますか?」

 

 

「しゃーぺんかな」

 

 

アスカ

「分かりました。そう言えば、次のコラボまでどれくらいの猶予があるんですか?」

 

 

「のこり二日はあったはず。土日のどっちかで、都合の合う日にやるって話だから」

 

 

アスカ

「そうですか。それならオフコラボじゃないみたいですし、折角なので燦ちゃんの隣で応援しようかな?」

 

 

「き、緊張するからそれは止めて……」

 

 

アスカ

「そっか、残念。それじゃあ燦ちゃんが回文クイズを頑張れるように、すっごいご褒美を用意して待ってますね」

 

 

「すっごい、ご褒美?」

 

 

アスカ

「そうです。頑張ったご褒美に、燦ちゃんのために買った、こっこれ、着て待ってるから」

 

 

「……ごくりっ」

 

 

 

 

 

後日

 

 

 

 

 

アスカ

「回文クイズで負けちゃった燦ちゃんを励ましたくて、恥ずかしいけど穿いてみたの。……どう、かな?」

 

 

「……だめだ」

 

 

アスカ

「え、えぇ!? 燦ちゃん、しっかりしてください!」

 

 

「中身、下着、すご過ぎた。しみかな」

 

 

アスカ

「染みじゃなくて燦ちゃんの鼻血ですよ!」

 

 

「既にデス」

 

 

アスカ

「燦ちゃん、気を確かに! わっ、えっと、あっ。今、楽な態勢にしますから! 太ももに頭を乗せてください」

 

 

「ショーツ、お、よし」ガクッ

 

 

アスカ

「燦ちゃん!? ……気を失っちゃったみたい」

 

 

「うぅん」

 

 

アスカ

「今日はお疲れ様でした。ゆっくり休んでくださいね」

 

 

「……猫もこもこ猫もこもこね」

 

 

アスカ

「あは、寝言まで回文になってる。可愛い。……誰も見てないし、これくらいのご褒美は、あげてもいいよね?」

 

 

「……んぅ、ぅ」

 

 

アスカ

「あは。燦ちゃんに、私のこの回文(すきのしるしのきす)が分かるかな?」

 

 

 

 

 

◆『恋文事件』◆

 

アスカ

「あはは……。恋文、貰っちゃいました」

 

 

「は?」

 

 

アスカ

「その、一人で読むのは恥ずかしいので、付き合ってくれませんか?」

 

 

「……分かった。アスカちゃんにふさわしい相手かどうか、私が見極めるよ」

 

 

アスカ

「よかった。ありがとうございます。それでは読みますね」

 

 

 

『アスカへ』

 

 

 

「は? はい、だめー。いきなり呼び捨てとか陽キャじゃん。絶対女遊びしてるし、そんな奴にアスカちゃんはあげませーん」

 

 

アスカ

「まぁまぁ、落ち着いてください。もー、まだ本文にすら入ってないのに。続き読みますよ」

 

 

 

『突然のお手紙で驚いたことでしょう。

 ですが、アスカを想う俺の気持ちは日に日に大きくなっていき、どうしてもこの内に秘めた想いを打ち解けたくなり筆を執った次第です』

 

 

 

「は? は??? 前置き長すぎ。てか、いつもウェーイしか言わないくせに、取り繕った文章が生理的に無理だから」

 

 

アスカ

「燦ちゃん。会ったこともない人を悪く言うのはよくないよ」

 

 

「で、でも!」

 

 

アスカ

「めっ!」

 

 

「うーっ、うぅーっ。やっぱり無理! アスカちゃんは誰にも渡さないから! こんなものっ!」

 

 

 

アスカから手紙を奪い取った燦がビリッビリッと破り捨てる

 

 

 

アスカ

「さ、燦ちゃん!? あ、お手紙が……」

 

 

「アスカちゃんは私だけ見てればいいの! 分かった!」

 

 

 

壁際に追い込み壁ドンをする燦

 

 

 

アスカ

「きゃっ!? ……は、はぃ」

 

 

「アスカ……」

 

 

アスカ

「燦、ちゃん……」

 

 

 

二人の顔が徐々に近づいていき、そして……

 

 

 

 

 

アスカ

「なんて、きゃーーーっ! えへ、えへへっ。もー、燦ちゃんったら大胆だよぉ!」

 

 

「どうかしたの!?」

 

 

アスカ

「ひゃんっ!? え、燦ちゃん。どうしてここに!?」

 

 

「忘れ物したから合鍵でお邪魔してて、さっき悲鳴が聞こえたから慌てて駆け付けたんだけど……、良かった。無事みたいだね」

 

 

アスカ

「は、はい。そのっ、ご心配をお掛けしたようで、ごめんなさい」

 

 

「ううん、アスカちゃんが無事なら別にいいよ。えと、それって手紙だよね。もしかして脅迫文!?」

 

 

アスカ

「えっと、そのっ、違くて(ネットのアドバイスを参考に、燦ちゃんに嫉妬して欲しくて、自分宛てに恋文を書こうとしていたなんて言えないよぉ)」

 

 

「あ、分かった! ファンレターだね。私も事務所宛てに届いたのをよく貰ってるんだよね」

 

 

アスカ

「……え? あ、はい! そうなんです。ファンレターなんです。ただ、読んでいたら恥ずかしくなって、つい悲鳴を上げてしまったんです!」

 

 

「あぁ~、分かる。私も枕を抱きしめてごろごろすることあるもん」

 

 

アスカ

「あは、褒められて照れちゃう燦ちゃん可愛いです」

 

 

「うぅっ、恥ずい。……あれ、そう言えば事務所にファンレターが届くのは分かるけど、アスカちゃんって個人勢だし、自宅の住所とか公表してなかったはずじゃ……」

 

 

アスカ

「あっ」

 

 

「え、もしかして身バレ!? あわわわっ!? どうしようどうしよう。えと、えと、そうだ! マネージャーさんなら対処法とか知ってるかもっ!」

 

 

アスカ

「あ、あのっ、待って! 燦ちゃん、お願いだから話を聞いてください!」

 

 

 

その後、大事になる前に出来心から自作自演しようとしていたことを告げることになり、しばらくの間、罪悪感と羞恥心からまともに顔を合わせることができなくなるアスカであった。

 

 

 

 

 

◆『ビキニと言えば?』◆

 

「この間はアスカちゃんが私の水着を選んだから、今日は私がアスカちゃんの水着を選んであげる」

 

 

アスカ

「えっと、お手柔らかにお願いしますね」

 

 

「うーん、アスカちゃんはスタイルがいいし、やっぱりビキニかな?」

 

 

アスカ

「あんまり露出が多いのは、その、恥ずかしいので……」

 

 

「それなら、……あっ! これ、これがいい! アスカちゃんには絶対に似合うから!」

 

 

アスカ

「え、えぇ!? これですか!」

 

 

「あの伝説の貝殻ビキニだよ! アスカちゃんが着てるとこ見たい見たい!」

 

 

アスカ

「はぅ、でっでもこれは流石に……」

 

 

「十秒、いや一瞬だけでいいから! 冥途の土産にしたいの。少しだけ、チラッと見るだけで満足する!  おねがいおねがい!」

 

 

アスカ

「あ~、う~っ。……燦ちゃんが、そこまで言うなら」

 

 

「やった! アスカちゃん大好き!」

 

 

アスカ

「で、でも試着するだけですからね! 今後は絶対に着ませんから!」

 

 

「うんうん、約束する。ほら、早く早く!」

 

 

アスカ

「も、もー。………………仕方ないなぁ」

 

 

「ど、どう!? 着れた? もう開けていい!」

 

 

アスカ

「ま、待ってください。…………は、はい。……いいですよ」

 

 

「ふわっ、……綺麗」

 

 

アスカ

「さっ燦ちゃん。はやく、早く閉めて、くださぃ」

 

 

「はぁはぁ、うん。……もっと近くで見ていい?」

 

 

アスカ

「……んっ。今日だけ、だよ」

 

 

「はぁ、っ、はぁ。アスカちゃんの白い肌、赤くなってきてるよ」

 

 

アスカ

「ぁ、……んぅ、燦ちゃんが、そんなに、見詰めるからぁ」

 

 

「貝殻、めっ捲るよ? いいよね?」

 

 

アスカ

「あっ、……だめぇ。見ちゃ、あぅ、んぅ……」

 

 

 

 

 

『お客様、ご試着はお済みでしょうか? 次のお客様がお待ちでして、お済みでしたら申し訳ありませんが交代して頂きたいのですが、どうでしょうか?』

 

 

 

 

 

アスカ

「は、はひっ!? すぐに代わります!」

 

 

「……はぁ。いいところだったのに」

 

 

アスカ

「さ、流石にここじゃだめだよ」

 

 

「うーっ」

 

 

アスカ

「……もー、仕方ないなぁ。二人っきりのときに、また着てあげますから。折角のお買い物なんですよ。機嫌直してください」

 

 

「……ほんとに!?」

 

アスカ

「はい。ですから、この後は真面目に水着を選んでくださいね。約束ですよ?」

 

「うんっ!」

 

 

 

 

 

◆『理想は現実』◆

 

アスカ

「つーん」

 

 

「えと、アスカちゃん? なにか怒ってたりする?」

 

 

アスカ

「怒ってないもん。拗ねてるだけだもん」

 

 

「拗ねてる? え、なんで?」

 

 

アスカ

「燦ちゃんの理想の女性じゃないことなんて、全然、これっぽっちも、気にしてませんしぃ」

 

 

「うっ、それは……」

 

 

アスカ

「燦ちゃんは自分が好きなんですよね。私なんて眼中にないくらいに」

 

 

「あぅあぅ。えと、違くって……」

 

 

アスカ

「じゃあ、私のこと、どう思っているんですか?」

 

 

「アスカちゃんのことは、そのっ、……うぅ~」

 

 

アスカ

「どう、思ってるか。燦ちゃんの口から、聞きたいな?」

 

 

「すぅ~はぁー。……好き。理想の女性とか関係なく、一人の女性として、大好き」

 

 

アスカ

「ふ~ん。でも、燦ちゃんは可愛い女性Vtuberが大好きだもんね。私への想いも、お遊び、ってことかな?」

 

 

「うぅ~、……ちゃんと好きだもん」

 

 

アスカ

「どれくらいですか?」

 

 

 

 

 

選択肢

『彼氏になりたいくらい』←

『彼女になりたいくらい』

『は? めんどくさい女だな。ちょっと黙れよ』

 

 

 

 

 

「彼氏になりたいくらい」

 

 

アスカ

「じゃあなんで理想の女性に選んでくれなかったの? 酷いよ、燦ちゃん!」

 

 

ぴぃ!

 

 

 

 

 

BAD END『理想の女性に選ばれなくて……』

 

 

 

 

 

「……え、刺されたんだけど。このアスカちゃん過激すぎない?」

 

 

アスカ

「あはは……。ヤンデレなアスカちゃんに愛され過ぎて夜も8時間しか眠れない黒猫さん、ってタイトルですから。仕方ないかと」

 

 

「苦笑いしてる場合じゃないからね!? てか、ノベルゲームを作ったので感想くださいって話だけど、なんで私たちをモデルにしたヤンデレものなのさ! 開始五分も経ってないのに、ノベルゲーなのに既に五回も死んでるんだが!」

 

 

アスカ

「あ。……彼女になりたいくらいでもだめでしたね」

 

 

「は? いやいやっ、なんで一番ない選択肢が正解なのさ!」

 

 

アスカ

「えっと、壁ドン、アゴクイ、仲直りのキス。という流れみたいですね」

 

 

「……ないわー。そもそもさ、理想の女性をテーマにしたらしいけど、そこでヤンデレを選んでる時点でないよね」

 

 

アスカ

「それじゃあ、燦ちゃんの理想の女性はどんな感じなんですか?」

 

 

「え?」

 

 

アスカ

「教えて、欲しいな?」

 

 

「えっと……」

 

 

 

 

 

選択肢

『もちろんアスカちゃんだよ』←

『だから、私に決まってんじゃん』

『は? めんどくさい女だな。ちょっと黙れよ』

 

 

 

 

 

「もちろんアスカちゃんだよ」

 

 

アスカ

「……ふーん。でも、昨日はそんなこと言ってくれなかったよね。みんなの前じゃ言えないってことは、やっぱり私のことは遊びだったんだ。……酷いよ、燦ちゃん」

 

 

「あ、アスカちゃん。なんで包丁を持って、やっ、やめっ、……ぴぃ!?

 

 

 

 

 

BAD END『理想の女性だなんて、嘘つき……』

 

 

 

 

 

「え、また刺されたんだけど。クソゲー過ぎない?」

 

 

アスカ

「あはは……」

 

 

 

 

 

◆『七夕にお願い事』◆

 

アスカ

「今日は七夕なので、織姫に倣ってポニーテールにしてみました。似合ってますか?」

 

 

「すごくいいと思う! 触っていい?」

 

 

アスカ

「はい、どうぞ」

 

 

「ふぁ~、髪さらさらでシルクみたい。握った感触も癖になるし、それに、揺れる度にアスカちゃんの香りがする。……ふぅーっ」

 

 

アスカ

「きゃっ!? もー、いたずらするなら触らせてあげませんよ」

 

 

「うぅ、ごめんなさい。うなじが綺麗だったから、つい。謝るから、もっと近くで見てもいい?」

 

 

アスカ

「も、もー。……仕方ないなぁ」

 

 

「ありがと、アスカちゃん!」

 

 

アスカ

「んぅ、……燦ちゃん。鼻息が、んっ、くすぐったいよ」

 

 

「すんすん。そんなこと言いながら、しっぽふりふりして、誘ってるのかな?」

 

 

アスカ

「やっ。そんな、つもりじゃ……」

 

 

「大丈夫、優しくするから。だから、今日は私だけの織姫でいろよアスカ」

 

 

アスカ

「……はい。私の彦星さま」

 

 

 

 

 

「むにゃむにゃ、……アスカちゃん。ふへっ、ふへへっ」

 

 

???

「いや、サンタに『アスカちゃんともっと仲良くなりたい』って願い事されてもね。今、七月だよ。それにクリスマスツリーは短冊を飾る笹の代わりにはならないからね。……まぁ、今日は七夕だし、一日くらいなら良い夢見させてあげるけどさ。今回だけだよ、ホント」

 

 

 


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